淫獄超能力帳「紅糸」:『開幕』
ビルの建設予定地、そこに一人の男が立っていた。
男は超能力者……『約束を守り守らせる』能力を持つ能力者で、
裏社会ではその能力で圧倒的信頼と巨大組織のNo2の立場を持っていた。
キキキィーーーッ!!すさまじい音と共に大型の車が建設予定地に入ってくる。
「来たか」
男はそう言うと、車から降りてきた人物達を見渡す。
彼等は全員超能力者……しかも『男』の私兵であり、さまざまな実戦を潜り抜けた猛者である。
「『特選隊』集合しました」
全員暗闇で見えないが、男にはそんなことは構わず命令する。
「資料はすでに読んだと思うが…もう一度説明しておこう」
バサバサバサと風が舞う。
「今回の任務は『紅糸(くれないいと)』の消滅だ」
窃盗団『紅糸』は全員が女性で構成されていると言われている盗賊団だ。
組織の調査で大半が超能力者ということを知っている。
「彼女達に対して私は何回かの連絡を行った」
条件は悪くない……『私の命令に従えば、組織に行った行為を水に流した上で仕事と金を与える』。
「だが、彼女達はその申し出を断った上に、私の命を狙ってきた」
そう言って、男はゆっくりと『特選隊』の顔を見渡す。
「私が諸君等に与える枷は3つ。
一つ、超能力の存在を世間にばらすな
一つ、与えられた任務に集中せよ
一つ、組織に被害を与えるな、以上だ」
そう言って、男は『特選隊』の顔を見渡す。
「今回の任務では、相手を殺す必要は無い。
もし、こちらに入りたいと相手が言えばそうしよう。」
これは慈愛の心からの台詞ではない。こうすることで、強い超能力者を集めるためだ。そして……
「だったら、入りたいと言うまで色々やっていい?縄で縛り上げて、蝋燭垂らして、鞭で叩いて……」
一人がエキセントリックにそう質問する。こういう奴の気を晴らすためでもある。
「それで入ってくれると言うのなら構わん。またそうした入ってくれると言う奴が出てくるならしても良いだろう。」
「ああ!やっぱり殺さなくて良いって最高!!殺しちゃったら長く楽しめないもんねえ〜〜!!
最高なのは『殺して』って言うまで苛め抜いて、まるまる1日かけて殺すのが……」
「………今回伝える事項はここまでだ」
エキセントリックを無視して男は話を続ける。
「では、仕事を頼んだぞ」
男はそう言うと、前後に護衛(弱めの超能力者達)のついた車に乗り込み、去っていった。
「で、隊長どうしますか??」
「まずは『紅糸』の次の目標を探れ、そしてメンバーを捕まえたら……くっくっくっ……」
今、淫獄の宴が始まろうとしていた。
少女が、闇の中を駆ける。
今は使われていない廃墟同然のビルに、足音が響きわたる。
「───っ!」
彼女は追われていた。まだあどけなさの残る顔を歪ませて、必死に走る。
「逃げてどうする」
追っているのは男だ。獲物を狩る肉食獣のように、無駄のない動きで走る。
「心配ない。交渉するだけだ」
「あなた達を信じられるわけない!」
「出来れば無駄な体力は使いたくない」
「追ってこなきゃいいでしょ!?」
少女が悲鳴じみた声を上げる。
男にとって追いつくことは簡単だった。が、敢えて追いつかない理由があった。
それはつまり少女を勧誘するためになるべく危害を与えたくないということだ。
