第5話 キツネくんと仔猫ちゃん(後篇)  
 
「キツネ、くん…」  
「嘘…嘘、ですわよね?」  
 
タヌキさんの笑顔がひきつってる。  
俺をずっと想ってくれた、その想いが募って人間になったタヌキさん。  
 
「説明、して…くれないの?」  
 
険しい目つきのヒトミ。  
ずっと…ずっと俺の傍にいてくれた、  
俺の事、好きだって言ってくれた大切な幼馴染。  
 
二人からしたら、俺の行為は…きっと、裏切り以外の何者でもない。  
なんて言うべきだろう。いや、俺に言える事なんて無い。  
 
その時。  
 
「おにいちゃんをいじめないで!」  
 
俺の前に、小さな身体で立ちはだかるタマミ。  
 
「おにいちゃんは悪くない!おにいちゃんは…!」  
「タマミ…!」  
 
俺はタマミの肩に手を伸ばす。震えてる。  
目にうっすらと涙を浮かべてる。  
 
俺はもう彼女を泣かさないと誓った。ぐっと指先に力を込める。  
振り返ったタマミと目が合う。俺は彼女への想いを込めて、頷いた。  
 
震えが止まった。  
 
「タヌキさん、ヒトミ」  
 
俺は二人に向かう。  
何の事は無い。タマミを守る、だって?  
 
俺の方が、彼女から勇気をもらってるじゃないか。  
 
「俺は…」  
「いやです」  
「タヌキさん?」  
「聞きたく…聞きたくありません!」  
 
タヌキさんは…ひきつった笑顔のまま、涙を流している。まさに滂沱。  
 
「タヌキさん…!」  
 
踵を返し、走り出す。  
 
「タヌキさん!待って!俺…俺は!」  
「キツネくん。私は逃げない。ちゃんと聞かせて」  
「俺、俺は…」  
 
ひとりぼっちだった彼女を見つけた。  
ひとりぼっちは寂しい、だから、俺は彼女の「居場所」になる。  
 
そう誓ったんだ。  
 
「それ、愛情?それとも、同情?」  
「…え?」  
「ホントに彼女の事、好きなの?  
 キツネくんの話し方だと、単なる同情にしか聞こえない」  
「…!そんな事!」  
「何よ!彼女の寂しさにつけこんだだけなんじゃないの?  
 キ、キスなんかもさせてくれるしね!だ、だから…!」  
「ヒトミ…!?」  
 
…すごく可愛かった。気持ちよかった。  
またしたい。すぐにでも。何度でも。  
 
…俺、俺は。  
 
彼女の寂しさにつけこんで、自分の欲望を満たした、だけ…?  
 
「や、やめてよー!ヒトミおねえちゃん!おにいちゃんは…!」  
 
俺の前に立ちはだかるタマミ。  
しかし、その事が…恐らくはヒトミの神経を逆なでする。  
 
「黙っててよ!この泥棒猫!」  
「…ひっ!」  
「何よ!いきなり割り込んできて!そんなチビのくせになに?  
 どんな色仕掛けでキツネくんを誘惑した訳!?」  
「や、やめろ!ヒトミ!」  
 
俺の悲鳴にも似た叫びに、びくっと身体を震わせるヒトミ。  
 
「俺の事ならなんと罵ってくれてもいい…!だけど!  
 彼女に…タマミに、ひどい事言うなよ…言わないで、くれ」  
「あ…私…」  
 
唇をかみしめるヒトミ。  
 
「私、な、なに言って…こんな事、言うつもりじゃ…!  
 キツネくんやタマミちゃんを責めたって…  
 なんにも…なんにもならないのに…!」  
「ヒトミ…!」  
「キツネくんだけじゃなく、自分まで傷つけるだけなのに…!  
 私、なんだって、こんな事…!!」  
 
