喘いでいると、なにやら股間が疼くような感覚があった。もしかして、このまま胸だけでイかされてしまうのだろうか。  
 
「ひゃああぁっ! 乳首りゃめぇ! らめらのぉ! 羽根で摩るの禁止〜!」  
 
 股間が疼くような感覚がひどくなる。あたしは情けなくも胸への愛撫だけで絶頂へ達してしまうことを予感した。  
悔しい気もするが、胸だけで女の子をイかせたとなれば、彼の優越感のようなものも最高潮に達するだろう。  
これはあたしも彼も得をできるシチュエーションなのだ。  
 
「ああぁぁっ! ダメ! りゃめえぇぇぇっ! あっ?! あああぁぁぁぁーーーっ!!!」  
 
 胸から生じた快感が全身を走り抜ける。そして、頭の中が真っ白になる感覚。信じ難いが、確かにあたしは胸だけでイってしまった。  
彼自身もあたしの反応に少なからず戸惑いを覚えているようで、ちゃっかり触角を押し当ててもそれほど上質な感情は伝わってこない。  
 
(え? ……え? もしかして……イった……?)  
 
 ようやっとあたしをイかせたことを実感し始めた彼の体から、ふつふつと達成感や満足感が湧き上がる。  
 
(……ってまたちゃっかり俺の心を読みやがって! まぁいいや。次はこっちでイかせてやるよ)  
 
「え? そ、そこも攻めるの……?」  
 
(当然だろ。それに最初に誘惑してきたのは君なんだ)  
 
 彼が触角を振り払い、あたしの下半身へと手を伸ばす。もうあたしの一番大事なトコロは愛液でヌルヌルだ。  
そんな様子を彼に観察され、おまけに弄られたりなんかしたらたまったものではない。  
だが、同時に快感に抗えないのも確かであった。あたしが自分からおねだりするまで焦らすだなんてプレイをされないだけマシだろう。  
そんな思考も、彼の指がもたらした快感で吹き飛んだ。  
 
「あっ、あぁんっ!」  
 
「ちょっと触っただけなのに……けっこう君もえっちだね」  
 
「えっちなのはあなたの方よ! あたしの体をこんなにしてくれちゃって……はぅっ?!」  
 
 彼の指があたしの秘裂をなぞる。それだけ、ただそれだけの刺激でもあたしの体は敏感に反応してしまう。  
 
「あん……やめて……そこは許して……」  
 
「こんな簡単に喘いじゃうなんていくらなんでも感度よすぎだろ……さぁて、そんなえっちな悪魔の大事なところが今どうなってるのか拝見させてもらうとするかな」  
 
 彼があたしの服に手をかけた。そのまま服を下へずり下ろす。  
 
「きゃぁっ! や、やめてやめて!」  
 
 が、ベッドとの摩擦で、服をうまく脱がすことができない。  
あたしの服を脱がそうと、悪戦苦闘する彼の様子は、正直言ってかなり格好悪かった。思わずクスクス笑いが漏れてしまう。  
仕方がないので、ちょっと腰を上げてベッドと服の摩擦を無くしてやる。  
 
「わ、悪いな……じゃ、脱がすぞ」  
 
 彼の視線からあたしの恥ずかしいトコロを守るものは、頼りない薄布1枚だけになってしまった。  
しかもそれはあたしのえっちな体液を吸って、恥ずかしいトコロに吸い付き、かえって隠すべき割れ目を強調している。  
もはや防護の役割など果たしてくれていない。そんな頼りない下着の上から、彼があたしの性器を攻める。  
 
(パンツ脱がすのは向こうからおねだりしてくるまでお預けにしよっかなぁ……)  
 
 こっそり押し当てた触角から伝わってくる彼の思考に、あたしは悲鳴をあげたくなった。  
 
「ん……はぁっ……く……うぅ……」  
 
 あたしを焦らすような、途切れ途切れの愛撫。  
彼があたしの下着を脱がさないからには、腰を上げて性器を突き出すような恥ずかしい姿勢をやめることはできない。  
かといって、早く脱がして欲しいと彼におねだりするのも、それ以上に恥ずかしい。  
彼はそれがわかった上で、あたしに意地悪をしているのだ。  
 
「こ、この姿勢辛いよぉ……あんっ! や、やめて……攻められたら力が抜けちゃう……」  
 
 彼の指が意地悪く、優しく、あたしの性器を愛撫する。  
大陰唇をふにふにと弄り、徐々に指を陰核に近づけ、陰核に触れる寸前にまた大陰唇への愛撫へ戻ってしまう。  
 
(あ、あれ……また読まれてる。いつから読まれてたんだ?)  
 
 彼があたしの触角を再び振りほどく。  
 
「言っとくけど、おねだりする前に腰をベッドにおろしたりしたら、焦らしプレイでお仕置きだからな。何をおねだりすればいいのかはわかってるよな?」  
 
 彼が残酷にもあたしに言い放つ。  
下着をビショビショに濡らし、刺激を求めて疼くあたしの性器。  
あたしにもしもプライドというものが無かったら、そこを攻めてくれと彼におねだりしただろう。  
だが、生憎なことにあたしにもプライドというものはある。  
こんな格好をさせられてる時点で、もうあたしのプライドなんてものはほとんど残っていないが、  
そんなことをおねだりしたら、責められる前にあたしは恥ずかしくて死んでしまうだろう。  
だけれども、こんなにも性器が疼いている状態で放置されるのも拷問だ。  
そんなことを考えている間も彼の愛撫は続いている。状況は悪くなる一方だ。  
 
「あ……あ……お願い……許して……焦らしプレイはダメぇ……」  
 
 もう限界が近い。膝はガクガクと震え、お尻が今にもベッドにつきそうになっている。  
今言わなければ放置プレイは確実だ。あたしは心を決めた。  
 
「わ、わかったわ……あたしの負けよ。お願い! あたしのパンツを脱がしていっぱい感じさせてぇ……!」  
 
「感じさせるって、どこをだ?」  
 
 おねだりしたくらいでは彼の意地悪は終わらない。彼はあたしを完全に屈服させるまでは満足しないだろう。  
彼を満足させた時にいただける上質な感情のことを思えば、ゾクゾクするくらいだが、今のあたしに先のことを考える余裕はなかった。  
とにかく意地悪をやめてあたしを感じさせてほしい。その一心で彼にもっともっとおねだりをする。  
 
「い、今あなたが攻めてるところよ……恥ずかしいから言わせないで」  
 
「名前で言ってくれないとわかんないなぁ」  
 
 くぅ……とことんまであたしを焦らすつもりか。ここまでされると彼に反発したい気持ちも出てくるが、  
そんなことをして本当に焦らしプレイなんてされたら、どっち道あたしはおねだりをしてしまうだろう。  
ここで素直におねだりしておいたほうが、身のためだ。  
 
「うぅ……わかったわよ……言えばいいんでしょ? あたしの……お……おまんこを責めまくって、気持ちよくしてくださいっ!」  
 
 とうとう言ってしまった。女の子にこんなことを言わせるなんて、彼は最低だ。  
そしてその最低な本性こそが、あたしにとっては最高の栄養なのだ。  
 
「よくできました。じゃ、お望みどおりに」  
 
 最低で最高な感情が彼の顔に強く現れる。  
触角で彼の体にそっと触れると、案の定今までのどれよりも濃厚な感情が手に入った。  
 あたしが腰をおろしてしまわないように彼があたしの背中に左腕を回し、あたしの下着に右手をかける。  
とうとうあたしの大事なところを汚されようとしているのだ。一応双方の合意があるとはいえ、覚悟を決めるのは容易いことではなかった。  
そしてついに、ついに彼の細い指があたしのもっとも恥ずべきトコロを暴いた。  
 
「こんなえっちなものを下着の中に隠してたのか……いけない子だな」  
 
「あぅ……お願い。そんなに見ないで」  
 
 彼が容赦なくあたしの恥部に視線を注ぐ。ココを誰かに見られるのは、小さいころに神様とお風呂に入った時以来だ。  
あの時は割とスタイルのいい神様に少し嫉妬してたっけ……。  
ぱっくりと割れて愛液を垂れ流し、メス特有の匂いを放つあたしのアソコは、彼を誘っているようだった。  
 
「さ、触るぞ?」  
 
「ん……敏感なトコロだから優しく触ってね……?」  
 
 彼があたしの大陰唇を攻め始めた。指の腹で真ん中に寄せるように押し、グイグイとマッサージする。  
手つきからはどことなく、意地悪さより優しさを感じる。優しく触ってほしいと言ったのがきいたんだろうか。  
 
「あ……いいかも……」  
 
 胸だけでなく、下半身もかなり敏感に創っておいたと、前に神様が話してくれたのを覚えている。  
というか、男性が触りたがるようなところは、みんな敏感だ。痛くされなければ、無条件で感じてしまう。  
その上、今は尻尾をとことん愛撫されて普段より感じやすくなっている状態なのだ。  
そんな状態での愛撫があたしにもたらす効果は絶大だ。  
 
