入院した。  
 
脚の骨折で全治2ヶ月、とりあえず3週間は入院だそうだ。  
高校最後の大会にも出場不可能は確定三色イーペーコーってなもんだ。  
(ある程度の)実力と、最終学年である事でやっとこさ、出場できるはずだったのに。  
 
数日前、僕は幼馴染の美香と我が家の前の<心臓破りの千階段>をいつもの如く登っていた。  
「高志!遅いよ、何やってんの!現役の陸上部員がそんな事でいーんですかー」  
美香が上から声をかけてくる。  
一応短距離をやっている僕には、ちょうどいいトレーニングであり、普通なら全然たいしたこと無いの 
だが…  
「しょうがないだろ。美香がこんなに荷物持たせるんだから(ブツブツ」  
何で女の荷物はこんなに重くてかさばるんだ。  
「何モゴモゴ言ってんのよ!ちょうどいいトレーニングじゃない。折角の機会を与えた私に感謝してほ 
しいもんだわ!」  
「でも、こんな荷物持ってって言うのは…」  
「グズグズ言わないの!男の子でしょ!」  
「分ーかーりーまーしーたー」  
まあ、ご覧の通り美香には全く頭が上がらない。  
子供のころから姉貴風を吹かして、子分扱いされている。  
小学校、中学校、そして高校とその関係は全く変わらない。  
三つ子の魂百までとはまさにこの事か。  
まあ、片や成績優秀多芸多才才気煥発容姿端麗etc..な学校のアイドルと、地味ぃーな陸上部員だから 
しょうが無いのかも。  
「ほら早く早く!」  
手ぶらで身軽な美香が、軽快なステップ&ターンでどんどん登っていく。  
「美香ぁー。そんなにはしゃいでいるとあぶない…」  
 
美香が階段のてっぺんにたどり着こうとしたその時、鳥が死角から飛び出してきた。  
「あっ」  
びっくりして避けようとしてバランスを崩す美香。  
 
 落ちる。  
 
 頭から。  
 
 てっぺんから。  
 
 アブナイ。  
 
瞬間、荷物を投げ出して一足飛びに美香に飛びついた。  
柔らかくいい匂いのするものを受け止めたと思ったら脚に激痛が走って背中も痛い頭もイタイホシガキ 
ラメク  
 
 暗転  
 
で、脚の骨折(+打ち身)で入院ってわけだ。  
脳波とかも取られたけど異常はないらしい。  
でも、大事をとって入院するんだとさ。  
 
美香はかすり傷で済んだらしい。  
入院して、面会が許された初日に目に涙を浮かべて来た。  
いつもの美香らしくなく、しおらしい態度で  
「高志、生きているんだね、無事だったんだね、良かった。ありがとう、ごめんね、ごめんね…」  
と泣きながらしがみついてきた。  
でも、美香に怪我が無くて良かった、本当に良かった。  
 
入院した事を知って、級友や部活仲間が見舞いに来た。  
僕と美香の関係(親分子分)は、既に知られているので、からかわれたりもしたけど。  
脚のギブスには色々と描かれたよ。  
お見舞い品に花やら漫画やら、お約束でエロ本までおいていきやがった…ありがたく使わせてもらおう。  
 
顧問の先生からは案の定、大会出場は無理と言われた。  
「まあ、女の子を救った名誉の負傷だ。立派なもんだぞ、ガハハハハ」  
でも、折角大会に出れると思ったのに、最後のチャンスだったのに。  
 
入院生活は退屈だ。  
最初の内は、みんながお見舞いに来たけど、そのうちだんだん来なくなった。  
(まあ、僕もそういう態度に出るだろうな)  
 