さっきのタヌキさんと同様、ヒトミも涙をこぼす。  
 
「強がってみたけど、やっぱり、ショックみたい  
 あは…!タヌキさんの事、バカに出来ないや…」  
 
やっぱりさっきのタヌキさん同様、踵を返し、走り去る。  
 
俺には、ヒトミの言動を責める資格は無い。  
俺が全ての元凶。  
 
もっと早く彼女たちの想いに答えを返していれば。  
 
後悔先に立たず、覆水盆に返らず。  
 
「おにいちゃん…」  
「あ?ああ…」  
「あ、あたしのせい?」  
「え?」  
「あ、あたしのせいで、おねえちゃんたち、泣いちゃったの?  
 あたしのせいで、おねえちゃんたち、怒っちゃったの?」  
「ち、違うよ!タマミのせいじゃない!あるもんか!」  
「…嘘」  
「…!」  
「おにいちゃん、嘘ついてる…あ、あたし、解るもーー!」  
 
そう叫ぶと、俺の胸に飛び込んで。  
 
「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさいーーーーー!  
 でも!でもでもでも!あたしおにいちゃんが好きなんだも!」  
「…タマミ!」  
「お、おねえちゃんたちが泣いても!怒っちゃっても!  
 あたし、おにいちゃんを好きじゃなくなれないもの!」  
 だ、だから!だからだからだから!  
 お、おねえちゃんたちの事!好きだけど!でも!でも…!  
 ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」  
「もういい!もう、いいんだ…君は悪くない!悪くなんかない…!」  
 
そして、彼女は健気な決意を口にする。  
 
「あたし…もうタヌキおじちゃんのお家に帰れない」  
「え?」  
「おねえちゃんに、会えないも…」  
 
会わす顔がない、ってヤツか。  
 
ぐずっ…と、鼻をすするタマミ。  
涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔。でも、汚いなんて思えない。  
 
その様子が痛々しくて、守ってやりたくて。  
 
だから、俺に出来る事と言えば。  
 
「じゃあ…俺といればいい」  
「…え?」  
「家を、出るんだろ?俺も一緒だ」  
「お、おにいちゃ…?」  
 
俺はせいぜい悪戯っぽい笑顔を心がけて、言った。  
 
「駆け落ちって、知ってるか?」  
 
※ ※ ※  
 
「うわーうわーうわーーーーーー!  
 すごいすごいすごい!これが海?海?」  
 
というわけで。  
俺たちは海の見える街に「駆け落ち」した。  
 
タマミが感じたように、俺もタヌキさんやヒトミに合わせる顔がない…って意識も少し働いたりして。  
 
とにかく、タマミの傍にいるにはこうするしか無かったって事情もある。  
彼女は頑として田貫理事長の家に戻ろうとしなかったのだから。  
 
この先どうなるか、どうすべきか解らないけど。  
多分、すこし頭を冷やす必要があるんじゃないかとも思って。  
 
「おにいちゃん!」  
「え?」  
「とりゃー!」  
「わぷっ!?しょっぺ!」  
 
あー頭から海水かぶっちゃったよ。  
頭冷やすって、そういう事じゃなくて!  
 
「あはは!あははははは!」  
「や、やったな、このー!!」  
「キャーキャーキャー!にゃーー!」  
 
昨夜の思い詰めた表情は鳴りを潜め、いまは笑顔のタマミ。  
とりあえず、俺にはそれが嬉しい。  
 
考えなきゃいけない事はたくさんあるけど。  
 
今は、彼女と一緒にいる。それだけで、ひとまずは。  
 
※ ※ ※  
 
夜はまだ冷える。  
野宿も考えたけれど、今日のところは宿を取る事にした。  
この先どうするか解らないから出費は控えたかったけれど。  
 
知らない土地で迎える夜。  
見なれない天井は、不安を駆り立てるものだ。  
 
テーブルではさっきまで湯気を立てていた食事がすっかり冷え切っている。  
決してまずい訳じゃ無かった。でも、俺も彼女も、半分も食べられなかった。  
 
『し、慕ってくれるからって!寂しさにつけこんで!  
 キスなんかもさせてくれるしね!だ、だから…!』  
 
ヒトミの言葉が、突き刺さる。  
 
…あの時、俺は単に状況に流されていただけじゃなかったか?  
彼女のオナニーを見て、昂奮して、したくてしたくて堪らなくなって…  
彼女の居場所になるなんてただの言い訳に過ぎなくて。  
 
