「お休み、マリー」  
「はい、お休みなさいませ、昴お坊ちゃま」  
「ねえ、マリー。マリーもこれから寝るの?」  
ベッドの中から、昴お坊ちゃまが声をかけてきます。いつものように…  
「はい、今日はもうお仕事は残っていませんので」  
「マリー、じゃあまた明日ね」  
「はい。それでは、失礼いたします…」  
 
…つい先日のことです。私は正式に昴お坊ちゃま専属のメイドに任命されたのです。  
お屋敷の使用人の娘である私は、以前からお手伝い程度のことはしていたのですが、中学卒業を期にお屋敷で働きたいと両親と旦那様に頼んだのです。  
もちろん高校には行ったほうがいいと言われました。ですが私が強くお願いすると、なら昴お坊ちゃまに懐かれているので専属メイドにと旦那様が仰られまして。  
私は嫌ではありませんでした。むしろ、お坊ちゃまと一緒にいられて、夜早く寝られる分少し少なめですが、お給金まで頂けるんですよ!  
良いことばかり…そう思っていました。いえ、今でも嫌なわけではありません…ただ、  
私とお坊ちゃまの関係に、少し変化が出てきたのです。  
 
部屋から出ると、私の心臓は鼓動を速めます。  
これからの事を考えると、どうしてもドキドキしてしまうのです。  
私はこれからお風呂に入るんです。当たり前で、いつもどおりの行動です。  
本来なら私のような新人が、こんなに早くお風呂に入ることなど許されないことだと思います。  
ですが、昴お坊ちゃまのお世話が終わったら入っていいと、旦那様や先輩のメイドの方にまで言われてしまいましたので…  
私が歩き出ししばらくすると、後ろからドアが開く小さな音が聞こえてきます。ですが、後ろは見ません。誰だかわかっているからです。  
絨毯の敷かれた通路では足音は聞こえません。しかし、人の気配はなんとなくわかります。  
当たり前です。専属メイドになってから、特別に遅くならない限りは毎日のことですから。  
私はそれに気付いてすらいないかのように歩き、脱衣所の戸を開け、服を脱ぎだします。  
脱いでいる間に、戸が僅かな音をたてながら開きその向こうから視線を感じますが、気付かない振りをします。  
毎日のことです。もしかしたら、お坊ちゃまもおかしいと思っているかもしれません。ですが、何も言われません。  
だから、きっと、この方が良いんだと思います。  
 
気のせいかもしれませんが、視線の動きがなんとなくわかり、視線が這ったところが熱くなります。  
私は不自然に身体の向きを変えながら、服を脱いでいきます。戸の方から見やすいように、昴お坊ちゃまに私の身体のいろんなところが良く見えるように…  
肩が露になったとき、おへそが見えてしまったとき、スカートを下ろすとき、ストッキングのストラップを外すとき、だんだんと身体が火照ってきます。  
胸を戸のほうへ向けてブラのホックを外すと、焦らすわけではありませんが、ゆっくり肩紐を片方ずつ下ろしていきます。  
私は、胸を見せるこの時が一番ドキドキします。だから…あまり早く脱げないのです。  
下着までなら、水着みたいなものと自分に言い訳できます、けれど、ここからはそうはいかないし…それから…  
…私は、全体的に発育があまりよくありません……それが…とても恥ずかしいんです…  
まだ小学生の昴お坊ちゃまと比べても、背は少し高い程度ですし、発育の良い子なら小学生でも私より、背の高さはもちろん胸だって…  
本当は裸なんて見られたくないです…  
私だって身体の全てに自信が無いわけではありません。母親譲りの白い肌も、濃い金色の髪も、スカイブルーの瞳も大好きです。  
ですが…自分の子供のような、凹凸のほとんど無い身体は…あまり…  
……お坊ちゃまは…私の、少ししか膨らんでいない胸で…満足していただけるんでしょうか?…  
ああ…恥ずかしいです…  
戸の隙間に…お坊ちゃまの目が見えます……強く、刺すような視線です。  
胸を覆うものが何もなくなって…視線がまた一段強くなった気がします…  
 
