現代エルフ1 
 
*** 
 
いま俺は、とある遺伝子合成体を扱う会社の注文ロビーにいる。 
ある程度のメニューを用紙に記入した後、それを元に 
ゲノムアドバイザーと細かい仕様を口頭で打ち合わせているところだ。 
「この胸のカップなのですが、厳密にはアンダーからトップの…」 
細かい説明を受けながら、俺はいらだちを隠せない。 
まずなぜこれだけ周りに人がいる所で好みの胸のサイズや、 
陰毛の薄さなどを語りあわなければならないのか。 
「当社では様々なお客様の要望に合わせるため、具体的な…」 
そして一番の問題は、なぜアドバイザーが女なのかという事だ。 
体格はヨーロッパの白人女性ベースで身長は156cm、 
胸が小さく童顔で目は大人びなた感じ。 
女性器はこうで、色はこう、匂いは…って 
これじゃまるで羞恥プレイだ。 
俺はまどろっこしい設問に答えるのをやめ、ついに爆発した。 
「だから違うんですよ、エルフなんですって。 
 華奢なんですよ、幼いんじゃなくて小柄なんです、わかりませんか? 
 肌が透けるように白い普通のエルフなんです。 
 希望なんです、ファンタジーなんですよ!」 
注文ロビーが一瞬静まり返る。 
やってしまった。 
つい興奮して立ち上がり、大声で叫んでしまった。 
俺は柔らかいソファーに腰を沈めて、小さくなった。 
「あ、それならそうと言っていただければ。 
 …はい、エルフですね、すぐにモデルタイプをお見せいたします」 
あるならとっととそうしろ。 
俺は両手で顔を覆ったまま頷いた。 
 
1か月ほど待てば家に搬送されると聞いていたので、 
俺はその日の前後5日間、つまり10日間をすべて有休にした。 
休みの間は狭いワンルームから一歩も出ず、使い果たした貯金からなんとか 
買い置きした食料で細く長く食いつながなければいけない。 
もちろん到着の際に家にいたいという願望もあったが、 
実は何もかも手に付かないというのが本当の話だった。 
有給3日目の夕方、それは徹夜3日目の夕方でもあったが、 
ついに巨大なクーラーボックスが到着した。 
予定通り5日目なら俺は寝不足で死んでいただろう。 
俺はわななく手で梱包をほどき、 
月明かりの中、携帯の説明書よりはるかにブ厚い冊子に目を通す。 
 
 ***取扱説明書*** 
 
 ・解凍までに約6時間かかります。 
  クーラーボックスから素体を出した後、常温で解凍してください。 
  なお… 
 
俺は説明書を放り投げ、 
すぐさまクーラーボックスの蓋を開けた。 
確認したいことは山ほどある。 
確か俺がつけた注文は1000項目を超えていたはずだが、 
ポイントになる部分はそれほどあるわけじゃない。 
ドライアイスのような物体をシンクへ放り投げ、 
何重にも包まれた硬いビニールを力づくで引き裂いていく。 
カッターや鋏を使ってもいいが、中の少女に傷を付ける恐れがあるからだ。 
 
少しずつあらわになっていく肢体に、俺の胸は高鳴っていく。 
まず薄い脂肪に覆われた引き締まったお腹が見え、 
次に手のひらで簡単に覆ってしまえそうなほど控え目な胸が見えはじめる。 
乳輪は小さく乳首も小さくとがって色はごく薄い赤。胸元には小さなほくろがひとつ。 
触れば折れてしまうような鎖骨を眺めて俺はうっとりとする。 
しばらく見惚れた後、俺はそのまま顔の方のビニールもゆっくり破いていく。 
細い首にうっすらと見える静脈、小さな顎に続いて乳首と同じ色の愛らしい唇。 
鼻は細く突き出し、鼻の穴は小さすぎて指が入りそうもない。 
目は閉じられているので瞳の色がわからないが、 
指定通りならエメラルドグエリカの筈で、切れ長のつり目が少し大人びて見えた。 
閉じられた長いまつげには霜がかかり、キラキラと光っている。 
染色されたのとは違う金色の髪の毛が少し広めの額にかかり、 
冷凍されているせいなのか固まって張り付いている。 
そうだ、耳だ。 
これがなければこの少女は単なる大人びた中学生にしか見えない。 
顔の脇にある耳を見るために俺は硬いビニールを慎重に破った。 
あった。 
小さく長い耳が霜に覆われてそこにあった。 
この子はエルフだ。 
俺は感動と3日間の徹夜からめまいを起こし、 
そのままクーラーボックスに倒れ込んだ。 
 