彼女を抱くための口実が欲しかっただけなのかも、しれない…。  
 
そんなイヤな考えが頭から離れない。  
 
怖がる彼女に「好きだ」なんて囁いて、彼女を夢見心地にさせて、処女を奪った。  
昂奮して我慢できなかったから。したかったから。  
 
俺が、したかったから?  
 
そうだ。  
確かに、あの時、俺は彼女が欲しかった。  
 
タマミが感じたように、俺もタヌキさんやヒトミに合わせる顔がない…って意識も少し働いたりして。  
 
とにかく、タマミの傍にいるにはこうするしか無かったって事情もある。  
彼女は頑として田貫理事長の家に戻ろうとしなかったのだから。  
 
この先どうなるか、どうすべきか解らないけど。  
多分、すこし頭を冷やす必要があるんじゃないかとも思って。  
 
「おにいちゃん!」  
「え?」  
「とりゃー!」  
「わぷっ!?しょっぺ!」  
 
あー頭から海水かぶっちゃったよ。  
頭冷やすって、そういう事じゃなくて!  
 
「あはは!あははははは!」  
「や、やったな、このー!!」  
「キャーキャーキャー!にゃーー!」  
 
昨夜の思い詰めた表情は鳴りを潜め、いまは笑顔のタマミ。  
とりあえず、俺にはそれが嬉しい。  
 
考えなきゃいけない事はたくさんあるけど。  
 
今は、彼女と一緒にいる。それだけで、ひとまずは。  
 
※ ※ ※  
 
夜はまだ冷える。  
野宿も考えたけれど、今日のところは宿を取る事にした。  
この先どうするか解らないから出費は控えたかったけれど。  
 
知らない土地で迎える夜。  
見なれない天井は、不安を駆り立てるものだ。  
 
テーブルではさっきまで湯気を立てていた食事がすっかり冷え切っている。  
決してまずい訳じゃ無かった。でも、俺も彼女も、半分も食べられなかった。  
 
『し、慕ってくれるからって!寂しさにつけこんで!  
 キスなんかもさせてくれるしね!だ、だから…!』  
 
ヒトミの言葉が、突き刺さる。  
 
…あの時、俺は単に状況に流されていただけじゃなかったか?  
彼女のオナニーを見て、昂奮して、したくてしたくて堪らなくなって…  
彼女の居場所になるなんてただの言い訳に過ぎなくて。  
 
彼女を抱くための口実が欲しかっただけなのかも、しれない…。  
 
そんなイヤな考えが頭から離れない。  
 
怖がる彼女に「好きだ」なんて囁いて、彼女を夢見心地にさせて、処女を奪った。  
昂奮して我慢できなかったから。したかったから。  
 
俺が、したかったから?  
 
そうだ。  
確かに、あの時、俺は彼女が欲しかった。  
 
「おにいちゃん!おにいちゃん!…おにい、ちゃん?」  
「あ、ご、ごめん」  
 
そわそわと落ち着かない様子のタマミ。  
 
「ねぇ、おにいちゃん…元気ないみたい」  
「そ、そんな事ないぞ!」  
「しっぱいした!って、思ってる?」  
「え…」  
 
俺の不安、俺の葛藤は彼女にも伝わっている。  
でも、俺は俺の胸の奥の闇を、うまく彼女に伝える自信がない。  
 
自分の気持ちに真っ直ぐな彼女に、  
自分を信じられずにいる俺の気持ちを、どう説明すればいいのか。  
 
「俺はあの時…タマミが欲しかった。やらしい事、したかった…」  
「にゃにゃ!?」  
 
あたふた。そんな形容がぴったり来る感じでタマミが慌てる。  
 
「したかっただけ、なんじゃないかって  
 その…欲望に負けたっていうか…」  
 
ああ、ちっともうまく言えない。  
煩悶する俺を、彼女は首をかしげて不思議そうに見ている。  
 
「…それがいけない事なの?」  
 
え?  
 