「けっこう感度いいよね、君って」  
 
「ん……あなたにもそう見える?」  
   
「だって下手くその俺が触っても感じてくれるし……さっきなんか胸だけでイかせられたし」  
 
 彼の細い指があたしの小陰唇に触れた。付け根のあたりを軽く指で挟み、すりすりと刺激する。  
彼の指に愛液が絡み付いて糸を引く。彼が指を動かすたびに、ぬちゃぬちゃとやらしい水音が立ち、あたしの羞恥心を煽る。  
 
「んっ……あぁっ……やんっ……」  
 
 大陰唇よりもずっと感度のよいソコを攻められ、愛液が溢れる。  
同時に沸き立つ快感と幸福感。意地悪な攻め方よりも、こうやって優しくされるほうがあたしは好きかもしれない。  
小陰唇を弄るのにも少し飽きたのか、彼の指が狙いを変える。  
 
「はうっ?! そ、ソコはぁっ……!」  
 
 あたしが自慰をする時には毎回欠かさず攻めている場所に、彼の指が触れた。激しい電撃のような快感があたしの全身を走り抜ける。  
 
「やっぱココを攻めると反応が違うな。ココの感度も無茶苦茶よかったり?」  
 
「や、やん! そ、ソコは……あぁっ! ソコはダメぇ〜!」  
 
 感度が跳ね上がったあたしの弱点を、彼が責め立てる。  
指の腹で押す、軽く摘む、指先で突付く、摩る。確かめるように、ゆっくりと、あたしの弱点へ様々な愛撫を試す。  
足を閉じて抵抗しようとするが、彼の体がそれを阻む。  
腕を使って抵抗するという手段も、あたしの両腕をがっしりと押さえ込む彼の翼によって断たれた。  
もはやこの快楽地獄から抜け出すことは不可能だ。あたしはとにかく喘ぎ続けるしかない。  
 
「あっ! あんあぁっ! や、やめっ……ひあああぁっ! んあ……ああああん!」  
 
「本当にココ弱いのな。すげー喘ぎっぷり」  
 
 摩る愛撫が終わると、また押す、摘む、突付く、摩るのローテーション。  
今度は愛撫の位置を微妙にずらし、攻められると特に弱い箇所を探っているようだ。  
 
「んううぅん!  あっひああぁっ! お、お願いもうやめ……んんっ! ああああぁっ! それやめてぇ!」  
 
 陰核の根元を摩られ、全身に震えが走る。  
身を捩って少しでも弱点を逸らそうとするが、太股を彼の両肘で体の内側に向かって押され、それさえも許されない。  
逃れようのない快感があたしの全身を駆け巡り、血を沸かせ、体内で暴れまわる。  
 
「なるほどねー。このあたりを摩られるとすごく弱いのか」  
 
「ちょまっ、や、やめ……ああぁっっ! やめてっ! あっ、あんっ! あああぁダメえぇぇぇぇっ!」  
 
 陰核を人差し指と中指で挟み、根元を弄ぶ。  
彼がすることは、指をちょっと動かしてソコを摩るだけ。ただそれだけなのにあたしは全身でそれに反応を返してしまう。。  
摩られるたびに体が跳ね上がり、肢体は抵抗しようとするのを押さえつけられ、体中から溢れるように汗が流れ、秘所はそれ以上に愛液を分泌している。  
 
「そろそろトドメかな。今度は下着越しじゃなく直に潮吹きを観察させてもらうぞ」  
 
「ひぅっ?! お、お願いそれだけは……あひぁぁっ! か、勘弁してえぇぇ〜! ああああぁぁやめてぇぇぇ!!」  
 
 彼の愛撫が少し激しさを増した。普通なら痛みが先行するところだろうが、あたしが毎日性衝動に負けるたびに弄られ、  
開発されてきたソコは、その激しい愛撫さえも快感として受け入れ、快感を脳へ送る働きを十二分に果たしてくれる。  
 
「やめてやめてやめてぇぇえぇっ! い、イっちゃう! イくとこ見ないでええぇっ!!」  
 
 無論、これで彼が視線を背けてくれるはずがない。  
むしろこれは彼のサディスティックな欲望を煽るための懇願なのだ。  
絶頂がすぐそこまで迫ってきているのを感じる。絶頂しながら彼の心を読めば気も狂わんばかりの快感を得られるだろう。  
 
「や、やめてぇぇ! い、イっちゃ……あ……あああああぁぁぁっ!」  
 
 素早く触角を伸ばし、彼の頭に押し当てた。互いに欲求を満たし、あたしは快感に身を震わせる。  
愛液が迸り、彼の手を濡らす。その淫らな情景はあたしの心臓の動悸を加速させた。  
 
「けっこう出たな。そんな気持ちよかったのか?」  
 
「見ればわかるでしょ……言わせないで……」  
 
 あたしは息も絶え絶えなのに、あたしの秘所は貪欲にも刺激をもとめ、まだ疼いている。  
彼も欲深だが、あたしも負けず劣らず欲張りだ。彼がえっちだなんだとあたしを言葉責めにしても、それは嘘にはならない。  
あたし自信も十分に淫らだと知覚し、むしろますます興奮が高まるのだ。触角をつたって脳に入り込む彼の性欲と征服欲も、あたしを興奮させた。  
 
「感度と感触は十分わかったし、次はお味のほうをチェックさせてもらおうかな」  
 
(ほらほら、こうやって俺が恥ずべき感情を剥き出しにすると嬉しいんだろ? 俺を誘惑してこんなことさせるなんて、本当最低だよな)  
 
 彼が舌を出した。同時に掴んだ触角からあたしに思考を送り込み、言葉責めを行う。  
 
「や、やめてぇ……クンニまでされちゃったらあたし恥ずかしくて死んじゃうよぉ……」  
 
「君のココはもっと攻めて欲しいって言ってるみたいだけど?」  
 
(こうやって口では拒否しながら誘惑してくるのが最高だよな……俺がどうすれば喜ぶのかよくわかってるじゃん)  
 
「うぅ……そ、そうかもしれないけど……やっぱり恥ずかしいよぉ……やめてぇ……」  
 
 あたしが恥ずかしい、やめてと口に出すたびに、彼の興奮も高まっていく。  
こうやって触角を当てていればその様子が手に取るようにわかる。  
そして彼の興奮もあたしにとっては栄養源なわけで……うぅむ……この快楽地獄から抜け出すのは容易ではなさそうだ。  
 
(や、やっぱりこれ恥ずかしいな……悪いけどこれ放すぞ)  
 
 流石に恥ずかしくなってきた彼があたしの触角を放す。彼が恥らう感情もなかなか美味だ。  
それ故に触角を放すのは少し名残惜しいが、相手の合意なしに心を無理やり読むのはほめられるべき行為ではない。  
さっきも何回か無断で読んだのだし、ちょっとはあたしも我慢を覚えるべきだ。  
 
「俺の五感全部で君のココをチェックしてやるからな。覚悟しろよ?」  
 
「五感全部……?! そんなことされたらあたし本当に死んじゃ……ひゃっ!」  
 
 彼の舌が恥部を舐め上げた。陰毛を撫で、愛液を絡めとり、とことんあたしの恥部を貪る。  
 
「ひゃぁっ……! く、クンニはだめっ! や、やぁん! やめてえぇぇー!」  
 
 下から上へ、下から上へ、時折指による愛撫も織り交ぜながら、何度も何度も執拗にあたしの恥部を彼が攻める。  
感覚であたしの恥部を感じ、舌で味わい、耳では互いの体液が絡み合って奏でるやらしい水音を聞き、  
目ではその淫ら極まりない様子を見、鼻ではあたしの恥部の匂いを嗅ぐ。  
これだけの羞恥を重ねられるなんてたまらない。比喩ではなく本当に顔から火が出るのではないかと錯覚してしまう。  
 
「やっ! クリはやめてぇ〜!」  
 
「ココは特にえっちな箇所だからな。念入りにチェックしないと……」  
 
「お願いソコは……あっ、あん! や、やめ……ひうぅぅっ!」  
 
 彼の舌先が意地悪くあたしの弱点を突付く。その度に快感があたしの全身を貫き、体液を沸騰させる。  
舌で突付く愛撫を何度か繰り返した後、彼はあたしの弱点に吸い付いた。  
 
「ひゃあああぁぁっ!? すっ、吸っちゃダメえぇぇぇ! あぁっ!」  
 
 あたしが吸われるのに弱いとわかった途端、彼の愛撫が激しくなった。  
時折舌で陰核の上を横切るような愛撫や唇で挟む愛撫も織り交ぜながら、口であたしの陰核を執拗に攻める。  
攻めを口に任せたことで暇になった彼の両手は、あたしの体への愛撫へ移行した。  
お腹を優しく撫で、腋を揉み、骨をグイグイと押してくる。  
執拗な尻尾攻めで敏感になってしまったあたしの体は、彼の素人全開な愛撫にも元気に反応した。  
 
「あぁん……! そんなあちこちいっぺんに弄っちゃ……んあっ……あぁう……!」  
 
「うーん、やっぱあちこち弄ったほうが気持ちいいのか。最初からこうしとけばよかった」  
 
 彼が喋るために口での愛撫を中断した。陰核への刺激はなくなったが、両手による愛撫はまだ続いている。  
そうやって優しくされると弱いのだ。彼の両手が余すことなく、あたしの体を撫でる。  
 