*** 
 
「おい、しっかりしろアズミ」 
身体を揺さぶられる感覚で俺は意識を取り戻す。 
「目を覚ましてくれ、ここはどこなんだ。 
 おいアズミ、何があった」 
「あ、うん…」 
目を開けると、裸の少女が俺の肩を掴んで揺さぶっている。 
俺は慌てて飛びのいた拍子にテレビ棚に腰をぶつけた。 
「無事か、奴らに何かされてないか?」 
俺は無意識に自分の身体を触る。 
当たり前だが、別にいつもと変わりはない。 
「大丈夫みたい…」 
「そうか。 
 ここは牢獄か? 私達は捕まってしまったのか?」 
エルフの少女はクーラーボックスから毅然と立ち上がり、 
俺の部屋を見回している。 
そりゃあ確かにこの部屋はせまいかもしれないが、 
牢獄と言うほど酷い場所でもない筈だ。 
いや、今はそんな事より大事な事がある。 
「め、目が覚めたのか!」 
俺は改めて驚いた。 
いつの間にか6時間経って、すでに夜になっていたのだ。 
「ああ、良くわからないが赤の魔女に何かされたようだな。 
 つまりここはヤツの腹の中という事か…。 
 どうせ無駄だろうが抜け道の精霊を呼んでみよう」 
そう言うとエルフ少女は空中に手をかざし、謎の詠唱をはじめた。 
なんだなんだ。 
一体これはどういう設定になっているんだ。 
俺は放り投げた説明書を探してページをめくる。 
どこだ。 
どこに設定が書いてあるんだ。 
「くっ、そういうことか。 
 …アズミ、私の魔力は封印されてしまったようだ。 
 お前の方は何かないか?」 
このエルフ少女が先ほどから呼びかけている 
"アズミ"というのは俺の名字だ。もちろんカタカナではなく漢字で安住と書く。 
「何かって…。 
 ここは俺の部屋なんだけど」 
「ここがお前の…? 
 アズミはエルグスタの王子だろう、なぜこんな汚い牢獄にいるんだ?」 
俺は卒倒しそうになる。 
なんだ王子って。俺はそんな厨二っぽい注文をした覚えはない。 
焦りながら説明書をバラバラとめくるが、 
設定に関する資料は出てこない。 
「…何を読んでいる?」 
エルフ少女は俺の手元にある取扱説明書に気がついたようだ。 
まずい。 
これを見られるのは何かまずい気がする。 
だが一足遅く、説明書は奪い取られてしまった。 
「これは魔導書か…?」 
「そ、それを見ちゃ駄目だ」 
俺は説明書を奪い返すためにエルフ少女の腕を掴んだ。 
彼女も奪い返されまいと俺の身体を押し返し、揉み合いになる。 
そしてそのまま安物のパイプベッドに二人とも倒れ込んだ。 
「…なになに…これは何語だ…? 
 おいアズミ、この言語が読めるのか」 
まさか日本語が読めないのだろうか。 
だとすれば、この説明書を見られても何ら問題ないが、 
いつまでも渡しておくのは気分的に嫌だった。 
「こ、これは古代人の魔導書なんだ。 
 そう、そうだよ、だからお前にも読めるわけないんだよ」 
とっさに意味不明の嘘をついてしまった。 
なんだ古代人って。 
あれか、昔嫌と言うほど読み漁った超常現象本の後遺症なのか。 
だがエルフ少女はあっさりと納得したようだ。 
しきりに感心したような口ぶりで俺を褒めはじめる。 
「ふむ、アズミにこんな技能があったなんて驚きだな」 
俺はエルフ少女とベッドの上でもつれあったまま、 
説明書を奪い返し、それを部屋の隅へ放り投げる。 
後でエロ本の隠し場所よりも厳重にしまっておこう。 
「アズミ?」 
「な、なんだい…?」 
「…私の名前はなんだ?」 
「な、名前ぇっ!?」 
まだ名前がなかったのか。 
そういえば確かにこの少女の名前を決めた記憶がない。 
爪の形やほくろの位置まで細かく注文をつけておきながら、 
俺は彼女の名前をまったく考えていなかった。 
「どうやら魔力を封じられた時に、 
 名前も奪われているようだ。 
 アズミならわかるだろう、私の名前はなんだ?」 
俺は頭をフル回転させて色々と考える。 
例えば彼女とスーパーに買い物に行ったとする。 
野菜コーナーにあるネギを取ってもらう時に彼女の名を呼ばなくてはならない。 
そうだ。あまり恥ずかしい名前を付けると、 
俺はネギどころかジャガイモや人参ですら取ってもらう事ができない。 
かと言って和風な名前だとエルフ少女が台無しだ。 
「えり…」 
「エリ…?」 
「エリカ、そう、エリカだよ! 
 お前の名前はエリカだ!」 
エルフ少女は小首をかしげて小さく何度もつぶやく。 
俺は吸い込まれるように小さな淡いピンク色の唇が動くのを眺めた。 
「確かに私はそう呼ばれていた気がする。 
 エリカ…、ありがとう思い出せた」 
どうやら気に入ってもらえたようだ。 
「ところでアズミ」 
「な、なんだ?」 
「私は何も身に纏っていないのだが、 
 もしかしてこのまま襲うつもりか?」 
俺は改めてベッドに横たわるエルフ少女エリカの裸体を眺める。 
冷凍されていたときは可憐な人形のようだったが、 
今は胸元や引き締まったお腹に赤みがさし、 
可憐なエルフに生まれ変わっていた。 
「今更何を臆す? 
 初めて見たというわけでもないだろう」 
「あ、うん。そうだったな」 
初めてどころか、俺は生まれて29年間一度も女の裸を見た事がない。 
俺は穴があくほどすべてが華奢に作られた身体を見つめた。 
「…するのか?」 
してもいいのか? 
そう聞き返そうと思ったが、寸前でその言葉を飲み込んだ。 
 