「おにいちゃん、私の事…好き?」  
「あ、ああ、もちろん!」  
「好きだからしたかった、してくれたんでしょ?」  
 
欲情してた。彼女の痴態を見て、昂奮した。だから。  
 
「あたしも、おにいちゃんが好きだからしてほしかった  
 してくれて…うれしかったの」  
 
そう言うと頬を染めて、彼女が寄り添う。  
その身体が熱を持っているのが解る。  
身体の奥で、想いが、燃えているから。  
 
「おにいちゃんがしたいこと、いっぱいしていいんだよ?  
 だって、おにいちゃんが気持ちいいとあたしも気持ちいいんだもん。  
 胸のところがほわほわってあったかくなって、しあわせな気持ちになるの。  
 ね?それが好きって事でしょ?あたし、間違ってる?」  
 
顔を真っ赤に染めて。しどろもどろで。  
でも、真っ直ぐな気持ちを彼女は吐露している。してくれている。  
 
そうか。  
 
俺は彼女の居場所になると、誓った。  
でもそれだけじゃない。  
 
彼女は俺の居場所になってもくれるんだ。  
 
「タマミ…!」  
「にゃひっ!?」  
 
俺は彼女を抱きしめる。力いっぱい。想いを込めて。  
そして口づけを…  
 
「…とと」  
「んみゃ!?」  
 
がらがらがっしゃーーーん!  
 
…しようとして、バランスを崩した俺たちはテーブルをひっくり返し、  
タマミは食事の残り物を頭からかぶる羽目になった。  
 
「う、うぇええ…気持ち悪いよぉ」  
「…タマミ」  
「な、なに?」  
「風呂、入るか?一緒に」  
「うみゃみゃ!?」  
「だ、だめ…?」  
 
真っ赤になってうつむくタマミ。  
 
「お、おにいちゃ…あたしと一緒に…入りたい?」  
「う、うん…いや!タマミがいやならいいんだ!」  
「い、いやじゃないもーーーーーーーーーーー!」  
 
頭にお椀を乗せたまま、彼女は必死の叫びをあげる。  
 
「あ、あたしは…あたしはおにいちゃんのものだもーーーー!!」  
 
うわ。うわうわうわ。その宣言に、激しく感動。  
 
「だ、だから!おにいちゃんがしたい事をしていいんだもん!」  
 おにいちゃんがしてほしいこと、いっぱいしてあげたいんだもん!」  
 
俺はあの時、欲情してた。したくてしたくて、仕方なかった。  
 
だって。  
 
俺は彼女が大好きだから。だから。  
好きだから…したいんだ。好きだから、するんだ。  
気持ちを確かめ合うために。胸の奥の熱を、さらに燃え上がらせるために。  
 
※ ※ ※  
 
「うにゃぁ!や、やっぱり、恥ずかしい…  
 こ、こんな明るいところで…ぜ、ぜんぶ見えてるし…」  
 
部屋についてた個室露天風呂。  
月光が降り注ぎ、湯面を輝かせる。  
立ちこめる暖かな湯気の中、タマミの裸体が浮かび上がる。  
 
上気した頬、潤んだ瞳、震える唇。  
ほわほわのくせ毛、ぴょこぴょこ動く猫耳。  
控え目な胸のふくらみ。細い腕、華奢な腰。  
しなやかな脚の間に息づく茂み…柔らかな恥毛、  
 
