「いい格好ねぇ、噂の辺境騎士さん」  
 
ミランはそのエキゾチックな相貌を歪め、眼前に拘束された騎士を見下ろす。  
名はアゼリア。思わず二度見るほどに顔も身体も整った騎士だ。  
肩よりやや下に靡く黄金の髪、  
王国からの信頼の厚さが伺える重厚な額当て、  
起伏も明らかに鍛え上げられた、仄白いブロンズ像のような肉体。  
そして何よりも切れ上がった不屈の瞳が、征服する獲物としての価値を物語る。  
 
彼女は辺境を見回るべく王都から遣わされた『辺境騎士』だ。  
守護する土地によっては王都近衛兵以上に権威のある地位であり、  
そのエリート性から田舎の騎士からは疎まれやすい傾向にある。  
今回、少数の盗賊を追っていたアゼリアが応援を呼べなかったのも、その辺りの事情があるのだろう。  
 
もっとも、相手が本当に盗賊のみであったならば、アゼリアに応援など必要なかった。  
彼女の剣の腕を持ってすれば、にわか仕込みの荒くれごとき物の数ではない。  
しかし悪い事には、その盗賊には強力な後ろ盾があった。  
盗賊の役目は、根城に食料と『実験台』の女性を運び込む事。  
そしてその根城とは、秘密裏に異形の化け物……いわゆるモンスターを生育する洞窟だ。  
 
盗賊を追ってそこに踏み込んだアゼリアは、その直後に入り口を閉ざされ、  
伸ばした手も見えない闇の中で無数の触手に手足の自由を奪われた。  
驚いて一度は手放した剣を蹴り上げ、かろうじて触手を凪ぎ払いこそしたものの、  
長時間の奮戦によってアゼリアの体力は磨り減っている。  
その状態で自分の胴ほどもある棍棒を携えたオーク数体に囲まれれば、  
いかに辺境騎士とて岩肌に悲鳴を響かせるしかなかった。  
 
 
「ああ、き、騎士さま……。」  
 
魔物の苗床となるべく拐されてきた娘達が、アゼリアを見つめてやつれた頬を震えさせる。  
娘達は、この地方の田舎騎士達が不甲斐ない事を身を以って理解している。  
ゆえに王都から派遣されてきたアゼリアこそが、彼女達にとっての最後の希望だった。  
彼女が助けられなければ、もう自分達に希望はない。  
そうした想いを汲み取るかのように、アゼリアは捕らえられてなお、毅然とした態度を崩さない。  
彼女は真っ直ぐにミランを見据えながら口を開いた。  
 
「……私の事は好きにしろ、どう扱おうが構わない。だがその代わり、他の娘達は解放しろ」  
 
その言葉に、ミランと、その周囲にいた盗賊達の口が綻ぶ。  
言われずとも、この計算外の獲物を嬲りたくて仕方がないのが本音だ。  
村娘ではまず見かけないほど意思の強い瞳、厳しく鍛え上げられた肉体は、サディストにとってこの上ない獲物だった。  
とはいえその気持ちを表に出すことはせず、ミラン達は逡巡する振りを見せる。  
そしてしばしの後、交渉の余地ありという風で切り出した。  
 
「そうね、それもいいかもしれないわ。ただし、条件つき。  
 ご存知の通り、この洞窟では色んな魔物達を飼育しているの。  
 その遊び相手をそこの娘達にして貰ってたんだけど……それを代わってくれるならね。  
 あなたが助けたい娘の数は24人。  
 だから同じ24匹の子の相手をして、それでもまだ身代わりが要らないというなら、解放するわ」  
 
その言葉に、娘達から悲鳴が上がる。  
 
「そんな、無茶よっ!!」  
「い、1匹でもあれなのに、24匹なんて……人間が耐えられるわけないわ!!」  
 
しかしその声を遮るかのように、アゼリアの凛とした声が響いた。  
 
「異論はない。24匹、すべてを私に使え」  
 
娘達が口を覆い、ミラン達がほくそ笑む。  
 
「あらあら、欲張りだこと」  
 
嘲るようなその言葉は、深い洞窟の中で冷たく響いた。  
 
 
「さぁ……まずはこの子よ、気高い女騎士さん」  
 
ミランが手袋を嵌めた手で一匹の魔物を掴み、胡坐を掻くように縛られたアゼリアの前に立つ。  
魔物は女の手の平よりやや大きい程度で、芋虫のような形をしていた。  
奇妙な事といえば、その体の節のいくつかから、蜘蛛の足のようなものが飛び出ていること。  
そして何より、その体表から濃縮したアンモニアのような痛烈な臭気が漂っている事だ。  
生理的嫌悪を催すその臭いに、囚われの娘達が悲鳴を上げ、アゼリアさえもその凛とした美貌を歪ませる。  
 