逃げる少女の名は、楓といった。
楓は『紅糸』の能力者だ。彼女の能力は効果を発揮さえすればまず負けることは無かった。
ただ、確実に効果を発揮するには条件が必要なことが弱点といえた。
追う男の名は、猛といった。
猛は異能者揃いの『特選隊』の中でも特殊だといえる。
彼は常に能力が発動している状態で、意識しなければ能力を止められなかった。
一方的に追われているかにみえる楓だが、これはあくまで芝居だった。
彼女は追われるふりをして自分の能力を最大限に発揮できる場所へと誘導していたのだ。
逃げる楓の狙い通りに猛は付いてきた。
楓が近くにあった部屋に滑り込むようにして入る。それに猛が続く。
楓が逃げ込んだのはコンクリートで塗り固められただけの無機質な部屋。
「ようやく諦めたか」
猛が大きくはないがよく通る声で話しかける。
「諦めるのはあなた。ただ、生きることをだけど」
息を弾ませながら楓が応える。
「いきなり死の宣告か。大した自信だな。それが過信だとは気付いていないようだが」
「あなた程度ならどうにかなる」
「逃げ回っていた人間の台詞とは思えんな。……まぁいい。こちらの用件は簡単だ。俺達の組織に入れ」
「お断り」
「悪い話ではないと思うが。むしろお前等『紅糸』がやったことから考えれば破格の待遇と言ってもいい」
「関係ない。こっちから言わせて貰えばあなた達の逆ギレよ」
「………」
「あなたには悪いけど死んでもらうわ。敵は一人でも少ない方がいいから」
「交渉決裂……か。残念だ」
「確かにあなたにとっては残念かもね。もうあなたに勝機はないわ。既に私の能力は発動している」
無臭だった部屋に、いつの間にか甘い香りが充満していた。
「………」
猛は立ったまま動かない。
「私の能力は『香気』。フェロモンを強力にしたものよ。狭い、密閉された空間じゃないと100%の効果は期待出来ないけど」
そう言って、ナイフを取り出す。
「生物ならほとんど支配できるの。人間だって例外じゃない」
一歩ずつ近付く。
「まぁもう聞こえてないだろうけど。さよなら」
そして無造作に急所を狙ってナイフを突き出す。それで終わりの筈だった。
が、ナイフは空を切った。棒立ちになっていた猛の姿はない。
「嘘!動ける筈ないのに……!」
慌てて辺りを見回すがどこにも居ない。
「!?」
不意に楓はうしろから羽交い締めにされた。腕が完全に極まっていて動けない。
「過信だ……と言った筈だ」
「なんで……動けるの?私の能力は完璧だったのに」
「俺の能力は『身体能力強化』。俺にとってはお前の『香気』も匂いのキツい香水と大差無い」
「くっ」
甘い香りが一層濃くなる。
「無駄だ。お前の能力は俺には通じない。ナイフも常人じゃ躱せなかっただろうが……俺は発砲を確認してからでも避けられる」
そう耳元で囁く。
「離せっ!」
「そうはいかない。強力な能力者はできるだけ懐柔したい」
淡々と続ける。
「だから薬を使う事にする。組織の能力者特製の薬を……な」
「くす……り?」
「快楽だけを増幅する薬だ。避妊効果もあるらしいから安心しろ」
拘束したまま器用に体をひねり小型の注射器を取り出す。
「……なんでこんなこと」
楓は混乱していた。自分の計画通りにいく筈だった。それなのになぜ自分が拘束されている?