全てが、愛おしい。  
 
「い、いやじゃ、ないも…  
 おにいちゃんがみ、見たいなら…い、いっぱい…見て欲しいも…!」  
「…いいコだ」  
「!?な、なにするの!?」  
 
俺はそのまま、じっと彼女の顔を見詰めたまま…彼女の股間に口づけた。  
 
「ふ…ふぁああああああああああ!ダ、ダメダメダメ…ダメーーーー!!」  
 
小刻みなキスを繰り返す。そのリズムに合わせて、タマミの身体が震える。  
 
「や、やらぁ!そ、そんなとこ、汚…」  
「そうだよ…だから、綺麗にしなくちゃ」  
「ひゃぅ!?」  
「ぬるぬる、全部、綺麗に舐めとってあげる」  
「…ひやぁああん!は、はずかしいよぉ!!」  
「大丈夫…」  
 
舌を突き出し、入口をこじ開ける。  
 
「!!はぅ…っ!んはぁあぁあああ!」  
「恥ずかしがってる余裕なんか…すぐ無くなるから」  
 
ゆっくりと舌先を侵入させる。俺の唾液と彼女の愛液が混じり合う。  
 
「あ…んは!はぅ…!!ひあ!お、おに…ちゃ…!あ、あ、あ!」  
「おかしいな…どんどん…どんどんぬるぬるが溢れてくる」  
「い、いやぁ!だ、だってだって…!」  
「これじゃいくら舐めとっても…きりがないぞ?」  
「だってだってだって…んひゃぅ!」  
「だって?」  
「だって…だって…き…」  
「き?」  
「気持ちいいんだもーーーーーーーーー!!」  
 
良かった。感じてる。もっと感じさせたい。  
このまま、イカせたい。  
 
指を添えタマミの好きな所…そう、クリトリスの皮を剥く。  
そして剥き出しになった陰核に…そっと舌を這わせる。  
 
「!!!!!!!」  
 
ビクビク!っと激しく身体を痙攣させるタマミ。  
身体の隅々まで快感の電流が放たれたのか、猫耳が大きく震える。  
のけぞり、大きく口を開け、息を吐くが声にならない。  
 
核を慈しむように含み、アメをしゃぶるように刺激を加えた。  
 
「あ…うぁ…ぁぁぁぁ…はぁ!!!!!」  
「…ひもひ、ひい?」  
「ひぅ…あ!あ!あ!うぁあああ!」  
 
クリトリスにしゃぶりつきながら質問するが、答える余裕はないようだ。  
 
「おに、ちゃ…!あ!ひぁ!そんな、くちゅくちゅしちゃ…!はぅ…ん!!」  
 
俺は無我夢中で、溢れる蜜を味わい続けた。  
 
「んん!んは!は…ん!き、きも、ち、いいい!おに、ちゃ!あ!あ!あ!」  
 
俺はあえて、わざと喉を鳴らして、タマミの愛液を飲み続ける。  
 
「ひやっ!ひやらぁ!そ、そんな…お、音、立て…ないで!」  
 
「だって…(ゴクゴク)どんどん(ングング)溢れて  
 (ンン…ゴクリ)くる(ングング)から…」  
 
「ひあ!あぅ!うひぁ!だ、だって…!んあ…っ!あ!あ!ああ!」  
 
そうこうしてるうちにタマミは限界を迎えつつあった。  
カクカクと身体中を小刻みな痙攣が襲う。  
 
「イキそうなの?イキたい?」  
「イ、 イク…!イッちゃう…!も、もう…!」  
「じゃあちゃんとお願いして?でないと止めちゃうからね」  
「ひぅ!だ、だめ!や、やめ、ない、で!やめちゃ、だめぇ!!  
 イ、 イキたいの!イキたいよぉ!イ、イカせて…!!!」  
 