*** 
 
手早く服を脱いでそれらを脱衣カゴに放り込み、俺も裸になった。 
この子の前でトランクスまで脱ぐのは恥ずかしかったが、 
どうせこれからもっと恥ずかしい事をするのだ。気にしてはいられない。 
そのままエリカに覆いかぶさり始めてのキスをする為に顔を近づけながら、 
今度は別のある事を思い出した。 
そういえば俺は朝、歯を磨いたか? 
いや、磨いていない。それどころか昨日は風呂にも入っていない。 
「シャ、シャワーでも、浴びないか?」 
「シャワー…?」 
一度も聞いた事がない言葉だと言わんばかりに、エリカは小首をかしげる。 
なんてことだ。彼女はシャワーも知らないのか。 
いくら本格的なエルフを望んだからって、現代の常識くらい教えておいて欲しかった。 
「水浴びだよ、ほら、お湯の水浴びっていうか…」 
エリカは不思議そうな顔をして俺を見つめている。 
湯浴みと言えばそれでよかったのだろうが、 
テンパっていた俺にはその言葉がどうしても思い出せなかった。 
「何をいまさら…」 
エリカは俺の頭をがっしりと掴み、そのまま自分の唇へ誘導する。 
そのまま互いの口が触れたかと思うと、エリカは俺の唇を 
美味しいごちそうでも食べるようにねぶりはじめた。 
俺の歯の隙間から強引に舌を差し込み、お互いの舌をからみ合わせる。 
キスってこんなに気持ちいいものだったのか。 
俺は感動と快楽で緊張がほぐれ、次第に飲み込まれていくように感じた。 
長いキスが終わると、エリカは不審そうに形の良いまゆを寄せる。 
「今日はどうかしたのか?」 
「う、うん。なんかよくわからなくて…」 
「そうか? 
 それにしてはここはいつも通りみたいだが」 
そういうとエリカは片足をすこし持ち上げて、 
細い太ももをこすりつけるようにして俺の男性器を何度もつつく。 
気持ちいい。気持ちよすぎて、もう爆発してしまいそうだ。 
俺は慌てて身体を少しずらしてエリカの太ももから逃れようとする。 
「俺も記憶がなくなったのかも」 
そうだ、記憶がないという事にしよう。 
これなら俺が童貞だとばれはしまい。 
「それなら私がしよう」 
エリカは俺を仰向けに押したおした後、くるりと上にまたがった。 
 
