『おい、聞いたか?オーランドのお嬢さんが、辺境騎士を志願してるって話……』  
『ああ、聞いた聞いた。栄えある王都の騎士ともあろう者が、辺境騎士とは。  
 平時には農夫と畑を耕して、死因の大方は田舎魔物からの惨殺ってんだろ?  
 ご立派はご立派かもしれんが、正直点数稼ぎ以外で志願する奴の気が知れねぇな』  
『全くだ。あの女は名門に生まれ、器量にも恵まれているというのに。  
 剣は嗜む程度に留め、ダンスの一つでも覚えるのが女の生き方であろうよ』  
『思うんだがよ、なまじ剣術大会で優勝なんぞさせるから、女だてらに付け上がるんじゃねぇか。  
 お前らだって、試合じゃ本当は手を抜いてやってるんだろ?  
 万が一あの美しいお顔に傷でも付けちゃあ、騎士団長始め皆からバッシングだしな。  
 ……ん、どうしたお前ら、顔引き攣らせて?』  
 
砕けた様子で話に華を咲かせていた騎士達は、至近に迫っていた女騎士を見て表情を変える。  
女の顔は疑うべくもなく不満に満ちていた。  
 
『ほう、フェンター。お前は私との試合では、いつも手を抜いてくれていたのか?』  
 
床に硬い音を立てて詰め寄る女騎士に、男は半歩後ずさる。  
 
『い、いやいや、冗談、冗談だよレディ。君を相手に、手なんて抜ける筈がないじゃないか。  
 皆が解ってるからこそのジョークだよ、君の剣の腕は若手最強さ』  
 
己の鼻先にまで歩み寄られた時、男はついに腰を砕けさせながら走り去った。  
他の騎士達も、ばつの悪そうな顔で逃げるように歩き去る。  
その背中を睨みつけながら、女騎士……アゼリアは深くため息を吐く。  
 
『……民にその姿を見せられるのか、腑抜け共め』  
 
アゼリアはそう一人ごちた。  
エリートの中のエリート、王都騎士団。  
それも今や名ばかりで、主要な団員はろくに野外での戦闘経験もない御曹司ばかり。  
先代、先々代の頃は実もあったのかも知れないが、その2世・3世は酷いものだ。  
彼らの不甲斐無さ故に、無法の地と化している町村がいくつあるか解らない。  
アゼリアはその現状にもう我慢ならなかった。  
もはやこの王都で男共の尻を叩いていても始まらない。  
自分自身が辺境に身を置き、規模は小さくとも、確実に護れるものを護り通す。  
そう決意を固めた。  
 
 
 
「…………護り、通す…………」  
 
アゼリアは牢に囚われたままの状態で、確かめるように反芻した。  
期待していた訳ではないが、拘束された身体には布の一つも掛けられていない。  
起伏も鮮やかな、ブロンズ像のような仄白い身体は、窓からの月光に晒されるがままになっている。  
 
乳房がなお張っているのが解った。  
乳房の周りには青白い燐光を放つ幻想的な蝶達が舞っており、数匹は乳首に取り付いていた。  
蝶の口からは糸よりも細い吸収管が乳腺を選んで差し込まれている。  
その細さゆえか、挿入されていても痛みはおろか異物感さえない。  
しかしながら、蝶は鈴虫のように微細な振動を伴って鳴き声を発しており、  
その振動が着実に乳腺に刺激を与えてくる。  
強烈ではないがジワジワと時間をかけて、染み込むようなむず痒い快感を。  
 
「……くっ…………!」  
 
噎せ返るような乳臭さの中で、アゼリアは表情を曇らせる。  
蝶は丹念に時間をかけて、枝分かれした乳腺の一本ごとに吸収管を挿し直し、  
それぞれの乳腺を母乳が出るように開発してゆく。  
途中まで抜かれては分岐の先に再侵入するその動きは、乳房内部を人の手で揉みしだかれるような感覚をもたらした。  
さらに、蝶の鱗粉には麻痺効果があるようで、アゼリアは指の一本も思うように動かせない。  
彼女は青白い蝶の贄として、生殺しともいえる緩やかな絶頂と共に、母乳を溢れさせる他なかった。  
溢れた母乳はすでに太腿の上だけでは収まらず、内腿を伝って床にまで滴り落ちている。  
 
「騎士様!お目覚めになられたのですか!?」  
 
その時、アゼリアの正面にあたる牢から若い女達の声が響いた。  
アゼリアが視線を上げると、こちらも手枷足枷で壁と繋がれた女達が閉じ込められている。  
まだ年端もいかぬ少女から、アゼリアよりもいくつか上であろう女性まで、年の頃は様々だ。  
彼女はやつれた顔のままで、救いを求めるようにアゼリアに視線を集めていた。  
 
「騎士様、私どもの為にそのような姿に……おいたわしや」  
「……何を言っている。騎士とは、困窮する民の盾となり、剣となるべき存在だ。  
 私はここで責め殺されるやも知れんが、お前達だけは必ず生きて出させてやる。  
 だからお前達は、少しでも長く生きろ……このアゼリア・オーランドの魂を受け取ってな」  
「あああ……き、騎士様…………!!!!」  
 
繋がれたまま平伏する女達と、それに穏やかな笑みを向ける若き騎士。  
その感動的な光景を、影からミランが覗いていた。  
嘲るような笑みを浮かべたまま。  
 
※  
 
「昨日あんな目に遭って、まだその射抜くような瞳が出来るなんて……面白いわ」  
 
ミランはアゼリアを見下ろして告げる。  
アゼリアは屈辱的な格好を取らされていた。  
真裸のまま背中を床に付け、持ち上げた両脚を足首が首後ろに回るまでに下げる。  
さらにその膝裏を押さえ込むようにして腕が回され、縄で縛られてもいた。  
それによりアゼリアは、その恥じらいの割れ目や尿道口、肛門に至るまでを正面に座る娘達に晒す形となっている。  
そして何より屈辱的なのは、彼女の足首と首後ろを固定しているのが、アゼリア自身の剣である事だろう。  
国王から叙任の際に賜るその剣は、騎士が命を預けるものであり、誇りそのものと言える。  
その剣を用いて拘束されるというのは、騎士にとってこれ以上ない侮辱だろう。  
ミランはそれをよく理解しているようだった。  
 
「ほぉら皆、良くご覧なさい。これがあの辺境騎士さまのオマンコよ」  
 
ミランは撫でるように告げながら、抵抗できないアゼリアの秘裂に指をかけて開いた。  
アゼリアの顔が怒りに歪み、娘達は秘部を見るでもなく、見ないでもない中途半端な視線を送る。  
ミランはまるで腹話術でもするように秘裂を指で開閉させながら、アゼリアの顔を覗き込んだ。  
 
「あなた本当に心が強いのね。普通ならちょっとは混じってくる恐怖のようなものが全くない。  
 久しぶりにじっくり調教が出来そうだわ、穴という穴を開発して……ね」  
「やってみろ。早々に24匹を使い終えてくれた方が、こちらとしても都合が良いからな」  
 
アゼリアが挑発するような態度を示すと、ミランは鼻に筋を寄せる。  
そして傍らの瓶に手を差し入れ、針金のように細長い触手を取り出した。  
昨日用いられたものと酷似しており、違うのはやや曲がり癖がついている事だ。  
 
「ふん、またそれか。よほど乳房に拘りがあるようだな」  
「……まぁ昨日の事もあるし、今日こそは胸でもああああ叫んで逝き狂ってくれそうだけど、  
 今日のコノ子は母乳目当てじゃないわ。  
 きっと、今のあなたの頭では1%も意識されていない場所……“ここ”よ」  
 
ミランはそう告げ、細長い触手をアゼリアの茂みへと近づけた。  
秘裂か、ごく当たり前の責め場所ではないか。アゼリアも、見守る娘達もそう思った。  
しかし、その直後。細長い触手は、吸い込まれるように小さな穴へと入り込んだ。  
秘裂のほんのわずか上に口を開いた穴……『尿道口』に。  
 
「ほぁああああああっ!!!?」  
 
一瞬にしてアゼリアの吊り目が見開かれ、虚を突かれたことによる頓狂な叫びが響き渡った。  
 
「あはは、いい声。普段意識していない尿道に入り込まれるのは、かなりクるでしょう?」  
 
ミランは触手の尾を掴んで挿入を微調整しながら告げる。  
アゼリアは突然の事で呼吸が乱れており、大口を開けたままはっ、はっ、と息を吐くことしか出来ない。  
その尿道に入り込んだ触手は、柔らかな肉の合間でにわかに動きを見せ始める。  
針金状の身体を曲げ、まるで螺旋を描くようになり始めたのだ。  
その動きに合わせ、アゼリアの尿道は強制的に開通させられ、やや離れた所からもその内部が見えるようになる。  
 
「ふふ、凄いでしょう。尿道責めに特化させた、特別な触手なのよ。  
 螺旋状になって尿道の壁に貼りつくから、尿道内を液体が通過する感覚を遮らないの。お陰で……」  
 
ミランは一度言葉を切り、ポンプチューブ付きの小振りな容器を手に取った。  
そしてチューブの先を開かれたアゼリアの尿道へと差込み、ポンプを握る。  
 
「はぁ、っふぐ……っ!!!!」  
 
アゼリアの声と共に、拘束された身体が揺れた。  
尿道に垂らされた液体は、それだけの反応を引き出しうるものだったようだ。  
恐らく媚薬であろうことは、場の全員が自然と了解していた。  
ミランはアゼリアの反応を楽しみながら、さらに一押し、また一押しとポンプを握っていく。  
液の入った容器自体にさしたる大きさはないとはいえ、女性の膀胱もそれ以上に小さい。  
すぐにアゼリアの顔には苦悶の汗が浮き、限界を超えた尿意に脚が震え始める。  
 
「尿意の限界ってサインをとっくに通り越してるものね、背筋が凍りそうよね。  
 ちょっと膀胱にお水を詰めただけで、あの気丈な騎士さまの視線が彷徨うなんて。生き物って面白い」  
 