はしたないです…私の小さな胸の小さな突起が、ツンと立って見られることを喜んでいます…  
みっともないです…こんなに精一杯膨らんで…見られたがっているなんて…  
…でも…そんな恥ずかしいことが…大好きなのが私なんです…  
あ…早く脱いでお風呂に入らないと…こんな格好でいては風邪を引いてしまいますし、昴お坊ちゃまも待ちくたびれてしまいます。  
わたしは身体を横に向けます。さすがにアソコを見られるのは抵抗がありますから…  
お風呂に入るのですから、その、チラッと見えたりすることもあるんでしょうけど、自分から見せるのは、まだ無理そうです。  
お坊ちゃまはあくまで覗いているだけで、手を出したりはしません。だから私も、少し大胆なことをしてしまうんですけど…  
 
私はタオルなどの、身体を隠せるものは何も持たずにお風呂場へと行きます。  
そして、お坊ちゃまがドアの前に来るまで、少しかけ湯などをして待ちます。  
たぶんですが…お坊ちゃまは今、わたしの、その、し、下着を弄っているんだと思います…  
お風呂に入る前と後で、少し位置とか違いますし…  
 
私はお風呂に入るとまず身体を洗います。小さい頃から「お風呂には、体を綺麗にしてから入りましょうね」と母から躾けられたからです。  
でも、こうなってから数日は、それが少し怖かったです。  
お坊ちゃまが覗いていることは、すぐにわかりましたから…  
でも、お坊ちゃまは覗いているだけで、何もしないと確信してからは、その、なんか、ちょっと楽しくて、しばらくすると嬉しくなりました。  
毎日来てくれるんです。さすがに用があると言った時は別ですが、それ以外は一日も欠かさずなんです…  
私は昴お坊ちゃまが大好きです。だからでしょうね…もちろん恥ずかしいですし、子供のような身体を見られるのは少し嫌ですが…  
お坊ちゃまに見られること自体は、全然嫌じゃありません。  
 
私は身体を戸のほうへと向けて、泡立てたソープで腕、足、と身体の外側から洗っていきます。  
ゆっくり時間をかけて、ソフトに撫でるように、足の先や指の間等、身体の隅々まで時間をかけて撫でていきます。  
ああ、お坊ちゃまの目が…鋭く私の身体に突き刺さります。  
身体を動かすと私の小さな胸だって、少しは揺れます……ほとんど震えてるみたいにですが……  
胸に一番強い視線を感じるんです。だから、後回しなんです。  
じっくりとお坊ちゃまに楽しんでもらってから、私は手を胸へと運びます。  
ドキドキと強い鼓動に、息が荒くなってしまいます。  
「ふぁぁ!」  
胸の先端、そこを指が掠っただけで、はしたない声を上げてしまいます。  
私の胸は…び、敏感なんです…いつも、こんな感じで…ああ、恥ずかしい!  
べ、別に以前からこうだった訳では無いんですよ!お、お坊ちゃまのせいでもあるんです!  
お坊ちゃまに覗かれていることを意識してると…敏感になってしまうんです…  
突起に指が触れるだけで、「ンッ」とか「やっ」とか声が漏れ出てしまいます。ただ洗ってるだけなのに…  
段々と、手の動きが早くなって、先端だけをコロコロと転がすように弄くり始めてしまいます。  
胸をお坊ちゃまのほうへと突き出して、二本の指で摘んだり、少し乱暴に弾いてみたり…  
ああ…どうしましょう…し、下のほうも……弄くりたくなってしまいました…  
で、でも…お坊ちゃまにそこまで見せるのは…まだ……ああ、でも…  
我慢できなくなって手をそこへと伸ばしたときでした。  
戸の方から、ガンッ、という大きな音と「ったぁ〜」というお坊ちゃまの声が聞こえたんです。  
そして、私もつい声を上げてしまったんです「お坊ちゃま!大丈夫ですか!?」と。  
すぐに駆け出す音が聞こえました。  
ですが、私は咄嗟に追うことも出来ず、自分の軽率な言動を呪いました。  
 