 
電気の消えた部屋に月明かりがさしこみ、 
エリカの小さな身体が闇の中に映し出された。 
間違いなく絶世の美少女といってもいい筈だが、 
暗闇の中なので近づかないと良く見えない。 
エリカは無言で身体を倒し、俺の首すじに唇をよせた。 
熱い吐息がかかり、くすぐったい。 
「こうしてやると、お前はよく身体を震わせたものだ」 
そういうと首筋から耳の裏側に向かって舌を這わせはじめた。 
自分の意志とは別に身体が快感で跳ね上がる。 
「私はお前の身体の事ならば何でも知っている。 
 男のくせにここが弱い事もな」 
エリカの細く小さな指が、自分の乳首にかるく触れた。 
背中を柔らかい羽でなでられたような衝撃が突き抜けてゆく。 
なんて奴だ。 
見た目は子供同然のくせに、本当に俺の性感帯を熟知している。 
というか俺だってこんなこと知らなかった。 
「んー? 
 今日はまだあの可愛い声をあげないのか?」 
嬉しそうにくすくすと笑いながらエリカは俺の顔を覗き込む。 
ちくしょう、絶対に声なんて出すものか。 
俺は顎を噛みしめ、口を閉じた。 
エリカは不敵な笑みを浮かべながら顔を下の方へずらしていく。 
乳首になにか温かいものが当てられた。 
唇だ。 
そのまま彼女は乳首を口に含み、 
何か別の生き物のように、うねうねと舌で転がしはじめる。 
身体の奥から叩きつけられるような快感が押し寄せてくる。 
俺はエリカの長い耳が舌の動きに合わせて動くの見つめ、 
気を紛らわせようとしたが、彼女は余った手で俺の男性器を掴むと、 
絶妙な力加減で上下にしごきはじめた。 
「うぅ…あっ」 
自分の喉から勝手に声が出てしまう。 
しかももうでてしまいそうだ。 
俺はエリカの華奢な肩を力強く抱きしめ、 
生暖かい精液を俺の腹に勢いよくぶちまけた。 
 
「昨日もしたというのに、すごい量だな」 
ああ、昨日も俺はこんな事をしたことになっているのか。 
嬉しいという感情よりも羨ましいという感情が先に芽生えてくる。 
「するまで我慢できなかったのか?」 
「するまで…?」 
それはつまりあれか、セックスって奴の事か。 
「私の中で果てるのが、お前の好みだろ?」 
中で果てる…、冗談だろ…? 
「エ、エリカは114歳だよな」 
「…よく覚えているものだ、 
 私ですら数えるのを止めてしまったというのに」 
それは俺が設定した年齢だ。 
だが見た目はそうじゃない。 
向こうで設定を色々と考えている時は大して感じなかったが、 
実際に俺の上で好き放題しているエリカを見ていると、 
こんな子供に中で、その、性交っていうかセックスをして、 
あまつさえ中でだしてしまってもいいものか考えてしまう。 
そんな考えをよそに、エリカは俺の腹の上に出された精液を 
丹念に舐めとっている。 
ここまでの動作にはよどみがなく、 
随分と昔から二人で楽しんできたかのように慣れているようだった。 
エリカは腹の上にばらまかれた精液を綺麗に舐めとったあと、 
俺のそれの先端に唇を当て、中に残ったものまで吸いだしている。 
「私が上でいいのか?」 
喉を鳴らして俺の精液を飲み込み、 
エリカは切れ長の目に月の光を反射させて俺を見つめる。 
しかし彼女に植えつけられた記憶とは違い、俺は全くの未経験者だ。 
ここは記憶喪失のふりをして、すべてお願いする方がいい。 
「頼むよ、まだ記憶があいまいなんだ」 
「…アズミは私を上にするのが好きだったな。 
 まあそういう事にしておこう」 
そう言うと彼女はもう一度俺の上にまたがった。 
 