カクカクと腰を振り立てながら哀願を繰り返す。  
 
「お願い、イカせて!イク!イッちゃ……!」  
 
俺はこれが仕上げ…とばかりに、陰核を甘噛みし吸い上げた。  
 
「んはぁああああああああああああああああああああああ…っ!」  
 
激しい痙攣とともに、タマミのアソコから液体噴出。  
 
「うわっぷ!?」  
「あ、あ、あ…で、でちゃ…な、なにこれぇえ!?ふぁ…あああああ!?」  
 
ぷしゃぁあああ…と、まるでシャワーみたい。  
 
「こ、これ…お、おし…こ!?や、やだ…!やだやだやだぁ…!」  
 
それはとても薄味で無色透明で…どうみてもおしっこじゃなかった。  
 
「どうも違うみたいだ」  
「ふ、ふぇ?」  
「女の子はいっぱい感じると…こうなるんだよ」  
「!!わ、わかった…しおふきだ!」  
「あ、そ、そうだ…ね」  
 
この耳年増め。  
 
「いっぱい…いっぱい感じて、いっぱいイッちゃったんだね…  
 い、いやらしいな…タマミは」  
「おに、ちゃ…!いやらしいコ、きらい?」  
「いや…そんな事、ないぞ…!」  
「じゃ、じゃあ…あたし、いやらしいコになって、いい?  
 もっといやらしいコに、なって、いいの?」  
 
うわああ!うわ、うわ、うわ!  
媚びるようなその笑顔。堪らない…!  
 
「い、いいとも…!もっと、もっとやーらしくなれっ!」  
「うん…っ!」  
 
※ ※ ※  
 
「き、来て…!おにいちゃんの…おっきいオチン●ン、  
 タマミの、タマミのオ●ンコに、頂戴…!」  
 
うるんだ瞳で、上気した頬で、うなだれた猫耳で。  
自ら指を沿え、開いたオマ●コで、俺を誘うタマミ。  
 
…は、鼻血出そう。  
 
「あ、ああ…いま…すぐ…!」  
 
もう焦らしたり意地悪する余裕なんて、俺にも無かった。  
突き入れたい。いますぐ、大好きなタマミの中に。  
 
「い、いくよ…」  
「は…ぅ…!んはぁああ!!」  
 
俺はその小さなタマミ自身に、肉棒の先端をあてがう。  
と、不意に俺は恐ろしくなった。  
そこはとても小さく繊細で。いっぱい涎を垂らしてはいるけれど。  
改めて思う。彼女はやっぱり、かなり無理をしていたんじゃないか?  
 
しかし同時に、俺の中には早く、早くと、急き立てる獣がいた。  
タマミを犯したい、早く彼女の小さくて狭い中を味わいたい、と。  
 
傷つけたくない、むちゃくちゃに犯したい。  
壊したくない、でも壊したい。  
 
二律背反するふたつの感情に、俺の動きが止まる。  
しかしその躊躇いを感じ取ったかのように、猫耳がぴくりと震え、俺の方に向けられる。  
 
「おに、ちゃ…おねがい…」  
「タマミ…」  
「大丈夫、だから…おにいちゃんの…頂戴?タマミの中に…入れてほしいの」  
 
荒い息をつきながら、情欲に目を潤ませながら、タマミが乞う。  
その様に、俺の理性は脆くも決壊。そうだ、彼女が望んでるんだ…  
 
「ん…っ!ひぁあああああ…!」  
 
狭い膣を肉棒で広げられて、タマミは悲鳴にも似た声を上げた。  
 
「く…し、締まる…!」  
 
タマミの膣内は…とても狭くてキツい。  
ただ入れただけで、すでに俺は腰が砕けそうだ。  
 
…未成熟な肉体を征服する喜びに、躊躇など、あっけなく消し飛んでいた。  
 
「い、いく…ぞ…動く、よ…!」  
「うん…い、いいよ…来て…来て来て来て…!  
 タマミの中、いっぱいに…いっぱいにして…!」  
 
期待にはずんだ声。そうだ、彼女も求めてる。俺を、求めてくれている。  
 
「ひぅ…っ!あ!ん…くは…は、はげし…ひぁ!」  
 
身体ごと突き上げ、揺さぶる。タマミはただただ嬌声を上げるばかりだった。  
 
「は、はぅ…あ!こ、こわれちゃ…う!おにいちゃ、の…はげしく、て!  
 んはぁああぁ!あ!す、ご…く、て!は!あ!あ!あ!」  
「すご、いよ…くっ…締めつけて、くる…!」  
「ひぅ…!ひゃぅ…んん!だ、だって…だってぇ!あ!あ!あ!」  
「それに…どんどん溢れてくる…!ほら…!音、聞こえる?」  
「んはぁ…!き、きこえ、る…えっちな音…すごいぃ…!」  
 