ミランは微笑を浮かべながら、限界の限界まで膀胱に媚薬を注ぎ込む。  
そしてポンプを押しても入り込まない段階になると、今度は別のポンプを用いて、逆に液を吸い上げ始めた。  
限界まで溜め込んだ尿を放出する快感。  
アゼリアはこれに声こそ出さなかったが、強く噛まれた下唇は、周囲にその快感の度合いをよく伝えた。  
 
たった一度の液体の出し入れで汗を噴出させるアゼリア。  
その正面に屈み込んだミランは、満面の笑みでもってこの責めを繰り返す。  
 
「ほら騎士さま、吸い上げて差し上げますから、存分に“しーしー”なさって下さいまし。  
 っふふ、あらあら。お薬に騎士さまのお小便が混じって、ちょっと黄色くなって参りましたわ。  
 お漏らしって大人になったら絶対にしちゃいけないけれど、それだけに凄く気持ちいいですわよねぇ。  
 でも膀胱がパンパンになるまで溜め込むのも、そろそろクセになってきたんじゃありません?  
 今の、口の中でお殺しになった『うあっ』って声、繰り返し聴きたいくらい心地良さそうでしたわ。  
 触手くんも尿道の壁をグニグニ刺激し続けていることでしょうし……お薬も利いてきましたね。  
 可愛いお豆さんが膨れちゃって。  
 ご存知です?尿道の奥って、薄皮一枚隔ててクリトリスの根っこと通じてるんですよ」  
 
ミランは上機嫌に謳いながら、赤らみはじめたアゼリアの淫核を指で弾いた。  
 
「っつ!!」  
 
アゼリアの唇から小さな声が漏れる。  
その一瞬見せた弱弱しさが、ミランの嗜虐心に炎を点けた。  
 
「我ながら残酷だわぁ。今こんなものにお豆さんを襲わせたら、どうなってしまうのやら」  
 
ミランはそう告げた後、壷を引き寄せて中から小さなイソギンチャク状の魔物を救い上げた。  
早くもミランの指先を味わいつくさんと吸い付くそれを、ミランはアゼリアの淫核近くへ下ろす。  
すると宝を見つけたとばかりに、その魔物は淫核へと取り付いた。  
 
「あっ!?あ、ああーっ……!!」  
 
アゼリアから余裕のない叫びが起きる。ミランはいよいよ機嫌を良くした。  
 
「あはは、すーごい。寄生するみたいにビッタリ貼りついてる。私の指よりよっぽどいいのね、妬けちゃうわ」  
 
ミランがそう告げる間にも、アゼリアは尿道とクリトリスを同時に責め上げられ、呻きながら腰を上下させている。  
 
「うっ、う、うううああっ!!!あ、ああっっ!!!きぃわあやああああくっっ!!」  
「んん、いい声いい声。いつだったか教会で聴いたボーイ・ソプラノみたいに胸に通り抜けるわ。  
 あは、そんな眼しなくても大丈夫、今回は声を出すのを禁じたりしないから。  
 だってあなた、これからしばらく逝き続けだもの。それで声を出すなとなれば、舌を噛み切るしかないものね」  
 
嘲るようなミランの言葉に、アゼリアが怒りに燃える瞳を向ける。  
しかしすぐに淫核と尿道に刺激を受けて絶頂に達し、怒りをうーっと喉元から抜ける呻きに変えた。  
 
そこからしばし、アゼリアは見世物となった。  
尿道へ繰り返し媚薬を注がれて昂ぶらされた上、淫核に寄生されてあらゆる角度から吸われ、舐め転がされるとあっては、達するなという方が無理な話だった。  
 
「うううう、うううあああううああっ!!あううう゛、ひゆああぁぁあんうああああああ゛あ゛っっっ!!!!  
 や、やぇろっ、吸うな、そこをもう吸うなぁッ!!あ、ああああ゛っ!!  
 ッくそ、このおぞましい軟体生物が……あ、んんん゛ん、くるっ!!また、またぎてしまうう゛っ……!!!」  
「あはは、腰がダンサー顔負けの揺れ方ね。おまんこが開いて、タラタラ涎垂らしているのが丸見えよ。  
 いくらあなたが健気な騎士だからって、そこまで淫らだと周りからの見方も変わるわ。  
 まぁとはいっても、それだけしつこくクリちゃんに寄生されてコリコリされちゃ、しょうがないんだけどね、女は」  
 
ミランの嘲りが胸を刺すが、もはやアゼリアの意思ではどうにもならない。  
波のように絶頂を絶頂が上塗りし、アゼリアは瞳孔を開いて前方を眺めるか、時には半ば白目を剥いて後頭部を剣に預けるしかない。  
しかしそれでも、アゼリアの心は折れなかった。  
絶え間ない淫核絶頂に悶え苦しみながらも、ついに寄生する魔物が力なく剥がれ落ちる瞬間まで、許しを乞うことはしない。  
その姿勢は囚われの娘達に勇気を与え、ミラン達盗賊に一筋の汗を流させた。  
 
 
「騎士さまも、大した根性の持ち主ね。あそこがこんなになってるのに、まだそんな眼で睨めるなんて」  
 
ミランは絶頂地獄を終えたアゼリアの秘裂へ指を差し入れ、水音を立てて掻き回しながら告げた。  
アゼリアは荒い息を吐きながら、時にミランの指遣いに顔をしかめる。  
それが恥辱というより苦痛からのものだと看破したミランは、アゼリアに問う。  
 
「ねぇ騎士さま。いい歳してまさかとは思ってたけど、あなた……実は処女でしょう。  
 膣の開きも悪いし、その気の強さじゃ今時の殿方は距離を取るでしょうしね」  
 
その言葉に、アゼリアは目つきをより鋭くする。  
 
「はっ……はぁっ……ならば何だ。私は女である前に騎士だ、純潔など国家に捧げればそれで良い。  
 もしお前の汚らわしいペットに犯されようとも、私の魂の純潔を奪う事にはならない!」  
 
凛とした気迫で言い放つその様は、見守る娘達の瞳を煌かせた。  
しかしながら、ミランの様子に変わりはない。  
 
「確かに、あなたは極太で処女地を蹂躙されても折れるタイプには見えないわ。  
 だったら……身体の痛みでなく、生理的な心の痛みに賭けてみましょうか」  
 
ミランはそう言うと、一旦洞窟の中の水場へと移動する。  
そして戻ってきた時には、その腕に一抱えはある巨大な蛙の魔物を連れていた。  
娘達がその醜悪さに悲鳴を上げる。  
アゼリアも一瞬は表情を強張らせたものの、すぐに鼻で笑ってみせた。  
 
「……はっ。それと交わらせて私の純潔を奪おうという魂胆か。  
 だが今の内に言っておこう、そんなもので私の心はけして揺るがない」  
 
堂々と言い放つアゼリアを前に、ミランが抱えた蛙をアゼリアの脚の間へと降ろす。  
すると蛙は、待ちわびていたかのように秘部を晒すアゼリアに取り付いた。  
 
「そりゃ、この子に抱かれるだけでどうにかはならないでしょう。だって、可愛いもの。  
 ほら、この顎の部分が膨らむと、ドクロみたいな模様が浮き上がるのよ。  
 体表の模様もいかにも毒がありそうな紫と緑で、洒落ているわ。  
 メ゛ェロ、メ゛ェロっていう地獄から響きそうな鳴き声も、惚れちゃいそうになるわよね。  
 でもこの子の凄いのは、交尾が終わった後なのよ。  
 ……まぁ、すぐに解るわ」  
 
ミランはそう語りながら、蛙の魔物の背中を撫でる。  
蛙は小刻みに震えながら、アゼリアの亀裂へと自らのものを入り込ませた。  
 
実のところ、アゼリアの精神的な苦痛は中々のものだった。  
初めての膣への挿入が、蛙の化け物によるものだとは。  
身体を半分に折ったまま秘部を晒す屈辱的な格好で、蛙の化け物に圧し掛かられて犯される。  
普通の女性であれば半狂乱で叫んでいても当然の状況だ。  
しかしながら、性交自体は何の問題もないものだった。  
蛙の逸物はペニスと呼ぶ事が憚られるほどに細長く、未経験の女性の膣でも痛みがない。  
まるで未経験のアゼリアに配慮したサイズにすら思える。  
 
『この子の凄いのは、交尾が終わった後なのよ。』  
 
そのミランの言葉だけが不安要素であり、アゼリアは眼前で揺れる蛙の姿を睨みながら、  
静かに身体を使わせていた。  
そして、ついに蛙の化け物に射精に兆しが訪れる。  
そこで初めて、アゼリアは焦りを覚えた。  
射精のまさにその瞬間、ごく細長い蛙のペニスがアゼリアの膣の奥、子宮口を突き始めたのだ。  
 
「う、ぐうっ……!!」  
 
未経験の、まだ本当に硬い子宮口をペニスがこじ開ける。  
これはさしものアゼリアも大粒の涙を流すほどの苦しみだった。  
そしてそれを過ぎた瞬間、さらにおぞましい事態が襲う。  
蛙が射精を始めたのだ。ペニスが子宮口に狙いを定めた状態で、子宮の中へ直に。  
 
「あ、あぐっ……!?き、きさまっ、まさか私の子袋の中にっ…………!?」  
 
アゼリアの顔が狼狽の一色に染まる。  
いかに色事の経験がない彼女であっても、今この事態が異常であること、  
いわゆる『中に出す』という範疇を超えた行為であることは理解できた。  
それも、よりにもよって蛙の化け物のものとは。  
 
「産み付けられてるのね、今まさに。ちなみに、それ精子じゃないのよ。タ・マ・ゴ。  
 色々特殊な改良してるからねぇ。詳しくはこの後、実体験でね」  
 
ミランの言葉が絶望を後押しする。タマゴ。蛙の、タマゴ。それが子宮の中に入ってきている。  
そのタマゴが詰まりに詰まり、もはや子宮の逆三角の形はおろか、卵管の形さえ下腹に浮き出ているらしい事が、娘達の叫びから把握できる。  
 