「ふふふ、くっさいでしょう。毎日魔物の匂いを嗅いで鼻が馬鹿になってる私でも解るわ。  
 この子はお腹に汗腺がびっしりついててね、そこから匂うのよ。  
 特に今はクスリで強制的に発情させてるから、フェロモンも分泌されて臭気は抜群というわけ。  
 そしてこの子の最大の特徴は匂いじゃなく、その独特の生殖行動にあるの。  
 胴の真ん中から下がそのまま生殖器になってて、それを大型動物の狭い穴の中に擦り付けて性交するのよ。  
 メスが卵を産み付けるのも、オスがその卵に精子を浴びせかけるのも、両方が他の動物の穴。  
 特にサイズと肉の柔らかさから人間の喉が最高みたいで、一度人間の喉の味を覚えると、次々と人を襲い始めるのよ」  
 
ミランのおぞましい説明に応えるかのように、魔物がその芋虫のような体をうねらせる。  
鼻の曲がりそうな臭気もさることながら、体に纏いつく粘液も生理的に受け入れがたいものだ。  
 
「あなたにはまず、喉奥を使ってこの子の性欲処理をしてもらうわ。  
 ああ安心して。この子はオスで、胃の中に卵を産みつけるような事はないから。  
 じゃあ、いくわよ。思いっきり口を空けて、じゃないと入らないわ」  
 
ミランが満面の笑みで蟲を掲げ、アゼリアの鼻先に押し付けた。  
アゼリアは一瞬眉間に深い皺を寄せたが、やがて観念したかのように喉を鳴らし、桜色の唇を開いていく。  
 
「う゛ぉっ……!!」  
 
芋虫の尾……否、生殖器が喉奥に届いた瞬間、アゼリアは思わず呻き声を漏らした。  
まさしく芋を丸呑みするようなもので、顎が外れるかと思えるほど口を開かなければ入りきらない。  
深さも相当で、喉奥に届くまで呑み込んでも、まだ蟲の体の殆どが視界下方に映っている。  
ミランは苦しむアゼリアを可笑しそうに見つめながら、両手で鷲掴みにした蟲を喉奥へと押し込んでいた。  
「んごォっ……!!んン、んおぉオオ゛ッッ……!!」  
数秒の後、アゼリアの喉奥から漏れる声の深刻さが変わる。  
蟲の生殖器の先がとうとう喉奥の門をこじ開け、食道へと入り込んだのだ。  
そうなればもはやミランの後押しなど必要なく、蟲自らが体をうねらせながらアゼリアの喉を蹂躙し始める。  
「んぐっ……お、おオ゛ッ!!ふぶっ、ぐも゛ォっ……っンンぉおお゛ォお゛っっ!!!!」  
アゼリアの呻きもいよいよその美麗なイメージから遠ざかっていく。  
ミランは手を叩いてその有り様を喜んだ。  
「はぁい、始まり始まりぃ。あんた達もよぉく見とくのよ、騎士様がくさい蟲のイラマチオで乱れる様をね」  
 
 
それは、まさに地獄の苦しみだった。  
蟲の粘液を帯びた太い胴体で喉奥をこじ開けられ、蹂躙される。  
その苦しみも相当なものだが、それと同じほどに匂いがひどい。  
気の遠くなりそうな青臭さと刺激臭が交じり合い、それが自らの口の奥から溢れてくる。  
それは喉の苦しみとはまた別に、アゼリアに涙を流させ、鼻水を垂らさせる。  
鼻と喉を満たす悪臭から逃れようと大きく息を吸い込んでも、それが返って麻痺していた粘膜を正常に戻し、  
苦しみを増幅させる結果となってしまう。  
幾度となく噎せ返りそうになるが、蟲に喉奥を開かれている為にそれも叶わず、うがいをするような喉奥からの泡立ちに消える。  
 
「へへへ、この女スゲー声出してやがる。勃っちまうなぁ、オイ」  
 
盗賊の1人がアゼリアの方を見やりながら笑った。  
本来女の出すものではない音階のえづきを繰り返している事は、アゼリア自身が嫌というほど解っている。  
えづき続けて乾いた喉へ、蟲の粘液が染み渡り、同化する感覚を沸き起こす。  
その事実に思わず熱いものがこみ上げるが、それを意思の力で必死に抑え込む。  
 
