「こんにちわ。君、一人なの?」  
第一印象は怪しい奴だった。  
夕暮れの公園で、小学生男子に一人か聞く中学生くらいの男、そんなアブナイヤツだと思った。  
「一人だったら、何?」  
「ああ。いや、別に一人でも一人じゃなくてもいいんだ。そう見えただけだから」  
Tシャツ一枚に半ズボンと、やけに子供っぽい格好だ。  
「で、何かようなの、お兄さん?」  
一瞬、きょとんとした顔。に見えたけど、気のせいなのか、瞬きする間に笑顔になっている。  
「うん。実はボクも一人なんだよね。一人はつまらないから、こうして人がいたら声をかけてるんだ」  
まあ、一人なのは見ればわかる。なんせ、この公園には人は二人しかいないのだから。  
「二人は良いよ。どんな遊びだって、一人でするよりずっと楽しくなるから」  
「一緒に遊ぶ人、いないの?」  
「…痛いとこ突くね…まあ、そんな感じ。この歳になるともう子供じゃないんだしって言って、公園とかに付き合ってくれる人はさすがにいないんだ…」  
ふ〜ん…中学生になると、もう公園では遊ばないのか…  
たった二、三年後のことなのに想像できない。  
「でさ、ダメかな?ダメなら、おとなしくどっか行くけど?」  
見た感じ、本当に遊び相手を探しているみたいだ。まあ、何かあったら大声出せば何とかなるかな。体格もそれほどは違わないし。  
「いいよ。何して遊ぶの?」  
「ほんと!ありがとう!実は今までにも何人かに声かけたけど、付き合ってくれた人っていないんだよね」  
だろうね。付き合うオレが変なんだろうな…  
 
遊ぶといっても、ブランコに乗りながら少し話をしただけだった。  
なんせ二人とも手ぶらで、ボール一つすら持っていないうえ、もう夕暮れ時だ。  
まあ、一人で遊ぶよりかは楽しかったかな…  
で、帰ろうというときに名前すら聞いていないことに気付いた。  
「なあ、そう言えば、あんたの名前なんていうんだ?」  
笑顔だった表情が少し曇り、俯きかげんに目を逸らす。  
考えてるように唸り始め、くるりと背中を向け唸り続ける。  
…そんなに、名前教えるのが嫌なのか?  
「名前、かぁ…う〜ん、う〜ん…じゃあ、それは次遊ぶときで」  
「…そんなに教えるの嫌なのかよ。つうか、それいつだよ?」  
「さあ、わかんない。でも、そのとき遊んでくれるなら…絶対教えるから、そのときは君の名前もね!」  
そういえばオレも言ってなかったっけ。  
でも、やっぱり変な奴だ。名前一つでこんなに悩んで。  
「…わかったよ。じゃあな」  
なんで、名前を教えるのがそんなにまずいんだろ…  
これだけ嫌がるんだ、もう来ないかもしれないな。  
まあ、そのときはそのときか。  
 
 
翌日、少しの期待と共に公園へと来たけど、あいつはいなかった。  
まあ、そうだよな。  
しゃあない。また一人でブランコでも乗るか…  
 
「やあ、また会ったね。やっぱり友達いないの?」  
で、また空が赤く染まり始めたときにあいつは来た。  
太股半ばまである長めの白い上着を着ていて、足のほうはまた半ズボンなのか裾で隠れて見えず、その下には、やけに長い膝上まで伸びる白の靴下をはいている。  
「…いるよ。家が遠いんだよ。それより、来るとは思わなかった」  
「?なんで?昨日も言ったけど、何人かに声かけて、君が始めてわ…ボクと遊んでくれたんだから、そりゃあ来るよ」  
「もうこんな時間だし、名前も教えたくないみたいだったからね」  
「あ、時間はしょうがないんだ。授業とかあるし、着替えてくるし。名前は…ね……笑わないで、くれるかな?」  
少しモジモジしながら、こちらを伺うように見ている。  
 