私は今、とりあえずシャワーで泡を落とし、パジャマを着て、お坊ちゃまの部屋の前に立っています。  
今、会わないと…お坊ちゃまはとてもショックを受けているかもしれません。  
コンコン、と軽くノックをしても返事がありません。もう一度ノックをしようとしたとき「開いてるよ」と声が聞こえました。  
私は「失礼します」と一声かけてから入りました。  
 
お坊ちゃまは薄暗い部屋の中でベッドの上に座っていました。私も自然とその隣に腰をかけます。  
「やっぱり…気付いてたんだ?」  
「…はい」  
少し落ち込んだ声…きっと、私が来るまでにいろいろなことを考えていたんでしょう…  
お坊ちゃまは私を見ようとはしませんし、少し体が震えています。  
この闇に包まれた部屋の中で、自分を責め続けていたのでしょう。  
気付いていながら何も言わなかった私に、責任が無いわけはありません。  
「昴お坊ちゃま」  
声をかけると私の方へ視線を向けてくれますが、それでも顔を見ようとはしてくれません。  
ですが、気付いたようです。  
私がパジャマのボタンを二つほど外していることに…  
たぶんこの角度なら…見えているはずです…  
少しだけ前かがみになって、お坊ちゃまのほうを向いています。そうするとちょうどお坊ちゃまのところからは中が覗けるはずです…  
ボタン一つならわざとには見えないかもしれません。  
ですが、二つです。それも覗かれたすぐ後ですから、きっとお坊ちゃまにも意味がわかると思います。  
昴お坊ちゃまは顔を赤く染めながら、それでもチラチラと私の胸を見ています…それだけで、私の胸の先っぽは、熱く疼いて喜びを表現しています。  
「ふふ…昴お坊ちゃまってエッチなんですね」  
「え!?…だ、だって…」  
「……もっと…見たいですか?…」  
お坊ちゃまはすぐにコクンと頷きました。  
私はお坊ちゃまの頭を一回撫でてから立ち上がり、さすがにいきなりは恥ずかしいので、背中を向けてからパジャマのボタンを外して肩をはだけます。  
そして、そのまま腕を下ろすと、ストンとパジャマが落ちました。  
背中が熱いです…お坊ちゃまの視線が、私の背中を這っているんです…  
「昴お坊ちゃま。私はお坊ちゃまに見られることは、嫌ではないんですよ?こんな事だって、出来るんです」  
私は振り向きました…どこも隠さずに…  
私の身体はボッと火でもついたかのように、熱く熱く燃え上がります。  
お坊ちゃまは口をぽかんと開けて顔を真っ赤に染めながらも、好奇心の塊のような瞳で貪欲に貪るように、私の身体の隅々まで視線を走らせます。  
まずは胸の上に視線を這わしてしばらく胸を眺めた後、今度は肩や脇腹、お腹周りにおへそ。  
キラキラと目を輝かせ、私だけを強く求められるような視線に、私の心は熱く火照り、高鳴ってしまうのです!  
「マ、マリー…す、すごく綺麗………その、でも、無理してない?本当に、嫌じゃない?」  
「嫌ではありませんが、無理はちょっとだけしてるかもしれません……これでも、とても恥ずかしいんです……その証拠に…」  
私はお坊ちゃまの手を取って、左胸へと導きます。  
「ほら…こんなにドキドキしてます…」  
私…すごいことしてます……私はいつから、こんな大胆になってしまったんでしょうか?  
「ふぁ、ン!」  
お坊ちゃまの指が乳首に触れました。ほんの軽くです。それなのに、自分で触れるときとは比べ物にならないほどの衝撃が駆け抜けました。  
「あ、ごめん!い、痛かったの?」  
お坊ちゃまは私の声に驚いて、手を引っ込めてしまいました。  
「いえ、あの、と、とても、気持ち良くて…」  
恥ずかしいです…お坊ちゃまに…触れられて気持ちいいなんて…そんなはしたないことを、口にしてしまうなんて…  
「あの、私はお坊ちゃまのためなら、す、少しくらいなら恥ずかしくても平気です…  
 ですから、お風呂場でのこと、あまり気にしてはダメですよ……私は、お坊ちゃまの…昴お坊ちゃまだけの専用メイド…なんですから…」  
 
