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真心が唇を離すと、首筋には赤いキスの後が残る。  
「……これだけ?」  
鉄江がそう言って真心をみつめる。  
「……次、どうして欲しい?」  
「もしかして、初めて?」  
鉄江の台詞に真心はこくんとうなづく。  
「「………」」  
二人して黙りこくる。  
「…………と、とりあえず、嫌だったら嫌って叫んでくれよ。そうしたら止めるからさ」  
そっとおへそにキスをする。  
「きゃっ!!」  
鉄江が叫び声を上げるが、構わずおなかの辺りを舐める。  
横へ横へと舐めていき、真心は鉄江の後ろ側に回り込む。  
「あっ……」  
お尻にいきりたった真心の息子が当たるのを感じて、鉄江は声を上げる。  
(真心君興奮してる……。)  
背中から抱きつき、腕と胸の間に手を滑り込ませ、そのまま胸に手を当てる。  
「鉄江の胸、すべすべしてるね」  
そう言って、ぎこちなくと彼女の胸をなで始める。  
「真心君の手、暖かい……」  
「ん……」  
その言葉に、真心は複雑そうな表情をする。  
 
「どうしたの?」  
「昔、腕を武器につんだのにとっかえようと思った時期があったんだ。」  
「………!!!」  
「その時、色んな任務に立て続けに失敗しててな……。もうどうにでもなれって思ってた。」  
「…………それでどうしたの?」  
「そのことを『課長』さんに話したらさ。」  
 
「馬鹿野郎!!そんな事をしたら、戦闘任務しか出来なるなるじゃないか!!」  
 
「ってね。」  
その言葉に、鉄江は少し困った顔をした。  
 
「『課長』〜〜戦闘任務は、この機関の最重要任務じゃ………」  
「……ああ『今』はな。」  
そう言って『課長』はゆっくりとポッキーを取り出す。  
「今は確かに戦闘任務が最も重要だ。だが超能力者と非能力者が一緒に暮らす時が来たら、  
 武器の腕に変えてしまえば、お前は居場所を失ってしまう。  
 今のお前の腕なら、鍬を強くすることだって、花束束ねる事だって出来る。  
 だけど、腕を武器に変えちまったら、そういうのを全て失っちまうんだぞ。」  
 
「あの時は、俺も猛反発したんだけどさ。今では変えなかった事を誇りに思える。」  
そう言って、鉄江の乳首を軽く掴む。  
「私の『能力』も誰かの為に使えるかな?」  
不安そうな声で鉄江が聞いてくる。  
「『使える』んじゃないんだ、力は『使う』んだ。」  
そう言って、真心はそっと耳元に息を吹きかける。  
「ん……」  
気持ち良さそうに顔を赤らめる鉄江。  
「真心君の能力ってこういうときも使えるの?」  
「使ってみようか?」  
そう言って、意地悪く笑う。  
「……少しお願い」  
真心はゆっくりと、目をつぶって瞑想する。  
「じゃあ、行くよ。」  
次の瞬間、鉄江を拘束していた、服がワサワサと動き始めた。  
真心が彼女の拘束衣を支配し、動かし始めたのだ。  
「あっあっ!!」  
胸を掴み、しぼりとる。秘所をこすり、菊門を舐める。  
四肢はしっかりと固定され、指一本さえ動かすことが困難な状況に陥る。  
(でも……彼が抱いてくれているなら………)  
大丈夫、絶対彼ならひどいことはしない……。そういう安心感が鉄江を支えていた。  
 
世界は全て………分解すれば……  
それは完全なる………ムと呼ばれ………  
汝の力……錬金………イシと呼ばれる……  
極限の力……  
 
快楽の中、彼女の中で何かが目覚めようとしていた。  
 
ワサワサと動く拘束具に全身でまさぐられ、もまれ鉄江の全身が熱く火照り始める。  
「あっあっあっ!!」  
羞恥心と快楽がせめぎあい、彼女の声をよりいっそう淫靡に盛り上げる。  
「鉄江のここ、固くなってるよ。」  
「えっあっ嫌アアアアアアアア!!!」  
乳首を掴まれ、快楽と羞恥が混ざり合って叫び声を上げる。  
「痛かった??」  
「ううん…全然。」  
顔を赤らめながら鉄江はそう答え、ゆっくりと真心の顔を見る。  
「しばらく、このままでいて。」  
「わかった………。」  
そのままじっと時が流れる。  
「……香水でも使ってるのか?」  
真心がそう言って、鉄江の首筋に顔を近づける。  
「えっ?匂う??」  
鉄江がびっくりしたように聞く。毎日、消臭剤をつけてるはずの自分から匂いが出ると言うこと事態が不可解なのだ。  
「ああ、まるで花の精霊みたいな匂いがするよ」  
「あったことあるの?」  
「いや、無いけど。」  
そんなお約束なボケとツッコミをしながら、真心は彼女の秘所に手を伸ばす。  
「濡れてる………。」  
その言葉に鉄江は顔を赤らめる。ゆっくりと秘所を触り愛液を指に絡ませて自らの口で舐める。  
「甘い」  
「えっ???」  
「シロップのように甘いよ。」  
そう言って、真心が鉄江の愛液をゆっくりと舐める。  
「わ、私も少し良いかな?」  
「ああ」  
彼女の口元に手を持って行き、彼女の舐めるがままに任せる。  
「私って糖尿のけがあるのかな。」  
「違うな、多分これが………」  
 
