######## 「万油香さんには楽しみがあるようです」 ########  
 
 甘露川万油香は、アナニーが大好きな巫女だった。アナニーとはアナルオナニーのことである。万油香はアナ  
ルオナニーが大好きで、事あるごとにアナルオナニーをした。巫女の仕事の最中でも隙をみて、仕事中でないと  
きも手が空くとついアナルオナニーを始めてしまう困った少女だった。  
 ここまで聞いてピンと来ない方のために説明すると、まずオナニーとは自らの身体を弄繰り回して肉体的な快  
楽を得ることで、自慰とも言う。そしてアナルとは、下のほうの話で申し訳ないが、お尻の穴のことである。つ  
まりアナルオナニーとは、自分のお尻の穴をいじくって肉体的な快楽を得ることである。どこに出しても恥ずか  
しい正真正銘の変態行為だ。万油香はそれを日常的にしていた。甘露川万油香は巫女なのに自分のお尻の穴をい  
じくって気持ちよくなることが大好きな、信じがたいほどのド変態だった。  
 
 春の日差しが降り注ぐさわやかな朝の神社。白衣に緋袴に身を包んだ万油香は、境内を掃除していた手を休め、  
柔らかな陽光に目を細めて微笑んだ。彼女は黒くなめらかなロングヘアと、きらきら輝く大きな瞳の美少女だっ  
た。顔立ちにはまだ幼さが残り、背もあまり高くなかったが、女性としてはだいぶ成長していた。胸は大きく、  
白衣の上からでも目立つほどで、着物の前をしっかりと閉めておかないと、むっちりと深い谷間が覗いてしまう  
ことがある。ウエストはほっそりしているが、お尻の肉付きはよく、そしてこのお尻こそが彼女の悩みの種で、  
そして喜びの種でもあった。  
 
 「今日はとってもいい天気だわ」  
 青空に感動したように万油香が言う。しかし彼女はもっと別のことを考えていた。  
 「とってもいい天気だから、参拝の人もたくさん来そう」  
 これは嘘だった。万油香の住む寂れた神社は、どんなに天気が良くてもお客さんなどほとんど来ない。そのこ  
とは毎日巫女の仕事をこなしている万油香自身が一番よくわかっていたが、にもかかわらずなぜか彼女は、この  
明らかな嘘を前提にして考えを進めていった。  
(お客さんはきっとすぐに来るわ。たぶん五分くらいか、もっと早く。それだけ短い間なら大丈夫だし、私は  
えっちな女の子じゃない)  
 ここまで考えると万油香は手水舎の後ろ、鳥居の方向から見えにくい位置に移動し、箒を持っていないほうの  
手をそっと身体の後ろへ回した。  
 
 袴の上からでもよくわかる、張りのある柔らかい尻肉の上に、優しく手をあてがう。たったそれだけで、少女  
の天使のような愛らしい顔立ちは、緊張と期待がない交ぜになった表情へと変わっていった。頬はほんのりと朱  
に染まり、小さく丸く開いた唇からは少しだけ熱のこもった吐息が漏れ始める。  
 丸みを指でなぞる。くすぐったい感覚が腰の奥のほうへと伝わり、万油香は思わず喉を鳴らした。高ぶる気持  
ちに導かれるままに、今度は手のひら全体で撫で回し始める。始めは優しく、全ての敏感な部分を目覚めさせる  
ように。お尻の表面全体がびりびりとした疼きを訴えだすと、今度は強さを増して揉み込むような動きも交えな  
がら尻肉をこね回す。愛撫が激しさを増していくうちに、マユカの顔からだんだんと締まりがなくなっていく。  
綺麗なアーチになっていた眉はハの字に垂れ下がり、目元に潤みが浮かび始める。その目をそっと閉じると、  
すっかり敏感になった柔肉の、中心で震える菊の窄まりを、中指できゅっと押し上げた。  
「くぅんっ!」  
 感極まった声が漏れる。今まで何度もしてきたことだが、この瞬間は本当に癖になる。痛みに似た刺激が電気  
のように背中を駆け上がり、つねにふわふわしている彼女の脳天を刺激し、同時に身体の前のほう、まだ何も知  
らない無垢な合せ目に、じんわりした甘い痺れが広がるのだった。しばらくそうしてじっとしながら、刺激の余  
韻を楽しんだ後、万油香はふぅっと息をついて薄目を開けた。  
(まだ、お客さん、来ない……)  
 流し目で鳥居のほうを確認すると、彼女の手は再び、より大胆に動き始める。腰帯を強く引っ張って腰周りに  
余裕を作り、左右の裾に開いた袴の隙間に手を滑り込ませた。  
 