激しい突き上げに、膣内から掻き出された愛液が  
じゅぶじゅぶ、ぐじゅぐじゅと音を立てて泡立つ。  
 
タマミの幼い性器が、身体が、俺の突き上げに応え、悦びの声をあげている。  
その事が俺を感動させ、昂奮させる。タマミが感じてくれている事が、嬉しい。  
でも、俺だけが気持ちよくちゃいけない。彼女も気持ちよくさせてやらなきゃ。  
 
「…あ、ひぅ!お、おに、ちゃ…!んはぁあ!あ!あ!」  
 
指先でタマミの陰核を責める。つまみあげ、捏ねまわす。  
強烈な刺激を加えられタマミはどんどん高まっていく。  
 
「ら、らめぇ!お、おに、おに、ちゃ…!も、もう…!」  
 
タマミの艶を帯びたよがり声、快感にだらしなく蕩けた表情、  
かぐわしい香りの汗が吹き出し、月光をあびて輝く裸体。  
 
「タマミ…!お、おれも…俺も…い、イク…!」  
「うん…ちょうだい!おに、ちゃ、の…せーし…!  
 いっぱい…ちょうだいちょうだいちょうだい…!」  
「くっ…うううう!」  
「あ…ひぁあああ!  
 おにいちゃぁあああ…ああああああああああああ!!」  
 
絶頂により、これまで以上の収縮をみせるタマミの中。  
それはとんでもない快楽で、俺を強烈に締め付け、責め立てた。  
俺は、こらえきれずにタマミの中に射精した。  
 
「くぅ…あ、あ、あぁああ…!」  
 
どくどくと注ぎこむ、その鼓動に合わせるかのようにタマミの中が収縮し  
俺の精液を根こそぎ絞り取っていく。その快感たるや…この世の物とも思えなかった。  
 
「…ふにゃぁ…出、出てる・・・タマミのオマ●コに、  
 おにいちゃんの精子、いっぱい、いっぱいだよぉ…」  
 
絶頂の余韻にうなされながらタマミが呟く。  
 
「タマミ…」  
「お、おにいちゃ…気持ち、良かった?」  
「あ、ああ…最高だ」  
「はにゃぁ…!良かった」  
 
こんな小さな身体で、俺の全てを受け止めてくれる。  
その健気さ、その愛情、その献身。  
俺はそっと、可愛い猫耳と髪をなでる。  
 
「タマミ…可愛い」  
「は、はにゃ!?」  
「感じてるタマミ、タマミのイク所、すっげー可愛い  
 俺、すっげー感動して、すっげー昂奮、した…」  
 
俺の素直な気持ち。いまの気持ち。  
 
タマミは頬を真っ赤に染めて、絶頂の余韻に身体を震わせて。  
 
「は、恥ずかしいけど…すごく恥ずかしいけど…  
 でも、すっごい幸せだも…」  
「…俺もだ」  
「えへ、えへへ…」  
 
俺はもうブレない、揺るがない。  
彼女への想いを、彼女の想いを、改めて確信したから。  
 
俺はタマミが大好きなんだ。  
 
※ ※ ※  
 
翌日。俺たちの前に姿を現したのは。  
 
「タヌキさん!ヒトミ!?」  
「いい所ねぇ」  
「まぁまぁ!海?これが海ですか?すごーい!」  
 
あ、タマミと同じリアクション。  
俺たちを追ってきたのか?  
 