「やめろ、やめろぉっ!!!」  
 
絶望感から思わず叫ぶアゼリアをよそに、蛙は横向きの瞳を細めながら最後の一個までを産み付ける。  
そうして満足げにアゼリアからぬめる身体を引き離し、水の中へと去っていく。  
 
「さて、無事に全部産み付けられたみたいねぇ。ちなみに、孵化はすごく早いから、そろそろ覚悟を決めといた方がいいわよ」  
 
ミランの言葉がアゼリアに投げかけられたその瞬間、アゼリアの腹部が激しく蠢く。  
 
「うぶっ!?」  
 
苦しさに思わず嘔吐しかけるアゼリア。その間にも腹部の蠢きは多様に、激しくなっていき、そして。  
 
「あ、が、ああ、うああああああ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーっ!!!!!!!」  
 
それは、悲痛な叫びだった。  
我慢強い女騎士が大口を開き、固く眼を閉じたまま涙を零す。  
手の指が幾度も強く握り締められ、頭の後ろにある足首がギシギシと剣を軋ませる。  
まだ開かれた事もない子宮口を、何十という魔物の幼体が通り抜けていくのだ。  
生娘であるアゼリアにはどれほど痛烈な感覚だろう。  
そのピンク色の秘裂からは夥しい“命”があふれ出していた。  
腹部の蠢く流れが、秘裂を抜けた瞬間に数百の極小のオタマジャクシとなって流れ出していく。  
異様なぬめりを帯びる命を手のひらで掬い取ったミランは、その中に赤い血が混じっている事に気づいて目元を緩めた。  
 
「出産と同時の破瓜、おめでとう騎士さま。乙女から一瞬で母親にまで駆け上がったなんて、きっと世界であなた一人よ」  
 
 
囚われの娘達は、いつしかアゼリアの惨状に目を潤ませていた。  
彼女達も女であるがゆえに、今アゼリアを襲った様々な感覚の想像はつく。  
涙を零し、鼻水や涎を垂らし、母乳を伝わせ、尿道を開かれ、淫核を真っ赤に充血させて、  
開ききった産道から魔物の幼体の群れと破瓜の血を溢れさせる。  
それは女の地獄と言っても過言ではなかった。  
『いよいよあの女騎士も、もう駄目なのではないか』  
言葉にこそ出なかったが、娘達の間には共通の認識としてその想いがあっただろう。  
しかしミランがそれを尋ねても、アゼリアは不敵な笑みを向けるだけだった。  
 
「これで屈服だと?随分と間の抜けた考えだな。  
 それとも今の出産で、24匹をクリアしたという事か?」  
 
なおも憎まれ口を叩くアゼリアを、ミランは冷たい眼で見下ろす。  
 
「強情ねぇ。それとも、被虐が足りずに強請るどうしようもないマゾなのかしら。  
 まぁいいわ、まだまだ宛がいたいモンスターは山のようにいるもの。  
 喉・乳首・尿道・膣ときたら、あとは……『ここ』よね」  
 
ミランはそう告げ、拘束されたアゼリアの肛門に触れる。菊の輪のように可憐な肛門だ。  
恥じらいからか、アゼリアの足首が剣にギシリと音を立てた。  
 
「……ふ、ふん。責めあぐねて、とうとう他人の排泄器官に手を出すのか。惨めだな」  
「あぁら、惨めになるのはあなたよ、騎士さま。  
 オークにやられてここに囚われてから、丸二日といった所かしら。  
 その間、あなたには一度も大きい方の排泄を許さなかったわよね。  
 つまり今のあなたの直腸には、随分と溜まっているはずよ。  
 この子の大好物が……ね」  
 
ミランがそう言って拾い上げたのは、透明なナメクジのような蟲だ。  
 
「肛門から入り込んで、腸に寄生する魔蟲よ。  
 排泄物を食べて、代わりに媚薬効果の体液を宿主の体内へ放出するの。  
 特に健康的な若い娘の直腸が大好きでね、ホラもう涎垂らしてる」  
 
ミランはブラシ状になった蟲の口を指でなぞり、付着した粘液をアゼリアの肛門へと塗りたくる。  
そして表情を固めるアゼリアに笑みを向けながら、ゆっくりと蟲の頭を肛門へと押し付けた。  
 
「や、やめろ、無理だ! は、入る……わけが…………!!」  
 
アゼリアは苦痛に顔を歪める。  
その肛門では、蟲が身体を伸縮させながら、無理矢理に侵入を果たそうともがいている。  
蟲の体の色が透明であるために、アゼリアの赤い腸内がぱっくりと開いている様もありありと見て取れた。  
骨盤の形さえ変えようかという質量が、アゼリアの肛門を押し開いて入り込む。  
その感覚には、さしもの女騎士も呻きを上げずにはいられないようだった。  
 
「入らないだなんて、意地悪ねぇ。もう半分以上入り込んで、騎士さまの糞袋が覗いてるのに。  
 たっぷりと詰まってるアレが、こっちからは丸見えよ。  
 ほら、あなた達も目を逸らさずに御覧なさい、あなた達の為にこんな目に遭ってるのよ?」  
 
ミランはアゼリアを嘲ると共に、目を背けようとする娘達の顔を盗賊達に押さえ込ませる。  
アゼリアの腸の中から視線を外せないように。  
そうしている間にも、ナメクジのような蟲は身をうねらせながら侵入を続け、  
とうとう尾の部分だけを残して直腸の中に潜り込んだ。  
 
「うあああ゛っ……!!」  
「さぁ、入っちゃった。まだ全然開発されてないピンクの穴が、あんなに拡がって……凄いわぁ。  
 蟲も大喜びよ、あなたが丸二日以上溜めたものを貪り食ってるのが丸見え。  
 あはははははっ、惨めねぇ騎士さま。ひどい格好のひどい有様を、自分が護ろうとしてる人間に観られるんだから」  
 
ミランの言葉は冷ややかだったが、正しかった。  
アゼリアに抵抗は叶わない。  
肛門を娘達へ見せ付けるような格好で拘束されたまま、蟲に直腸を蹂躙される。  
それを顔を歪めながら耐え忍ぶしかなかった。  
人間の内臓と穢れの匂いがかすかに外気へ漏れ、しかしそれを生臭い蟲の体液の臭いが上書きしていく。  
ぶりゅ、ぶりゅっという排便にも似た音と、ぐちゅぐちゅと何かを掻き回す音が繰り返される。  
攪拌の音は刻一刻と硬さを無くし、水音を孕むようになっていった。  
 
「あ、ああ、ああうっ……!!くう、う、ああ、ああああっ……!!」  
「なぁに騎士さま、つらそうな声を出して。お尻の穴を穿られて感じてるのかしら?  
 背中の方にまで腸液らしきものが垂れ落ちてるわ。  
 太腿もピクンピクンって筋肉が盛り上がってるし……やーらしい。  
 でも、直腸は人間の身体で一番媚薬を吸収しやすいものね。  
 その子の出すお汁がすっかり腰に回って、腸の中で動かれる度に感じちゃうんでしょう」  
「……あ、あああうっ!!……ば、馬鹿も休み休み言え……。この私が尻穴で感じるなど、あっ、あ、あるものか……ッ!!」  
「あら、そう。じゃあそのまま、あと数時間放置といきましょうか。  
 せいぜいおまんことお尻の穴から蜜を吐いて、頑張ってなさい」  
 
ミランはそう告げ、紅茶のカップを傾けながら姿勢を崩す。  
アゼリアの艶かしい喘ぎと腰の蠢き、そして何より屈辱に塗れた眼光は、彼女の午後のティータイムを大いに賑わせた。  
 
※  
 
「あはっ、はっ、ひゃはははははっ!!!あひゃ、あひぁひゃひゃひゃっ!!  
 や、やめ、少ひ……や、休まへぇ……いっ、ひひひ、あ、やあ、ふひひゃはははあああはあははっ!!!」  
 
アゼリアの笑い声が洞窟に響き渡る。  
何とも楽しげな光景ではあるが、その実は地獄そのものだ。  
彼女はX字に手足を拘束されたまま、ハーピーの羽で延々とくすぐり責めに掛けられていた。  
ハーピーはその極上の毛先の一本一本までを意思に沿って動かす事ができ、  
相手の脳波に影響する奇声を発しながら延々と相手を責め嬲る。  
 
それだけでも極めて辛いものだが、アゼリアの身体にはさらに別の触手が入り込んでもいた。  
目に見えないほどの極細の触手だ。  
動物の手足や首筋などの細胞に入り込んで性感帯化する性質を持ち、その部位は風に吹かれるだけでも悶えるほどの感度を有するようになる。  
それに身体中を性感帯化された状態でハーピーからの責めを受けるのだから、アゼリアも溜まったものではない。  
 
「ひゃめて、ひゃめっ……あは、ふへへあははは、あひゃあはははははっ!!!!  
 ぎゃははははっ、はははっあははは、ふへやははひゃっ、ハッ、ハッ……ハッ……  
 も、もう、ほんろ、いきが……あ、あははは、こ、ころう、きなのか……あはは、ふひゃははははっ!!!」  
 
アゼリアは笑い顔のまま、涙に鼻水、涎とあらゆる液体を垂れ流していた。  
腹部には過呼吸の末であろう吐瀉物が引っかかっており、そして今、幾度目かの失禁が起きる。  
小水は、秘裂から滴り落ちる愛液と絡まり、薄黄色い糸となって床に滴っていく。  
床にはすでに液溜まりが出来ていた。  
 
「ほら騎士さま、死ぬ前に降参しちゃいなさいな」  
 
ミランが嘲りを含んで呼びかけるが、アゼリアは青ざめた顔を横に振る。  
ハーピーはまるで獲物の気丈さを歓ぶかのように、金属を掻くような奇声を発しながらアゼリアの脇腹に羽を走らせる。  
アゼリアの鍛え抜かれた身体が細かに痙攣し、2本の美脚が所在無く踏みかえられる。  
それは数時間に渡って続けられた。  
しかし、それが終わっても開放となる訳ではない。  
ミランは女騎士の鋼のような心を折るには、普通の人間の限界を超えて畳み掛けるしかないと考え始めていた。  
ゆえに、ハーピーからの責めで昂ぶりに昂ぶらされたアゼリアの肉体を、そのまま女日照りのゴブリン達に与えてしまう。  
 