私は正面から、お坊ちゃまの頭を優しく抱きしめてあげます。  
ゆっくりと何度か頭を撫でると、少しだけお坊ちゃまの緊張が和らいだようです。  
ひゃっ……お、お坊ちゃまの息が、私の胸を…その、ち、乳首を擽ります…  
こそばゆくて、恥ずかしくて…声が、出てしまいそうです…  
「あの、マリー……その、もっと…触りたい……ダメ?」  
「…いいえ……お坊ちゃまのお好きなように…先ほど申しましたとおり、私は昴お坊ちゃまだけのメイドですから…」  
私に頭を抱かれたまま、お坊ちゃまの手が胸へと押し当てられます。  
柔らかさを確かめるようにただ押すだけです。ですが、掌に固くしこった乳首が擦られて、声が溢れそうになってしまいます。  
「す、すごいね…こんなに柔らかいんだ…」  
お坊ちゃまは手で円を描くように胸を捏ね回します。自然と私の乳首も、掌の動きに合わせて刺激されてしまいます。  
「あはっ、ピンク色しててちっちゃくて…なんか、可愛いね」  
お坊ちゃまは私の乳首を撫でるように弄くります。  
撫でられ、指が離れるたびに喜んでいるかのようにピコンと立ち上がり、それが面白いのかお坊ちゃまは私の乳首を撫で回します。  
「あ……だ、ダメです…ハァ…お、お坊ちゃま…そ、そんなに…な、撫でては、いけません……」  
「あっ!ご、ごめん…プ、プニプニしてて、でも、先っぽは固くて…それが、すごく心地良くて…」  
お坊ちゃまは乳首を可愛がるのを止めて、謝ってくれました。  
「いえ、喜んでいただけたなら…私はそれで…」  
「ごめんね、マリー」  
……えっと…困りました…  
私はいつ止めたらいいんでしょう?  
お坊ちゃまの輝いた目は、次はなにをさせてくれるんだろう?といった感じで私を見つめています。  
えっと………  
あ!そうです!  
「お坊ちゃま、そろそろお休みにならないと…明日起きられませんよ?」  
「ええ〜!?……うん、わかった。だからさ、最後にもう一個だけいい?」  
聞き入れて貰えそうで良かったです。…でも、明日から、ひょっとしたら大変かもです。  
「わかりました。ですが、一個だけですよ」  
「うん!あ、あのさ、お風呂のときさ、見せてくれないとこ、あるよね?」  
「…はい?」  
「あ、あの、だからさ…お、女の子はちんちん生えてないんでしょ?そこ見たい!」  
え、えっと…そ、それは、ちょっと…  
と、言いたかったのですが…お坊ちゃまは目を輝かせています。  
ここでもし嫌だなんて言ったら、どんなにお坊ちゃまは傷ついてしまうでしょうか。  
それどころか、今まで私が無理をして裸を見せていたなんて誤解されかねません…  
ど、どうすれば、いいんでしょう?…  
そんなことを考えているうちに、お坊ちゃまの目からすこしずつ輝きが失われていってしまいます。は、早く何か言わなくては…  
「あの、お坊ちゃま……だ、誰にも言っちゃダメですよ!?」  
お坊ちゃまの目がパアッと輝きを取り戻します。  
「うん!わかった」  
つい、言ってしまいました…  
…どうしましょう…  
後に、退けなくなってしまいました…  
 

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