研修医は何が忙しいというと伝票整理などの事務作業が多いからだ。  
香奈は手術伝票などを片付け続けもう数時間経っていた  
しかし釈然としない、彼の真意がわからない――わからないほうが、いいのかもしれない  
ボールペンを持つ手が止まり小さくため息をつく。  
…そう、私は西野くんに特別な感情を持ってる…香奈は自分の気持ちを認めたくないが  
それは確実な事だった。その西野は仮眠室で仮眠を取っている…仮眠室のドアを見つめて  
ぼんやりと頬杖をつき、行動を起こすのに怯える自分を歯痒く思っていた。  
そこへ内線が鳴る「外科医局です」香奈はぼんやりとした声で対応する  
と、電話の向こうからは聞き覚えのある声が笑いながら話しかけてきた  
「救命の袴田です。その声は桜井?ぼーっとしてたんだろ」  
「あっ・・・・・お疲れ様です・・・すいません」  
図星だっただけについ謝ってしまった。そして少し引っかかっていたものが更に引っかかる。  
「明日ICUから外科に入院する患者なんだけど、担当誰になった?」  
―――気になってたんだ。  
そんな事言われたらこっちが気になるじゃない、香奈は思い出しながら事務的に答える  
「それでしたら西野先生になりました。一応、指導医の小倉先生がフォローの形です」  
「そうか、わかった。あ、それと明日は当直か?違うなら飯いこうと思うけど、予定あるか?」  
どきん、小さく胸が音を立てる。  
「いえ・・・何もないです」  
「西野にばれたら怒られるか?」  
からかうような口調で袴田が笑う。咄嗟に香奈は強く否定をした。  
「別にっ・・・西野くんとは何でもありませんから」  
 
「そうかー?この前のあいつ、少し怒ってた様子だったけどな」  
完全にからかわれている。それとも袴田は何か知っている?勘付いた?  
「誤解、です。西野くんとは・・・ただの同期ですから。彼も私の事は同期としか思ってませんし」  
「だったら大丈夫だな。さっきの声、いつもに増してぼんやりしてたしまだ何か悩んでるんだろ?  
 俺でよかったら聞くだけならできるし。いくら研修医っていっても所詮は人間だからな」  
よき先輩医師として尊敬できる彼からの言葉は単純に心強かった。香奈は少し安堵の様子で  
「なんかご心配かけちゃってすいません・・・明日色々、相談に乗ってください」  
「わかった。明日また連絡するよ。あんまり考え込んでぼーっとするなよ。  
 "考える"のと"悩む"のとは違うからな。それじゃ、オツカレ」  
受話器を置いて、香奈はふふっと笑う。  
―考えるのと悩むのとは違う、かぁ。上手い事言うもんだなぁ…私はただ悩んでただけだ。  
自分の進路も、西野の事も。袴田は本当に頼りになる。救命にいた短い間も  
彼の言葉やポジティブシンギングにだいぶ影響を受けていたのも事実だ。  
―やっぱ、袴田先生人気あるのわかるなぁ。  
ナースステーションで袴田先生の話題で盛り上がっていた看護師たちを思い出し笑っていると  
「明日俺も暇だけど?」  
背後からいきなり声をかけられ小さくびくっと驚き振り向く。  
 
寝起きの少し腫れたまぶた、寝癖のついた頭で西野が仮眠室のドアに寄りかかりネクタイを締めている  
聞かれてた・・・・?香奈は少し強気に出よう、とそのままボールペンを走らせ始める  
「あっそ。立ち聞きなんて悪趣味よ」  
「わかってる?袴田先生は桜井狙いなんだよ。わかってるから明日会うんだろうけど」  
もう心臓がバクバク言っている。そんな香奈の顔を余裕の表情で西野が覗き込む。  
寝起きのせいか目が少し赤い…ネクタイの結び方がだらしない…香奈は彼のことを観察し  
視線をそらして冷淡な口調で答える。  
「だったら何よ。私はただ研修終わってどこの科にいくか相談にのってもらいたいだけだもん」  
西野はほぅ、と小さく驚き  
「悩んでたんだ?先のこと。俺にちょっと話してみようとか思わなかった訳?同期としか思ってないから  
 そういう相談事は頼りにならないってことか?」  
やっぱりさっきの電話の話を聞いてたんだ・・・香奈は平静を装い西野の顔を見つめる  
「そうじゃなくって・・・わからないのよ・・西野くんの事が。いきなりキスしてきたり」  
そこで医局の廊下がザワついているのが聞こえ、会話が止まる。どうやらオペから先輩医師たちが  
戻ってきたようだ。香奈はこの際はっきりしよう、と立ち上がり西野の腕を掴み  
「ちょっときて」と仮眠室へと彼を引っ張り入った。  
 
「頼りにならないとかじゃない、西野くんは同期なのに仕事もできるしすごいって思ってる」  
声をひそめて香奈は言いながらドアにもたれかかる。ドアの外――医局からは先輩数人の会話する声  
さっきまで自分が仮眠をとっていたベッドに座りおおきくあくびをして同じように声を潜め西野が言う  
「いろいろ相談できる、頼りたいのは袴田先生って事だろ?」  
今日の西野はいつもと違う、何か少し感情的になっているように見える。治療方針などで  
目上の医師に平気で意見をする時のように、少し感情的で強気な態度だった  
「肉体関係があろうがキスしようが、所詮俺はそれだけの間で大事な相談はできない相手、だな」  
少し伸び始めたヒゲが気になるらしく西野はアゴをさわりながら言う。香奈はカチンときて  
彼の正面に立ち、ひそめたままの声で強く返す  
「それは私のセリフよ!この前だって・・・キスでごまかされて・・・もうわからないわよ」  
「ごまかす?あれが答えでありすべてだろ。」  
ゆるゆると曖昧な答えしかしない西野に香奈は苛立ち、彼の唇へと突然キスしてみせる。  
「・・・あんなことしてたら・・・特別な感情を持つに決まってるじゃない・・・・」  
ふっと鼻で笑う西野。悔しいが香奈は続ける  
「そりゃ袴田先生はかっこいいし頼りになるけど・・・今は西野くんのことばかり気になっちゃってて  
・・」  
「でも、メンタル面での大事なポジションは俺じゃないって事だろ?同期としか思ってないしなぁ」  
これほどしつこく言われると思わなかった、香奈は思わず少し声のボリュームが上がる  
「だからっ、西野くんのことが好きだって言ってるのよ!しつこいわね」  
負け、という感じの発言をして香奈は彼の顔見ることができず横を向く。西野は声のボリュームがでかい、と  
香奈の口を手で軽く塞ぎ、にやりと笑う。  
「だったら口でシテ。」  
 
