深夜・・廊下をサンダルの音をペタンペタンと響かせてだらしない足音をさせて歩く  
ったく、40過ぎのオサンが酔っ払って喧嘩して怪我して6針の縫合させるなよ、せっかく仮眠とってたのに。  
そんな愚痴事を思いつつも西野は医局までの廊下を歩いていた。  
明かりのついたナースステーションに近づいたところで後ろから話しかけられた  
「西野先生〜、さっきの外来の酔っ払いのカルテ持ってきてませんかぁ?」  
振り向くとナースの吉澤奈津子。笑顔で話しかけている。  
「カルテ?」  
手ぶらな俺がカルテ持ってきてる訳がないだろが。両手を肩あたりまで上げて  
何も手にもっていないことを西野はアピールしてみる。奈津子は「あっ」と声をあげて  
自分が持っているファイルの中を漁り、しばらくすると「ごめ〜ん」と甘えた声で謝った。  
「お詫びっていうか、頂き物のお菓子があるの。食べていかない?」  
時計を見ると深夜3時・・・眠気も覚めて小腹も空いたところだし、と西野はナースステーションに  
入っていく。もう一人の夜勤のナースはどうもラウンドに出ているらしい。  
奥の休憩室からコーヒーを持ってきて中央のカルテなどが積んである机に「どうぞ」と奈津子が促す  
箱に入ったままの煎餅を持ってきてそのまま西野の隣にちょこんと座りにこっと笑い  
「ねぇー遼太郎クン。今度の休みっていつ?今週の日曜とかって休み?」  
ふぅーっとコーヒーを2,3回吹いて一口飲み、西野の目線は煎餅を物色しながら  
「日曜?なんかあったな。貧乏ヒマ無し。研修医の身ですから。えぇ。」  
淡々と返事をすると煎餅を一枚とり、袋を開ける。その仕草をつまらなそうな表情で見つめ  
奈津子が静まり返った周囲に気を使って小声で囁く  
「この前の続き、シタいなぁって思ってるんだけど?」  
言い終わるとふふふっと笑い、机に頬杖をつき西野を見つめている。  
 
「続きも何も、あれはアレで終わったの。あ、やべ。305の人、ブスコパン入れてるよな?」  
何か思い出し机の上に積んであるカルテから一冊出して胸ポケットに刺さっているペンで記入する  
声のボリュームが普通の音量になり奈津子が反論する  
「終わってないぃ〜。だって、遼太郎くんイッてないもんっ」  
ははっと苦笑いをしてボールペンをカチっと音をさせて胸ポケットに戻す。  
「だいぶ飲んでたしな、俺。半分寝てたし」  
「なんか冷たいっ。キスしてきたのは遼太郎くんのほうだよっ」  
話の内容が具体化してきているが声の大きさが変わらないので西野がシーっと言って奈津子は口を押さえる  
ちょっと面倒そうに髪をカシカシと掻いて煎餅をバリッとほお張りながら西野が「んー」と言う  
膨れっ面の奈津子は、再び西野の耳元で囁いた  
「おくちでしただけじゃ私の中で終わってないもん。やっぱり最後までシタいじゃん?」  
堅めな煎餅をゴリゴリと音をさせて噛み、コーヒーで流し込む。複雑な表情で  
「煎餅とコーヒーって微妙なカップリングだな。醤油味とカフェインが合わないってトコじゃね?」  
「ちょっとぉ聞いてるの?話ズレてるんですけどっ」  
文句を言ったわりにまた煎餅をほお張り、食べながら西野が答える  
「気分じゃない、って言ったらそうなんだよな。あの時はそういう気分だったっていうか。」  
さらにブーたれる奈津子の表情。コーヒーを一気飲みして「さあて」と西野が席を立つ。  
「じゃ、そーゆーことで。なんかあったら内線くださーい」  
「ちょっとまって。忘れてた」  
奈津子が呼びとめる。面倒だ・・・西野はあくびをひとつして「なあに」と振り向くと  
「310の今日から入院してる患者さん、熱発してたんだ。診てもらおうって思ってたの忘れてた」  
「310?何の患者さんだっけ・・・でも寝てんじゃない?いつの話?」  
「りょ・・西野先生がココに来るちょっと前。うっかりしちゃった」  
ポケットに強引に入れていた聴診器を出して「おっけいー。行きますか」と西野が返事をすると  
奈津子はカルテの入ったファイルと懐中電灯を手にして西野の前を歩き出す  
 
310号室のドアを奈津子が開けてそれに続いて西野も病室へと入る・・・と、真っ暗な室内。  
奈津子がいきなり電気をつけると綺麗にベッドメイキングされたままのベッドは人の気配がない  
無人の病室・・・ウソだったことは瞬時に理解し、西野は首をかしげるアクションをする  
「イジワルなんだもん。遼太郎くん。」  
奈津子が西野の首に腕をまわし正面から抱きつく。唇が触れるか触れないかの距離で見つめ合い  
「気分じゃないなら、そういう気分にしてあげる」  
奈津子のほうから唇を重ね、積極的に舌を進入させていく。クチャ・・と唾液の音がしている  
西野はされるがままにして受け入れるでもなく拒むでもなく・・・  
そしてそっと唇を離し、西野の目を覗き込むように見つめながら  
「いいでしょ?ちょっとだけ。気持ちいいんだから。」  
参ったな・・・と西野が言おうとした瞬間に奈津子がぎゅっと体重をかけて抱きついてきた  
不意打ちに思わず足元がグラっとしてそのままピンと綺麗に整えられたベッドにドカッと倒れこむ  
「痛っ・・・おい、なっちゃん」  
奈津子は笑顔で倒れた西野の上にスカートなのも構わず馬乗りになる。そしてネクタイを解き白衣をずらす  
Yシャツのボタンをはずしながら奈津子はふふっと笑い  
「全部脱がしちゃうとあんまりエッチじゃないね。でも邪魔なんだもん、服」  
そういって西野の首筋を舌先でツツッと肩のほうへと滑らせていく。そしてきつめに吸い付いた  
その瞬間、いきなりスーっと部屋のドアが開く、と、同時にまたすぐにそのドアがあわてて閉められる。  
驚いて振り向く奈津子に馬乗りになられたままで西野が冷静な口調で呼びかけた  
「遠慮なくお入りくださーい」  
「・・・・・お邪魔しまーす」  
目線をそらし、バツが悪いといった顔で同期の研修医・桜井香奈がドアを開ける  
 
