馬鹿げた罰ゲームで電気あんまなどという阿呆丸出しの行為を受ける羽目になってしまいました。  
「・・・え、いやいや、冗談だから」  
 などと100メートル走でビリになってしまった事実を誤魔化そうとしても、男子三人は聞く耳など持ちません。  
「はぁ? いや、駄目じゃん。ビリになったんだし、罰ゲームだろ」  
「・・・・・・うう」  
 よもや自信ある競技でビリになるとは考えてもなかったので、このような展開は予想だにしていませんでした。  
 しかし負けたのは事実、いくら躓いたという馬鹿丸出しの理由にしろ、ビリになったのは純然たる事実なのです。  
「・・・分かったわよ」  
 まさか中学生になって電気あんまなどという漫画でしか見たことのない行為を受けるとは思いもしませんでしたが、ここまで来て逃げるわけにもいきません。  
 放課後の教室、やや静寂の満ち溢れる世界を聞きながら埃っぽい床に寝転がった私を見て、三人の男子のうち二人は好色とも見える笑みを浮かべました。  
 その三人のうちの一人、気まずそうな顔を見せる彼こそ私の好む人材、手っ取り早く言うと好きな人なのですが、彼は二人に流される弱気なる人物で、今も目のやり場に困りながらも私を見ています。  
 当の私は下着が露出しないよう股の辺りを手で押さえているのですが、私に歩み寄った男子はへらへら笑いながら言いました。  
「おうい、手ぇどけろよ、それだと出来ないだろ」  
 仰るとおりながら殺してやりたいです。  
 よもや私が、このような屈辱的な罰を受けることになろうとは・・・それもこれも、自信があるばかりに安易に受託した自分が悪いのですが都合の悪いことは忘却するに限ります。  
 いやはや、誰のせいで、このような屈辱的な罰を。  
 
 ぷんすかしつつ太腿でスカートの裾を挟んで下着の露出を控えつつ手をどけた私に、男子が被虐的な笑みを見せます。  
 そう、今から電気あんまという馬鹿げた罰ゲームが執行されるのです。  
 男子はおもむろに私の股に上靴を脱いだ足を押し付けると、ぐぐっと股を押し、それから独自のリズムで足を上下させ始めました。  
「・・・・・・・・・っ」  
 そういえば電気あんまなどという馬鹿げた行為を受けるのは初めてなのですが、微妙な振動が頭の奥に響きます。  
 軽やかな振動は私の股を刺激して頭の奥にその旨を伝え、心の奥底に痛みに似た刺激を走らせました。  
「・・・・・・んっ」  
 思わず漏れた声に電気あんまを施行する男子が唾を飲みます。ごっくんです。  
「・・・なんか・・・罰ゲーム、もちっと考えればよかったな」  
 側で私を見下ろす男子が呟くと、微妙なリズムで足を動かす男子は眉を顰めました。  
「・・・・・・そうだな、確かに・・・うん・・・」  
 そう言いながら男子は、本来の電気あんまの目的である痛みを与えるという理由を押し殺し、足の指を折り曲げて股を刺激したり優しい感じで足を上下させたりして、違う目的に突っ走ります。  
「・・・ぅっ・・・ん・・・」  
 その微妙な感じを存分に受けて思わず漏れる声を真っ赤な顔で露呈していると、私の大好きな彼も心持ち耳を赤く染めました。  
「・・・・・・ふっ・・・」  
 