「内容次第かな」  
「…あのさ、名前の前に、これ見てほしいんだけど…」  
そういってから、一回大きく深呼吸をする。  
そして、上着のファスナーが下ろされて、細い隙間から内側が見える。  
まず肌色が見えて、そして紺色の何かが見えたと思ったら、また肌色へと変わる。  
胸の辺りに紺色の何かが見えるだけで、ほかは全部肌色だった。  
そのまま、少し前かがみになってファスナーを下ろしてく。  
少し撓んだ上着から見えた内側、胸を覆う紺色のそれは…ブラジャーに見えた。  
ファスナーを下ろし終えると、少し照れくさそうに上着の前を開く。  
「あのね、ぼ…私、サユリっていうの…ごめんね、お兄さんじゃなくて」  
胸を覆うそれは、太めの肩紐をしていて短めのタンクトップのような形状をしている。  
少し硬そうな質感をしていて、それは下着にしか見えなかった。  
お腹周りはほっそりとしていて何も覆うものがなく、ほんのり小麦色に色づいた肌の真ん中に小さなおへそがチョコンとしている。  
腰の周りはブラジャーと同じ紺色のぴったりとしたスパッツを穿いていて、それは身体に張り付くようになだらかな起伏が手に取るようにわかった。  
「お、女の子…だったんだ」  
「あ、別に騙したかったわけじゃないよ。最初にお兄さんなんて言うし遊んでくれると思わなかったから、それでもいいかなって」  
正直、頭が真っ白になって言おうと思ってたことを忘れてしまった。  
落ち着け…落ち着け…  
「えっと…サユリ、さんの友達って男の子?」  
「今は女の子ばっかだよ。前は男の子もたくさんいたけど、女子高だから。だから男の子と遊ぶのは久しぶりだよ」  
女子高?…女子高生!?お、思ったより年上なんだ…  
…女子高生になって公園でブランコ…そりゃ、付き合ってくれる人はいないだろうな。  
「まあ、いいか。オレはタケト。呼び捨てでいいよ」  
「タケトか。私もサユリでいいよ。さ、じゃあ今日はシンプルに追いかけっこにしよっか」  
そういってサユリは上着を脱ぎ捨て、ブラジャーとスパッツだけのほとんど下着同然の格好でピョンピョンと飛び跳ねる。  
「ちょ、ちょっと、サユリ!そんな格好で!?」  
思わず回りを確認するが、いつものように周りには誰もいない。二人だけだ。  
「うん。私はこの格好が一番好きなんだ。開放感があって、動きやすくてさ」  
飛び跳ねるとブラが微かに動く、あんまり大きくはないけれど、胸の動きに合わせて少しだけ揺れる。  
どうも準備運動らしく、跳ねるだけでなく身体を捻ったりしている。  
「タケトもしたほうがいいよ。いきなり動くと危ないから」  
「あ、うん」  
オレもサユリを真似るように動く。  
そうすると、自然とサユリの身体を、じっくりと観察することになる。  
身体を後ろに倒したときに胸を突き出すように反らされると、胸の形に合わせてふんわりとした膨らみを浮かび上がる。  
身体を捻るとお腹は柔らかそうに動き、少しだけついたお肉がフルンと揺れて、可愛いおへそが行ったり来たり忙しなく動き、  
しゃがんで大きく足を開いたときに引っ張られよりきつそうに肌に張り付くスパッツ。そこに布のようなものが見えないのがすごい気になる。  
あれだけくっついていれば、もっと凹凸があるのが普通じゃないかな。  
も、もしかして…はいてない?  
そんなことあるのか?…でも上だって、普通はこんな格好で人前に出ないよな?……まさか聞くわけにもいかないし…  
「最初は私が鬼でいいかな?そっちのほうが思いっきり走れそうだし」  
「あ、うん…いいけど、あんまり本気出さないでよ?本気だされたらすぐ捕まっちゃうだろうし、いつまでたってもオレの鬼が終わらないだろうから」  
 
「ハァ…ハァ…は、速いね…私のがお姉さんなのに、なかなか捕まんないんだもん…」  
「い、一応男だし………でも、これより速くは、無理…」  
「…そうだね…ハァ…ハァ…」  
サユリは意外と遅かった。と言っても、オレとあんまり差がないくらい。  
まあ、だからこそ差が縮まらないわ時間はかかるわで、最後はお互い結構本気になってたけど。  
サユリを見ると、胸は苦しそうに絶え間なく上下させ、汗を吸ったスポブラは胸にぴったりと張り付き、  
その形を仄かに浮かび上がらせ、中心にある小さな突起の下に小さな小さな影を作っている。  
肩やお腹は汗が光をキラキラと反射し、額の汗を拭う姿は、何処か色っぽい。  
スパッツは……ここからじゃ、よくわからないや。  
 