「へへへ、このニンゲンよーく締まりやがるぜ! 中ももうグチョグチョで、準備万端だなァ!!」  
 
人間の胸ほどの身長しかないゴブリンが、疲れ果てた女騎士を正常位で犯す。  
普段であればアゼリアが警戒心も持たない小物のモンスターではあるが、今は疲弊している上に3対1だ。  
正面から腰を抱えて挿入され、背後から羽交い絞めにされては抵抗のしようもない。  
アゼリアは秘裂から愛液を溢れさせながらも、実質的に初となる男性器の挿入に苦悶の表情だ。  
 
「くそ、その薄汚い物を抜け、低俗なゴブリン共がッ!グーレテリンで貴様らを駆逐した我らを忘れたか!」  
「ああ、うるせぇうるせぇ。ちっと黙ってろニンゲン」  
 
ゴブリンは怨嗟の言葉を発するアゼリアの口を開かせ、逸物を咥え込ませる。  
 
「おも゛っ!?」  
「へへ、どうだ。あんだけくすぐり責めされた後だ、顎がガクガクで噛む余力も……って、うおッ!?」  
 
口内に挿入した一匹が勝ち誇ったように語る中、別の一匹が突如異変を感じてアゼリアの髪を引いた。  
ゴブリンの怒張が口から抜けたその直後、硬質な音と共にアゼリアの歯が打ち鳴らされる。  
噛み切る目的であったことは明白だ。  
 
「おい、おいマジかよ……ッ!? ち、クソ生意気なニンゲンが!  
 こうなっちゃア戦争だ。こいつ腰が立たなくなるまで犯りまくろうぜ!!」  
「へっ、ならソッチが空いてんぜ。誰か犯っちまえよ」  
「なるほど。面白そうだ」  
 
そのやり取りを経て、後ろから羽交い絞めにしていた一匹も乱交に加わる。  
前日に蟲によって開発され、かすかな緩みを見せる尻穴を目掛けて。  
 
「ぐあっ……っ!」  
 
挿入がなされた瞬間、抱え上げられたアゼリアの美脚が宙を蹴った。  
気の強そうな瞳が見開かれ、目尻から透明な雫を零す。  
 
「オウ、こいつァどうやら初物だぜ!? 慣らしはしてるようだが、硬ぇチンポはまだって様子だ。  
 抜くたびにきゅうきゅう纏わりついてきて、最高の具合だぜ。  
 うへへへ、あのおっそろしかった顔が痛そうに歪んでやがらぁ!!」  
「おいおい、本当かよ? なら前はもう出るからよ、お前ェもとっとと済ませて代われよ」  
「見ィろよコイツ、すげぇ眼で睨んでやがる!  
 こういう生意気なニンゲンの口を犯しまくるのは最高なんだが、また噛まれちまうからな。  
 前でも後ろでもいいからさっさと変わりな、俺の極太で奥までゴンゴン突きまくってやるよ」  
 
3匹のゴブリンは口々にがなり立てながら、アゼリアを犯し抜く。  
アゼリアはその終わりの見えぬ輪姦に反射的な反応こそ示しつつも、終始強気な態度を崩さずにいた。  
しかし。  
一連の責めが終わり、再び地下牢に繋がれた夜、囚われた娘達は聞いたのだった。  
 
「う、うっ……っく、うぐっ……ふ、うっ………!!」  
 
アゼリアが太陽のような金髪を揺らし、肩を震えさせて嘆く声を。  
やはり下劣な魔物に直接犯されるという行為は、一人の女として耐え難いものなのだろう。  
 
そしてそれは、気高い女騎士が着実に追い詰められている証でもあった。  
 
※  
 
追い詰められている。  
それは、アゼリア自身がよく理解していた。  
何日にも渡って媚薬や魔物のフェロモンを体内に馴染まされ、その上で快楽を刷り込まれてきた。  
以前とは完全に別物の身体になっている事だろう。  
あの清廉で力に満ち溢れていた肉体は、もはやアゼリアの物ではない。  
今のアゼリアは、ともすれば何もせず立っているだけで、風のそよぎに併せて股を濡らすかもしれない。  
もはや、手遅れなのか。  
 
アゼリアは考える。時間だけは嫌になるほどあった。  
内側にブラシ状の触手を生やした、袋のような生物の中に放り込まれてから、どれほど経ったろう。  
アゼリアの手足はその生物の内壁に取り込まれ、掌や足裏、指の先に至るまでをブラシ状の触手で刺激されていた。  
初めこそこそばゆい程度だったが、何時間にも渡ってそれを受けるうち、手足がどうしようもなく昂ぶってくる。  
特に両脚は凄まじく、足指から足裏、腱、脹脛、内腿、太腿……と扱き上げるように何時間もかけて刺激されるうち、  
他に何の刺激もないままに秘裂から飛沫を上げていた。  
潮吹きというものの、初めての体験だ。  
 
「はっ……はっ、はぁっ……はっ……はあっ、はっっ…………」  
 
呼びかける相手もおらず、ただ無機的に昂ぶらされる状況は、精神的にも辛かった。  
言葉は通じないが、この生物に認識能力はあるらしく、アゼリアの状況に応じて責めを複雑化させていく。  
手足を骨抜きになるほどに蕩かされた後は、脇やうなじなどの弱い部分にも肉壁の揉み込みが始まる。  
さらには膣に2本、肛門と尿道にそれぞれちょうど隙間のない直径の触手が入り込み、刺激する。  
額にも触手が巻きついて顔を上げさせられ、耳の穴に一本ずつ。  
バリバリという音と共に不快な粘液が耳を覆いつくす。  
そして聴覚を奪われたアゼリアの視界には、自分の口を目指す一本の太い触手が映る。  
 
「……や、やめ、ろ」  
 
通じないと承知の上で、アゼリアは呟いた。  
その口内を、触手は無慈悲にも入り込む。喉のかなり深くまで。  
 
「んぶっ、んむううっ!!んっむうう、んむぅうむううううっ!!!」  
 
口を塞がれ、呻くばかりの女騎士。  
最後にその乳房にも触手が巻きつき、細い2本が乳腺に入り込む。  
うねりながら乳腺を穿りかえし、乳房の太い触手が巻きついて強く母乳を搾り取る。  
それは余りにも余りに巧みであり、アゼリアは口内奉仕を強要する触手の端から涎を零して悶え狂う。  
まさしく穴という穴を犯されるアゼリアは、実に丸一日に渡り、その袋状の生き物から呻き声を漏れさせるのだった。  
 
※  
 
アゼリアには、様々なモンスターが交配の相手として宛がわれた。  
 
例えば、猿の化け物だ。  
一回辺りの交尾時間が極めて短く、荒々しく腰を振っては射精する野蛮なやり口だ。  
しかし性欲は底無しで、射精を迎えてもすぐに再戦を試みた。  
回数をこなしてアゼリアの膣が緩くなると、刺激を求めて無遠慮に尻の穴を陵辱する。  
そのまさしく『猿のような』性交は、アゼリアが汗まみれで気絶するまで続けられた。  
 
続くサハギンとのセックスも凄まじかった。  
洞窟の底に位置する淡水湖にアゼリアを引きずり込み、水中姦を繰り返したからだ。  
アゼリアは美しい金髪を海草のように揺らめかせ、手足で水を掻いて苦しんだ。  
只でさえセックスという有酸素運動で息が上がるというのに、水中に居たのでは堪ったものではない。  
 
「がぼっ……がばぼごっ……よ、よせ、せめて水辺で……ッ!がぼごぼぼっ!!」  
 
アゼリアは必死の形相で水面に顔を出して喘ぎ、再び水中に引きずり込まれる事を繰り返す。  
まるで水責めのようなその交尾が終わった頃、アゼリアは白目を剥き、青ざめた顔を痙攣させながら、  
腹部を水の飲みすぎで妊娠のように膨らませていた。  
 
巨大な猫のような魔物と交わった時も凄惨だ。  
この魔物のペニスには、棘状の突起が無数についている。  
その突起で雌の排卵を促進する事が目的だが、雌は抜かれる時に痛みで泣き声を上げるという。  
それは当然、アゼリアも同じだった。  
 
「う、ううううっ……!!くうう、くっ……ああ、くああ、ああっ……!!」  
 
床についた腕を枕とし、顔を伏せたまま苦悶するアゼリア。  
その腕を幾筋も涙が伝っていくのが見える。  
猫の魔物は喉を鳴らしながら、一切の配慮をせずにアゼリアを犯し続けた。  
その結果、ペニスを引き抜かれる度にアゼリアが腰を蠢かすようになったのもまた事実だ。  
 
オルトロスと名づけられた大型犬の魔物も、アゼリアには辛い相手となった。  
魔物が昂ぶり始めると、膣の中でペニスが瘤状に膨らむからだ。  
その膨らんだペニスを無理矢理抜き差しされる事もつらいが、射精の量もかなりのものだった。  
お互いが背を向けるような格好で繋がりあい、なみなみと精液を注がれた膣内を抉られる。  
 
「まさにメス犬ねぇ、辺境騎士さま」  
 
そうしたミランの嘲りも、アゼリアの気高い魂を切り刻んでいく。  
しかし、それらはまだましだ。  
娘達を助けるため、仕方なく行う行為として割り切る事が出来るのだから。  
しかしセックス地獄の最後の相手は、それが通じなかった。  
 
「ラ、ラファロ……!?」  
 
そのゾンビの顔を目にした瞬間、アゼリアの顔は驚愕に染まった。  
眼前に歩み寄ってきているのは、服に夥しい血痕を残したまま、土気色の肌をしたゾンビ。  
以前に魔物討伐を行った際、アゼリアの指揮する隊で共に戦い、しかし帰路の山中で残党に襲われて崖下へ消えた騎士だった。  
 