 嫌々に受けている電気あんまで感じている私を見下ろす彼の顔に、私の感情回路が昂ります。  
 男子の押し引きする足の裏は乙女の敏感なる箇所を心持ち刺激します。いくらスカートと下着に遮られているといっても、擦られれば機微に反応してしまうのが女の子です。  
 押されて引かれてずれた下着の縁が私以外に触れたことのない割れ目を擦り、少しばかり硬さを増した突起が下着のレースに擦られます。  
 そうなると大好きな彼を目の前にしていようが反応する私の体は先程より熱を増していて、絶え間なく襲い来る刺激に口の中はカラカラ、喉の奥より訝しげな声が漏れてしまいます。  
「・・・うっ・・・ん・・・はっ・・・ぁ・・・」  
 紅潮する顔を感じながら喘ぐ私を見て興奮したのか、電気あんまを行う男子の足はより強さを増し、上下運動を繰り返します。  
「・・・やっぱ、罰ゲームは考えるべきだったよな・・・」  
 側に立つ男子は制服のズボンの股間の辺りを膨らませて息を呑みました。  
「・・・・・・ああ、そだな」  
 同じく股間の辺りを膨らませている電気あんま実行中の男子も息を呑みます。  
 よもや私、男子の股間を膨らませてしまうぐらい淫靡な反応を見せているのかしら、顔を赤くしますが、もとより真っ赤になっているので感覚の判別がつきません。  
 ああ、もしかして私、とてつもなく淫猥なる顔で喘ぎ声を発しているのかしら・・・そんなことを思うと胸の奥の心臓の側がどきゅんっと痛くなりました。  
「・・・なあ、これ、いつまで続くんだ?」  
 不意に側で見守る男子が息を呑み呑み問い掛けると、電気あんまに余念のない男子が言いました。  
「・・・・・・あー・・・どうする?」  
 その問い掛けに答える者はなく、男子二人はもとより好き好き大好きな彼までも真っ赤な顔で私を見下ろすばかりで、私は些か不安になりました。  
 というのも、微妙な刺激の絶え間ない連続は、確実に私を最高潮へと責め立てていたのです。  
 
 一人エッチの常習犯であり、イクという感覚など慣れ親しんだものである私が言うのですから、間違いはありません。  
 私は迷うところなく絶頂へと押し上げられていて、今にも盛大にイッてしまいそうだったのです。  
「・・・・・・なんか・・・そろそろ、っぽくないか?」  
 電気あんまを行う男子は、涎を垂らしてやば気な私の顔を見て生唾をごっくんしました。  
「あ、ああ・・・そろそろ、っぽいな・・・」  
 傍で見守る男子も生唾を飲み込み、眼下の私の顔をまじまじと見つめました。  
 そして愛しの彼もまた・・・息を呑みつつ額に汗を浮かべつつ、私の狂態をこそこそと見つめました。  
「・・・っく、ぅ、あ、ぁぁ・・・!」  
 私はといえば・・・ああ、大好きな彼に見守られながら、好きでもない少し太り気味の男子に電気あんまを受けて、遂に・・・・・・  
「・・・やっ、は、ぁぁ・・・!」  
 頭の奥の光が瞬く感触、それは慣れ親しんだイクという感覚で、私は頭の中を真っ白にしてしまいました。  
 盛大に息を吐く私を見て、男子二人と彼はごくごくと息を呑みます。  
「・・・な、何だよ、どうなったんだ・・・?」  
 見守るだけだった男子は不可思議そうにして実行していた男子を見つめました。  
「・・・・・・・・・・・・」  
 男子はというと、ほんの少しばかり溢れた私の液によって濡れた靴下の感触を味わいながら、呆然としています。  
 私は深く荒く息を吐いて絶頂の余韻を味わいながら息を吐き、股間を膨らせている彼を見つめます。  
 大好きで大好きな彼の前で、無様にイかされた私を、彼は興奮した面持ちを瞳に覗かせながら見下ろしています。  
 そんな瞳を見るだけで、私のあそこは・・・刺激を受けてじんわりとした痒みにも似た感触を思わせるあそこは、更に濡れて・・・・・・  
「・・・まだ、終わりじゃないよな・・・」  
 そう呟いて再び電気あんまを再開させた男子の足に、私は享楽ながら声を上げるしかありませんでした。  
「・・・やっ、はぁ・・・うぁ・・・あ、あ、あ・・・!」  
 そんな私の姿を、彼はきらめく瞳でいつまでも、見下ろしていたのです。  
 電気あんまで喘ぎ、イカされる私の姿を、彼はただ、見下ろしていたのです。  
 
 終わり。  
 

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