「…ふぅ…じゃ、次いこうか。今度はお互いゆっくり走ろうか」  
「うん…お先にどうぞ」  
サユリが走り出すとオレもゆっくりと走り出す。  
……これは…なんかすごい…  
お尻の形が…揺れが…全部丸見えって感じだ…  
身体にぴったりフィットしたスパッツはより肉感的なお尻の形を浮かび上がらせ、窮屈そうなお尻の丸みはもちろん、  
本来隠さなければならないお尻の割れ目すらもはっきりと見て取れ、少し下から覗くだけでその奥も簡単に見えてしまいそうで…  
また、ゆっくり走っている分、お尻が楽しそうに弾んでいる…プルンプルンと…  
身体のラインを隠すどころか強調するようなそれは、紺色ということを除けばほとんど裸にしか見えない…  
足のほうも…長めの白いソックスと太股の小麦色が眩しくて、スパッツや靴下の境目のプニッとした部分を…無性に触りたくなってしまう…  
無意識にゴクッと喉が鳴る。  
…なんか、すごく…やらしい……  
………  
いやいや、オレはただ遊んでるだけのはずだ!普通に追いかけっこしてるだけだろ!?  
なんか考え方がおかしいな…オレ、こんなヤツだったのか?  
「お〜にさ〜んこっちらっと」  
悶々としたオレとは違って、サユリは普通に楽しそうだ…  
 
しばらく遊んで、少しあたりが暗くなり始めた頃、  
「あ、そうだ。タケトの家って近いの?」  
「すぐそこ、三分かからないくらい」  
「行って良い?」  
「別に…良いけど…」  
サユリは上着を着て、しっかりとファスナーを上げてオレの後についてくる。  
…なんか…こう…空気が重い気がするのは気のせいか?  
…何か話したほうが良いかな…いや、でも話題なんてないし…つうか、女子高生と何話せってんだよ?…  
などと考えつつ黙々と歩いていると、本当にすぐオレの家についた。  
「ここだけど、上がってく?」  
「ううん。今はいいや。それより明日土曜日だよね?家に遊びに行っていい?」  
土曜日は両親共に仕事に行くし、そうなるとオレ一人だ。まあ、あんまり問題はないはずだ。うん、たぶん…  
「い、良いよ。…土曜日とかはオレ一人だし」  
「うん、じゃあ、明日昼過ぎ頃に行くね…楽しみに待っててね」  
楽しみに…ど、どういう意味だろ?…  
 
 
昼過ぎだから…そ、そろそろかな?…  
親の用意していてくれた昼食を食べ終え、少し暇つぶしをして、ただいま二時。  
たぶん、もうじき来るはずだ。  
…楽しみにって言ってたよな?…何かあるとか?…  
………  
ピンポ〜ンという聞きなれた音と、  
「ごめんくださ〜い」  
というサユリの声。  
俺は返事をしてから急いで玄関に向かった。  
……楽しみにしすぎだろ…オレ…  
 
サユリは昨日と全く同じ、太股半ばまである白い上着と膝上まである白い靴下の格好で玄関に立っている。  
「時間、このくらいでよかったよね?上がっていいかな?」  
「あ、うん、いいよ」  
とりあえずジュースを出して、ソファーに座る。  
 