「今、探してたでしょ?俺のこと。」  
そう淡々と香奈に言う西野の上から奈津子があわてて降りてスカートを直している  
「303の竹中さんのカルテ・・・なくって西野くんが持ってるんじゃないかと思って・・・  
 そしたら今日退院して誰もいないはずのこの部屋が明かりがついてたから、つい・・えっと・・」  
自分が悪い訳じゃないのになんでか言い訳をモゴモゴとしている香奈を見てはは、と笑い  
「よっ」と上半身を起こしてYシャツのボタンを止め、ネクタイを結びながら西野が返す  
「記入してナースステーションに返したぞ?さっきまで外来にいたし、俺。」  
適当に奈津子が持ってきてしまったカルテのファイルに目をやると、そこには303号室との表記  
西野の視線を追い、その表記に気づいた奈津子が「あ」と声をあげてカルテを持ち香奈に差し出す  
「あ、ありが・・とう。ごめんなさい・・・」  
なぜか謝る香奈。そしてまだ二人のどちらの顔も見れずにいるままで  
「えっと、コレがあればいいから・・・あ、私出るから、続き、どうぞ、うん。」  
たぶん自分でも何言ってるんだと思いながらだろう、あたふたとした口調で取り繕っている  
 
そこで奈津子が西野の首筋を指差して嬉しそうに言い出した  
「あ、ついちゃった、キスマーク。赤くなってる」  
指差された部分を西野が思わず手で押さえるとさらに嬉しそうに笑う奈津子。緩めに結んでいるネクタイを  
キュッと締めて襟を正し「見える?」と西野が聞く。ちゃんと襟をただせばなんとか隠れる位置に赤い痣。  
「桜井、ちょっと。なっちゃんはそろそろナースステーションに戻ったほうがいいよ」  
「香奈先生とナニするつもりぃ?」  
「誤解を解くだけ。はいはい、戻った戻った。ナースステーションが無人なんてよくない」  
追い出されるように奈津子が病室から出て行く、そして困ったように香奈が口を開く  
「・・・何?」  
香奈をいきなりぎゅっと捕獲するように抱きしめて、これまた淡々と西野が答える  
「危なかった〜。勢いで半立ちになってた、オレの」  
「そのまま全開になってしちゃえばよかったじゃない」  
嫉妬からかそんな受け答えをする香奈の背中から手をケーシーのズボンのファスナーへと移動させて  
そのまま脱がそうとする西野。その手を掴み拒もうとする、が、ベッドに押し倒された  
「吉澤さんとしたらいいじゃん。やめてよ」  
西野は何も言わず力ずくで香奈の両手を右腕だけで抑え、左手で下着を膝まで下げられた  
 
数分前の拒む言葉や態度はどうしたのか  
もう何分間か電気が付いたままの病室には湿った腰が打ち付けられる音が響いている  
綺麗にベッドメイキングされていたシーツの上に、西野が横になりその上で  
香奈が腰を動かしている。香奈の息遣いは荒く、声を漏らさないように気遣ってか  
細く、泣き声のような声が細々と時折漏れている。  
「下から見る桜井・・・なんだか色っぽい」  
香奈の腰に両手を沿えながら西野が呟いたのは聞こえているのかわからない  
腰はクリトリスをこすりつけるように動かされていて、早さが増している  
「桜井・・すごく動いてるよ・・・子宮に当たってる・・・」  
もちろん香奈にもそれは感じていた。奥まで届いているのはわかっている。  
「気持ち・・いいぃ・・・すっごく・・・」  
登り詰めていっている感覚に香奈は犯されていた。と、その時、西野が  
「うっ・・ぅ・・・・・っはぁ、はぁ・・・先にいっちゃったよ・・・」  
 
西野の言葉に少し驚くがもう止められない。  
もっと、もっと、登りたい。もっと・・・香奈の腰の動きが激しくなり  
そのまま香奈も果てる。全身が大きくビクッビクッと波打ち  
ピタリと腰の動きが止まる。そして今度は小刻みにガクガクと震える  
「ぃ・・・あっ!あ・・・・」  
と、次の瞬間、一気に力が抜け、香奈は西野の上に倒れ込みキスをする。  
「上であんな激しく動かすから先にいっちゃったよ。俺と桜井が繋がってるとこから・・・ほら」  
二人の結合部を指差す。見ると愛液なのか精液なのかわからないくらいに濡れている  
「え・・・中で・・・出しちゃったの?」  
呼吸を整えながら香奈が聞く。そして咄嗟に生理っていつだっけ、と頭の中で確認をとっている  
「子宮内に放出された精子は3日間、子宮内で生きるんだよな」  
西野が思い出したように呟く  
「じゃ、桜井は3日間、俺の精子が子宮にいるのか・・・」  
香奈はその言葉が少しだけ、幸せに思えた自分が怖かった。  
 

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!