「ウウゥ……ウヴァアアアア…………!!」  
「ラファロ、ラファロ!!私だ、アゼリアだ! ……くっ、もう、解ら……ないのか……」  
 
アゼリアは元部下の姿をしたゾンビに押し倒され、冷たいペニスを秘裂に宛がわれる。  
欲求の命じるままに自分を犯すラファロを、アゼリアは涙ながらに抱きしめた。  
冷たさが肌に染み、涙は一層溢れ出た。  
 
「済まない、ラファロ……後方に十分な注意を払っていれば、お前の死は防げた。  
 お前には恋人もいたな、弟もいたな。済まなかった、お前を生かして……帰せなかった。  
 罪滅ぼしにもなるまいが、せめて今は、お前のしたいようにしてくれ」  
 
アゼリアは涙ながらに、屍からのセックスを受け続けた。  
死臭が漂い、凍えるような冷たさに包まれながら。  
そこには受身など許されず、アゼリアは精一杯の贖罪の言葉を投げかけながら、懸命に奉仕した。  
幾度、冷え切った男性器によって絶頂をもたらされようとも。  
心の救いを求めて行うその行為は、しかし、彼女の身体を快楽の沼へとより深く沈めていくのだった。  
 
※  
 
「騎士様、大丈夫なのかしら」  
 
囚われの娘の1人が、沈黙を破って呟いた。  
即答はない。誰しもが数秒の躊躇いを以って、しかし祈るように口を開く。  
 
「大丈夫よ……騎士様だもの。厳しい鍛錬を続けた、私達とは違う人達の筈よ」  
「……でも……本当にそうかしら。いくら鍛錬しても、やっぱり一人の人間なのよ。  
 あの方だって、苦しければお小水も漏らすし、絶頂だってしているわ」  
「それは……」  
 
女達は言葉を途切れさせ、牢からの眼下に広がる『プール』を見下ろした。  
岩肌をくり抜いて設けられたプールを満たすのは、水ではなくスライムだ。  
アゼリアはそのスライムのプールに下半身を漬けられていた。  
腕を鎖に繋がれて天井から吊られ、脚は底につかないのでスライムの中で揺らめくままになっている。  
目には布で目隠しがなされ、スライムからもたらされる快感に否応なく集中するよう仕向けられていた。  
 
「……ッお、おぉ……ぉおお゛イグッ!」  
 
アゼリアの唇から苦しげな呻きが漏れ、背筋が震えた。  
スライムの中で揺らめいていた美脚も、指の先までをピンと伸ばし切っている。  
絶頂も仕方のない事だった。  
プールに深々と湛えられたスライムは、女の穴を嬲る事をその存在意義としている。  
今までに何十という若い娘を“与えられ”磨かれた技巧は、まさに女殺しと呼ぶに相応しい。  
女の下半身に開いた穴……尿道、膣、肛門の全てに隙間なく入り込み、その奥の奥までを開発する。  
 
アゼリアはその伸ばした脚の間で、たとえば膣であれば、産道はおろか子宮口までをこじ開けられ、  
直接子宮の中までをリズミカルに攪拌され続けている。  
そうまでされれば、これは絶頂など致し方のない事だと言えた。  
無論、絶頂は一度や二度などという事はなかった。  
アゼリアは目隠しの下から涙を流し、引き締まった裸体を震えさせて断続的な絶頂に陥っている。  
もう10分以上も前から、『いく』という宣言しかしていないのだから、その惨状も計り知れようというものだ。  
 
無論、スライムが責め立てるのは子宮に限らない。  
尿道では際限なく強制的な軟体注入と我慢、排尿が強いられており、  
また肛門にも深々とスライムが入り込んでいる。  
スライムは長らくアゼリアの直腸を占拠し、S字結腸に至る門の部分を抉りまわしていた。  
しかしそうして腸の洗浄を終えた後、ついに更なる奥へと侵入を開始する。  
結腸から虫垂、盲腸、小腸、十二指腸、幽門を越えて胃の中へと。  
 
「んもぉ゛っ……!? よ、よぜ……ぇ、やべてくれ……ぇ!!」  
 
一繋がりになった粘膜を満たされる、未知の苦しみ。  
たとえ目が見えずとも、異物を詰め込まれた自らの腹部が内臓の形に膨らんでいく様子が解るだろう。  
実際それを目にした娘達の悲鳴もまた、余計に惨状を意識させる。  
やがて、スライムは胃を抜けた。  
食道を通り抜け、ついに天を仰いだアゼリアの口から、夥しい胃液と涎を伴って姿を現す。  
 
「ろ゛おぉおおおっ!!!!!」  
 
悲痛な叫びだった。  
直腸から口にまで貫通する串刺し。  
悪趣味なモニュメントが完成すると共に、その腹部に当たるスライムは容赦のない蠕動を繰り返す。  
 
「おお゛お゛お゛、ごおおろろおおおお゛あ゛っ!!!」  
 
普段凛と通った喋りをするアゼリアは、今や喉の潰れた蛙のような鳴き声を漏らすのみだ。  
身体の内外すべてをスライムに占有されていく。  
天井から吊るされた鎖を必死に握り締める両の掌だけが、かろうじて彼女の自我を表していた。  
 
※  
 
アゼリアの精神と体力を削り取る責めは、日夜休みなく続けられた。  
ある時には、アゼリアは一匹のオークの飼育場所に放り込まれ、そこで奴隷としての振る舞いを強制される。  
 
「けっ、ニンゲンかよ。いつ見てものっぺりした、気味の悪ィ面だな」  
 
オークは、濃厚な獣臭のする肥満体を揺らして告げた。  
アゼリアはその醜悪なる主を吊り目で見上げながら、その足元に跪いている。  
彼女にとってオークは、見つければ即座に斬り捨てる対象だった。  
穀物を食い荒らし、病原菌を撒き、村娘への強姦被害の筆頭でもあるオークは、アゼリア達辺境騎士の天敵ともいえた。  
とはいえ、それはオークの方も同じだ。  
同胞が多数駆られている関係から、オークは人間を殊更に忌み嫌う。  
女性が一人で出歩いていようものなら、群れを総動員して痛めつけ、辱め、壊れるまで犯すのが常だった。  
このオークもまた、アゼリアに同じ事を考えているに違いない。  
 
「ったく、そんなのっぺり顔じゃ、勃つものも勃ちゃしねぇ。  
 どれ、お前らニンゲンから奪った道具で丁度良いのがあるから、着けてみるか」  
 
オークがそう言って巣穴の奥から取り出したのは、鉤のついた二股のフックだった。  
オークはアゼリアの頭を掴み、鼻腔にそのフックを取り付けて引き絞る。  
さらに首後ろで髪とフックの紐を縛り付ければ、豚のような鼻に引き伸ばされた相貌が出来上がる。  
 
「くっ……!!」  
「へ、そうしてりゃあ多少は見れるな。まぁ相変わらず、肌がなまっちろいのが気色悪いがよ」  
 
オークは鼻を鳴らしながら立ち上がり、アゼリアの前に逸物を突きつける。  
鼻を刺すような刺激臭を放つそれは、腐ったナスの先にワインオープナーが付いたような、不気味な形状だった。  
 
憎きオークのペニス。  
それを突きつけられる事の意味を重々承知しながらも、アゼリアは目を剥いて相手を睨み上げる。  
 
「何だァその目は!? この屈強なオーク様のチンポを舐めさせてやろうってんだろうが」  
 
オークは苛立たしげに歩み寄り、アゼリアの頭を鷲掴みにして無理矢理に逸物を咥えさせる。  
 
「んむ゛っ!!」  
 
口内に広がる、尋常ならざる臭気。  
 
「うへぇ、狭ぇ口だなぁオイ。ザーメン滓の一つまで感謝して舐め取れよ」  
 
オークは噎せるアゼリアを面白がりながら、その口の深くへと怒張を送り込む。  
アゼリアは、ゴブリンの時の様にそれに歯を立てることは出来ない。  
今回もミランからの制約があり、オークに危害を加えれば、その都度救い出せる娘の数が減るのだ。  
 
じゅぷっ、じゅぷっと口淫奉仕の音が響く。  
 
「もっと気ィ入れて舐めろ、俺様のチンポの皮はブ厚いんだ。そんなんじゃ勃ちもしねぇぜ」  
 
オークは洞窟の突起に腰掛け、腕をだらりと下げ、下腹をだらしなく緩めたまま命じた。  
逆にアゼリアは、その足元に跪き、愛する者にするようにペニスを舐めしゃぶる。  
幹を指の輪と窄めた口で扱き上げ、ワインオープナー状になった先端部も吸い付くようにして磨く。  
時にはオークの命じるまま、玉袋や肛門にまで舌を這わせていく。  
彼女の口内には、妙なぬめりと精液の滓がこびりついていた。  
また先走り汁も人間の数十倍、アゼリアの口を満たすほどの量が出てきている。  
それらの吐き気を催すおぞましさを、アゼリアは虚空を睨みながら耐え忍び続けた。  
すべては民のため。  
自らを信じる罪なき乙女を救い出すために。  
 
「いいザマだなぁ人間、俺様のガマン汁は美味ぇかあ?  
 おうお、まーたその目だ。お前の身分は何だ、言ってみろ間抜け」  
「…………ぐっ!…………わ、私は、お、オーク様の、奴隷………です…………」  
「ふん、言わされてる感がアリアリだな。長い調教になりそうだぜ」  
 
オークは懸命に奉仕するアゼリアの神経を逆撫でする。  
心の底から人間を軽蔑している様子だ。  
 
やがて、オークはその醜悪な身体をぶるりと震わせた。  
 
「おう、来た来た。喜べ、お前の下手糞なフェラでも射精できそうだぞ。  
 俺様の貴重な特濃ミルクだ、零さずに全部飲めよ!!」  
 
その言葉と共にオークのペニスが痙攣し、先端が勢いよく喉奥まで飛び出す。  
 
「げっ、えあっ!!」  
 
アゼリアは思わず吐き出していた。  
精液の量も凄まじいが、射精の瞬間にペニスの先端で喉奥を突くようにされては堪らない。  
 
「オラッ、吐くなっつったろうが。何やってんだウスラ馬鹿が!!」  
 
オークはアゼリアの顔を2発殴りつけ、彼女を床に崩れ落ちさせる。  
そしてそのまま脚を掴み、苛立たしげに這うような姿勢に変えさせた。  
いよいよ性交に移るようだ。  
 