「あ、喉渇いてたんだ。ありがとう」  
「いえ…おかまいなく」  
なんかおかしい…何でこんなに緊張してるんだ?…昨日も一昨日も、普通に話せてたろうが。  
…いや、昨日の、そう、追いかけっこの後からなんかおかしい…  
「どうかした?なんか、おとなしいね」  
「そう…かな?…え〜っと…あ、そうだ、楽しみにって言ってたよね。あれ、なんで?」  
「あ、あれね。二つあるんだ。一つはね、今日は私がいつも行ってる公園で遊ぼうよ。あの公園より少し大きいし、私そこで小さな子とたまに遊んでるんだ」  
そこまで言ってから、サユリはうきうきした様子で立ち上がる。  
「で、二つ目はこれ!」  
わざわざ一度オレに背中を向けて、ファスナーを下ろしこちらへ振り返るとバッと前を開く。  
サユリが着ていたのは清潔感ある真っ白のブラウスと薄いブルーのベスト、それと同じ色のヒラヒラとしたスカート。  
首にはネクタイの代わりなのか小さな赤いリボンが付いている、シンプルな感じの制服だった。  
最初、男と間違えた子とは思えないほど、可愛い…  
「私の学校の制服なんだ。女子高生っぽいでしょ?」  
「う、うん……でもさ、自分で『っぽい』て言ったら、ほんとは女子高生じゃないみたいだよ」  
さすがに、可愛いとか本人に面と向かっては言えない。  
「あ、そうか。でも、これで女子高生って信じてくれた?」  
「いや、疑ってないし…それで、すぐ行く?」  
「うん!…あ、ちょっと待っててね」  
ごくごくと残っていたジュースを飲み干してから、なぜかベストのボタンを外して脱ぎ始める。  
「なっ、何脱いでるの!?」  
「え?ああ、うん、さすがに制服で遊ぶのはちょっとね。汚れちゃいそうだし。だから制服は脱いでいこうと思って。このテーブルの上に置いていい?」  
話している間にもボタンを外す手は止めず、テーブルの上にベストをたたみ、その上にリボンが添えられる。  
そのまま何の躊躇も無くブラウスのボタンを外し、内側の健康的な小麦色の肌が覗き見える。  
昨日よりも明るい青色のスポーツブラが顔を出し、ブラウスの揺れでチラチラとお腹とおへそが隠れたり見えたりしている。  
右手で右肩にかかったブラウスをどけると、ほっそりとした肩が露になり、昨日のブラより少しだけ窮屈そうに見える胸も光に晒される。  
サユリはオレのことなど全く気にも留めずに、チョロチョロと動き回り置いてあるものを見たり触ったりしながら、スルスルと服を脱いでいく。  
肩、脇、背中、お腹、おへそ、次々と普通の女の子が見せない秘密の部分が飛び込んでくる。  
サユリは、少し胸は小さめみたいだけど、立派な女の子だ。  
どこもかしこも柔らかそうで、仄かに甘い匂いまで漂ってくる気さえしてくる。  
不意に立ち止まり、そのままスカートも脱ぎ始める。  
その中は昨日と同じような、今度は黒い色をしたスパッツで、やっぱり素肌に張り付くように凹凸を感じさせない。  
サユリは脱いだものをきちんとたたみ、一つに纏める。あの白い上着も一緒だ。  
身体を曲げたとき、目の前に華奢な身体の割りに大きめのお尻が飛び込んでくる。  
テーブルの上の服を整えているのか、足はしっかりと伸ばしお尻をこちらに向けて突き出してくるような格好だ。  
スパッツは肌にぴったりと張り付き、プリンとしたお尻は身体の動きに合わせて踊り、ぷっくらと膨らんだ股間が目の前に広がる。  
少し膨らんだ中央の丸みはスベスベとしていて、その真ん中にツーッと一本の線が浮き上がっている。  
これは…アレなのだろうか?……  
やっぱり…はいて…  
オレは自分でも気付かないうちに身を乗り出していたらしい。  
目の前でお尻が揺れる。目の前にアソコの膨らみが迫る。  
真っ黒いスパッツにほんの僅かな凹凸を見つけるたびに、秘密を発見したかのような喜びが広がっていく。  
顔を近づけたからか、ほのかに甘い香りが鼻を擽る。  
いつまでも嗅いでいたい…顔を埋めたくなる…  
「じゃ、行こうか!」  
「うぇあっ!?」  
サユリが身体を起こす。もしも、こっちを振り向かれていたらどうなっていただろう。  
「?…どうかした?」  
 