「そういえばさ、クリトリスの別名って、悪魔の乳首って言うらしいな」  
 
「ん……そうなの……?」  
 
 彼の愛撫が気持ちよすぎて喋るのもやっとだ。  
彼が愛撫をする場所はあたしの下半身に移り、足先から太股までを丹念にマッサージしてくる。  
 
「うん。貞節のある女の人には無いものだって信じられてたんだってさ。クリが見つかると魔女だと思われて処刑されたらしいよ」  
 
「そうなんだ……あっ! 待って! クリ舐めないでえぇ〜!」  
 
 会話の内容に興味を向けられ、油断しきったあたしの弱点に彼が不意打ちをかました。  
舌を小刻みに左右に動かし、皮が剥けて見えかけている陰核の先端に快感を与える。  
 
「君も貞節とかは無さそうだな……俺がたっぷりお仕置きしてやらないとな」  
 
「ひゃっ! クリはダメ! んあんっ! だ、ダメだってば! お願い許してぇ〜!」  
 
 彼があたしの陰核に吸いついた。このいかにも相手の性器を貪っているというような愛撫があたしを興奮させる。  
その上、わざとちゅぱちゅぱと音を立てながら吸うのだから、やらしいことこの上ない。  
 
「風呂でもココ触って喘いでたよな。その分もしっかりお仕置きしないと……」  
 
「お、お願いだからそのことは言わないでよ〜!」  
 
 彼の意地悪な言葉にあたしの顔が熱くなる。  
彼が陰核を攻める時に立つやらしい水音も、今あたしたちがどんなに恥ずかしいことをしているのかを知覚させ、あたしの羞恥心を煽る。  
 
「ひゃわあぁっ!? そ、それダメ! 吸いながら舐めるの禁止〜!」  
 
「こうされると弱いんだな。オッケー、わかったよ」  
 
「あああああぁぁっ!! やめてやめて! やっ! ひあああぁぅっ!」  
 
 とうとう彼はあたしが最も感じる攻め方を見つけ出してしまった。もうイかされるのも時間の問題だろう。  
反射的に快感から逃れようと体を動かすが、彼の両腕と翼で押さえつけられては無駄なことだった。  
 
「俺みたいな下手くそに吸われてこんなに感じちゃうなんて、とんだ変態淫魔ちゃんだな。まぁお風呂でオナニーしちゃうような変態だしな」  
 
「恥ずかしいから言わないでよー! もうダメ! 言葉責め禁止!」  
 
 言葉による地獄のような責め苦と、愛撫による天に昇るような快感。彼のよく回る舌がうみだす効果は無限大だ。  
 
「ひゃああぁぁっ! 吸いながら舐めるの禁止だってばぁっ! それされると弱いのおおぉっ!」  
 
 彼の舌が器用に陰核の皮を剥いた。そして、剥きだしになった陰核をとことん愛撫する。  
皮の上からでも十二分に気持ちよかったのに、こうやって直に愛撫されては、もう喘ぎ続ける他ない。  
もはや皮すらも防護してくれず、完璧に無防備になったあたしの弱点を、あたしが一番好きな方法で彼が攻め続ける。  
 
「ひゃぁっ?! そ、それやめて! それだけはりゃめえぇぇ〜!」  
 
 彼の両手が羽根ブラシを掴み、あたしの胸に迫る。  
クリ攻めだけでも気持ちよすぎるくらいなのに、胸まで攻められたら……!  
彼の手は羽根ブラシが乳首に触れるか触れないかの絶妙なところを行き来し、意地悪くあたしを焦らしている。  
 
「んああんっ! む、胸攻めるなら攻めるで早く……あふんっ! 焦らすのはダメぇ!」  
 
 それでも彼は意地悪な手の動きをやめない。  
陰核攻めであたしを追い詰め、あたしの精神が磨り減った後で胸を攻めようという魂胆なのだ。  
そして本当に意地悪なことに、彼はあたしの意識が丁度陰核攻めに集中した瞬間を狙って乳首攻めを開始した。  
 
「ひゃあぁぁっ! ダメえぇぇ! 胸擽るの禁止ぃいっ! も、もう許してえぇっ!」  
 
 あたしの弱点を3箇所も同時に、しかも一番弱い攻め方をされるなんてたまらない。  
両乳首を擽られて、全身へじわじわと快感が広がり、陰核攻めでそれが増大する。  
思わず両腕に力がこもる。彼は翼でそれを感じ取り、あたしがもう絶頂寸前だと気づいたのか、乳首への愛撫を小刻みで激しいものに変えた。  
 
「ああああんもうダメええぇぇーっ! イっちゃ……ああああああぁぁぁっ!」  
 
 子宮の奥から熱いものが全身へ広がっていくような感覚を覚えた。  
快楽の波があたしの思考を洗い流し、真っ白に染め上げる。  
喘ぎすぎて酸素が足りない。酸欠を訴える肺の言うがままにぜぇぜぇと荒い呼吸を繰り返し、全身に酸素を送り込む。  
あたしの心臓はバクバクと激しく脈打ち、自身に鞭を打っていた。  
 
「も、もうダメ……お願い……少し休ませて……」  
 
 あたしの口から弱弱しい声が漏れる。  
いくらあたしがえっちな願いにもこたえられるように創られた敏感悪魔だからって、  
こう何度もイかされては体力が尽きるのも当然だ。  
 
「わ、悪い。ちょっとやりすぎたかな……?」  
 
「ちょっとどころじゃないわよー……」  
 
「う……ごめん、悪かった」  
 
 彼がすまなそうな顔をした。まぁ欲望欲しさに彼を煽ったあたしにも原因はあるんだし、そんなに責める気はない。  
それに、あたしが感じすぎて疲れてしまっても、あたしが攻める側に回って彼とのえっちを続ければ欲望は手に入るのだ。  
そして、欲望があればあたしはそれを力に変えることができる。欲望をたくさん読めば再びあたしが受けに回ることもできるのだ。  
 
「ま、それだけ気持ちよかったってことだし、許してあげるわよ。気持ちよくしてくれたお礼に、今度はあたしがあなたを気持ちよくしてあげよっか?」  
 
「え? い、いいのか?」  
 
 彼がちょっと意外そうな顔をする。  
そりゃぁ、直前までえっちしすぎでへばっていた子が、こんなことを言い出すとは予想できないだろう。  
 
「あたしだってあなたの欲望を読んで気持ちよくなれるし、さ、仰向けになって頂戴」  
 
「あ、あぁ……」  
 
 言われるまま仰向けになる彼。彼の前の尻尾は天に向かって伸び、パジャマはテントをはっている。  
パジャマとパンツを下にずらすと、はちきれんばかりに膨張した男性の象徴が露になった。  
ソレはあたしの手の平の横幅よりも長く、手首から指先までの長さよりは短い。  
先っぽの皮は剥け、中身が剥き出しになっている。  
少しひくつきながら先走り汁を分泌する様子は、あたしの愛撫を待っているかのようだ。  
 
「こんなにおっきくしちゃって……えっち」  
 
「そ、そんなに見ないでくれよ」  
 
 あたしが注ぐ無遠慮な視線に彼が恥らった。頬に少し赤みが差す。  
 
「ほら、先走り汁が出ちゃってるわよ?」  
 
「う……言葉責めもやめて」  
 
 あたしは彼にもっと恥ずかしいことをされたのだ。そのことについてはこれぐらいで許してやる気はない。  
それに、あたしだってこういうことをしてみたいという願望が、完全に無いわけではないのだ。  
 
「あなたのココ、早く射精したいって言ってるわよ? あたしが楽にしてあげるからね」  
 
 彼のモノをあたしの胸で挟み込む。所謂パイズリというやつだ。  
彼の大事なところを傷つけぬよう、優しく、ゆっくりとあたしの両乳房で刺激を与える。  
 
「ん……パイズリってしてもらう側もすごい恥ずかしいんだな……」  
 
「でも気持ちいいでしょ? どう? あたしの胸は」  
 
「やわらかくて、すっげえ気持ちいい……最高だよ」  
 
 彼が感嘆の声を漏らす。同時にカウパーの量が増した。あたしのパイズリがなかなか効いている。  
やはり胸を使って大事なモノを挟まれているという状況は、彼の興奮をかなり高める効果があるらしかった。  
そんな彼の感情を読み取ったら、あたしはうれしすぎて昇天してしまうかもしれない。  
たまらず彼の胸に触角を押し当てる。  
 
(や、やっぱり心も読むのか……? うぅ……俺のほうが恥ずかしくて死んじゃうよ)  
 