「おいおい、子供産む穴がこんだけしか開かねぇのかよ、どっからチンポ突っ込むんだニンゲンは?」  
 
オークは、犬のように這わせたアゼリアの秘裂を開いて告げた。  
無論嘲りであり、本当にそこが性器だと知らぬ訳でもない。  
むしろよく心得た様子で、アゼリアの身体に被さるように密着した。  
アゼリアはそこで覚悟を決める。  
背中にかかる熱い鼻息、太腿に当たるざらついた肥満体の脚、背中に乗る異常な重さの前足。  
犯されるのだ、という実感が彼女を生ぬるく包み込んだ。  
そして、異臭を放つ逸物がアゼリアの中へと入り込んでくる。  
 
「うぐ、うくううっ……!!」  
 
アゼリアは声を上げた。  
以前にスライムのプールへ浸された際に、彼女の膣内は子宮の内側に至るまでを開発されている。  
ゆえにこうした挿入だけでも、気を抜けば軽い絶頂に至るようになっているのだった。  
 
「オラどうだ。堪らんだろう。“ブタみたいな格好”だなぁニンゲンよ。  
 今のは自虐だ、笑っても良いぞ。顔面が変形するまで殴るけどな」  
 
オークは愉快そうに嗤いながら、四足で這う格好のアゼリアを犯し続ける。  
その中で、アゼリアはオークの逸物が特異な形状をしている意味を理解した。  
伸縮するワインオープナーのような先端部は、雌の子宮口をこじ開けるためにあったのだ。  
オークの逸物が産道を抉りまわす一方で、その先端部が子宮口を探し当て、開く。  
普通の女性であればその痛みで泣き叫ぶ事だろうが、子宮の中まで開発されたアゼリアは事情が違う。  
感じすぎてしまっていた。  
 
「うあああ、ああっ、ああああううあ!!うああ、くあっ!!あはああああっ!!!」  
 
抑えきれず、声が出る。  
 
「はっ、浅ましく悦びやがって。ニンゲンは皆そうだ。オークに犯されるなんて、とカマトトぶりながら、  
 いざ犯し抜くと奥をこじ開けられて狂喜しやがる。揃って嘘吐きだぜオメェーらは」  
 
オークはアゼリアを一層力強く犯しながら囁く。  
アゼリアは子宮口を抉られる極感からしばしでも逃れようとするが、  
200キロ以上はあろうかという体躯の前足を腰に載せられているために、逃れる事が叶わない。  
そしてしばしの苦痛の後、ついに射精が訪れる。  
 
「うっし、射精すぞ。今度こそは零すんじゃねぇぞ……つっても、零せねぇだろうがな」  
 
オークはそう告げて腰の動きを早め、強く密着させたまま動きを止めた。  
口内に射精した時と同じく、伸びたペニスの先端が子宮口を抉る。  
そして子宮口に蓋をしたままで、暴力的な量の精子を注ぎ込み始めた。  
 
「あああぐっ……!!」  
 
アゼリアが眉を顰めて呻く。  
射精の勢いは強く、直接子宮の中に注がれている為に不快感も並ではない。  
量はやはり人間の数十倍、一リットル以上は悠にあるだろう。  
それだけの精子が子宮に注がれ、下腹を内から圧迫する様は、如何ともし難い苦痛と不安をもたらす。  
もしも普通に育った村娘がこれを受ければ、数分と保たずに気が触れてもおかしくなかった。  
そして、オークの射精は量だけではない。  
精子の出が終わりに近づくにつれ、その性質が変化してくる。  
粘性をもったゼリー状の……ちょうど子宮に蓋をするような性質に。  
その影響で、アゼリアは逸物を引き抜かれた後も、僅かずつしか精液を漏らせない。  
それはまるで生理の経血のような不快感をもたらした。  
 
「ぐひひひ、どうだ。漏らしたくとも漏らせんだろう。  
 お前はそのまま、腹一杯に俺様のザーメンを溜め込んで過ごすんだ。  
 なぁに、苦しいのは初めの内だけで、そのうち大量ザーメンの中毒になる」  
 
オークは嗤いながら、アゼリアの尻を平手で打ち据えた。  
バシィッという音が岩肌に響き渡り、アゼリアの顔が苦痛に歪む。  
オークはさらに数発を見舞い、球のような尻肉を赤く腫れ上がらせる。  
 
「ぐぅっ……!!」  
 
歯を食いしばるアゼリアの目尻から、とうとう涙が零れ落ちた。  
オークはそれに気を良くしたのか、背中や太腿にも肉の音を弾けさせながら嗤う。  
 
「楽しみにしてろ、徹底的に躾けてやる」  
 
 
何時間が過ぎただろう。日を跨いだかもしれない。  
アゼリアは背中を壁に付け、肉の塊に顔を埋没させるようにして口淫を仕込まれていた。  
 
「もっと舌を使えよ、クソニンゲン。このまま窒息させンぞ?」  
 
オークは何の遠慮もなくアゼリアの喉の奥までを蹂躙する。  
当のアゼリアはといえば、オークの分泌するしとどな先走り汁で溺れかけており、  
まるで腐った茄子を飲み込んだままうがいをするような有り様だ。  
 
「ごぼっ……ぐぇ、お゛げろろぉお゛えっ!!げぱっ、あげぼっ……ごぶ、ぇっ……」  
 
アゼリアの瞳が上瞼に半ば隠れ、押しのけようと必死にオークの脚を掴んでいた指が力を失った頃、オークは岩肌に腰掛ける。  
そして自らの膝を叩いて音を出すと、意識の朦朧としたままのアゼリアは、寄りかかるようにその膝上へと上がった。  
皮下脂肪だらけのオークの上で巧みにバランスを取り、屹立した逸物を自ら秘裂へと挿入する。  
まるで何度も繰り返され、仕込まれた芸のように。  
 
「あっ、あっ、あっ……」  
 
アゼリアは腰を上下させながら、艶かしい声を上げた。  
 
「おい、何でそんな浅い所で腰を止めてる。子宮潰すほどに愛して欲しいって気持ちが伝わってこねぇぞ」  
 
オークがアゼリアの尻肉を叩いて唸った。  
アゼリアは反射的に身体を縮こまらせ、命じられるがままに腰を深く落とした。  
しかしその直後、腰が病的なまでに震え上がる。  
まさしくそれが、アゼリアが腰を深く入れなかった理由であるようだった。  
 
「ブヘヘヘ、いい締め付けだ。流石に女の限界が見えてきたなぁ、騎士さまよゥ。  
 俺ァ今でも覚えてるぜ……お前が初めてこの洞窟に来たときの事をよ。  
 あの時、お前のカンテラを打ち落として取り押さえたのは、俺とその兄弟達よ。  
 まぁ勝てるとは思ったが、ヒヤッとしたねぇ。まさか暗闇であそこまで抵抗するとはよ。  
 昔からここいらのニンゲンを見張ってきたが、その中でもお前が最強格だったろうぜ。  
 ま、所詮目糞鼻糞だがな」  
 
オークはアゼリアに腰を振らせながら、その口に唾液を流し込んだ。  
オークの唾液や精液には催眠効果がある。  
自らの体液を内外から刷り込み、獲物を自らの眷属とする。それがこのオークの特徴だった。  
 
「うあ、あう、あ…………」  
 
唾液を嚥下するたび、アゼリアの瞳から光が失われていく。  
世界が薄皮を隔てたように遠くなり、視界がぼやけた光に包まれ、快感だけが増幅する。  
オークの体液だけでなく、これまで摂取した媚薬の効果が絶望的に身体を蝕んでいる。  
まずい。このままではまずい。  
アゼリアはそう思っていた。しかしながら、オークに従属する事が娘達を救う唯一の方法なのだ。  
ゆえに抵抗することなく、蟻地獄へ引きずりこまれるしかなかった。  
 
「へへ、コイツもそろそろ壊れ時か?」  
 
オークが笑みを浮かべた時、突如その背後の壁が崩れ落ちた。  
大小様々な石が転がり落ち、土煙が立ち上る。  
 
「何だ!?」  
 
思わず振り向こうとしたその瞬間、オークの頭は丸太のように太い腕に鷲掴みにされていた。  
 
『…………ウ゛ウゥウウ…………!!!』  
 
血管の浮き出た黒い腕の向こう、土煙が晴れて露わとなった巨躯に、オークの顔色が変わる。  
そこに佇んでいたのは、全身に血管を浮き上がらせた、余りにも巨大な雄牛の魔物だ。  
オークもかなりの巨躯だが、その巨牛はさらに2周りほど逞しい。  
女性であるアゼリアなどは、せいぜい腰の高さにしか並べないほどだ。  
 
「ミノ……タウロス…………お前、なん」  
 
言葉を全て言い切る事も許されず、オークの頭は巨大な掌によってへし曲げられた。  
指の間に肉が盛り上がり、血が間欠泉のように噴き出す。  
オークの丸い前足は、黒い腕を掴もうとしばしもがいていたが、やがて力なく垂れ下がる。  
相手の絶命を見届けた後、巨牛の豪腕は無造作に握った肉塊を放り投げた。  
200キロを超える巨体は麻袋のように飛び、岩肌に音を立てて血の華を咲かせる。  
 
「………………っ!!!」  
 
アゼリアはその光景を、有らん限りに目を見開いて眺めていた。  
対峙しただけで骨の髄にまで響く、絶望的な戦闘力の差。  
幾百の魔物を屠ってきた辺境騎士は、ここで初めて、諦観するしかない程の強者を目の当たりにする。  
 