美香はほぼ毎日お見舞いに来る。  
身の回りの世話をできる限りしようとする…彼女なりの罪滅ぼしなんだろうな。  
ただ、日が経つにつれて、彼女のかいがいしさが増すのに反比例するかの様に、僕はぼーっとすること 
が多くなった。  
入院生活が退屈なのもあるが、大会に出られないことの方が大きい理由だろう。  
特に、以前のように運動できる様になるには最低半年という医者の言葉、そして代  
わりの選手を決めたと言う顧問の言葉を聞いてからは、それがますますひどくなった。  
「もしかしたら、チャンスはあるかも」という一縷の望みに止めを刺されたようなもんだから。  
僕はだんだん無口になっていった。  
 
その日、病室でのんびりかつこっそりと、差し入れの無修正エロ本を鑑賞し、久々の自家発電にいそし 
もうとしていた。  
スゲェ…、フェラチオってこんな事までするのか…  
ウホッ、女のアソコってこうなっているのかスゲェスゲェ。  
と、ノックの音がして、「高志…、入っていい?」  
美香の声だ。  
「な、何だよ!待てよ!」  
あわてて、枕の下に本を隠す。  
入院して以来、しおらしくなった美香が入ってきた。  
慰めようと、学校の話を色々とする。  
毎日のように来てくれるのはいいんだけど、正直、最近は少し鬱陶しい。  
特に、大会に出られない事が確実になってからは、美香の態度が偽善ぶったものに感じる。  
自家発電の邪魔をされたためのイライラもあったのだろうか、僕は彼女が部活の話をするにいたってつ 
いに怒りが爆発した。  
「…でね、田中君達のテニス部は結局決勝に行けなかったん…」  
「うるさい!」  
突然の大声にびくりとする美香。  
そりゃそうだ。美香と知り合ってからこのかた、僕が怒鳴るなんて事は一回も無かったから。  
「大会の話をするんなんて、出られない僕へのあてつけか?  
 そもそも、大会に出れなかったのは誰のせいだと思っているんだ。美香のせいで僕は怪我したんだぞ!」  
呆然としていた美香は、急に涙目になったかと思うと、俺の枕元にすがり付いてきた。  
「ごめんなさい、ごめんなさい…」  
「ごめんで済んだら警察は要らないよ!」  
「高志、あたしが悪かった。だから、許して。」  
「うるさい!」  
「何でもするから…。お願い、嫌いにならないで…」  
いつも偉そうにしている美香の涙に濡れた顔を見ているうちに、「もっと意地悪してやりたい」という 
思いが僕の中に芽生えてきた。  
 
意地悪したい。  
もっといじめたい。  
日ごろ勝気な顔しかしない美香をもっと泣かせて見たい。  
「よ、よし。何でもするって言ったな。じゃ、じゃあ、この本と、お、同じ事して見せろよ」  
そうして見せたのはさっきの無修正本のフェラ連続写真。  
涙でグショグショの顔が今度は朱に染まった。  
「え…」  
「なんでもするんだろ?それともさっきの言葉は嘘だったのか?」  
戸惑っている美香を見るうちに、最初はぎこちなかったけど、だんだんと詰問する  
言葉がポンポン飛び出てくる。ゾクゾクしてくる。  
「…」  
「どうなんだよ。返事しろよ!」  
「…」  
「なんだ、できないのか。できもしない事を言うんじゃ無いよ!だいたい…」  
「い、いいよ」  
「へ?」  
「た、高志の気がそれで済むのなら、許してもらえるのなら、あたし、な、なんでもする」  
 
正直、期待していなかったと言えば嘘になる。  
ただ、ありえないだろうな、と思っていたし、単なる妄想でしかなかった。  
「無理難題を言って困らせる」方がメインだったし。  
ここまで素直に言う事を聞くとは吃驚仰天。  
余りの急激な展開に僕は呆けてしまった。  
 
本を見てその行為を一生懸命学ぼうとする美香。  
しばらくすると、真っ赤な顔で、震える手で掛け布団をゆっくりとはぐ。  
そこには、中断された自家発電の準備と、意外な展開の前にパジャマを突き破らんばかりに自己主張を 
する僕のブツがあった。  
 

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