俺は彼女を愛撫していなかったが、 
どうやら十分そこは濡れているようだった。 
暗くてよく見えなかったが、もしかしたら自分で愛撫をしていたのかもしれない。 
エリカは手際よく俺のそれを局部にこすりつけて愛液を塗りたくると、 
ゆっくり腰を沈め始めた。 
熱い。 
中は信じられないほど熱く、自分のそれが溶けてしまいそうだ。 
同時に今まで体感したことのないような快感がそれを締め付ける。 
想像していたのとはまったく違い、膣内は柔らかくそして力強く俺を圧迫した。 
「もう…果ててしまいそうなっ…顔だなっ」 
エリカの表情が今までと変わり、辛そうに見える。 
彼女も感じているのだ。 
そうとわかればいくら童貞だからといって、軽々しく射精するわけにはいかない。 
「エリカだって感じてるんだろ?」 
「感じてなどっ…いないっ…」 
嘘だ。 
自分からゆっくりと腰を動かしながら、エリカは小さく喘ぎはじめている。 
俺は手を伸ばして、その小さな胸に軽く触れた。 
「んんっ…ばかっ…やめろっ…」 
そうだ、俺はエルフ少女の性感帯を決める際に、 
めんどうだからと全ての部位にチェックを入れたのだ。 
つまり俺がエリカのどこを触れようと彼女は抗うすべはない。 
彼女は全身が性感帯なのだ。 
片手はそのまま胸を愛撫し続け、 
もう一方の手で腰のあたりをなでる。 
すると彼女は動きを止め、身体を震わせはじめた。 
「もうイきそうなのか?」 
「違うっ…、違うのっ…」 
どうも先ほどまでと口調が変わった気がする。気のせいだろうか。 
俺は下から無理やり腰を動かしてエリカを突きあげた。 
「だめなのっ…まって…まってよぉ…」 
やっぱり感じると口調が見た目通りに変わるようだ。 
彼女は俺の胸に倒れこんで肩をつかみ、必死に耐えようとしている。 
腰を打ちつけるたびに真っ赤に染まった長い耳が揺れて、 
俺は思わずその耳を唇で挟むように口づけした。 
「んっ…んっ…もうっ…やだっ… 
 そんなっ…だめなのっ…っ 
 一緒にっ…一緒がいいのっ…」 
俺ももう限界だ。 
エリカはこれ以上何もされないよう、 
小さな身体をさらに小さく丸めて俺の上でひたすら耐えている。 
その後、数回腰を下から叩きつけていると、 
突然エリカが華奢な身体を弓なりにそらせて痙攣し、 
猫の鳴き声のような甘い嬌声をあげた。 
膣内がきつくしまり、俺も同時に達してしまう。 
エリカはそのまま俺の胸の上でぐったりと力を抜いた。 
しばらくじっとそのままにしていると、 
二人の結合部分から溢れだした精液が 
少しずつ俺の太ももに漏れ出してくる。 
なんて事だろう。結局子供だなんだといいながら 
やりたい放題して中にだしてしまった。 
だが100%完全な自分の好みのタイプに迫られて、 
断ることができる男なんてこの世に何人いるだろう。 
俺には無理だ。 
彼女の今の表情を見る事が出来なくて残念だが、 
こうして抱き合っているのは心地よいものだと思った。 
 
気がつくとエリカはそのまま小さな寝息を立てている。 
目覚めたばかりで突然激しい運動をしたのだから仕方がない。 
俺もこのまま眠ってしまおう。 
 
*** 
 
翌朝目を覚ますと、エリカは裸のまま室内をうろついていた。 
俺が起きた事に気がつくと、怒ったような表情で俺を見つめる。 
「おいアズミ、火打石はどこだ?」 
ひうちいし…? 
「私の魔力は封じられた。 
 火をおこすための火打石はどこだと聞いている」 
見ると部屋の中央には昨日まで机だったものの残骸が積み上げられ、 
それを薪にして火を起こそうとしているようだった。 
彼女に魔法の力とやらがあったのならば、 
今頃この賃貸アパートは燃えて灰になっていただろう。 
「ば、ばか、何やってんだ!」 
俺も慌てて裸で小さなキッチンに向かう。 
「ほら、ここを押せば火が出る、部屋でたき火なんてしようとするな」 
「ふむ…」 
エリカは目を輝かせてガスコンロを見つめる。 
なんてことだ。 
容姿も性格も全て俺好みの完璧なエルフなのに、 
こういう事はまったく無知なのか。 
「お前も火の精霊と契約したのか?」 
ガス会社と契約したとでも言えばいいのだろうか。 
だが今はそんな説明をしても到底理解できると思えない。 
「まあ、そんな感じだよ」 
「…まさか人間のアズミがここまでできるとはな」 
エリカは夜があけると、元の喋り方に戻ってしまっていた。 
昨日の夜はあんなに可愛らしかったのに、なんだか納得いかない。 
それとも女ってみんなこうなのだろうか。 
俺には絶対にわからない事だった。 
 
*** 
 
つづけさせてください。 

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