 たちまちあたしの脳に彼の感情が流れ込む。  
羞恥、性欲、快感、征服感。それらが激しく入り混じった感情のミックスジュースは、  
あたしが今まで読み取ってきた感情のどれよりも美味だ。  
さっき性欲を読み取った時も同じような感情をもらったが、これに比べればさっきの感情は自販機で売っているジュースのようなものだ。  
 疲れきっていたあたしの全身に力が満ちてくるのを感じる。こんなにもあたしに力をくれるなんて、彼は欲深だ。  
この調子なら、彼をイかすころにはあたしの体は完全に回復しているだろう。  
 羞恥に耐える彼の表情はなかなかにかわいらしい。  
太陽のようにまばゆい金髪と、海のようなブルーの目。  
よく見ると、顔立ちも割とかわいいほうだ。さすがあたしと同じ神様が創っただけのことはある。  
目と触角で彼の表情と感情を味わい、胸では彼の感情をさらに煽る。  
 
(恥ずかしい……けど……俺ばっかり気持ちよくなってても悪いよな)  
 
「あら、あなたのオチンチン、ぴくぴくしちゃってすごく気持ちよさそうね」  
 
「こ、言葉責めはやめてくれー!」  
 
(そ、そんなかわいい声でオチンチンだなんて……は、反則だ……それに俺のソコを見る悪魔の目つき……なんてえっちいんだ)  
 
 口ではそう言っていても、あたしには彼の本心が筒抜けだ。  
 
「何? オチンチン攻撃に弱いの? もっと言ってあげようか?」  
 
「わーっ! やめろやめろ!」  
 
 彼が慌てるが、やはり本心では興奮もしている。あたしに言葉責めが有効だったように、  
彼にも言葉責めは効果があるようだ。意地悪された恨みもあるし、何よりも彼の反応がかわいい。  
こんなかわいい顔でそんな表情をするなんて、それこそ反則だ。  
 あたしに意地悪を言ったり、言葉責めをしていた人と同一人物だとは思えない。  
ベッドとの摩擦であたしの服を脱がせず、手間取っていた人と同一人物だと言えば納得だ。  
 
「フェラチオもしてあげよっか?」  
 
「うわわっ! 俺本当に恥ずかしくて死んじゃうよ!」  
 
(う、上目遣いで見るのやめてくれ! もし上目遣いで見られながらフェラチオなんかされたら……!)  
 
「口ではそう言ってもあなたの心とオチンチンは嘘をつけないわ。本当はしてほしいんでしょう?」  
 
 彼のモノと銜え込み、貪る。舌をチロチロと動かして亀頭を責めると、ますます彼の興奮が高まった。  
しかも興奮だけでなく、彼の男性器が感じている快感も、あたしに触角を通して伝わるのだ。  
むしろあたしのほうが気持ちよくてたまらない。  
 
(うぅ……くぅ……けっこううまいな……こんな簡単に感じさせられるなんてちょっと悔しいぞ)  
 
 フェラチオに集中してパイズリを忘れていた。  
軽く吸ったりする愛撫も混ぜつつ、パイズリによる快感も彼に与える。  
あたしの胸がむにゅむにゅと形を変え、その様子も彼を興奮させる。  
 
(う……おっ……胸の感触が気持ちよすぎて……!)  
 
 たちまち彼はあたしの虜となった。こうも簡単におちるなんて、ちょっと拍子抜けだ。  
 
「感じてるわね……けっこう早漏さんなのね」  
 
(う、うるさいっ……銜えたまま喋るなっ……!)  
 
「でも安心して。感じてるのはあなただけじゃないわ」  
 
(?)  
 
「あなたが感じてる性感も、あたしに伝わってきてるのよ。それに、尻尾触られて体が敏感になってるから……こうしてるだけで谷間が気持ちいいの」  
 
(ふーん、やっぱり君もけっこうえっちなんだな)  
 
「オチンチンをこんなにしてるあなたが、人のことをえっちとか言えるのかしら?」  
 
(君こそ俺のココを銜えてるどの口がそんなことを言うんだよ)  
 
 ちょっとこれには反論が思いつかない。あたしが押し黙ると、彼が勝ち誇ったような顔をした。  
だがその表情も、あたしのする愛撫によってすぐに崩れた。  
 
(う……っ! ず、ずるいぞ……そんなに気持ちよくするなんて)  
 
 彼の性感が手に取るようにわかる。どうやら彼の弱点はカリらしい。  
パイズリを続けつつ、カリを重点的に攻める。  
股間の奥からむずむずと何か熱いものがこみ上げる感覚、カリから生じる力が抜けるような快感。  
それらがしっかりと伝わってくる上に、あたしの胸の谷間まで彼の性器と擦れて感じている。  
 
(う……あ……やめっ……ソコは……)  
 
 不意打ちで別の愛撫を混ぜてみる。  
性器の腹を下から上へ舐めあげ、舌がカリに達する直前で、また性器の下へ戻る。もちろん唾で音を立てて彼の羞恥心を煽るのも忘れない。  
 
(や、やめろ……焦らさないで……)  
 
 彼を焦らしながらも、自分自身も焦らされるこの感覚がたまらない。  
本当はあたしだって、彼のカリを攻めてその快感を共有したいのだ。  
その感情を彼の情けなくもかわいらしい表情が打ち砕く。  
ちょっとだけあたしに意地悪な言葉責めをしてきた彼の気持ちがわかった気がした。  
 
「何よ。受けに回った途端に弱気じゃない。さっきまでの勢いはどうしたの?」  
 
(う、うるさいな……このっ……)  
 
「ひゃあ! それやめて!」  
 
 彼が羽根ブラシであたしの勃起しきった乳首を擽った。  
電撃のような快感が胸を伝い、首を這い上がり、あたしの頭を痺れさせる。  
 
(へへ、擽っただけなのにけっこう感じてるじゃん。また胸だけでイかせてあげよっか?)  
 
「く……うう……ま、負けないわよ!」  
 
 こうなったらなんとしてでも彼をあたしよりも先にイかせてやる。  
パイズリの速度を上げ、彼のカリを舌先で転がすが、心を読んであたしに伝わる快感の量も増大し、自分の首を絞める結果になる。  
 
(この感じてるのを我慢しながらフェラする表情がたまんないな……あっ! カリはやめろって!)  
 
 弱点を攻められ、彼に隙ができた。攻め手が止んだ瞬間を狙い、激しい攻めを行う。  
 
(そ、そんな激しく吸うなって……あぁっ! や、やめろ! で、出ちゃ……)  
 
 込み上げる射精感。噴出しそうになる欲望。ここであえて愛撫を止め、その欲望に蓋をした。  
射精の快感をお預けにされ、彼が不満そうな声を出す。  
 
「本当にやめるなよぉ……イかせてくれ。頼む」  
 
 すがるような目で彼があたしを見る。そんなかわいい顔をされたら、もっと意地悪をしてあげたくなってしまう。  
彼があたしに意地悪な攻め方をしている時も、こんな気持ちであたしに意地悪をしていた。  
こんないい気持ちを独り占めするなんて許せない。彼はもっとあたしにも意地悪をさせるべきだ。  
 
(ん……うぅ……だから焦らすなって……)  
 
 彼の亀頭を舐めあげ、射精を促す。だが、いざ彼が射精しようとした瞬間に、あたしは愛撫を止めてしまう。  
イかせてほしいと思う気持ちも性欲だ。イかせてあげて射精感や満足感を味わうのもいいが、  
このまま焦らし続けて彼から性欲をいただき続けるのもいいかもしれない。  
 
(あぁ……やめろ……お願いだ……焦らさないで……)  
 
 焦らせば焦らすほど、彼のイかせてほしいという気持ちも強くなる。  
欲望は寿命の代わりになるが、普段はそんなに欲望を読ませてもらう機会はない。  
願いを3つかなえればそれで契約相手とはサヨナラだし、欲望を読ませてもらう時間はそんなに取らないのだ。  
それに、心を読まれるのは誰にとっても恥ずかしいことだし、合意をもらえない場合もある。  
 だが、彼との契約は違う。どちらかが死ぬまで、契約の効果で無限に願いをかなえ続けることができる。  
幸い彼は心を読むのを許してくれてるし、彼があたしを縛り付けている限り、彼から欲望をいただく機会もまた無限にあるのだ。  
 あたしの体も完璧に回復したようだし、そろそろイかせてあげるか。  
 
「ほら、あなたのオチンチン、こんなにびくんびくんってなっちゃってるわよ? こんな気持ちよさそうなのにイかせてもらえないなんて、かわいそうね」  
 
「も、もう許してくれ! 頼む!」  
 
「そこまでお願いするならイかせてあげるわ。それに、あたしも焦れてきたところだし……」  
 
 彼の性器に口を近付け、そっとキスする。  
 
「あたしの口の中に、全部だしちゃいなさい。きっと気持ちいいわよ?」  
 
 そのまま彼の性器を銜えこみ、貪るように舐める。  
イかせてもらえることがわかって、彼の表情は満足気だ。  
 
(あぁ……や、やっとイける……イかせてもらえる……)  
 
 ちょっとまた意地悪をしたくなったが、流石にここで焦らすのはかわいそうだし、怒りを買うことにもなりかねない。  
それに、あたしももう我慢の限界なのだ。男性の絶頂を味わってみたくてたまらない。  
彼の性器に吸い付き、ラストスパートをかける。口をすぼめて彼の性器を締め、舌を亀頭の裏に押し付ける。  
 
(あああぁぁ! そんな激しく……っ! ああ! もう出るっ!)  
 