「あっ…ああ…な、何も……え!?上着は?着ていかないの?」  
「うん。今日は暑いし、ほんとはここにも着てきたくはなかったけど、びっくりさせたくて」  
 
 
…オレはサユリと今道を歩いている。  
サユリは上半身に薄い水色のスポーツブラのみを纏い、下半身には黒いスパッツといつもの靴下。  
真っ白とかでないぶん幾分ましとはいえ、それでも外を歩く格好には思えない。  
「やっぱ脱いできて良かった〜。涼しくていい感じだよ」  
本人は自分の格好のことなど微塵も気にしてはいないようだ。  
オレはサユリの後ろを歩いているんだけど…お、お尻に、目がいってしまう…  
全く下着の線がない柔らかそうなお尻が目の前で揺れているのだ。  
サユリはオレを信用してくれてるんだ。そんな目で見るのは裏切るみたいで嫌だ。  
…とか考えても、目の前で揺れているのだ。つい見てしまう。  
一応、後ろを歩いているのだって理由がある。  
オレが公園の場所を知らないのもあるけど、何人かの人とすれ違った。  
それが男だとやはり気になるのか、前からも後ろからもチラチラとサユリの身体を見ているのがわかってしまう。  
本人が気にしていないのにオレが気にするのも変だけど、さっきお尻を目の前で見てしまったからか、せめて後ろからくらいは守らなきゃいけない気がしてくるのだ。  
……ただ、一人占めしたいだけかもしれないけど。  
とにかく、オレは勝手にボディーガードの真似事をしながら、サユリの後についていった。  
 
 
「さあ、ついたぁ!ここなら遊具がいっぱいあるよ!」  
オレが行く公園の倍以上はある広い公園には、のぼり棒やジャングルジムとか色々、それにちょっとした小さな山なんかもある。  
土曜日だけあって子供や親子連れも見えるものの、公園の広さの割りに人が少なくて、少し寂しい感じがする。  
「まず何して遊ぶ?なにが良いかな?」  
 
サユリとの遊びは刺激的だった。  
のぼり棒をすればキュッと締められた太股や大きめのお尻が気になってしまい、  
シーソーに乗れば、今度は大きく開いた足やその中心部、それから上下するたびに微かに揺れる胸が、意識せずとも前を向いてるだけで自然と目に入る。  
うんていにつかまれば、両手を上げ無防備に晒された脇の下や小さなおへそも、ゆらゆらと不安定に揺れる足も、どれもが危うい色香を持って感じられる。  
もちろん普通に楽しいことは楽しいのだけど、そういう目で見ていることが、サユリに対して悪いことをしている気分になってくる…  
 
「ねえねえ、次は何して遊ぶ?」  
「じゃあ、う〜ん、ジャングルジムとかは」  
「お、良いね。私、ジャングルジムの上から公園を見渡すのが結構好きなんだ」  
はしゃいだ感じのサユリの後から、オレも軽く駆け足で少し遅れてついていく。  
オレがジャングルジムにつく頃にはサユリは登り始めていて、少し見上げるだけでプルンと揺れるお尻が目に飛び込んでくる。  
白のソックスと黒のスパッツに挟まれた太股は弾むように揺れ、大きく躍動する足はそのお尻の柔らかさと、柔らかいのにしっかりと引き締まったお尻を見せ付けるようだ。  
オレが見ていることなんか気にせずに開かれた足の奥、最も人目に晒してはいけない場所、その危うげな無防備さがオレの目を引き付ける。  
「あれ?早くおいでよ」  
俺が見蕩れている間にサユリはもう上まで登ってしまっている。  
「う、うん、ちょっとまってて」  
急いで上がると目の前にサユリがいた。  
小麦色に日焼けした肌を包む、水色のスポーツブラが呼吸に合わせて動く。  
柔らかそうなお腹も、その真ん中の小さなおへそも惜しげもなく晒しながら、  
さっきまでは大きく開かれていた足は少しだけ内股になって、その奥だけは少し影が射してよく見えない。  
「ねえ…そんなに、気になるの?…私の身体」  
「へ?…え!?……な、何、言ってるの?…」  
「タケト…あれだけジロジロ見てて、今更とぼけるの?…どこ見てるかなんて、すぐわかるんだよ?今日、制服脱いでるときだって…」  
う…あれ……全部、気付かれてた?…  
 