「ちゃんとケリを付けなきゃね」  
 
ヒトミがそういい、タヌキさんが力強く頷いた。  
そうだ。俺は、彼女たちの想いに、答えを出さなきゃいけない。  
深く深呼吸をする。タマミの手を握りしめると、握り返してくれた。  
胸の奥に炎が灯る。熱い、熱い炎。その熱が俺の力になる。  
 
「タヌキさん、俺を好きになってくれてありがとう。  
 ヒトミ、ずっとそばにいてくれてありがとう」  
 
返事は無い。二人は静かに、俺の言葉を聞いている。  
とぎれとぎれに言葉を紡ぐ。言葉の間は、潮騒が繋いでくれた。  
 
「二人の気持ちに答えを出すのが遅くなってごめん。  
 二人の想いに答えられなくてごめん。でも、それには理由があったんだ」  
 
タマミが顔をあげる。俺の顔を見る。  
 
「それは…タマミに出会うため」  
 
俺は彼女に目で答える。  
 
「俺はタマミに出会った。そのために生まれてきた。  
 今は、そう思える。そう信じられるんだ」  
 
再び深呼吸。俺の心を、気持ちを、皆に伝えなきゃいけない。  
 
「俺は彼女の、タマミの居場所になる。そして、彼女が俺の居場所だ」  
 
潮騒が聞こえる。誰も言葉を発しない。タヌキさんの目から、ポロリと涙が零れる。  
 
「…好きなんですね、彼女が」  
「ああ」  
「誰かを心から好きになる気持ち、私…よく、よ〜く解るつもりです」  
 
タヌキさんの言葉が俺の胸を刺す。この痛みも受け止めなきゃいけない。  
…彼女の痛みに比べればささやかな痛みのはずだ。  
 
と、大きく息を吐く音が聞こえた。ヒトミ。ヒトミの目も潤んでる。  
鼻をすすりあげたりもして、でも、その表情は晴れやかで。  
 
「…よし、許す!」  
 
タヌキさんは遠くを見て目を閉じ、そして優しい、優しい笑みを浮かべて。  
その目から零れる涙をぬぐおうともせず。  
 
「良かったですね、タマミちゃん」  
 
きっぱりと、言い切った。  
 
その言葉が、泣き虫のタマミの涙腺を刺激する。  
 
「おねえちゃ…ぐすっ…あ、ありがとーーー!!」  
 
海からの風が、一陣。少女達の髪を嬲る。俺はタマミの頭を撫で続けていた。  
ぴくぴくと動くネコ耳の暖かさを感じながら。  
 
いつまでも、いつまでも。  
 
………  
……  
…  
 
「ところで、キツネくん」  
「…ん?」  
「2号って知ってます?」  
「…はい?」  
「うふっ」  
 
タヌキさんはようやく流れる涙を振り払い、悪戯っぽい笑みを浮かべた。  
 
「私、キツネくんの2号さんに立候補します!いっぱいサービスしますわ!」  
 
サ、サービス?サービスって何!?  
まさか、あんな事やこんな事!?  
 
「お、おにいちゃん!鼻の下っ!」  
「ちょ、あ、あんた何言ってるの!?」  
「あ、ヒトミさんは3号さんですね」  
「ま、待て待て!!なんで私があんたより格下!?」  
 
ちょ、ちょっと待てー!  
 
「ダメー!おにいちゃんはあたしの!あたしのだもーーーー!」  
「まぁ!生意気ですわ!お姉ちゃんに逆らう気ですの!?」  
「い、いくらお姉ちゃんでもダメなものはダメーーーーー!」  
 
えっと。まぁなんだ、その。  
 
「おにいちゃんはっ!」  
「わっと!?」  
「誰にも渡さないもーーーーー!!」  
「こ、こら!私たちの前でそういう事する?ねぇ!」  
「3号の言うとおりですわ!こっちにもおすそ分けしなさい!」  
「誰が3号か!おすそ分けて!日本語おかしいし!」  
 
なんでみんな笑顔なの!?そんな楽しそうなの!?  
 
「おにいちゃん!大好きーーーーーーーーー!!」  
「お、俺だって!!」  
 
俺も。  
俺もタマミが大好きだ。  
 
きっと、ずっと、ずーーーーっと。  
 
 
 
<仔猫ちゃんルート、おしまい>  
 

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