 彼があたしの中に体液をぶちまけた。同時に触角から伝わる彼の感情と性感。  
あたしの舌技で焦らされ、高められた欲望が爆発する。  
彼の欲望だけでも十分に気持ちいのに、同時に性感まで伝わってくるのだから、こっちもたまったものではない。  
濡れに濡れたあたしのアソコも、同時に軽くイってしまった。  
彼の出した精液があたしの口内を満たす。彼の欲深さを示すように、それは濃厚で、多量だった。  
あたしが飲み干すのに失敗して、咳き込んでしまうのも当然だ。拍子に触角が彼の体から離れる。  
 
「けほっ! けほっ! し、失敗しちゃった……」  
 
「だ、大丈夫か?」  
 
「ん、平気……そもそもあたしが勝手にやろうとしたことだから気にしないで」  
 
 心配そうにあたしの顔を彼が覗き込む。  
 
「だ、大丈夫だってば……それより、こっちの口の心配をしてほしいな……」  
 
 下半身の服と下着を完全に脱ぎ捨て、股を広げて彼を誘惑する。  
ぱっくりと開いた腔に、垂れ流される愛液、そしてピンク色に充血した陰核。  
彼の視線はもう釘付けだ。  
 
「ほら、あたしのココ……こんなにえっちな汁が出てるでしょ? 疼いちゃってすっごく辛いの。  
お願い、あなたのテクであたしの下の口を楽にして……」  
 
 言ってて死ぬほど恥ずかしい。だが、恥じらいながら誘惑する様子が彼のツボにはまったらしく、彼はやすやすと誘惑に乗った。  
 
「天使の俺を誘惑してこんなことさせるなんて……ひどい悪魔だな。たっぷりお仕置きしてやらないとな」  
 
 彼が欲望に目をぎらつかせ、あたしの性器に手を伸ばす。  
射精したばかりだというのに、彼の前の尻尾は再び勢いを取り戻し、元気にいきり立っている。  
 
 そうだ、お互いに愛撫をしあうプレイをしてみるのもいいかもしれない。  
 
「ねぇ、どっちが先に相手をイかせるのか勝負するってのはどう? それで勝った方がその後のプレイの主導権を握るの。いいでしょ?」  
 
 あたしの問いかけに彼はちょっと思案したようだったが……。  
 
「いいね。俺をこんなに乗り気にさせるなんてやっぱり君は悪いやつだな。俺が勝ってたっぷりお仕置きしてやるよ」  
 
 安易に誘いに乗ってきた。この勝負に負けはない。勝とうが負けようがあたしは欲望を手にすることができるのだから。  
 
「決まりね。じゃぁ横になって頂戴。あたしが上でいいわよね?」  
 
 彼の下半身のほうへ頭を向け、シックスナインの体勢になる。  
丁度お互いの顔の前に性器が来る。あたしの性器が丸見えになってすごく恥ずかしい。  
 
「ちょっ、すげー垂れてるんだけど……これなら簡単にイかせそうだな」  
 
 あたしの愛液で顔を濡らしながら、彼が言う。  
 
「ふん。どうかしら。あなたこそけっこうな早漏さんみたいだけど? あたしが勝ったらあなたを焦らしプレイでひいひい言わせてあげるわよ」  
 
 自信満々に聞こえるように言ってみたが、内心勝てる気はしない。  
男性の絶頂は女性のそれよりも重く、一度達したらそう容易に二度目の絶頂を迎えることはできない。  
これは勝負というより、彼を勝たせてあたしを性的にいじめまくる理由を与えるための接待なのだ。  
ハンデがあるとはいえ、えっち対決で相手を屈服させるのだ。  
彼が勝利した時に感じる征服感や満足感はそうとうなものだろう。  
そして、彼のそういった感情はあたしの幸せでもあるのだ。どっちも得をする最高の方法だ。  
 
「そっか、じゃぁ俺が勝ったら、君をイき地獄におとしてひいひい言わせてやるよ」  
 
 ひどい快楽責めが待っているとわかった途端、あたしの性器の疼きがひどくなる。  
これで興奮するなんて、あたしもけっこうえっちだ。  
 
「男の子なら、こういう展開は好きでしょ? どう? 興奮する?」  
 
「興奮するなんてもんじゃないよ……本当に誘惑がうまいね君は。抗えなくなっちゃうじゃないか」  
 
 あたしが思ったとおり、このシチュエーションは彼の心を擽るものがあるようだ。  
それにしてもこうもやすやすと誘惑に乗ってくれるとは……。  
そんな欲深な人といっしょにいられるなんて、あたしにとってはとても幸福なことだ。  
あたしのほうも抗えなくなってしまうではないか。  
 
「ルールはお互いに下半身を攻めて、先に相手をイかせた方が勝ち、だけでいいわよね?」  
 
「う〜ん……心を読むのは勘弁してもらえるか? この体勢だけでもけっこう恥ずかしいんだ」  
 
「わかったわ。じゃぁ、スタートね」  
 
 言うが早いか、彼のモノを両乳房で挟み、先っぽを銜え込む。  
勃起こそしているけれど、やはり絶頂には程遠いようだった。  
 
「うぉ! 急に始めるなんてずるいぞ」  
 
 彼も負けじとあたしの性器を指で攻める。  
下から上へ、下から上へ、幾度も幾度もあたしの性器を指の腹で撫でる。  
 
「あっ、ああん!」  
 
 あたしの口から喘ぎ声が漏れ、フェラチオが中断する。  
彼の性器を挟む胸の動きも止み、彼の独壇場となる。  
 
「どうした? 攻めないと勝てないぞー?」  
 
 彼があたしの性器に指を突っ込んだ。  
あたしのあそこがいやらしく彼の指を締める。  
 
「い、やぁ……指突っ込んじゃ……ダメっ! ああん!」  
 
「君の下の口はもっと突っ込んで欲しそうだよ? 二本突っ込んで見よっか」  
 
「ダメダメやめてぇ〜! あっ! ああぁっ!」  
 
 指の数が二本に増え、あたしの腔内を穿り回す。彼の指がうむ無限の快感にあたしは成す術もない。  
顔に愛液がベタベタかかるのが少し不快なのか、彼があたしと位置を入れ替えた。  
あたしに覆いかぶさりながら、彼があたしを一方的に攻める。  
最初から接待のつもりで勝負を挑んだが、ここまで一方的な展開になると流石に悔しい。  
ふと、さっき彼があたしを攻めるのに使っていた羽根ブラシが視界に入った。  
これで彼のモノを攻めればあるいは……?  
 
「ひゃ?! は、羽根は反則だろっ」  
 
「そんなことは一言も言ってないわ。勝手にルールを捏造しないでほしいわね」  
 
 羽根ブラシによる不意打ちに彼が声を上げる。なかなかの反応だ。  
亀頭を擽るように撫でると、彼の全身に震えが走った。  
 
「う……おっ……で、でも君も尻尾を擽られるのに弱かったよな」  
 
「! ま、待って! 尻尾はダメ! 反則よ!」  
 
 彼があたしの尻尾を掴み、先っぽに羽根ブラシを押し当てた。  
それだけであたしの全身が熱を持ち、快感が走り抜ける。  
 
「君は下半身を攻めるって言い方をしたろ? これは反則じゃないぜ」  
 
「う……そんな言い方したっけ……?」  
 
「勝手にルールを捏造しないでほしいなぁ」  
 
 彼が意地悪くあたしに鸚鵡返しをする。  
尻尾を攻められてしまったら、あたしに勝ち目はない。  
尻尾はそれ自体が性感帯なだけでなく、全身のありとあらゆる性感帯を刺激するツボがいたるところにあるのだ。  
特に先っぽには、多くの神経が集中している。そんな性感神経の塊のような場所を攻められたら、全身が火照ってしまう。  
あぁ、ダメ……! そんな風に優しく摩られたりしたら……!  
 