「俺は殺意を向けてくる相手に情けをかけるほど人間ができていないんでな」
静脈の位置を確認し、薬剤をうちこむ。
「即効性だ、数分もしない内に効果を発揮する」
「私は……屈しない」
「期待しよう」
「……何言ってるの?頭大丈夫?」
「お前が粘れば粘った分だけ俺は楽しめる」
「……そういう問題じゃないでしょ」
「かもな」
呟いて、猛は楓の拘束を解いた。急に手を離しためか楓は転びそうになる。
「……なんで離すの?」
「お前の脚力では俺から逃げられない。拘束する必要がない」
楓は諦めたらしくその場に座り込み、細く溜息を吐いた。
それを見た猛が鷹揚に尋ねる。
「名前は?」
「なんであなたに教えなきゃいけないのよ」
「性交渉する時の最低限の礼儀だと思うが」
「それは和姦の時でしょ。これから強姦しようって人間が何言ってるのよ」
「気持ちの問題だ」
「第一、人に名前を聞くときは自分から名乗るのが礼儀。性交渉の礼儀じゃなくて一般的な礼儀を学んだら?」
楓が会話する内に平静さを取り戻したのか軽口をたたく。
「お前の組織に名前を利用する能力者が居ないとも限らないからな。リスクは減らしたい」
「そんなリスク私だって減らしたいわよ」
「まぁ無理には聞かんよ。さっきも言ったとおり気持ちの問題でしかない」
猛はそう言って懐から煙草を取り出してくわえる。
「吸うか?」
「いらない。っていうか吸っていいか聞くべきでしょ」
「吸っていいか?」
「駄目」
「聞いただけだ」
ニヤリと笑い、火をつける。
「ガキみたいなことするわね」
「確かにガキみたいだな」
苦笑しつつ同意はするが火は消さない。
「吸い終わる頃には薬も効果を発揮してる筈だ」
猛はわざとらしくゆっくりと紫煙を吐く。
「私は『香気』の能力者よ?匂いには敏感なんだから少しは気遣ってよ」
「消臭はできないのか?」
「できない。より強い匂いで誤魔化すことはできるけど」
「まぁそんなものだろうな」
「んっ………」
楓が体をよじり、困惑した表情を見せる。
「頃合のようだな」
煙草の火を入念に踏み消す。
「お楽しみの時間だ」
To be continued……
猛が楓に向かって一歩踏み出す。楓があとずさるが、座っていたためにあまり意味はない。
「来ないで!」
甘い香りが再び部屋に充満した。が、猛は意に介さない。
「薬が効いてるんだ、初めてだとしても快楽が痛みに勝る」
猛が抵抗は無意味だと言うかのように肩を掴む。
「自分から脱ぐか、それとも脱がされるか。どちらがいい」
「どっちもお断り」
「分かった。なら破くことにしよう」
猛が軽く力を込めると服がまるで紙切れのように引き裂かれる。
「ちょっ……やめてよ!」
「強姦されるという認識はあったんだろう?何を今更」
ろくな抵抗もできずに楓は下着姿にされる。清潔感のある白い下着だ。すらりと伸びた肢体を守る物はほとんど無くなった。
「貧相だとは言わんが……豊満だとはお世辞にも言えないな」
「───っ!見るなぁ!」
楓が守るようにして手だけで体を隠す。
「別に悪くはない。俺は巨乳好きというわけじゃない。勿論大きいに越したことはないが」
「そういう意味じゃない!」
「今俺に取って重要なのはそういう意味だ」
そう言って猛は楓の後ろに回り、無理やり立たせる。
「前戯はあまり必要ないとは思うが……一応な」
猛が囁きかけながら下着越しの秘所に手をやる。
「まだ濡れてはいないようだな」
「や、やめて……」
楓の拒絶を無視して猛は下着の中に手を入れた。
猛が撫でるようにして秘所をいじる。
「くっ」
楓の頬が紅潮する。勿論、楓も年頃の娘だ。自慰をしたことがないわけではなかった。
だが秘所を他人に、ましてや男性に触られたことなどなかった。意識せずにはいられない。
ただでさえ薬で敏感になっていたところだ。猛の愛撫で今までにない感覚が楓を襲った。