「流石ね、ミノタウロス」  
 
黒い巨躯の後ろから、ミランが姿を現す。  
彼女はアゼリアに一瞥をくれながら、擦り寄るように巨牛の腕に触れた。  
 
「あぁら騎士さま、すっかり豚のような匂いを発するようになって。  
 オークごときのペットに成り下がる所だったのかしら?」  
「……誰が、あんなものを主と認めるか! 娘達を救う為に耐え忍んだまでだ!!」  
 
アゼリアは怒気を孕ませて叫んだ。  
ミランはその余裕のない様子に笑みを浮かべながら、乾いた拍手をする。  
 
「ふーん、そう。まぁどっちでもいいわ、よくここまで来たわね。  
 あと残るは一匹……このミノタウロスだけよ」  
 
ミランはそこで、アゼリアの意識を黒い巨躯に向けさせる。  
ミノタウロスと呼ばれた魔物は、総身から殺気とも盛り気ともつかないオーラを発している。  
筋肉の隆起などは、目の前にいながら山脈を俯瞰しているかのようだ。  
巨木の根を思わせる掌などは、全力で打たれればオークのように肉が弾け飛ぶ事だろう。  
あと一匹。その響きは甘美ながら、アゼリアの心は不安で黒く塗りつぶされていた。  
自分は臆している。  
今までの相手には嫌悪を覚える事はあっても、いざ剣を取れば勝てるという精神的優位性があった。  
しかし、このミノタウロスは違う。  
戦ってもおよそ勝てる姿が浮かばない。圧倒的征服者の貫禄に呑まれてしまう。  
 
「これで最後……なんて寂しいわねぇ。  
 折角だから、最後はセックスじゃなく、騎士さまの戦っている姿が見たいわ。  
 剣を返してあげるから、このミノタウロスとお戦りなさい。  
 この子は生粋の狩人でね、自分が戦いで屈服させた相手としか交尾しようとしないのよ。  
 もしミノタウロスに勝てれば、24匹クリア、皆を無事に開放してあげるわ。  
 逆に負ければ襲われるけど……それは想定内よね。  
 本当はちょっと休ませてあげたいけど、この子も前に母乳をくれた相手が気になってたみたいで、  
 はやく犯りたい犯りたいって、鋼の檻をぶち破って来ちゃったのよ」  
 
ミランは嬉しげに告げる。その意図は、アゼリアにも良く解った。  
ミランという女は、アゼリアの辺境騎士としてのプライドをも折りに来ているのだ。  
ここで魔物に屈し、犯されるとなれば騎士の名折れだ。  
 
「…………良いだろう。どんな相手だろうと、私は退かん!」  
 
アゼリアは瞳に光を宿らせてミノタウロスを睨み上げる。  
巨牛はぎらついた瞳でそれを見下ろしていた。  
 
戦いは洞窟内の開けた空洞で幕を開けた。  
ミラン一味と魔物達、鎖に繋がれた娘達が見守る中、騎士の装備に身を包んだアゼリアが現れる。  
いつになく張り詰めた面持ちの先には、巨大な戦斧を携えたミノタウロスが佇んでいる。  
その鼻息を荒さは、すでに臨戦態勢であることをよく表す。  
 
「……往くぞ」  
 
アゼリアは顔の前に抜き身の剣を掲げて宣言し、素早く踏み出した。  
ミノタウロスはその直線的な動きに合わせて斧を振り上げ、アゼリアの胴を狙う。  
アゼリアは直前で身を翻してそれをかわすと、一度屈んで溜めを作ってから鋭く相手の腕を斬り上げた。  
赤黒い血が噴き上がり、ミノタウロスの腕に裂け目が走る。  
 
「はあぁッ!!」  
 
さらにアゼリアは止まらず、ミノタウロスの背後に回って剣を突き刺す。  
半ばほどまで刺してから足で蹴りつけて引き抜き、続いて右の肘を狙って斬り下ろしを見舞う。  
しきりに斧を振るっていたミノタウロスが、一時とはいえ動きを止めた。  
 
「ひゅう……やるねぇ」  
「凄いわ、騎士様!一方的よ!!」  
「いける、いけるわ!!」  
 
盗賊と娘達から歓声が上がる。  
しかしながら、一定の距離を保って攻め続けるアゼリアの表情は厳しいままだ。  
彼女には解っていた。  
自らが相手につけた傷は、余りにも浅いと。  
一時的に動きを止めることはあっても、その後の動作に別段鈍りは見られない。  
相手を倒すには、退く事を前提とした軽い一撃ではなく、懐まで踏み込んでの重い一撃が必要だ。  
それがどれほど危険であるのかは、初めて対峙したときに嫌というほど解っていたが。  
 
「……ここで、やる…………!!」  
 
アゼリアは身体中に汗を流しながら決意を固めた。  
相手に走り寄り、斧の一撃をかわして懐に入り込む。基本にして最も効果的な策だ。  
アゼリアは鍛え抜かれた足で地面を蹴り、ミノタウロスに突進していく。  
左斜め上からミノタウロスの斧が襲い掛かる。  
それを身を屈めて避け、ついに相手の懐へ……入ったその瞬間、彼女の視界に巨大な拳が迫っていた。  
 
「なっ……!?」  
 
驚愕の声を上げた直後、痛烈なブローがアゼリアの身体を跳ね飛ばす。  
その身体は、静かに地面へ突き刺さった巨大な斧に激突して崩れ落ちた。  
右手の斧での一撃はフェイントであり、力を込めずに振り下ろしていたのだ。  
本命は、飛び込んできたアゼリアを殴りつける左の鉄拳。  
 
「が、はっ……あぐ、ぐ、ぞっ…………!!」  
 
腹部を押さえながら、足を引きずるようにして後ずさるアゼリア。  
場所は相手の暴風圏内だ。  
剣を構えなおそうとするその瞬間、上から巨大な拳が殴りかかる。  
咄嗟に転がってかろうじて避けるが、そこを蹴りつけられた。  
 
「ごぼっ!!」  
 
目を見開いて浮き上がり、地面を転がるアゼリア。ついにその手から剣が滑り落ちる。  
落ちた、拾わねば。そう考えた直後、剣の落ちたその場所から金属の折れる音が響いた。  
はっとして顔を上げるアゼリアが見たものは、地面に深く足を下ろすミノタウロス。  
そして、その足の下で互い違いの方向に伸びた、刃と柄。  
無残に成り果てた宝剣の姿だった。  
まだ髪を結っていた昔、国王から剣を賜った式の光景が頭に蘇る。  
 
「き、貴ッ様あああぁっっ!!」  
 
激昂してミノタウロスに掴みかかるアゼリアだが、肉体の強さで敵う筈もない。  
アゼリアの身体はミノタウロスの拳の一振りで地面から引き抜かれ、岩壁に叩きつけられた。  
 
「きゃ!」  
 
短い悲鳴と共に、アゼリアは膝から崩れ落ちる。  
 
後頭部から腐るような痛みが拡がっていた。  
もはや遅い事だが、完全に責め方にミスがあった。  
勝ちを急くあまり、相手の出方を十分に伺わなかったのが敗因だ。  
それでもスタミナのある内に仕掛けたかった。  
自分の唯一の利点である素早さが生かせるのは、体力のある内だけだからだ。  
あのまま慎重に行っていたとしても、心身ともに消耗して致命的なミスをしていただろう。  
では、どうやっても勝ち目などなかったというのか。  
自分は、それほどに無力なのか。  
 
そう考えた時、ミノタウロスの壁のような巨躯がアゼリアの眼前に迫っていた。  
ミノタウロスはアゼリアの頭を掴み、壁面に叩きつける。幾度も、幾度も。  
 
「がっ……!!があ、あぐっ……、ぐああああっ……!!!」  
 
頭が割れそうに痛み、視界が何重もの輪郭を持ち始める。  
容赦のない攻撃。ミノタウロスは、自分に屈服を迫っているのだ。  
降参と言わしめ、犯すことが目的なのだろう。それが眼の光で読み取れた。  
しかし、それはできない。娘達の前で、負ける訳にはいかない。  
 
『フーーッ、フウーー……ッ』  
 
ミノタウロスはぐったりとしたアゼリアの首を片手で掴み、宙吊りにしたまま吊り上げた。  
 
「げぇあっ……!!」  
 
アゼリアの瞳が見開かれ、鎧が金属質な音を立てる。  
口から涎を垂らし、手から力が失せ、死を濃厚に感じさせるようになってなお、  
アゼリアは屈服の言葉を漏らさない。  
ミノタウロスは苛立ちを見せてアゼリアを放り投げ、蹴りつけた。  
床に転がるアゼリアを追い、さらに拳を振るった。  
 
ゴグッゴグッと硬質な音が響き、アゼリアの身にまとう鎧が軋みながら砕けていく。  
アゼリアは悲鳴と共に身を捩るが、それを無理矢理に正面に引き戻して殴りつける。  
 
「ひぃっ……き、騎士様……!?」  
「やだ、嘘……ちょっと、やめてよ……あんなの、し、死…………!!」  
「オイオイ、ミランよぉ。ありゃマジでやべーんじゃねぇのか?」  
「さぁ、どうかしら。ちゃんと母乳与えたから、キレないかと思ったんだけどね」  
 
どよめきが起こる中心で、アゼリアは鉄拳を振るわれ続けた。  
すでに身を護る鎧はその役目を果たせず、繋ぎの紐がかろうじて身を覆っているだけだ。  
大きな掌で髪の毛を鷲掴みにされ、顔面と腹部に鉄拳を叩き込まれる。  
細く開けた瞳で相手の動きを見定め、かろうじて腕で威力を殺してはいるが、篭手ももう砕けかけている。  
できうる抵抗といえば足で蹴ること位のものだが、その足も衝撃を和らげるための動きしかこなせない。  
その絶望的な状況で、アゼリアは一人、耐えた。  
耐えた。  
耐えた。  
耐えた。  
 
「ま、ぉる……わ、わらし……が、まぉり……とほ……ふ……」  
 
唇から血を流しながら、アゼリアは呟き続けていた。  
篭手が砕け、白い腕で直にミノタウロスの鉄拳を受ける事になっても。  
鼻からの血が首元を染め上げても。  
腹部を腕ごと強打されてがら空きになった顔面を拳が襲い、脚が伸びきったまま地面にめり込んでも。  
彼女は耐えた。よく耐えた。  
しかしながら…………永遠とはいかなかった。  
 