「ひゃ……あ……尻尾は全身の性感帯とつながってるから……んうっ! せ、攻めちゃダメ!」  
 
「俺が弄ってるのはあくまでも尻尾だぞ。これは反則にならないはずだ」  
 
 羽根先が尻尾の先っぽを撫でるたびに、性感が全身を駆け巡る。  
さっきの尻尾攻めで、ただでさえあたしの全身の感覚は鋭敏なものになっているというのに、さらに尻尾を擽られるなんてたまらない。  
 
 彼の羽根が、ハートの中心から少し左上にずれた部分に触れた。  
 
「あひゃぁあっ?! そ、そこダメ! 胸が敏感になっちゃう!」  
 
「ここはおっぱいと繋がってるのか……よし、ルールに触れずに胸攻めができるな」  
 
 彼の羽根がハートの右上と左上の部分をしつこく摩る。  
胸の神経が刺激され、どんどん感度が上昇していく。  
こ、このままでは負けて主導権を取られてしまう。それはけっこうだが、  
やはりこうもやすやすと敗れるのはあたしの中に欠片ぐらいは残っているプライドが許さない。  
羽根攻めだけではダメだ。ちょっとこの体勢では苦しいがパイズリも加えてみるか。  
 
「ふ、ふん。あなたなんかあたしの胸でいっぱい感じさせてあげ……ひゃぁ?!」  
 
 胸の谷間に電流が走る。さっきもパイズリをしている間は谷間が気持ちよくて仕方なかったが、  
今回の快感はそれの比ではない。これが電流なら、さっきのは静電気といったところか。  
 
「ん? どうした?」  
 
「う、嘘……胸が擦れるだけでこんなに感じるなんて……!」  
 
「へぇ、パイズリするとそっちが感じちゃうわけか。とんでもなくえっちだな」  
 
 谷間を襲う快感にあたしの方が耐えられない。長時間尻尾を摩られるとあたしの体はこんなにまで敏感になってしまうのか。  
あたしの武器である胸がただの弱点と化してしまった今、あたしの勝ち目はさっきよりも薄いだろう。もはや絶望的といえる。  
 
「この尻尾はおっぱいのほかにどんなとこに繋がってるのかな〜?」  
 
 彼が胸以外の場所も敏感にしてやろうと、羽根ブラシで擦る位置を変える。  
乳房がこんな敏感になってしまったのだ。全身を敏感にされてしまったらどうなるのか、想像するだけでも恐ろしい。  
恐ろしい……が、それ以上に魅惑的でもあった。全身がこれ以上に敏感になるだなんて経験は、滅多にできるものではないだろう。事実、こんなに長時間尻尾を摩られたのは初めてだ。  
 
「あんっ! お願い、尻尾は許して! それされたらあたし勝てなくなっちゃ……あっ! ああん!」  
 
 あたしの尻尾の先っぽはハートの形になっていて、実はそれがあたしの体の縮図のようになっている。  
基本的にハートの上半分は上半身、下半分は下半身のツボになっていて、ハートをあたしの体に見立てて触れば大体狙った箇所の性感帯を活発にさせられる。あくまで大体だが。  
彼の羽根がハートの中心の下部……あたしの性器のツボの部分をとらえた。ちなみにこのツボの両脇が足のツボだ。  
 
「あぁっ! そこはダメっ!」  
 
 性器が疼く感覚に、思わず性器を手で押さえてしまう。  
我ながらなんてわかりやすい反応……今ので性器のツボは完全にバレた。  
彼の顔に意地悪そうな笑みが浮かぶ。  
 
「ここが弱いのか」  
 
「ち、ちがっ……弱くなんかない! ひゃぁっ! お願いだからそこはやめて〜!」  
 
 もう勝負は見えている。こうなったらわかりやすい反応をして、彼を煽る方向でいったほうがいいだろう。  
彼が尻尾をいじめるたびに愛液が溢れ、あたしの手を濡らす。  
 
「弱くないなら触っても大丈夫だろう?」  
 
「じゃ、じゃぁ認める! 認めるから! 認めるからそこは許して〜!」  
 
「嘘をついたのか。これは弱いところをしつこく触ってお仕置きする必要があるよなぁ」  
 
「なっ、あっ……! あん! も、もう許して〜!」  
 
 彼はこうやって懇願する相手を攻めるのが大好きなはずだ。心を読まずともあたしにはわかる。  
彼があたしの尻尾を攻める様子は活き活きしているし、この体勢ではちょっと見づらいが表情もうれしそうだ。  
 
「勝負はまだついてないだろ? 少なくとも君がイくまでやめてあげないよ」  
 
「も、もうダメ! 降参! 降参するからやめてぇぇ〜!」  
 
 無論、やめてほしいはずがない。こうやってあたしが負けを認めれば、もう主導権は彼のものだ。  
あたしの攻め手が止んでいるにも関わらず、彼は律儀にシックスナインの体勢を保ってくれている。  
もう勝負はついたのだから、彼はこのやりにくい姿勢であたしを攻めなくてすむだろう。  
 
「ってことは俺の勝ちだな? 約束は守ってもらうぞ。これで君はイき地獄だ」  
 
「ま、まって! 今の無し! イき地獄はダメ!」  
 
「そんなこと言ってももう遅いもんね。これで攻め放題だ。確かに俺は君を攻略したんだから」  
 
 やはりシックスナインの姿勢を保ち続けるのは辛かったのか、彼が体の向きを変えた。ちゃっかり服を上げて彼が性器を隠す。  
あたしの目に彼の心底うれしそうな表情が映る。その表情は、目の前の女を貪りたいという欲望にも満ちていた。  
これから彼にされることを思うと、期待と不安との両方でゾクゾクしてしまう。いったいどんな快感を味わわされるのか……。  
 
「ふん。調子に乗らないでよね。尻尾攻められてなかったらあたしが勝ってたんだから!」  
 
「へぇ、こうされてもそんな強がりが言える?」  
 
「あっ?! あ、あん!」  
 
 彼があたしの尻尾を掴み、ハートの先っぽで陰核を突付いた。  
性感帯と性感帯が触れあい、相乗効果で信じられないほどの快感があたしを襲う。  
しかも、ハートの先っぽはよりにもよって陰核のツボなのだ。  
このまま同じ攻め方を続けられたら、感度がどんどん上がって大変なことになってしまう。  
 
「そ、そんなの……ぜ、全然効かないわよーだ! んああんっ! そ、そんな攻め方しても無駄よ! あ、諦めなさーい!」  
 
「まだ強がれるんだ……でもいつまでもつかな」  
 
 彼がグリグリと尻尾で陰核の根元を攻めてくる。  
ただでさえ感じやすいトコロなのに、尻尾攻めでそんなトコロがさらに敏感になっているのだからたまらない。  
 
「尻尾攻められてなかったら……ぁん! 勝負はあたしの……ひゃっ! あたしの勝ちだったはずよ。 あぁっ!」  
 
「俺にはいっぱいいっぱいに見えるけどなぁ。潔く負けを認めたら?」  
 
「ま、負けてなんか……あん! な、ないわよ!」  
 
 強がって見せるものの、彼の言うことは全く的を外してはいない。  
あたしが心身ともに屈してしまうのもそう遠くはないはずだ。  
強がっている女の子を性的に屈服させるシチュエーションも、彼の好みのはず。  
あたしが感じまくっていることが見え見えなのも、彼を興奮させる要因だ。  
とにかく彼に優越感を味わわせれば、あたしも心を読んだときにもっと気持ちよくなれるはずなのだ。  
 
「こうされても強がれる?」  
 
 彼が割れ目に尻尾の先っぽを押し当てた。  
尻尾を挿れてしまえばたちまち腔肉が尻尾を締め付け、尋常でない量の快感があたしを襲うだろう。  
そうだ、それでいい。そうやってあたしを屈服させて、征服感を満たす感覚を存分に味わえばいいのだ。  
 
「ぜ、全然……へっちゃらよ……へっちゃらなんだから……やってみなさいよ」  
 
 弱々しい声で挑発し、彼の加虐心を煽ると、案の定彼はあの意地悪そうな笑みを浮かべる。  
 
「風呂でも尻尾突っ込んであんあん喘いでたよなぁ」  
 
「お願いだからそのことは言わないでよー! あっ! あぁぁっ!」  
 
 会話にあたしの注意を向け、その隙に彼が尻尾を挿入する。  
あたしの貪欲な蜜壷がこれで黙っているわけがない。  
いつも自慰をしている時と同じように、あたしの尻尾を締め付ける。  
尻尾のツボが満遍なく膣肉に刺激され、全身が火照る。  
 
「ああぁぁっ! や、やっぱりダメ! 尻尾抜いてえぇぇ!」  
 
「もうちょっと早く降参してれば考えてあげたかもな。でももう遅い」  
 
 彼はあたしを性的にいじめて欲求を存分に満たしているようだった。  
やはり挑発したり誘惑したりして、あたしをいじめる口実を作ってあげたほうが彼は嬉しいらしい。  
お仕置きだとか君が悪いとかいう言葉を多用するあたりそれは間違いないだろう。  
 
「風呂ではこのままクリ弄ってイってたよな。やっぱトドメはクリ攻めかな」  
 
「そ、そのことは言わないでってば〜!」  
 
 彼の言葉責めに反応し、締め付けがさらにきつくなる。  
 
「はうぁっ?! だ、ダメ……中が……!」  
 
「中が気持ちいいのか。心配しなくても中もしっかり攻めてやるからな」  
 
「そ、そうじゃなくて……言葉責めされると中がきつくなっちゃうの……」  
 
「へぇ? 言葉責めされると感じちゃうんだ。えっちだな」  
 
 彼の言葉にまた締め付けがきつくなる。うなぎのぼりの性感に寄せる期待と不安。  
このまま尻尾攻めを続けていたら、全身が陰核並の感度になってしまうのではないかとさえ思える。  
 