「ふあ……」
反応を楽しむかのように猛が秘所に一本だけ指を入れる。
「悪くはないだろう?」
「気持ち悪いわよ……んっ」
「そうか。まぁ直に良くなるさ」
楓の強がりを気にした様子もなく猛が指を一本増やす。
「く……はっ」
「どうやら気持ち悪くはないようだな」
猛がニヤリと笑う。
「うる……さい」
否定するがその声は弱い。実際のところ、楓の思考は白く染まりつつあった。
しかし手を引いた猛の言葉が楓の思考を正常に戻す。
「『私は屈しない』んだろう?それならそれなりの姿勢を見せろ」
「──っ!こ……のぉっ!」
またも甘い香りが部屋に満ちる。
「学習能力がないのか?何度やっても無駄だ。俺にはお前の能力は通じない」
嘆息して言う猛を横目で睨み付ける楓。
「……そんなこと分かってるわよ!」
楓が肘打ちのおまけ付きで無理やりに振り向く。
「その意気だ」
満足げな顔で猛が言う。肘打ちは片手で受け止められていた。
楓が振り向いたために二人は密着した状態で真正面から向き合う形になる。
それに気付いた楓はなんとなく気恥ずかしくなった。不自然ではないように目線を逸らす。
猛はそれに気付いていたが追及はしない。
「少しは元気があった方が犯し甲斐がある。抵抗してみることだ」
猛がサディスティックな笑みを浮かべる。
「まるで変態ね」
「支配欲の表れだと言って欲しい」
そう言って猛が楓を抱き締める。力の加減を間違えたのか楓の身体が軋む。
「痛っ」
「あぁ、悪いな。少し強かったか」
「どうせワザとでしょ?」
「壊れられたら困るからな。そんな真似はしない」
言いながら楓のブラを外す。楓の乳房が外気にさらされた。
猛が楓の首筋に軽くキスをした。滑らかさが唇に伝わる。
「いい感じだ」
「くっ」
楓は耐えるように唇を噛んでいる。その様子を楽しむかのように猛は笑う。
猛が片手で楓の細い腰を抱きながら胸を揉みしだく。
楓は必死に押し放そうともがいた。だが、力が入らない。膝は笑って、ともするとへたりこんでしまいそうだった。
確かに猛の言葉で楓の思考は正常に戻った。白く染まりかけていたことが嘘のように。
ただ、体はそうはいかなかった。快感が体を支配している。
楓の頬は桃色に染まり、内股は透明な液体で濡れていた。
「どうやら準備はいいみたいだな」
「う……あ……」
猛は欲望を解き放とうした。が、そこであることに気付いた。
「あぁ、靴を履いたままだったか。脱ぐといい」
「え……?」
確かに楓はパンツに靴だけという、或る意味フェティッシュな格好をしていた。
「何を急に」
「早くしろ」
そう言ながら楓を放して、猛が床に目をやる。楓が視線を追う。
その先には楓の落としたナイフがあった。
「随分と……余裕ね……?」
「この状態で余裕がない人間がいたらただの臆病者だと思うが」
「そうかもね」
楓がふらふらとしながらナイフを拾う。
「さぁ、どうする?」
猛が問う。
楓は答える代わりに無言で睨み付け、思考を巡らせる。
(逃げてみる?無駄。逃げ切れない。第一この格好じゃどこにも行けない)
(特攻をかける?無理。踏ん張りが効かない。そもそもまともにやっても勝てると思えない)
(能力を使う?無意味。通用しない。何度やっても結果は同じ)
一向に自分に有利な想像ができない。楓は深く溜め息を吐いた。
「でも……やるしかない……か」
苦々しい顔をして、楓が呟く。
「上手くいってよ……」
念じるように続けて、ナイフを不意に投げる。ナイフは真っ直ぐに猛の顔面を狙っていた。
しかし、高速で投じられたナイフは、直前で猛の人差し指と中指の間に挟まれた。
「この程度か」
「そうくることは……予測済みっ!」
走りこんだ楓が、ナイフの柄尻に掌を叩き込む。手首に衝撃が走る。
だが、楓が期待どおりにはいかなかった。