「そ、そうかな?…じ、自分じゃ、わかんないや…」  
ご、ごまかすしかない…けど、これでごまかせる人っているんだろうか?  
チラッとサユリの顔を見るとニコニコと微笑んでいる。  
「そっか…じゃあいいや。……残念残念。そんなに気になるなら、私の秘密、見せてあげようと思ったのになぁ〜」  
「嘘ですごめんなさい見てました気になってました」  
……我ながら早い自白だ。だけど、この流れでこんなこと言われたら、オレには意地なんか張れない。  
「あははっ!面白いね、タケトは。……じゃあ、ちょっとだけね…」  
サユリは回りをキョロキョロと確認してから、スパッツの腰のところに片手を差し込む。  
ゴクリ、と無意識に喉を鳴らすと、サユリは嬉しそうにクスリと微笑む。  
差し込まれた手を少しだけ押し下げると、小麦色に日焼けした肌とは対照的な雪のように真っ白い肌が見える。  
オレは、その白く、魅惑的なサユリの肌に思わず身を乗り出してしまう。  
ゆっくりとゆっくりと、焦らすように少しずつ押し下げられていく。  
いくら押し下げてもパンツは見えず、腰のところは真っ白な素肌が晒され、端のほうが押し下げられた結果真ん中のほうも少しずつ肌が露になっていったとき、  
「はいっ、ここまで!どう、すごいでしょ?私って、ほんとはこんなに白いんだよ」  
ぱっとスパッツを元に戻し、やけに明るい口調で早口で捲し立てる。  
「え、あ、うん……」  
心臓がドキドキする。音がはっきりと自分の中で響くくらいに。  
サユリも楽しそうだったさっきとは違って、顔をほんのりと赤く染め、少しだけ照れくさそうにしている。  
「その、も、もう少し見ちゃ…ダメ?」  
「え?…も、もっと…もっとかぁ……じゃあねぇ」  
サユリは頬を赤く染めながら、少しだけ考え込んで…  
「下はダメかな……でも、こっちなら…ね」  
右手首を右の胸に押し当てて、人差し指を一本立てて、スポーツブラへと差し入れる。  
そのまま指がスーッと胸から離れ、その分スポーツブラと胸の間に隙間が生まれる。  
右の手首をしっかりと胸に押し当てて守り、人差し指はそれと反対に胸を露にするようにスポーツブラを身体から離していく。  
日に焼けた小麦の肌は健康的な色気を、雪のように真っ白い素肌は吸い込まれるような輝きを放つ。  
「どう…かな?……自分では、白い肌も嫌いじゃないんだけど…」  
右腕はしっかりと胸に押し付けられ、もう少し奥の一番見たい場所は見えないけれど、柔らかそうに押し上げられた真っ白い胸は惜しげもなく見せ付ける。  
少しだけ照れくさそうで、でも誇らしげな赤く染まった顔がイタズラっぽい微笑を浮かべる。  
「…すごく…うん、雪みたいで、綺麗…」  
オレはそう素直に思ったことを口にした。  
 
 
「今日も遊んでくれてありがとう。とっても楽しかったよ♥」  
「いや、オレも、楽しかったから…うん…」  
帰り道もオレは後ろからついていく。  
やっぱり、サユリのお尻の揺れを目で追ってしまう…  
…これも、気付かれてるのかな?…  
「ねえ、タケト…これからも遊んでくれるかな?」  
「?なに言ってんだ、そんなの当たり前だろ。まあ、都合がつかないときもあるだろうけどさ」  
「ありがとう。……今日、あんなことしちゃったからさ…タケト、すごい目で見るんだもん…」  
…顔が熱くなる…  
今、サユリはどんな顔をしているんだろう?  
照れているのか、恥ずかしそうなのか、それとも、嬉しそうなのか。  
「いつか、さ」  
「うん?」  
「いつか、私の本当の秘密、見せてあげる……まあ、あんまり大したものじゃないけどね」  
クルッと振り向いたサユリの顔は夕日でよく見えない。  
「うん…楽しみに待ってる」  
今は秘密なんて、本当はどうでもいいんだ。  
サユリと一緒に遊べれば、それだけで。  
 
 
終わり  
 

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