「あぁんっ……! え、えっちとか言わないでよぉ……」  
 
「すげーな。俺が尻尾に触らなくても言葉責めだけで感じるのか。この変態淫魔め」  
 
「はうぅぅっ……!」  
 
 今の言葉責めはかなり効いた。彼の言うとおり、今のあたしは彼が手を触れずとも、言葉責めに反応して勝手に感じてしまう状態なのだ。  
膣の中に入ってきたものに膣肉を押し付ける快感、尻尾を全方位から満遍なく刺激される快感、そしてそれによって呼び起こされる全身の性感帯。  
あたしが興奮すればするほどに締め付けはきつくなり、それによって快感を得たあたしはさらに興奮する。  
もはやこの快楽のループから抜け出すことは不可能だ。もうあたしの中から一方的にイかされるのは悔しいだなんて感情は消え去っていた。  
あるのは彼に貪られたいという性欲と、彼の欲望を読み取って気持ちよくなりたいという欲望と、契約相手を悦ばせたいという本能だけだ。  
 
「大事なトコを擽られた仕返しもしないとな……。トドメのクリ攻めは羽根でやるか」  
 
「だ、ダメ! そんなことされたらあたし感じすぎて変なになっちゃうよぉ……」  
 
 懇願しながらも、あたしが気持ちよくなっていることを強調する。  
 
「喋くる余裕があるならまだ大丈夫だな。よし、トドメだ」  
 
「や、やめてええぇぇぇっ!」  
 
 彼の手が尻尾を前後に揺らし、ピストンを開始する。同時に開始される陰核への羽根攻め。  
濡れた羽根先が陰核を撫でるたびに、この世の快感を全て集めても匹敵しないのではないかと思えるような快感があたしを襲う。  
頭の中が真っ白になり、宙に浮くような感覚。頭で理解するまでもない。あたしの全身が絶頂が近いことを感じている。  
 
「ひゃああぁぁっ!!! も、もうダメ! 気持ちよすぎ!! クリトリスいじめられてイっちゃうよおぉぉっ!!!」  
 
「やっぱり君は変態だな……それもとびっきりのだ」  
 
「そ、それはあなたもでしょ! あぁ、ダメ! クリ攻め激しくしないで!! あっ! ああああああああああああああぁぁっ!!!!」  
 
 真っ白になった脳内で火花が弾け、全身を煮えたぎるマグマのような激しい快感が駆け抜け、秘所は体液をぶちまける。  
もはや幾度目とも知れぬ絶頂を迎え、あたしの体はもう限界だ。それでも心はそれをわきまえずに、まだ彼を求めている。  
まだだ、まだ足りない。彼の欲望から力を得てもっと気持ちよくなるのだ。  
 
「あ……はぁ……感じすぎてすっごく疲れちゃった……欲望読ませてぇ……」  
 
「だ、大丈夫か? ごめん、やり過ぎた」   
 
 彼があたしの尻尾を引っ張った。  
貪欲な膣肉が放すまいと尻尾を締め付けるが、あっさりと彼の手で腔から引き抜かれてしまう。  
それでもなお、愛液が名残惜しそうに糸を引く。  
 
「大丈夫よー……欲望さえ読めば元気になるから……」  
 
「そういうもんなのか?」  
 
「そうよ……欲望はあたしの大好物だし、元気の素なんだから」  
 
 触角を掴みながら、彼が心配そうにあたしの顔を覗き込む。  
触角から流れ込んでくる激しい感情と、あたしのことを心配する感情。白に染まっていたあたしの脳内はたちまち満ちた。  
お仕置きだなんだと言いながらも、彼は一応あたしのことを気遣ってくれている。  
あたしをこんなにへとへとにしたのも、他ならぬ彼なのだが。  
 
「すごい……力が溢れてくる感じがする……あなたってすっごく欲張りなのね」  
 
(見る見る元気になってくな……俺ってそんな欲張りなのか? 確かに今も君を犯したくてたまらないけど……)  
 
「少なくとも、あたしが読んできた人の中では一番欲張りよ。欲望はいっぱいあれば寿命の代わりになるの。あなたからは寿命をもらえなくてもいいかなー」  
 
(それはいいけど、読まれるのはやっぱ恥ずかしいな。俺のココがギンギンなのも、君にはわかっちゃうんだろ?)  
 
 彼の思考と欲望に気を取られていたが、言われてみれば確かに一度絶頂を迎えたはずの局部が勢いを取り戻しているのを感じる。  
 
「ん……大分元気になったし、もう放しちゃっていいわよ。ありがと」  
 
 彼の手からあたしの触角が離れる。触角が離れても、視線を彼の下半身に向ければ、彼の局部が元気に直立しているのがわかる。  
彼があたしの喘ぐ姿を見て興奮しているという事実も、あたしを興奮させる。  
 
「あぁ……体が疼いてたまらないわ。お願い、ガンガンあたしのことを犯っちゃって!」  
 
「さっきまで息も絶え絶えだったろ? 本当にもう大丈夫なのか?」  
 
「それほどあなたが欲張りってことよ。もう元気が溢れるくらいだわ。ほら、見て……」  
 
 あたしが股と両腕を広げ、生まれたままの、いや、創られたままの姿を彼に見せ付けると、途端に彼の視線があたしの体に釘付けになる。  
そんなに見られると恥ずかしい……けど、それ以上に彼があたしに興奮してくれているということが嬉しい。  
契約してくれた相手が喜んでいる姿を見るのも、あたしは大好きなのだ。  
彼のえっちしてくれという願いは、お互いに気持ちよくなれる上に、彼が興奮する姿を見て契約相手が喜んでいることを実感できる、最高の願いだ。  
 
「あたしの乳首、こんなにえっちになっちゃってるし、アソコも濡れ濡れでしょ? こんなにいけない子なの。お願い、あなたの手でお仕置きして……」  
 
「……なんで君はこんなに誘惑がうまいんだろうね、ホント。俺の性欲を刺激して止まないのはここかな?」  
 
「あ……あん……」  
 
 彼の両手があたしの乳房を鷲掴む。敏感になった胸を弄ばれ、快感が襲い来る。  
 
「それとも、コッチかな?」  
 
「あ……ひゃあっ!」  
 
 彼の右手があたしの胸を離れ、秘所に触れた。彼の指に絡みつく愛液がぐちゅぐちゅと猥雑な音を立てる。  
 
「さっきは擽ってばっかであんましおっぱい揉んでなかったな。感度も上がってることだし、たっぷり揉ませてもらおうか」  
 
「ん……あ、気持ちいい……」  
 
 彼が両手であたしの胸を揉みしだく。親指で胸を押し上げ、揉むたびに指を胸に食い込ませる。  
人差し指は中指たちといっしょになって揉むのに参加していたかと思えば、不意に乳輪をなぞったり、乳首をかすめたりしてあたしを焦らす。  
桃色の体をかたくして自己主張をするあたしの乳首。彼はあえてそこを放置することで、かえってあたしの興奮を高めている。  
 
「ねぇ、読んでもいい?」  
 
 あたしの問いに、彼が小さく頷く。触角から伝わる彼の溢れんばかりの煩悩。  
その煩悩に突き動かされるまま、彼があたしの胸を揉み続ける。  
やはり彼にとって胸は攻めていて楽しい箇所だし、それを読むあたしもそれ以上に気持ちよくなれる。  
幸福感があたしの胸を満たし、収まりきらなかった分は、言の葉となってあたしの口からあふれ出る。  
 
「さっきまでダメとかやめてとか言ってたけど……あたし本当はすっごく幸せなのよ」  
 
「うん? 感じてるのは言わなくてもわかるよ」  
 
「そうじゃなくて……幸せなのよ。こうやってお互いに気持ちよくなれるなんて、最高じゃない?」  
 
「じゃぁ俺も幸せかな。こんなかわいい子の体を好き放題できるなんて」  
 
 不意に彼があたしの乳首を摘んだ。  
不意に、と言っても、あたしは彼の心を読めるのだから摘まれる直前からこうされることはわかっていた。  
だが、わかっていることとそれに対応できるかどうかは別問題なのだ。情けなくもあたしは喘ぎ声を漏らしてしまう。  
   
「あ、あんっ!」  
 
(やっぱり反応いいな。この方が触ってて俺もうれしいよ)  
 
 彼の手の動きが揉む動きから乳首を攻める動きにシフトする。  
摘んだかと思えば、指の腹で撫でたり、爪先で突付いたり、グイグイ押してみたりと、アトランダムに彼の手があたしの乳首を攻める。  
彼は考えた攻め方をその瞬間に実行してしまう。心を読めたところで、彼が次にどんな攻め方をするのか予測することは不可能だった。  
 
「あっ、はぁっ、あん! あ、あぁ……乳首いいよぉ……」  
 
 あたしの体はどの攻めに対しても敏感に感じてしまう。  
手でする攻め方もネタが尽きたのか、今度はあたしの乳首にむしゃぶりついた。  
吸いながら舌先でチロチロと右乳首を弄られ、左乳首は彼の右手によって攻められる。  
 