 
 
「………………もう、  
      ゆるしてくれ………………」  
 
 
 
涙の溢れる顔を、赤黒く腫れ上がった腕で覆いながら、ついにアゼリアは嗚咽する。  
巨牛の下で失禁し、嘔吐し、脱糞した後の事だった。  
呆れるほどに長い時間が経っていた。  
 
「……ひっ!!」  
 
悲鳴を上げたのは、周りで見守っていた娘達だった。  
ミノタウロスが腰巻を取り去って露わにした怒張は、声なしには反応できないほどの威容を誇っていた。  
彼女達が口を目一杯に開いても、およそ咥え込める見込みのない太さ。  
アゼリアの茂みから乳房の下まで届こうかという長さ。  
葉脈のように浮き立った血管に、見た目にも明らかな硬さ。  
 
「うわぁ、いつ見てもやり過ぎたかと思うデカさねぇ。  
 私は、作った子のペニスは一度自分で試してみる事にしてるんだけど、その子は無理だったわ。  
 代わりに村の女を攫ってきて実験してたんだけど、あそこが裂けて大惨事になるばっかりでねぇ。  
 さすがに実用性がなさ過ぎるかと思って閉じ込めてたんだけど、騎士さまには丁度いいかもね」  
 
ミランが語る中、ミノタウロスがアゼリアの足首を掴んで股を開かせる。  
極直がいよいよ自らの女の部分へ近づいた時、硬直していたアゼリアから声が漏れた。  
 
「こ……こんな、大きさ…………は、入るわけが………………」  
「あら、嫌だったらやめてもいいのよ。最初からの約束だからね。  
 24匹と出来なかったら、代わりの誰かが犠牲になるって」  
 
ミランに嘲るように告げられると、アゼリアは苦虫を噛み潰したような顔で口を閉じる。  
そしてついに怒張の先が、アゼリアの赤い秘裂に押し当てられた。  
亀頭部分が秘肉を割り込み、そこから少しずつ侵入していく。  
秘裂のひらく慎ましい面積と、剛直の太さは明らかに合っていない。  
僅かずつ侵入していく動きだけでも、メリメリと音が立っているかのようだった。  
 
「あ、あ……!!い、いああ、あああ……っ!!」  
 
アゼリアは、恐怖に満ちた瞳で自らの下腹を見やり、硬く目を瞑り、また恐怖に目を開くことを繰り返していた。  
内腿には深く筋が張り、両脚がガクガクと痙攣している。  
いずれも限界を強制されているがゆえの反応であることがよく解った。  
 
「ほらほらぁ、どんどん入っていくわよぉ」  
 
ミランが面白そうに告げる。  
侵入が進んでいる事は、外に出ている怒張の長さ以外でも推し量る事ができる。  
それはアゼリアの下腹だ。  
目を疑うような光景ながら、規格外の怒張を受け入れたアゼリアの下腹は、薄っすらと楕円形に盛り上がっていた。  
状況からして、その起伏こそが膣内に収められた怒張と考えて間違いない。  
ゆえに、怒張が膣の奥まで至ったことも、人体の構造を鑑みればおおよそにして見て取れた。  
 
「うあっ……あぐ、っう、うあっ、あぐっ…………!!」  
 
脂汗を垂らして呻くアゼリアも、自らの状況は理解できているだろう。  
連日の性交で、彼女は自分の膣の終わりがどこかを教え込まれている筈だ。  
もっとも、その時点で怒張が奥に届いているかどうかは大した問題ではない。  
ミノタウロスはその事実如何にかかわらず、いよいよ鼻息を荒げて逸物を引き抜き始めたからだ。  
 
「ぐううううっっ…………!!」  
 
アゼリアの歯が強く噛み合わされ、暴力的な質量の引き出される感覚を耐えようとする。  
下腹の起伏が一度茂みの近くまで下がった直後、アゼリアの両腿が鷲掴みにされた。  
そしてそこから、一気に臍の近くまで隆起が走る。  
 
「あああああああああああああああっっ!!!!!!!!!」  
 
周囲の覚悟を待たず、アゼリアの絶叫が響いた。  
娘達が震え、ミランが耳を押さえながら笑い転げる。  
 
「あっはははは、はしたないわよ騎士さま。そんなに凄いの?」  
「あああ、ああああ、太い、深いぃっ……!!こっ、骨盤が、割れっ……はあああああっ!!」  
 
アゼリアはかろうじて拾えたミランの声に応えながら、有らん限りの絶叫を繰り返す。  
いよいよミノタウロスも慣らしを終え、アゼリアを自らの腰の上に置いて『使おう』としていた。  
 
ぐじゅ、ぐじゅっという水の押しつぶされるような音が空間に広がっていた。  
その音の中心部では、見上げるような巨牛が引き締まった美しい女を貫いている。  
それは神話のような調和さえ感じられた。  
苦しみに満ちた、しかしどこか艶かしい女の声さえなければ。  
 
「あ……あ、ああ……っはッ、ああっ……はっ、あ……あ、ああ……うあ」  
 
アゼリアは股を大きく開く格好で、背後から巨牛に犯されていた。  
身体の前面を観衆に晒す状態であるため、豊かな乳房が突きに合わせて上下に揺れ動くさま、  
その先端から随時母乳が吹き零れていくさまが隠さず見られていた。  
規格外の怒張が秘裂に出入りする様子も、その隙間から夥しい蜜が溢れていく様子も。  
貫かれるたびに強張り、指に至っては一秒たりとも力を抜けていない足も。  
 
そして何より、顔を見られているのがアゼリアには堪らなかった。  
騎士として常に凛とした表情をしているべし、と心がける彼女は、毎朝鏡を見る事を習慣としていた。  
ゆえに自分の顔がどんな風であるかは、頭の中だけでも克明に描けた。  
きりりとした面持ちが、密やかな自慢でもあった。  
それが、今はどうか。  
目はとろりとして光もなく、口は半開きのままで涎を垂らし。顔中で快楽を訴えているに違いない。  
もはや我慢も限界だった。  
開発に開発を重ねられた身体を、これ以上この化け物に陵辱されては、耐えられない。  
もはや秒読みだ。あとほんの少しで……。  
 
「うあああああああっ!!あはっ、は、入ったぁああっ!!  
 あぐ、ああああ、いやあ、いや、いやあ、いやああだめ、あああああああっ!!!  
 
突如狂乱しはじめたアゼリアに、周囲の人間がざわめきを起こす、  
一人、今日まで調教を担ってきたミランだけは訳知り顔だ。  
 
「あーら、大変。開発しといた子宮口が開いてきて、ぶっといのが入っちゃったんでしょう」  
 
その言葉に、盗賊達が下卑た笑みを浮かべ、娘達が驚愕する。  
 
「あははははっ、子宮を直接、そんな凶暴なのに犯されるなんて!ああ可愛そう、哀れ哀れ!  
 ねーぇ騎士さま、もうそんな辛いのは嫌でしょう。誰かに代わって貰いなさいな」  
 
ミランが満面の笑みを浮かべながら呼びかける。  
これまで幾度となく投げかけられた誘いだ。  
ミランが問い、アゼリアが跳ね除ける。それは繰り返されるうち、当然そうなるものと認識されていた。  
ゆえにこの時点でも、娘達にその問いかけ自体に反応する者などいなかった。  
 
しかし。  
 
「…………もう………………」  
 
この時返された言葉は、その予想とは違っていた。  
 
「……もう、駄目だ…………誰か…………頼む、だれか、代わって…………  
  …………た、たすけて、おねがっ…………ここから、たすけ、たすけ……て………………!!」  
 
アゼリアの口から零れたのは、救いを求める言葉だった。  
ついに、アゼリアが屈服の意思を示したのだ。ミランが嗤った。  
 
「ふふ、ふふふふふ!!ねぇ聞いた、騎士さまはもう限界だそうよ。  
 それはそうよねぇ、もう駄目かもしれないって、ここにいる全員が何度も思ったでしょう。  
 さぁ、さ、騎士さまを助けてあげましょうよ、誰かが身代わりになってね。  
 誰が騎士さまをお助けするの?勇気があるのはだぁれ? あなた?それともあなた?」  
 
ミランは上機嫌で、捕らえられた娘達を指し示す。  
しかしその指に選ばれた娘は、皆が涙ながらに首を振る。  
 
「…………そ、そんな、お、お願い……あ、あっあああううっっ!!!  
 私は、もう正気が、正気が保てそうに、ないんだ……あうっ!!頼む、おねがいだ、頼むっ!!」  
 
アゼリアの“必死の”願いも、娘達には聞き届けられない。  
彼女達は震えながら目を伏せた。  
身代わりになるという事は、今アゼリアが受けているような苦しみを自分が味わうということだ。  
口先でやる、やらないといった簡単な話ではない。  
今まさに苦しんでいる人間を前にしたリアルだ。燃えている家を前に、飛び込むかという問いだ。  
それをできる人間は、村娘にはいない。  
 
「……どうして私達が…………代わらなくちゃいけないの。  
 私達は、助かりたいだけなのに。何も悪いことしなかったのに」  
 
アゼリアからの哀願の視線に耐えられなくなった1人が、吐き捨てるように言った。  
それを聴いた瞬間、アゼリアの顔が絶望に染まる。  
その中で、ミランだけがこの上なく楽しげに嗤っていた。  
 
「あっはっはっはっは、最高!騎士さま頑張ってとか、私が護るとか、散々やっておいて!!  
 結局口先で何を言おうと、人間って自分が楽になりたいだけ。  
 嘘ばっかり、見せかけばっかり。本能に従ってるモンスターの方が、よっぽど綺麗な魂だわ。  
 ニンゲンの皮を被りながら中には獣を飼ってる、『けもの の いれもの』よ、お前たちは!!」  
 
ミランは高らかに嗤いながら、傍らに集い始めた魔物達の頭を撫でた。  
 
 
 
                          END  
 

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