仮眠室は「使用中」というプレートになっているとはいえ  
鍵がついていない。外からは2,3人くらいの会話する声、時折聞こえる電話の音。  
香奈は床に膝をつきベッドに座る彼のものを奥までくわえ込み、ゆっくりと頭を上下に動かす  
根元まではくわえられない・・・さっきも少しおえっとえづいてしまった。  
自分の唇より熱いものを丁寧に、吸うように舐めあげる――そして先のほうだけを包み込み  
舌で味わうようにねっとりと舐めまわす・・・と、頭を優しく撫でられた  
目を見上げ彼の顔を見ると「いい子だ」と西野が言って香奈の頭を撫でている。  
時折、彼の体が反応するのが面白く思えてきてしまっている・・・それを勘付いたように  
西野は後ろに倒れこみ顔が見えないようにする。再び香奈は上下に動かしできるだけ深く根元までいって  
ゆっくりと先のほうまでやさしく唇で包み込んで舐めあげる。  
「すっげぇ気持ちいい・・・」  
西野が呟く。香奈はぼんやりと思っていた。  
――飄々として、覇気を感じさせないが治療方針などで先輩とぶつかる事も多いと思えば  
縫合など細かい作業は上手く、繊細な作業は得意。無愛想ではあるが患者さんへの対応なども細かい。  
袴田に対し嫉妬して上手くそれを言えないかと思えば鍵のかかっていない仮眠室でフェラチオさせる。  
・・・私が、西野くんをちゃんと知ってあげてないのかな・・・・  
「やべ・・・いきそ・・」  
西野が香奈の頭を軽く叩き制止する。香奈は口をはずし溜まった唾液を飲み込む。  
ドアの外からは笑い声が聞こえた。先輩医師たちの談笑  
西野は体を起こし香奈をベッドに寝かせる。そして香奈のケーシーのズボンと下着をを膝まで下ろし  
片足だけ抜かせていきなり香奈の入り口へと宛がう。  
「見られたら見られたってことで」  
そういうとゆっくりと香奈のへ挿入してきた。愛撫もないが香奈は十分受け入れるだけの準備ができていた  
「あ・・・」  
ガクガクと腰が震え、香奈の体は進入してきたものを受け入れた  
 
二人は声を殺し続ける。香奈は必死で自分の腕を口元にあて声が漏れないようにしていた。  
激しく子宮に届く程奥まで突かれ、グチュグチュと音だけがしている  
その音すら、外に聞こえてしまうんじゃないか―そう思うとさらに掻き立てられている。  
西野の息遣いが聞こえ、香奈の腰を掴む手にも力が入ってきた  
「桜井・・・っ」  
表情を快楽で歪め、西野が言う。グチュグチュという音と同時に腰を叩きつける音――  
物理的にはもうこれ以上奥までの挿入は不可能だが、気持ちはもっともっと奥までと求める。  
「んっ・・・ん・・・」  
香奈が少し、声を漏らし始める。  
「いくっ・・・桜井でいく・・・あ・・」  
西野は一番奥で止まって、そこで思い切り上り詰め放出する・・・香奈は自分の「中」で  
びくびくと脈打つ感覚がわかり、それすらも快感をもたらし思わず体が跳ねるように反応する。  
はぁはぁと息を切らせ、西野が引き抜く。香奈が上半身をあげると腹筋に力が入り  
自然に膣からだらっと何かが漏れる感覚―西野が出したものがたらり、と垂れていく・・・  
ティッシュで処理をし、服装を整える西野に「マーキング?」香奈が問いかける  
声は出せず、肩をゆらし笑い西野は頷き「俺は犬かよ」と言い返してきた。  
ボックスティッシュを香奈に手渡すと西野は香奈に唇を重ねる―と、舌ではなく  
生暖かい唾液が香奈の口の中へと流し込まれる・・・それを飲み込み、西野の舌を捕まえようとしたが  
逃げられる。唇が離れ、西野が満足そうに香奈の頭を撫で、次の瞬間に香奈の首筋へとかぶりつく。  
痛い――強く吸われた?西野が離れるとかぶりつかれた場所を香奈があわてて押さえる  
「あーあ、桜井そんなとこにキスマークつけちゃって。中出しされるわ唾のまされるわ大変だな」  
えっ、と小さく声をあげ壁にかかる鏡を慌ててみる・・・と確かに首筋に赤い刻印。  
「ちょっとっ、明日私、外来当番なんだけど」  
服では隠せない場所に堂々と刻印がされ、西野は満足そうに笑い、服装を整え終わる。  
そしてドアを開け医局へと出て行ってしまった。外からは西野の「おつかれーっす」という挨拶が聞こえた  
・・・・彼の行為は彼なりの意思表示なのか・・・香奈は服装を整えながら思った。  
 
 

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