「すいませーん、ちょっと気分が悪いんで休ませてください」  
 
カーテン越しに暖かな日差しが差し込む午後の保健室。  
いつのように授業をサボってやってきた俺に厳しい視線が向けられる。  
 
「気分が悪い、ねぇ……」  
 
視線の主である養護教諭の長浦恵子は渋い表情で俺を睨む。  
明らかに歓迎されていない空気だが、俺は気にも止めずにずかずかと室内に入っていく。  
 
「まったく……」  
 
恵子は溜息をついて机の上に広げられている書類へと向き直った。  
いつもならたっぷり嫌味を言われるところだが、どうやらまともに相手をするだけ無駄だと諦めたらしい。  
すっかりここの常連となった俺には恵子もお手上げのようだった。  
 
そんな恵子を横目に、俺は室内を眺め回した。  
俺以外に保健室に厄介になっている生徒の姿は見当たらない。  
 
「今日は珍しく誰もいないっすね」  
 
「保健室なんて繁盛しないに越したことはないでしょ」  
 
「ははっ、確かに」  
 
室内には俺達二人だけ。  
ようやく巡ってきたこのチャンスに俺は内心ほくそ笑む。  
 
そう、なにも授業をサボりたくて俺は毎日ここに来ていたわけではない。  
本当の目的はこの部屋の主である恵子だったのだ。  
 
緩いウェーブのかかった長い髪に、ほっそりとした顔立ち。切れ長のつり目に眼鏡。  
ビシっと白衣を着こなして知性的な雰囲気を漂わせる恵子は美人の部類に入るだろう。  
無愛想な性格ときつい物言いさえなければここも恵子目当てで連日のように満員御礼だったに違いない。  
 
俺はそんな恵子を狙ってずっとここに通ってきた。  
恵子に憧れながらも手を出せずにいる男子生徒達とはわけが違う。  
どんな相手だろうが隙さえあれば俺の持つ能力でどうにでもなるのだ。  
 
「……何?ベッドならどれでも使っていいわよ」  
 
ベッドではなく自分の元へやってきた俺を恵子は不機嫌そうに見上げる。  
俺はそんな恵子の問いかけを無視し、不敵に笑ってその頭をがしりと掴む。  
一瞬呆気にとられた表情を浮かべた恵子だが、みるみるうちにその顔に怒りの色が浮かんだ。  
 
「ちょっと!何する―――あぎっ!?」  
 
恵子が俺の手を振り払うよりも早く。  
バチッと青白い火花を散らしながら頭を掴む俺の手から電流が放たれた。  
 
「あがっ、ぎっ、ぎっ、いぃっ……!」  
 
奇妙な呻き声を上げながら恵子は体を硬直させる。  
眼鏡の向こうで大きく目を見開き、椅子に座り腕を振り上げたポーズのまま全身をビクビクと震わせる。  
 
まるで映画のような光景だがこれは紛れもない現実だ。  
俺の手から放たれる電流がスタンガンさながらの衝撃となって恵子を襲っている。  
この俺の特殊な能力の前ではさすがの恵子もまったくの無力なのだ。  
 
「……こんなもんかな」  
 
しばらくして電流を止め、手を放してやっても恵子はそのまま固まっていた。  
やがて「ぐぅ……」と短く呻いて眼球がぐるりと裏返る。  
同時に全身からも力が抜けていき、上体がゆっくりと膝の上に倒れていく。  
長く柔らかな髪が背中からふわりと床に向かってこぼれた。  
 
「やれやれ、っと」  
 
少しやりすぎたかもしれない。俺は苦笑して椅子の上で前のめりに崩れている恵子を見下ろす。  
その姿はまるで俺に深々と頭を下げているようでなかなか悪くない気分だ  
 
気が大きくなった俺は手荒に恵子の髪を掴み、その頭を持ち上げてみる。  
髪を引っ張れる痛みに声を上げることもなく恵子の顔がこちらを向いた。  
眼鏡はずり下がり、瞼の隙間からは白目が覗いている。  
口は涎をこぼしながらだらしなく開き、普段の恵子からは想像もつかないくらい無様な表情を浮かべていた。  
 
「普段からこれくらい愛嬌があればいいのになー」  
 
皮肉っぽく笑って髪から手を放し、俺はすで痛いくらいに勃起しているモノを取り出した。  
それを大きく開いた口へとねじ込み、両手を髪の中に差し込んで頭をがっしりと掴む。  
さすがに咥え込んではこない。  
それでも口内の湿り気や舌のざらつき、そして何より恵子が俺のモノをその口に受け入れているという事実がたまらなく俺を興奮させる。  
 
掴んだ頭をゆっくりと揺すり、口内のあちこちに擦りつけながらその柔らかさを堪能する。  
不満が出ないのをいいことに少しずつ揺する速度を早めていく。  
うっかり奥深くまで突き入れた時はさすがに苦しそうに嗚咽を漏らしたものの、それでも目を覚ますような気配は一向になかった。  
 
「生徒のチ◯ポを咥えて離さないとか、ちょっと淫乱すぎでしょ」  
 
屈辱的な言葉を投げかけても恵子は言い返してこない。  
自分の口がこんな風に使われていることも理解できず、ただひたすら頭を揺さぶられ続けている。  
やがて限界を迎えた俺は勢いよく恵子の口の中へ放出した。  
 
「げっ!がはっ……」  
 
さすがに恵子は咳き込み、喉を通っていかなかった分の白濁液がだらだらと口から溢れていく。  
それでもやはり意識が戻ることはない。  
射精の余韻に浸りつつ恵子が窒息していないことを確認し、俺は唾液と白濁に塗れたモノを引き抜いた。  
 
