「あっ・・・あうん・・・うんッ」
この悩ましげな声を、佐藤勝弘は二段ベッドの下で聞いている。上には、妹の静香が寝
ているはずなのだが、先ほどからこの喘ぎ声と共にベッドまでもが揺れており、勝弘は寝
てもいられない状態であった。
「静香、何をしているんだい?」
「やだ、起きてたの?お兄ちゃん」
勝弘が問うと、静香は上からはしごを伝って下りてきた。驚くことに、下半身は裸である。
「ここをいじってたの」
静香は剥き出しの恥丘を指差してそう言った。彼女は中学一年生だったが、世間知らずが
過ぎているところがある。心が少し、天然がかっているのだ。
「いじっちゃだめだよ。パンツを穿くんだ」
「えー・・・でも、これをしないと、スッキリ寝れないよ」
「あんまりここをいじると、バカになっちゃうぞ。お兄ちゃんの言う事が聞けないのか?」
「・・・はーい。やめまぁす」
兄に戒められ、静香はぷうと頬を膨らませてすねた顔を見せる。しかし、逆らおうとはせずに、
いそいそとパンティを穿き始めた。
(困ったもんだ)
勝弘はため息をつく。実をいうと、静香は一時期野生のライオンと暮らした事があり、そのせい
で羞恥心というものがあまりない。事の発端は、某ムツゴロウ萌えだった父親が、静香を連れ
てアフリカへ移住してしまったせいだった。父娘の消息を掴んだ母親と勝弘はすぐに現地へ飛
び、父親を倒して妹を帰国させたのだが、その時彼女はすっかりと野生化していたのである。
それが、一年前のこと。
「お兄ちゃん、いじるのやめるから・・・・一緒に寝ていい?」
「いいよ、おいで」
「やったあ」
パンティを穿き終わった静香が勝弘の傍らに寄り添うと、狭いベッドはもう満員である。だがこの
兄は妹を拒もうとはしない。哀れにも野生化してしまった妹が、不憫でならないからだった。
「お兄ちゃん、あったかいね。あたし、良く眠れそう」
「そうか。じゃあ、早くおやすみ。明日も学校があるからな」
「うん。おやすみなさい」
寄り添う妹の頭を抱き寄せ、囁く兄の心中は複雑である。何故なら静香は中学一年生
にしては体の発育がよろしく、また見目美しいのだ。微妙なお年頃の勝弘にしてみれば、
この熟れかけの女体はなんとも悩ましくて仕方が無い。だが、彼女は妹である。決して
よこしまな気持ちで接してはいけない存在なのだ。
「ねえ、お兄ちゃん」
「なんだい、眠れないのか?」
「うん・・・」
兄の思いをよそに、静香は中々寝付かずに足をもじもじと交差させていた。先ほど彼女が
言ったように、下半身をいじらないとスッキリ寝られないらしく、自然に指がパンティ越しの
女陰をまさぐっている。
「こら。いじっちゃだめっていっただろう」
「これ、オナニーっていうんだってね」
「どこでそんな事を聞いてきたんだ?」
「クラスのお友達から」
どきっ、と勝弘の心音がひときわ大きくなった。何故、中学一年生のクラスでそんな話が?