「あらあらぁ、頑張るわねぇ」  
 
嘔吐を我慢している事が頬や喉の蠢きから解るのか、ミランが目を細めて告げた。  
しかしその忍耐とて、いつまでもは続かない。  
特に状況が変わった時、耐え切ることはいよいよ絶望的となった。  
何十度と生殖器を喉奥に擦りつけた末に、ついに異形の蟲が射精を始めたのだ。  
 
ぬめらかな体が一度大きく蠢いた後、細かに震えながら食道へ向けて射精を開始する。  
今までの臭気をさらに上書きするかのような濃密な匂いが、直接胃の中へと叩き込まれる。  
これは流石に耐え難かった。  
体の容量を超えているのではと思えるほどの大量射精をすべて受け止めた後、  
まるでそれがそのまま逆流するかのごとく、喉へと熱さがこみ上げる。  
まずい、というアゼリアの意思などもはや関係なく、“それ”は蟲の体を押しのけて唇の端から零れた。  
 
「お、オ゛エッ、んふんんンんおええええ゛え゛っっ!!!!!」  
 
今までで最も濁った声と共に、半液状の吐瀉物が溢れ出す。  
 
「へ、とうとう吐きやがったぜこのアマ!」  
「おーおー、ただでさえ鼻水まみれだったキレイなお顔がグズグズだぜ。  
 蟲の匂いに紛れて匂わねーのがせめてもの救いだな」  
 
男達の品のない笑い声がする。  
嘔吐という失態が起きても、状況は変わらない。  
蟲は何事もなかったかのように再び喉奥での快楽を貪り始め、アゼリアからえづき声を掻き出す。  
一度嘔吐を経験してからは喉の粘膜の敏感さも増しており、苦しみは先ほど以上といえた。  
 
両腕を吊るす鎖が煩く鳴る。  
幾度も幾度も喉奥を抉られ、異常なほどとろみのついたえづき汁を掻き出される。  
時にはそれを追うように黄色い胃液さえもがあふれ、胡坐縛りのアゼリアの足首へと垂れ落ちた。  
そして、嫌になるほどの喉奥射精。  
これらが延々と続くうち、アゼリアはかすかに、そして次第にはっきりと、自らの変化に気づきはじめる。  
頬が高潮し、心臓が早打ち、頭の芯が痺れる。それはまるで……  
 
「感じてきたのね?」  
 
瞳を覗き込むミランから核心を突かれ、アゼリアは目を見開いた。  
 
「そうでしょうね、あんなにこの子の精液を飲んだんだもの。  
 この子には普段から、媚薬と呼ばれるような類の液を啜らせているの。  
 喉を苗床にされる女の子も、苦しいだけじゃなくて、そのうち自分からその快楽を求めるようになる。  
 効率が良くて、かつ幸せな話でしょう?」  
 
ミランはそう告げながら、さすがに動きの鈍った蟲の頭を掴んで引き抜いた。  
アゼリアの口内から粘り気のある糸が幾本も伸び、重力に沿って半透明の幕を形作る。  
汗まみれで息を荒げる今の自分は、周囲からさぞ発情しているように見えることだろう。  
アゼリアは自分でもそれが解った。  
 
「一匹目はお気に召したかしら、女騎士さん?」  
「……はっ、はぁっ…………こ、この程度なのか? 拍子抜けだな」  
 
気丈なアゼリアの返答も、生粋のサディストであるミラン達には悦びしか与えない。  
彼女達はいよいよ笑みを深めて続けた。  
 
「そう。でも安心なさい、次はもっと未知の感覚が味わえるわ」  
 
※  
 
アゼリアは一旦拘束を解かれ、丸い柱を後ろ手で抱え込むように縛り直された。  
胸を張ったまま柱に背を預ける格好だ。  
 
「さぁ、次はこの子よ。結構自信作なんだから」  
 
ミランはアゼリアの眼前に、一本の細長い紐状のものを翳す。  
よく目を凝らすと、それは針金のように細い蟲である事がわかる。  
 
「嫌な予感がした? 大丈夫。これをちょっと、騎士さんのおっぱいに潜り込ませるだけよ」  
 
ミランはさらりとそう告げ、アゼリアの女らしい乳房を掴む。  
 
「……しょ、正気か、貴様」  
 
流石のアゼリアも表情が強張り、一筋の汗を垂らした。  
ミランはあえてそれには応えず、手の中で固定した左乳房の先に蟲を押し当てる。  
するとその細長い蟲は、機を得たりとばかりにアゼリアの乳腺を探り当て、潜り込んだ。  
 
