それからしばらくして、神々の集会で女神がつかの間の不在の折りに、神殿の片隅にて。  
「大神官様は、死への恐れはおありですか?」  
「そうだね……、私はもう生きすぎたよ。今さら死ぬことは怖くはない――が……」  
「私も、死ぬことは怖くはありません」  
「そなたはまだ若いのに、何を言う」  
「……」  
「……泣いているのかね、サフィーラ」  
「私……こんな淫らな体になってしまって……私は巫女だというのに、まだ男の人も知らないのに、  
 なのに、こんな……」  
「……」  
「女神様と大神官様のせいです。いまも、大神官様のお声を聞くだけで、体が疼いてしまう……。  
 お恨み申し上げます。責任を取ってください」  
「何を突然」  
「どうか、一度で良いから、私にもお情けを――」  
「サフィーラ、自分が何を言っているのか、わかっているのか」  
「構いません。死んでもいい、いいえ、女神様に殺されるなら本望です。あのお方の手に掛かって死ねるなら」  
「……私にも死ねと言うのか」  
「死ぬのは怖くないと、そうおっしゃったではありませんか」  
「それはこれとは話が……あっ、サフィーラ、やめなさい、やめろと――……ああっ」  
 

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