嫌な予感が兄を包む。
「仲がいい男の子たちから、教わったの」
ふふっと頬を緩ませる静香。笑顔がとても愛らしい。
「詳しく話してごらん」
勝弘の頭が怒りで沸騰しかけていた。事と次第によっては、その男の子たちとやらには、あ
の世へ行ってもらうつもりで、兄は話を聞く。
「あのねえ・・・河合君と山岡君とぉ・・・小野君がね、あたしのパンツ脱がして、ここを
いじると気持ちいいんだよって教えてくれたの」
静香は無邪気に言いながら、パンティを膝まで下ろす。ちなみに勝弘のこめかみから
は、血しぶきが飛んだ。相当、頭にきているようだ。
「この辺のねえ・・・クリトリスっていうのかな・・・プクッと膨らんだお豆さんを摘まれると、
スゴク気持ちいいの。ねえ、お兄ちゃん摘んでくれない?」
静香は自ら兄の手を取り、女陰へいざなった。勝弘は脳内で、河合君と山岡君と小野
君には、近日中に黄泉行きの高速バスに乗ってもらおうと決める。
「あとね、おっぱい揉まれるのも、あたし大好き。これはね、校長先生に教えてもらった
の。ねえ、お兄ちゃんおっぱいも触って」
「・・・その話、もうちょっと詳しく」
妹の乳房を揉みしだきながら、勝弘は問う。彼の脳裏ではすでに、マーダーリストが
出来つつあった。
「校長先生がね、ちょっとおいでっていうから、校長室についていったの。そこであたし、
制服を脱げって言われてね。おっぱい揉んでもらったの・・・あん、お兄ちゃん、気持ち
いいよ・・・」
妹の胸を揉んだ男は、かつて自身も通った中学の長で面識もある。勝弘は男を残酷な
方法で殺害してやろうと誓いながら、己も静香の柔らかな胸の感触を楽しんだ。
「それ以外に、なにかされなかったか?」
「おちんちん舐めろっていわれた。あっ、これ内緒にしといてくれって言われてたんだ。
お兄ちゃん、今聞いたこと忘れてネ」
そんなにカワイク言っても、忘れませんよ──勝弘は静香の上着を剥ぎ、生の乳房へ
唇をつけた。校長への殺意は、すでに固められている。
「それ以外にはぁ・・・そうだ、体育の矢島先生が、おちんちんをあたしのここに入れた
の。お兄ちゃん、聞いてる?」
矢島──勝弘はその名に覚えがあった。確か、自分が在学中にも女子生徒へセクハラ
をして訴えかけられた、さえない中年男だ──勝弘のマーダーリストには、次々と名前
が追加されていく。
「・・・おちんちん入れられたのは、矢島先生だけか?」
「ううん。河合君も山岡君も小野君も・・・校長先生も入れたよ。お尻の穴に入れたのは、
三年生の川島さん。格好良くて、女子にも人気があるんだ。あとねぇ・・・島野君と社会の
石田先生も、お尻の穴におちんちん入れるんだよ、変だよね」
ぴくぴくと眉をつりあがらせる勝弘。彼のマーダーリストは、ほぼ満杯になった。
「お兄ちゃんも入れていいかい?静香」
妹を汚したやつらは後日血祭りに上げるとして、今はギンギンに強張った己の男根を静
めねばならないと、勝弘はついに交わりを願う。そして静香は──
「いいよ。お兄ちゃんのだったら、いつでも何度でも入れていいよ」
足を大きく開き、自らの指で女穴を掻き広げ、兄の欲望を受け入れると答えたのである。
「母さんが下の部屋にいるから、大きな声出しちゃ駄目だぞ」
「うん」
勝弘は妹の体の上に覆いかぶさり、いきり勃った男根をすぐさま挿入した。うッ、と一瞬
呻いたが、静香は声を荒げることなく、兄の分身を胎内に埋めていく。
(ずいぶんすんなり入ったな。そんなに経験があるんだろうか)
ずずっと根元まで男根を差し込んでも、静香の女肉は少しも抗いを見せなかった。勝弘
は妹が学校でどんな扱いを受けているのかが心配になる。
「ああ・・・今までいろんなおちんちん入れたけど、お兄ちゃんのが一番気持ちいい・・・
もっと入れて・・・」
「静香!」
愛いやつめ!と、勝弘はズンズンと男根を突き込んだ。二段ベッドはぎしぎしと軋み、
今にも崩れそうになっている。
「お兄ちゃん・・・あの、中でピュッて出るやつ・・・お願い・・・みんなが中出しっていうやつ
・・・ああん、お兄ちゃん大好き!」
「まかせろ!」
男根を思いっきり波打たせた後、妹のお望みどおりにとばかりに子種を放出する勝弘。
はっきり言って、他の男たちのことをとやかくいえた義理ではない感じ。
「あっ、出てる!出てるよ、お兄ちゃん!ピュッ、ピュッって・・・ああ、あたし、これ大好き
・・・スゴク気持ちいの、あったかくて・・・」
妹の体を折れんばかりに抱きしめながら、勝弘は射精した。何度も何度も男根を波打た
せながら──
「静香」
勝弘は愛しさのあまり、妹の唇を貪った。可愛い俺の妹よ、と幾度も幾度も──
これより数日後、静香が通う中学校で校長以下、教職員と生徒数名の遺体が、まるで熊
にでも襲われたような、凄惨極まる殺され方で発見された。しかし、犯人の行方は杳として
つかめず、事件は迷宮化しそうだといわれている。
おしまい