僕の住む街にある、小さな教会。  
たまに司祭さんやシスターが出入りする以外に人の気配がないソコに、僕は入っていた。  
理由は簡単。  
数年越しの片想いが実らずに、しかし一人で静かでいられる場所などそう多くはなくて。  
まるで迷い猫のようだった、と語るシスターさんに導かれたのだ。  
 
「初恋が叶わなかった、ですか」  
 
修道服に身を包む美女の言葉に、僕は首を縦に振る。  
喋ることすら億劫な僕を、シスターさんはじぃっと見つめて。  
 
「初恋は叶わぬもの、と俗説はあります。が、そのような俗説では慰めにもならないでしょうし、ね」  
 
優しく、僕の頭を撫でてくれた。  
 
「確かに辛いでしょう。しかし、これは糧なのです。恋に敗れることも、貴方の成長のための糧。貴方にはより素晴らしい恋があり、そして選べる択が増えた。それが、神の思し召しなのです」  
 
とてもとても、残酷な言葉だった。  
神の不在を語ったのは誰だったか。  
神が本当に僕の糧にしたいと思っていたのなら、それは大きな間違いだ。  
僕は、本当に彼女が好きだった。  
なのに、こんな結末を寄越すなんて。  
 
「明日も当教会に来て戴けますか?」  
「……え」  
「私が残酷なことを言ったのは、疑いようのない事実です。しかし貴方は、それを責めずに、自ら一人で背負おうとしている。ならば、私はそのような貴方を救いたい。我が儘なようですけれど、ね」  
 
頬を薄く染めて、シスターさんが目配せをしてくる。  
成る程、重荷を与えるだけでは救われない、故にその重荷を共に背負おうと言うのか。  
ならば、僕はそれに甘えるとしよう。  
 
「はい、ではまた明日の……夕方に」  
「お待ちしております」  
 
僕はシスターさんに見送られ、教会を後にする。  
それから、僕は毎日教会に通った。  
シスターさんに慰められ、シスターさんに癒され、シスターさんの本名を知り、シスターさんが司祭とシスターを兼ねていること……僕とシスターさんは、日に日に仲良くなっていった。  
 
 
――そして。  
 
 
「あぁ、神よ、お許し下さい」  
 
修道服をはだけさせたシスターさん――萌(めぐみ)さんが、両手を合わせる。  
クリスマスに教会に来た僕は、一人で祈っていた彼女に声をかけて。  
彼女に告白されたのだ、大好きですと。  
 
「萌さん、綺麗です」  
「いやぁ、言わないで下さいまし」  
 
三十路近いと語る萌さんを、教会に置いてあった布団に寝かせると、彼女は恥ずかしげに頬を真っ赤にした。  
布団を備えていた理由としては、一夜の宿を求める迷い子を泊めるためだとか、萌さんは言っていた。  
が、今宵は違う。  
電球の明かりが消え、幾つもの蝋燭の儚く揺らめく明かりだけが、僕らを照らしている。  
入り口には厳重に鍵をしていて、誰も入れはしない。  
本当に、二人きり、なのだ。  
 
「あぁ、旦那様、はしたない萌を躾けてくださいまし……」  
 
ぷりんとした美しい尻を突き出しながら、萌さんが潤んだ眼差しで僕に懇願する。  
僕はコクリと頷くと。  
萌さんの尻穴に、ローションを注ぎ込んだ。  
冷たさに身震いする萌さんの尻たぶを掴むと、すぐに僕のペニスを、萌さんの尻穴に挿入する。  
 
「は、入ってきました……旦那様……」  
「萌さん、くぅ、絞めすぎです……!」  
「あぁ、熱いです……」  
 
萌さんが、僕の背中で足を組み合わせて、より密着するようにと懇願する。  
萌さんの胸と僕の胸が当たり、グラビアアイドルもかくや、と言うほどの胸が柔らかく形を変える頃には、僕は萌さんと唇を交えていた。  
キスをしながら、僕が萌さんの直腸に精液を発射し、萌さんは甘い声を上げて絶頂して。  
でも、萌さんの尻穴の中の僕のペニスは固いままで。  
 
「旦那様、もっと萌を、私を愛してくださいまし……」  
「大好きですよ、萌さん!」  
 
後は、朝になるまで言葉など必要なかった。  
三十路近くまで純粋だった萌さんが、淫乱極まりない程になるまで、僕らはアナルセックスを繰り返したし、キスの応酬が何より雄弁な会話になったから。  
 
 
続く?  
 

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