猛の指に挟まれたナイフは微動だにしていない。
「残念だったな。狙いは悪くなかった」
猛が軽く笑って言う。
「さて、遊びは終わりだ。今俺が求めるのは抵抗ではなく……」
ナイフの刃を握り潰し、投げ捨てる。悪魔のような笑みを浮かべた猛が続ける。
「服従だ」
恐怖と不安が楓を襲う。絶望感で思考が止まる。
それでも身体は熱いままだった。時間と共に醒める筈の快楽は、濃くなるばかりだ。
「さて、いただこうか」
欲望そのものが解き放たれる。猛のそれは、常人のモノより大きかった。
とは言っても男性経験のない楓には分かる筈もなかったが。
猛の逸物が楓にあてがわれた。
「や……いやだ……」
「我慢しろ」
みちりという音ともに半分近くまでか挿入される。
「キツいな……処女か」
「う……あああぁっ!」
悲鳴が上がる。
「まだ半分だ。大変なのはこれからだぞ?」
「い……たいっ……」
「ではもう半分だ」
ためらい無く残りの半分が一気に突き入れられる。
「いやっ!こんなの……やだ……」
処女喪失の痛みと、薬の快楽が楓を襲った。
「あああぁあああっ!」
「初めてがレイプとはついてないな」
苦笑とともに猛が言うが、楓には聞こえていない。
「くぅっ……」
楓が猛の肉棒から逃れようと身体をひねる。ほっそりとした身体に無理をさせている姿は痛ましいとも言えた。
「無理をするな、と言える立場にはないがな。無駄だし、痛い思いをするだけだ」
淡々と猛が告げる。忠告はしても腰をゆるゆると動かすことはやめない。
「あぅっ」
嬌声とも、悲鳴とも取れる声がもれる。
ゆっくりと猛が腰をストロークした。単調なリズムが刻まれる。
乾いた音がコンクリートの壁に反響する。楓の息使いが荒くなっていく。
「どうでもいい話をしようか」
落ち着いた声で猛が話しかける。
「物好きな知人に聞いたんだが」
「んっ」
「初めてで痛みを感じるのは普段使い慣れていないからだそうだ」
「だから……何?」
「慣れれば痛みは感じなくなる」
「本当に……どうでも……いい話……ね」
楓がうまく呼吸できずに途切れ途切れで答える。
「まぁ今は薬を使っているからあまり関係ないが」
「普通に……痛い……わよ」
「快楽を増幅する薬であって、痛みを抑制する薬じゃないからな」
猛の動きがわずかに速くなる。
「だが使わないよりは良い筈だ」
楓の体は痛みを訴えていた。が、猛の言葉通りにそれ以上の快楽がある。
「そういう意味では幸運だったかもな。痛みをあまり気にせずにいられるのは」
「あっ……うぁっ……」
猛が腰を突き入れる角度を変える。
「些細な幸運だが、な」
猛が小さく楓の耳元に囁く。
───
分かりやすくなるように善処致します。
多分後ちょっとで終れるかと思われます。
ではノシ
一旦猛が動きを止めた。楓が怪訝な顔をする。
「痛みと快楽を同時に与えていると言うことは、だ」
「……?」
「マゾ調教に打って付けだな」
「え……?」
かなり速いペースで猛が腰を動かす。恐怖と快感の二重奏に楓が身を震わせる。
「冗談だ。俺にそういう趣味はない」
言いながら猛が背中に指を這わせて、再び腰を動かし始めた。
「笑えない……冗談ね……」
屈辱と敗北感。苦痛と怒り。そしてそれ以上の快楽。
様々なものと楓は戦っていた。
「ふぅっ……」
「だいぶ感じているようだな」
「うるさ……あぅっ!」
楓がこらえきれずに声を漏らす。
「今は快楽に身をまかせた方が楽だぞ。しばらくは俺の玩具同然だしな」
猛が背中に続いて尻の穴に親指をあてる。
「そ……そこは……」
軽く指が肛門に入れられた。
「ひっ!」
「締まりが良くなったな。悪くない」
楓の秘所から熱い蜜があふれる。
「いやあぁっ!」
「抵抗もできない、か」
「う……」
「後ろを使ってもいいが。さすがにそれは酷か」