「はぐぅっ!!」  
 
美貌を歪ませるアゼリアを面白そうに眺めていたミランが、その唇に指を置いた。  
 
「ねぇ騎士さん。さっきは退屈させてしまったみたいだから、今度は制限をつけましょうか。  
 声を出さないこと。一度はっきりとした声を上げる度に、助けられる人数が1人減るの。  
 まぁ、25回以上は喘ぎ放題とも言えるわね。出来るでしょう?」  
 
今まさに乳腺に潜り込まれ、あああ、と呻きをあげようとしていたアゼリアの顔が凍りつく。  
このかつて経験もない刺すような痛みを、無言で耐え忍べというのか。  
それも、一瞬二瞬という話ではない。一体いつまで。  
不安は山のようにあれど、初めからアゼリアの言葉は決まっていた。  
 
「解った、静かにしていよう」  
 
弱みを見せる事は騎士の名折れだ。相手の嘲りを受けて立つ。  
誇り高い女騎士はそう心に誓い、胸肉の中で蠢く蟲の苦痛に耐え忍ぶ。  
そしてそれを愉しみながら、ミランはもう一匹を壷から取り出し、アゼリアの右の乳首へと押し付けた。  
 
「…………あぁら、少し長めにオシッコしてきたんだけど、まだ耐えてるの?」  
 
用を足して戻ったミランは、下唇を噛んで打ち震えるアゼリアを見て驚いた。  
 
「ああ、大した根性だぜ。蟲が動いてる時に乳房を鷲掴みにしてやりゃあ、大口を開けて叫ぶ一歩手前までは行くんだがな。  
 そこからがどうやっても落ちねぇ。  
 生足の方は時々内股になったり、忙しなく踏み変えたり、誘ってんのかってぐれぇ雌臭い動きをしやがるのによ」  
 
男の報告を聞き、ミランは確かめるように乳首から覗く蟲の尾を摘んだ。  
すると蟲は嫌がるように体を伸縮させ、同時にアゼリアの肩が震え上がる。  
 
「…………――ッ!!!!」  
 
目頭から涙を一滴伝わせ、犬歯でも見えるのではと思うほどに歯を喰いしばって耐えるアゼリア。  
その瞳はなお力強くミラン達盗賊一味を睨み据えており、嗜虐心をよく満たす。  
そして、もう一つ。  
 
「ふふ、もうこんなに膨らんで……。かなり母乳を飲まれちゃったわね、女騎士さん」  
 
ミランが乳首の先で蠢く蟲を見やりながら告げる。  
その言葉通り、初め針金のように細かった蟲は、今や髪を梳く櫛ほどの太さに膨らんでいた。  
 
「ッ!?」  
 
アゼリアは、そこでようやく蟲の太さが変わっている事に気がついたのか、自らの乳房を見下ろして表情を凍りつかせた。  
 
「ふふ、太くなってるでしょう。でも、まだまだよ。その可愛い触手は、調子がいい時だと指よりもっと太くなるの。  
 いずれはこの技術を応用して、女の子のお乳を根こそぎ吸い上げるようなイカの魔物を作るつもりだけど、言わばその試作品ね。  
 ちなみに、この子も普段は媚薬の液の中で飼育してるから、膨らんでくると同時に媚薬効果のある粘液を出すのよ。  
 さっき、時々内股になったり足を踏み変えたりしてるって聞いたけど、それ……“痛みを我慢して”じゃないでしょう?」  
 
ミランは笑顔のままでそう囁くと、不意を突いてアゼリアの膝頭を蹴り飛ばした。  
あくまで脚を閉じて見せまいとしていた恥じらいの部分が露わになる。  
それを目にして、盗賊達と娘達が同時に驚きを示した。  
濡れていたからだ。  
若干濃い目に茂った恥毛から、その美しい脚線の内に沿う形で光る筋が流れている。  
 
「ほら、もうどろどろ。  
 さっきお口にたっぷり出されたフェロモンも回ってくる頃合いだものね、こうなっちゃうわよね」  
 
ミランは遠慮なくアゼリアの秘裂に指を差し入れた。  
ちくちく、と粘り気のある音をさせて数秒も弄くると、アゼリアは堪らないといった声を上げ、後頭部を柱に押し付けた。  
 