「まだまだ楽しませてもらいますからねー」  
 
俺は意地悪く笑い、恵子の体を抱え上げてベッドまで運ぶ。  
ぐんにゃりと脱力した手足に苦戦しながらも一枚ずつ丁寧に服を脱がせていく。  
思ったよりも小さいものの形の良い乳房。  
栗色に染められた柔らかな髪とは違い、硬くて真っ黒な下の毛。  
やがて全てを取り払われた恵子は普段は隠されている部分を惜しげもなく俺の前に晒した。  
 
まずは恵子の上体を起こして後ろからゆっくりとその小ぶりな胸を揉みしだく。  
同時に髪の隙間から覗くうなじに舌を這わせ、首筋に何度も強く吸いついた。  
俺が胸を揉むのに合わせて前に垂れた頭がゆらゆらと揺れる。  
 
「なんか保健室モノのAVみたいっすね」  
 
耳元でそう囁いてみても恵子から反応は返ってこない。  
乳輪を撫で回し乳首をぎゅっとつまんでみる。やはり反応はない。  
 
「……女優がマグロじゃあんまりウケなさそうだな」  
 
苦笑しながら俺は恵子の大きく開いた股の間へと移動する。  
すでに俺のモノは十分硬さを取り戻していたが、恵子の秘所は濡れてはいない。  
 
「まあ意識がないから当たり前なんだけど」  
 
俺はおもむろに人差し指を恵子の額に当てる。  
 
パチッ。  
 
乾いた音を立てて微弱な電流が恵子の脳みそへと流し込まれた。  
 
「あっ………ひ………」  
 
すぐに恵子の口からか細い声が漏れ始める。  
これは直接恵子の脳、その中でも特に性感を司る部分を刺激しているのだ。  
直接脳を刺激されたのでは抗いようもない。  
恵子はパクパクとまるで魚のように口を動かしながら身体を小刻みに震わせる。  
 
次第に濡れ始めた秘所を空いている手の指でまさぐる。  
多少はこっちの刺激も脳に伝わり、恵子の昂ぶりを加速させているのだろう。  
みるみるうちに俺の手をぐっしょりと濡らすほど愛液が溢れ出した。  
 
頃合いを見て電流を止めても興奮は冷めやらないようで腰がひくひくと震えたままだった。  
ぷっくりと充血したクリトリスをつまんでやると「あっ……」と切なげな声が漏れる。  
 
「それじゃいただきます、っと」  
 
俺はそそり立ったモノを秘所にあてがい一気に恵子を貫いた。  
「あひっ!」と喘ぎ、恵子の身体がぶるりと大きく一度震える。  
しかしそれ以上の変化は何も起こらない。  
俺の下でぐったりと体を弛緩させ、大人しく俺を受け入れている。  
 
そんな恵子を眺めながら俺はゆっくりと味わうように腰を動かし始める。  
とろとろに熱くほぐれた肉壁が吸いつくように俺のモノを包みこむ。  
次第に早くなるピストンに合わせて恵子は力無くガクガクと揺れた。  
 
「あっ……ぅ……あぁっ………」  
 
かすかに喘ぎながらも恵子の表情は変わらない。  
ぽっかりと口を開け、抵抗する素振りさえ見せない。文句も言わずに俺にされるがまま。  
その姿はさながら人間ダッチワイフといった様相だ。  
 
やがて今日二度目の限界を感じた俺は恵子からモノを引き抜くとその顔に向ける。  
勢いよく放たれた白濁の液が恵子の顔を、髪を、体を白く汚していく。  
 
「ふぅ……なかなか良かったよ、恵子ちゃん」  
 
馴れ馴れしく笑いかけても恵子は何の感情も表さない。  
白濁に汚れた体でベッドの上に転がり、白目を剥いた瞳を天井に向けたままだった。  
 
 
パチパチッ。  
火花を散らす音が静かな室内に小さく響く。  
ベッドの上の恵子に俺は再度電流を流し込んでいる。  
 
「……はい……わたしは……すべてをわすれます……」  
 
恵子が抑揚のない声で俺の言ったことを復唱する。  
今度の電流は相手を軽い催眠状態へと落とすよう調整されたものを流している。  
これを使えばちょっとした記憶の書き換えや命令をきかせることくらいなら造作もなくできる。  
まったく、つくづく便利な能力を俺は持っているものだ。  
 
「まずは体をきれいにしてから服を着る。その後はいつも通りの自分に戻る」  
 
俺は繰り返し恵子に暗示を与えていった。  
飛ぶ鳥跡を濁さず。後始末まで完璧にしてこそだ。  
恵子は意志を感じさせない虚ろな表情で俺の言うことを聴き、そして復唱していく。  
 
「俺が来てからのことは何一つ覚えていない。午後からのことは全て忘れる」  
 
「なにも……おぼえていない……すべて……わすれます……」  
 
やがて恵子がのろのろと起き上がり行動しだしたのを見届けてから俺は保健室を後にした。  
全てを片付け終えてすぐに恵子はいつもの無愛想な養護教諭へと戻るだろう。  
自分の身に起きたことも知らずに仕事に戻る恵子の姿を想像して俺は思わず吹き出しそうになる。  
 
「さーて、次は誰で遊ぼうかな」  
 
次の獲物探しへと頭を切り替え、俺は晴れ晴れとした気持ちで廊下を歩いていった。  
 

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