(お客さん、来るまでだから……)  
 肌着の素材は柔らかな木綿で、それが彼女の可愛らしいお尻を優しく包んでいる。その薄生地の上から触るの  
は、袴越しよりもより強い刺激となる。突き出た丸い輪郭は、更なる愛撫を期待して震えていた。その上に、幾  
分か大胆に手を添える。  
「んっ、んくっ、ぅんんっ……」  
 小さな手を目一杯広げて尻肉を鷲づかみにし、それを割り開くようにぐりんぐりんと動かす。腰が芯からこね  
回されるような目くるめく快感に、マユカは溺れ始めた。  
「あ、は、うん」  
 カラン、高い音を立ててほうきが地面に転がる。掃除に使っていた手も、既に彼女のお尻を目指していた。開  
いていたほうの隙間から同じように突っ込み、尻肉を掻き抱く。  
「あ、ぅふっ、んっ、んっ、んっ……」  
 かろうじて巫女としての役割を保っていた側の手も、彼女はアナルオナニー用にして使い始めてしまった。左  
右に抱いた尻たぶを、ぐっと重いきり左右に押し広げる。お尻の穴が開かれるような感触に、マユカの喉から叫  
び声が零れ出た。  
「ふああぁあっ!!!」  
 黒髪が揺れ、優美な眉がゆがむ。目を見開き、舌を突き出してハァハァと喘ぐその様子は、どう見ても発情し  
た一匹の雌、清楚な巫女の少女が絶対に見せてはならない姿だった。  
 
 万油香の行為はもう歯止めが利かなくなっていた。両手をいったん引き抜き、そのまましゃがんで袴の裾を掴  
む。そして淫らそのものの表情で生唾を飲み込むと、ここが屋外であるにもかかわらず、何のためらいもなく一  
気に裾を引き上げた。  
 白く細い足が露わになり、こもっていた熱気が外に溢れる。万油香の汗の蒸気と、むわっとした若い雌の匂い  
がたちまち辺りに広がった。  
 そして引き上げられた袴の奥、ほっそりとしていながら肉付きのある太ももの付け根のさらに先に、濡れそ  
ぼった茂みが僅かに覗いていた。  
 
 彼女は花も恥らう年頃の乙女だが、大変信じがたいことにパンツを履いていない。つまり、もし巫女服姿の甘  
露川万油香を真下から見上げることができたら、大切な性器が丸見えになっているということである。しかし万  
油香がこういう格好をしているのは、着物には西洋下着は合わないと聞いたためであり、決して彼女が露出狂の  
変態だからではないということを断っておきたい。もっとも、パンツを履かない理由がよしんば変態的な露出趣  
味と無関係だったからとして、イコール彼女が露出趣味持ちのド変態ではないと言っているわけではない。さら  
に言えば彼女がこれからする行為は例え露出趣味と無関係だったとしてもド変態呼ばわりされて仕方のないもの  
だった。  
 