「あぁーら、イッちゃったの?ごめんね上手くて」  
 
ミランは手首を振って指先の露を払い、再びアゼリアの観察に回った。  
彼女が告げた通り、乳房で揺れる蟲はその後も少しずつ太さを増していき、人間の指ほどの太さを誇るようになる。  
そうなると、蟲が蠢くだけだった胸にも変化が現れる。  
指大の蟲に延々と捏ね回され、とうとう母乳が溢れはじめたのだ。  
それは場に驚きではなく、むしろ来たるべきものが来たものとして迎えられた。  
アゼリアが顎から足指の先までを使って表現する艶かしい動きを見ていれば、母乳程度が零れるのも必然に思えた。  
 
「あっは、とうとう乳腺がバカになったのね、どぷどぷ出てきたじゃない。  
 あなたオッパイが大きい上に形がいいから、母乳の零れてく様子も絵になるわねぇ」  
 
ミランが嬉しそうに告げる。  
アゼリアは母乳が出始めてからは、それまでの唇を噛む耐え方から、口を「い」の字に引き結ぶ耐え方に変えていた。  
眉根を寄せ、唇の中心を噛み締め、口の端からはわずかに歯を覗かせて震える。  
それは声を抑えるギリギリのレベルで快楽を得ている証だ。  
時折その苦悶の顔から、薄目を開けて腰をぶるっと前後に震えさせる事があり、それが絶頂を迎えている瞬間だとも解った。  
 
その絶頂のサインが、何度表された事だろう。  
 
やがてアゼリアは総身が汗にまみれ、湯気も立ちそうなほど荒い息を吐くようになっていた。  
顔は常に天を仰ぎ、足は爪先立ちになって、全身を緊張させる事でようやく堪えている状態だ。  
そこへ来てようやく、ミランは彼女の両乳首からだらりとした蟲を引きずり出した。  
初め可憐な桜色の蕾だった乳首は、しこり勃ったまま紅く膨れ上がり、人差し指がそのまま差し込めるほどの穴が開いている。  
改めてどれほどの責めだったのかが解る絵面だ。  
 
ミランは口を空けた乳首の先を指でほじくり返しながら、呻くアゼリアに呼びかけた。  
 
「ふぅん、よく最後まで声も出さずに耐え抜いたわね、流石は噂に聞く騎士さまだわ。  
 じゃあご褒美に、今からは声を出すのを解禁してあげる。最後の仕上げよ」  
 
ミランはそう告げた後、盗賊の1人に合図を出す。  
その1人はテーブルに置かれた銀の皿を2つ取り、それぞれをアゼリアの両胸の前に掲げた。  
ミランはそれに頷き、不審がるアゼリアの両乳房を掴んで力強く絞り上げる。  
 
「はああっ!?」  
 
アゼリアが叫ぶと共に状態を前に屈め、目を見開いた。  
想定を超えた快感が襲ったかのように。  
 
「あら、どうしたの騎士さま?半端に漏れてたものを絞って、ラクにしてあげようとしただけなのに。  
 お乳搾られて感じるなんて、雌ウシ以下よ」  
 
ミランは満面の笑みを浮かべたまま、アゼリアの母乳を慣れた手つきで搾り出す。  
母乳は乳房の先から勢いよく飛沫き、男が差し出す銀の皿へと硬い音を立てながら注がれていく。  
 
「ああああっ!!あっ、ひはあああっっ!!!こ、こんな、嘘……あ、あああっはあ゛あ゛ああっっっ!!!!!」  
「ふふ、凄い声。今まで必死に我慢してた声を出せる事もあって、開放感が底なしよね」  
 
ミランは悶えるアゼリアの横顔を眺めながら、緩急をつけ、力強く母乳を搾り取る。  
やがてはアゼリアの声が枯れ、ガクリと首が垂れた。  
ミランが母乳まみれの手で髪を掴んで引き起こすと、口を半開きにしたまま白目を剥いたアゼリアの顔が表れる。  
 
「あらあら、流石に休憩が必要みたいね」  
 
ミランは男から銀の皿を受け取り、一舐めして満足そうに頷く。  
 
「うん、健康健康。これ、ミノタウロスにあげといて。  
 あの子って子供の頃に母親を食い殺しちゃってるから、いつもママのおっぱいに飢えてるのよ。  
 あの子にも近いうち、頑張って貰わないといけないから……ね」  
 
ミランは可笑しそうに告げ、ミルクのついた指でその主の頬を白く汚した。  
 
 

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