猛がそう呟く。
「さて、そろそろイってもらうか。これ以上時間をかけたくもないしな」
「どういう……こと?」
楓の疑問を無視して猛が今まで以上に速く、強く突き入れる。
「やだ……いやだ……おかしく……なるっ」
楓の意識が真っ白に染めあげられていく。
「あああぁあぁっ!」
楓が背筋をそらせる。残ったのは荒い呼吸。
だが猛は腰を動かすのを止めようとしない。
「俺はまだイっていない」
ニヤリと笑う。
「ちなみに俺の種は百発百中だ。中に出せば確実に孕む」
「い……いやぁ……」
「薬の避妊効果には期待しない方がいい。あくまで並の人間ならだからな」
「そんな……ひゃうっ!」
楓が快感が入り混じった声をあげる。
「身体能力の強化は生殖能力にも影響する。そういうことだ」
「駄目……やめて……」
「数日間連続で犯すこともできるが?中出しが嫌ならそっちでもいい」
「あ……うぁあ……」
「取引といこうか。俺達の組織に入るなら中出しはしない」
「やあっ!」
「断ればどうなるか……分かるな?」
「うぅ……」
「さぁ、どうする?」
「わ……かった。あなた達の組織に……んっ!」
「組織に……なんだ?」
「動か……ないで」
「早く言え。もう出るぞ」
「組織に……入る……」
「そうか」
そう言って猛が肉棒を引き抜く。と同時に白濁色の液体が楓の股間にうちかけられる。
しばらく猛の射精は続いた。楓がぐったりと座り込む。
「ギリギリだったな」
猛が苦笑する。
「冗談じゃ……ないわよ……」
楓が荒い息をつく。
「さて、早速だが確約が欲しい。まともに喋られるか?」
「無理に……決まってる……でしょ」
「そうか。まぁそれだけ喋られれば十分だ」
「どういう……こと?」
「気にするな」
そう言って猛がポケットから通信機を取り出し、慣れた手付きで回線を繋いだ。
「『紅糸』のメンバーの懐柔に成功。取り敢えず『約束』だけしておきたい」
「?」
楓はわけが分からずその様子を見ているだけだ。
呆けていると通信機から漏れ聞こえてくる声が変わった。
「はい、そうです。お願いします」
何が起きているのか楓には分からない。
「勝手に……話を進めないでよ……」
楓がぼやく。
「……契約だ」
猛が通信機を楓に渡す。
「もしもし……」
「私が君とする『約束』は三つだ」
唐突に、だがはっきりと。カリスマと知性を感じさせる声が放たれた。
「組織を裏切るな、組織に損害を与えるな、超能力の存在を世間に知られるな」
傲然とした口調で呪文のように『ボス』が宣言する。
「以上だ。『約束』できるな?」
「え……?」
「『約束』出来ない場合は抹殺しなければならないのでね。私としては『約束』してもらいたい」
「『約束』……します」
「よろしい。では私も君には被害を与えないと『約束』しよう」
そこで通信が切れた。
「誰?……今の」
通信機を返して、楓が猛に訊く。
「俺達の管理者だ」
「……そう」
「これでお前も俺達の仲間だ」
猛が言いながら錠剤と上着を渡す。
「何?」
「解毒剤だ。正確には毒ではないから表現としては間違いだが」
猛が肩をすくめる。
「上着は……いつまでも裸でいられたんじゃ目の毒だからな」
苦笑して続ける。
「それに服を破いたのは俺だからな。風邪でもひかれたら寝覚めが悪い」
「妙な気遣いしないでよ……」
「ちゃんとした服も用意させる。心配しなくていい」
「急になに?わけが分からない」
「仲間にはそれなりの待遇をしないといけないだろ?」
「そうかもね」
薬を飲んで楓が猛を睨み付ける。
「私はあなたのことを許さない。絶対に」
「許しを乞うつもりなんてないがな」
猛は気にした様子もなく笑った。
「じゃあ一応自己紹介しておこうか。俺は藤丘猛だ」
「………」
「お前の名前は?」
「…………森野……楓」
To be continued?