 袴を腰までたくし上げ、お尻を突き出したその格好だと、万油香の恥ずかしい部分は、後ろから見ればすべて  
丸出しだった。肉付きのいいお尻も、今度こそ完全に剥き出しになった秘部も。しかしアナルいじりの熱狂に取  
り付かれた万油香は、それを隠すためなどと言って今さら中断することはできない。むしろ見られるかもしれな  
いスリルがいっそう彼女の興奮を高めていた。小さなハートにはこらえがたいほどの激しい興奮であった。  
「やだ、みられちゃうよ、エッチな女の子じゃないのに、誤解されちゃう……」  
 涙声で呟く声は明らかに高ぶり、発情していた。熱のこもったいやらしい腰がゆっくり差し上げられると、性  
欲に取り付かれた巫女の両手が、赤い袴の下に白く露出した、初物の桃のような張りのある若い尻に、かぶりつ  
くようにして食い込んだ。  
「あ、あぁ……」  
 うっとりしたため息を漏らす万油香。その間延びしたな吐息は、すぐにオナニーの興奮による、性急な息遣い  
へと変わっていく。モチモチとした色白の肉を、彼女の細くて華奢な指が無茶苦茶に揉みしだき、こね回した。  
「あっ、あっ! あ! いいよぉおお!!!」  
 行為の激しさに着衣が乱れ、胸の前が大きく開いて谷間が開帳されてしまう。下着を着けていない生巨乳が、  
緩んだ白衣の合わせから零れ出そうなほどブルブルと勢いよく暴れた。その激しさは、時々とがりきったピンク  
色の乳首が見えてしまうほどだったが、今の万油香にはそれすら気遣う余裕はない。  
「もう、入れる! 指入れちゃう!」  
 誰も聞いていないのにわざわざ声に出して淫らな宣言をすると、彼女は右手の指を二本、すっと立て、興奮し  
てヒクつく自らの尻穴に、大胆に挿入していった。  
「あああああんっ!!!!」  
 指は一気に奥まで入ってしまう。今まで万油香がどれだけ丹念に自らの菊門を開発してきたか、一目瞭然だっ  
た。そのまま直腸の中をかき混ぜるように、ぐりぐりと動かす。  
「ああ、ああ、あはっ!  こんな、神社の外なのに……!」  
 目からは喚起の涙を、口の端からは快楽の涎を垂らしながら、堕落した表情で指を動かす巫女少女。ためらう  
ような言葉を口にしながらも、身体のほうはもう夢中で、その華奢な指を、切なくてたまらなくなったお尻の穴  
に、ずぼっ、ずぼっと激しく抜き差しする。  
「あぅっ! おほっ! おあああ! あふっ!!! あひ!!! あひぃっ!!!」  
 黒のロングヘアを振り乱しながら、まるで後背位で犯される雌犬のように、腰を振りたくって悶えた。  
 もう両乳房は完全に零れていた。牛のような生乳をみっともなく揺さぶりながら尻穴をほじくる。乳房も下半  
身も、乙女として隠さなければいけない部分を全てさらけ出し、快楽に溺れる万油香。こうなってしまうと、巫  
女服は神聖なものでも清らかなものでもなく、むしろそういった気高さから一人の美少女がどれだけ堕落してし  
まったかを表現する卑猥な装飾と化していた。  
「あはっ! ダメ! イイ! お尻の穴いいよおっ!」  
 ズボッ! ズボッ! ズチュッ! ブチュッ!  
 間抜け面を晒しながらよがりまくる少女は、卑猥な言葉を叫びながらアナニーの快楽に溺れる。  
「あっ! あっ! あ! あ! あー!!! くるぅ! きちゃうぅぅっ!!!」  
 暗い穴底に真っ逆さまになるような強烈な浮遊感が、急激に高まってくる。その激しさは、何度もこの堕落し  
た行為を続けてきた万油香にとっても、恐怖を覚えるほどのものだった。  
(ダメ! イっちゃう! 今イったら大声出ちゃう! いやらしい大声聞かれちゃう!)  
 最後の理性を働かせ、しかし指のほうはますます激しく動かしながら、万油香は咄嗟に裾の布を噛み締めた。まさにギリギリのタイミングで、暴力的な絶頂感はそのすぐ直後に襲ってきた。  
「んぅっ! うふぅ! んくぅんんんんんーーーーーーーーっ!!!!!!!!!」  
 背中がぐっと曲がり、腰がプルプルと震える。膣からは潮を吹き出し、快楽のために全身が麻痺したようにし  
びれた。彼女のピークは二分以上続き、早熟な身体がこれ以上持たなくなる頃、ようやく緊張が解けた。  
「あ、はぁ、はぁ……」  
 長い絶頂を終えた少女の目はとろりと潤み、口の周りはヨダレでべたべたになっていた。黒髪が張り付いた顔  
はすっかり真っ赤に染まり、乱れた白衣は乳首の勃った巨乳をむき出しにして僅かに引っかかっていた。一切手  
を触れなかったアソコも今ではぐっちょりと濡れ、袴の前方にお漏らしのような染みを作り、遮るもののなかっ  
た真下の地面にはちょっとした水溜りができて、かすかに湯気をたてていた。  
 
「ん……、またお尻の穴で、しちゃった……」  
 荒い息をつきながらしばらく放心状態で快楽の余韻に浸っていた万油香だったが、熱が冷めるにつれ次第に、  
今の自分の状態に気がつき始める。裸よりも恥ずかしい乱れ姿で、口からは上下ともたっぷりと涎を垂らしてい  
る。  
「や……、こんなところ、誰かに見られたら……」  
 お嫁に行けないどころではない。下手したら人間としての人生が終了してしまいかねない状況だった。特に青  
手が健康な成人男性だった場合、美少女巫女のこんな卑猥すぎる姿を見たら、彼自身の人生を棒に振る行為に出  
てしまってもおかしくない。  
 慌てて着衣を直そうにも、彼女の利き手の指先は不浄な液体でべったりと汚れていた。  
「手! 手を洗わなきゃ」  
 ちょうど目の前に手水舎があったが、さすがに清めの水を使うのは気がひけたため、まだふらつく身体をどう  
にか支え、急いで社務所兼自宅へと引っ込んでいった。しばらく境内を留守にしてしまうことになるが、別に問  
題はない。どうせ今日はこれからもきっと、お客さんは来ないだろう。  
 
######## おわり ########  
 

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