そう言って、真心が胸に当てていた手を離そうとして驚愕する。  
「………どうしたの?ねえどうしたの?」  
真心がそっと前で組まれている腕に触ると、腕を結び付けていた鍵が意思を持って外れる。  
露出した胸を掴んでいる真心の腕、それが灰色に変色していた。  
「……なに?」  
青ざめた顔で、胸を見下ろしながら、鉄江は驚愕する。  
「おそらく、これは『物質変換能力』……鉄江の『力』だ。  
 匂い物質や甘みの物質を作り上げたんだろう。」  
そう言って、真心は石になっていないほうの腕で鉄江の頬をなでる。  
「嫌……こんな力嫌!!」  
「目をそらすな!自分がどんな力を持ってるか把握するんだ!!」  
そう叫び、目を瞑った鉄江を激励する。  
「嫌!だって、真心君の腕を変えちゃう力なんだよ、もしかしたら……もしかしたら……」  
嗚咽にも似た声を上げながら、ゆっくりと頬に涙が流れる。  
「……だったら、鉄江の力で戻してくれないか?」  
「えっ??」  
「この程度の暴走なら、初期の能力者には良くある事さ。腕が戻ればそんなに大したことじゃない。」  
そう言って、灰色の石化した腕を鉄江の前に持ってくる。  
「だからさ、戻してくれないか?」  
「うん………」  
消え入りそうな声で、鉄江はゆっくりと精神を集中する。  
しばらくして、目を開けるが、腕はやっぱり石のままだ。  
 
「…………」  
目に涙を浮かべ、今にも泣き出しそうな鉄江の股間に真心の腕が当てられる。  
「……まだしばらくは性的快楽がないと能力が発動できないのかもな。」  
そう言って、鉄江の秘所をゆっくりとなで始める。  
どくんどくん。鉄江の心臓が高く熱くなり始め、ゆっくりとその鼓動を上げていく。  
(そうだよ、まだ使い慣れてないんだ。だから何か条件が必要なんだ)  
自分の心に言い聞かせる。開放された腕で彼の石となった腕を包み込み、力をこめる。  
(だけど、これだけは絶対元に戻さないと)  
秘所を触る指がゆっくりと脈動する。それに伴い、掴んだ彼の腕に暖かさが戻ってくる。  
目を開けてみると、そこには肌色の手があった。  
その手は、ゆっくりと彼女を支える。  
「ありがとう」  
真心がそう言って、鉄江にお礼を言って、優しく胸をなでる。  
「うん、こっちこそ」  
「そういえば、その服気持ち悪いだろう?着替えはそこに折りたたまれたままだからさ。」  
そう言って、真心が鉄江の服の一部を軽く叩く。  
パチパチパチィーンと心地よい音と共に鍵が全て外れ、鉄江は生まれたままの姿でその身をさらす。  
「えっえっ?」  
自分に何が起きたのかわからず、呆然とする鉄江。そして理解した瞬間。  
パチィーーーーーン。盛大な音と共に真心の頬に平手が飛ぶ。  
 
「いきなり何するのよぉ〜〜〜!!」  
真っ赤に染まった顔でそう叫ぶ。  
「だってその服の上にシャツとか着るか?」  
「からだらって、いきなり女の子脱がしても良いわけないでしょう!」  
「…悪い……」  
言い負けて真心が呟く。  
「………それとも続きしたいの?」  
「えっ?」  
「あんたがしたいって言うんだったらやっても良いわよ」  
そう言って鉄江が強く抱きついてくる。  
「……ああ、続きがしたい。」  
「じゃ、やろうか?」  
そう言うと、彼女は俺にキスをした。  
俺もそれに合わせて彼女の口の中に舌を入れる。  
深い深い、暖かなキスがそこにあった。  
 
 
エピローグ  
 
それから後は、あまり変わらない生活が続いている。  
俺はちょくちょく『機関』の仕事を請けているし、  
彼女は『機関』の仕事は受けずに普通に生活している。  
時々、『機関』の施設の清掃とかを手伝ったりするが、まあその程度だ。  
彼女とは一緒にショッピングに出かけたりするがその程度の付き合いだ。  
時々、背中から異常な視線を感じるけどな。  
「はいはい、早く、授業の準備をして。」  
鉄江がそう言って、俺をせかす。  
こういう日常に俺はとても満足している。  
そうとても。  
 
「う〜〜真心君の心は〜〜〜絶対〜〜〜私が〜〜〜掴むんだから〜〜〜。」  
 
END  
 

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