「あひゃあぁんっ! す、吸われるのもいいかも……。あ、待って! ソコはダメぇ!」  
 
 遊んでいた彼の左手があたしの秘所へと伸びる。  
濡れに濡れた割れ目を3回ほどなぞった後に、陰核の根元を突付く。  
 
「だ、ダメっ! そこは感じすぎちゃうよぉ……!」  
 
 否定の言葉が、彼のサディスティックな感情に再び火をつけた。  
陰核を弄る指に力が入り、乳首への吸引も強さを増す。  
 
「ひゃわあぁっ! だ、ダメだってばぁ! ソコはすっごく弱いの! 感じすぎちゃうからダメぇ!」  
 
(やっぱりココ弱いんだな……こんなに喘いでる)  
 
 あたしの陰核が敏感なことを強調して見せると、彼の意識はますますあたしの陰核へ向いた。  
軽く摘んだり、押しつぶしたり、思いつく限りの弄り方を試し、あたしの反応でどれが一番感じるのか見極める。  
 
「あっ……ひゃあ! んぅっ! あ、あぁ〜ん!」  
 
(そうだ、もう一度擽ってあげよっか……)  
 
「ふぇ? そ、それはダメ! これでも気持ちよすぎるくらいなのに、そんなことされたら……!」  
 
 彼が羽根ブラシを両手に持った。抵抗しようとするあたしの両腕をしっかりと翼で押さえ、無防備な陰核に迫る。  
あたしはイヤイヤと抵抗し、彼のサディスティックな感情をさらに煽る。  
彼があたしを焦らすように、ゆっくり、ゆっくりと、あたしの陰核へ右手の羽根ブラシを近付けてゆく……。  
 
「お願いやめて! それされたらあたしイき地獄になっちゃう……」  
 
「疼いてたまらないんだろ? お望みどおりたっぷりお仕置きしてあげるからな」  
 
「お願いそれだけは……ひゃぁっ?!」  
 
 羽根先があたしの弱所に軽く触れた。予想以上の気持ちよさに、あたしの体がびくっと痙攣する。  
 
「へへ……やっぱり君は羽根攻めに弱いんだな。もっと羽根でいじめてあげよう」  
 
「はひゃあぁんっ! ちょ、待っ……ああぁあん! だ、ダメ! 羽根でクリいじめるの禁止〜!」  
 
「主導権をくれるって言い出したのは君だろ? そんなひどいプレイでもないんだし、これくらいは受け入れてくれないとなぁ」  
 
「うぅ……それは……ひゃん! そ、そのことは忘れてよぉ〜!」  
 
 あたしの弱点を見つけた彼の目に、獣のような光が宿った。  
ギラギラと輝く目でじっとソコを見据え、執拗に攻め立てる。  
 
(これじゃ左手が遊んでるな……両手でクリいじめたほうがいいかな)  
 
「ま、待ってー! お願い! それは許してよ〜!」  
 
「待ってやらない。勝負は俺の勝ちだったんだからな」  
 
 陰核を攻める羽根ブラシの数が一本増えた。  
左右両側からの柔らかな刺激は想像を絶するほどの快感をあたしに与える。  
それが触角から伝わる彼の激しい感情と混ざり、よがり狂うあたしの胸に炎を灯す。  
 あたしたちの宗教に地獄はない。そんなものを作れるほど、あたしたちの神様は強大ではないからだ。  
だが、灼熱地獄があったとしても、あたしの胸の中で燃えている炎の熱にはかなわないだろう。  
そう思えるほどに、彼が愛撫と欲望であたしに与える快感は強烈だった。  
 
「も、もうダメ! イっちゃう! お願い許してええぇぇぇぇっ!」  
 
 今あたしは地獄とは対極の位置にあるところへ導かれようとしている。  
全身が疼き、次に来る絶頂が今までのどれよりも大きいものであることを予感させる。  
 
(そうだ、イかせずに焦らすのも面白いかもな)  
 
「え……?」  
 
 あたしの口から思わず間抜けな声が漏れる。  
当然だろう。今まさにとびきりの絶頂を迎えようとしていたところで、突然彼の愛撫が止んだのだから。  
 
「い、意地悪……!」  
 
(涙目でこっち睨んでる……やべぇすげぇ可愛い。焦らして正解だったな)  
 
 彼に恨みがましい視線を向けるが、それも彼を喜ばせるだけだった。  
彼を喜ばせる意図で取った行動ではないのに、あたしの触角に快感が送られる。  
そして、契約相手が喜んでいることを実感したあたしもうれしくなってしまうのだ。  
このどうしようもない悔しさを視線に込め、彼を見つめ続けるが、彼の喜びは高まるばかりだった。  
 
「ひゃあぁぅっ!」  
 
(お、表情が変わったな。この喘ぐ表情もやっぱりいいな)  
 
 再び陰核を攻められ、つい表情を崩してしまう。  
だがそれも一瞬で、絶頂に達する前に彼は愛撫をやめてしまう。  
 
「お願い……意地悪しないでイかせてよぉ……」  
 
(うおっ……この懇願する表情もそそるな。もっと意地悪してやりたくなるね。俺をこんな気分にさせるなんてやっぱり君は悪いやつなんだな)  
 
 あたしの挙動全てが彼の意地悪な感情を煽り、燃え上がらせる。  
その意地悪をしたいという欲望もあたしの大好物だが、焦らされて爆発寸前の  
あたしの欲求を押さえ込んでくれるほどのものではない。  
 
「お、お願い……イかせてよぉ……あたし焦らされるの弱いの」  
 
(ほら、またそうやって俺を意地悪な方向へ誘惑する。そんな悪い子をイかせてあげるわけにはいかないなぁ)  
 
「ひゃあうっ!」  
 
 また彼があたしの陰核を攻め、焦らした。焦れに焦れたあたしの性器が淫らな汁を多量に分泌し、ベッドの染みを増やす。  
 
「焦らさないでよぉ……どうしたらイかせてもらえるの?」  
 
「そうだな……じゃ、「勝負に負けたんだからあたしの体はあなたのものです。イかせてください!」って言えたらイかしてあげる」  
 
(これ半分は冗談だからな? いくらなんでも君の全部を俺のものにしようとは考えないよ)  
 
 触角から伝わってくる彼の本心に、少し安堵を覚える。  
だが、意地悪な彼のことだ。言ってしまえばそれを言質にもっと意地悪な攻め方をされるだろう。  
そんな思考をする余裕も、もうあたしにはほとんど残っていない。  
先ずはこのどうしようもない性器の疼きを何とかしなくてはならない。そのことで頭がいっぱいだ。後のことは後で考えよう。  
 
「そ、そんなこと恥ずかしくて言えないよぉ……」  
 
「そっか。じゃ、イかせるのは無しだな」  
 
 恥らって見せ、彼を喜ばせるのも忘れない。  
 
「そ、そんなのひどいよぉ……お願い……言うから……言うからイかせて……」  
 
 次に折れて見せ、彼に征服感を味わわせる。  
彼にもっと征服感を味わってもらい、あたし自身も気持ちよくなるために、あたしは恥ずかしいセリフを口にする。  
 
「勝負に負けたんだから……あ、あたしの体はあなたのものです……イかせてくだひゃあぁっ?!」  
 
「はい、雑音入ったから最初から言い直しねー」  
 
 あたしがセリフを言い切ることはなかった。  
彼がまた陰核をいじめてあたしを喘がせたのだ。  
 
「じゃ、邪魔しないでよ〜! 勝負に負けたんだからあたしの体はあなたのものです……い、イかせひえぇっ!」  
 
「はい、また最初からやり直しだね」  
 
「お願いっ! 本当にもう限界なの! お願いだからもう邪魔しないでよ〜っ!」  
 
(あれ……? けっこう本気な感じ……? わ、わかったよ。次は邪魔しない)  
 
 本気の懇願に、流石の彼も折れた。やはりこれはプレイの一環で、本気で意地悪をするつもりはないのだ。  
 
「勝負に負けたんだから……あたしの体は……あなたのものです……イかせてくださいっ!」  
 
 ついにあたしは恥ずかしいセリフを言い切った。  
これで絶頂は約束された。全身がこれから訪れる絶頂を予感し、じんわりと熱を持つ。  
 
「オッケー。どうやってイかせて欲しい?」  
 
「そうやって時間稼がないでよー! 羽根でクリいじめてイかせて! お願い!」  
 
「じゃ、お望みどおりに」  
 
 彼の羽根ブラシがあたしの陰核に迫る。あたしにとびきりの、いまだかつてない絶頂を与えるために。  
心のどこかで、あたしの理性がこれ以上気持ちよくなったら本当に変になってしまうのではないかと警鐘を鳴らすが、  
今や心の大部分を埋め尽くしているあたしの性欲がそれを押さえ込む。  
 
「ひゃうぅっ!!」  
 
 あたしの反応に彼はすっかり気をよくした。  
限界まで焦らされ、勃起しきった陰核に羽根ブラシを擦りつけ、トドメを刺そうとさらに愛撫を激しくする。  
 
「あぁ! イく! イっちゃう! ふぁ……ああああああぁぁんっ!!」  
 
 力の限り叫び、全身を仰け反らせ、あたしはもはや幾度目とも知れぬ絶頂を迎えた。大量に吹いた潮が、彼の手首までとどく。  
吐き出した酸素を取り戻そうと、呼吸は乱れ、心の臓は痛いほどにあたしの胸を内側から打ちつける。  
 

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