それはスミレ色の柔らかなワンピースだった。お姫様みたいと言ってもフリフリのかぼちゃプリンのようではなく、あくまで控えめに可憐なリボンが腰元に咲いて、ちょうどウブなあの娘のはにかんだ笑顔にとってもお似合いだった。
姉は妹の着付けを済ませると満足そうに鏡を見つめるそのかわいらしさに、そっと心の中で囁いた。
そのドレスのようなワンピースを着て、今日は耳元から足の先までいやらしい女の子になるの。
「ね、お兄ちゃんにも見せに行こうよ」
姉は妹を連れて兄の部屋に入ると、その瞬間入り口で硬直した。お風呂上りのような短パンTシャツ姿で両手を後ろに縛られている兄。防水シートに風呂桶がひとつふたつ。
「さっき一回射精しちゃったから、ちょっと休憩かな。でも男の子ってすぐイクから、あんまり長い間楽しめないんだよね。だから、お兄ちゃんのためにいろいろ手伝って欲しいの。ね?」
姉は耳元で甘く囁くと兄のそばに座り、短パンの上から柔らかい男の膨らみを弄んだ。次第に硬くなり、その形の変化に従い姉の手も動きを変えていく。兄は普段見ない恥ずかしそうな顔で息を乱しながら男の子の気持ち良さに没頭していくようだった。
「ねえ、見たいでしょ? 男の子が女の子みたいによがりながらイクとこ。足の指を痙攣させて、いかせて、いかせて、っておちんちんの先をとろっとろにしながらお願いするの」
兄が何か言ったようだが、妹にはよく聞こえなかった。ただ甘美な誘いが脳髄の深くに語りかけてくる。これはいけないこと。いけないこと。
でも、何か得体の知れない本能のような体の反応が、少女をここから逃がそうとしない。ドアは開いている。でも、ここから動けない。
「いやならいいのよ。でも、この前、このお洋服着たまま初めてイったじゃない。今度はお兄ちゃんに見せてあげて。そしたら今までにないくらい気持ちよくしてあげられるから」
姉は兄から手を離して立ち上がると、妹の熱くなった体をそっと包み込んだ。それは何も露骨でない触り方だったが、紛れもなく妹の敏感な部位を刺激した。
「お兄ちゃんのこと、大好きでしょ?」
妹はゆっくりうなずいて所在投げにうつむいた。
ドアを閉めて姉は妹を兄のすぐ前まで招きいれる。長い夜の始まり。
「ほら、ここに立ってお兄ちゃんを見て」
姉は妹を兄の前に誘うと、柔らかな笑みを浮かべながらそそり立つ短パンの先っちょを撫で始めた。途端に変わる兄の反応。押し殺した呼吸がたまらないといった風に大きく口から漏れ、押すようにいじられるとがった短パンの先からすぐにシミが滲んでくる。
「ほら、見て。男の子ってこうなるのよ」
妹は恥ずかしそうに顔を俯けながら、でも目線は外してはいなかった。
姉が指先の動きを先っぽに集中すると、兄はさらに苦しそうな吐息を漏らした。
「はい、休憩」
姉は腰を上げると、妹の後ろに回った。
「何事も気持ちが大事。気持ちいいところをいじってお終いじゃ駄目なのよね。もっともっといやらしく興奮して、とろっとろになるくらいに感じないと」
まっすぐな髪を指ですいて、肩の後ろ整える。少女のなだらかな肉体のラインを示すように薄いワンピースのひだを整えていく。触れるか触れないかの指先。いつもはふんわりとした白い肌のまあるいお顔は今は風邪をひいたときのような真っ赤になっている。
「じゃあ、パンツを脱ぎなさい」
耳元で囁かれた声さえも性感を刺激するように、妹は震えながら従った。
身を捩じらせ、ワンピースが艶かしく蠢くと、柔らかな膝上の肌がちらちらと垣間見え、やがて靴下から抜け出てくるパンツの動きは手に取るように分かった。
ちょうど兄の目線からは少女の秘部が見えるか見えないかだったのだろう、身動きもできず挑発されるようになった兄はますます短パンの先を突き上げるのだった。
「じゃあ、どんな感じか確認してみようか」
姉はそう言うと、なだらかなお腹あたりに手を這わせて下半身の形を強調して見せた。その手がゆっくりとを秘部を通過しようとしそうになると、妹は身を震わせて腰を引いた。
同時に漏れた吐息を楽しみながら姉は妹を後ろから抱きとめる。
「いいよ、まずはお兄ちゃんだから座って」