牝鶏晨す、とは言うけれど、バリバリの女が上に付くとすげぇやりにくい。
アメリカ帰りだかなんか知らんが、がんばりすぎだっつーの。
「田中君、この企画書の事だけど、この点はどうなっているの?」
「えー、かくかくしかじかのように展開する事で昨今の消費者のニーズに併せていこうと考えております」
「甘いわ。わかってる?私たちは消費者のニーズに併せるんじゃないの。
潜在的なニーズを先読みして、こちらから仕掛けていかなきゃだめなのよ。
そもそもこの点においても見通しが甘いわ。消費者よりではなくてベンダー側の視点で語っているわね。
そんな事では時代に追いついていけないわ。明日までに作り直しておいてね」
いやね、ご説ごもっともでございますが、もう少し言い方ってもんがあるんじゃないの。
今までは、仕事の合間にインターネット見ていたけど、そうもいきやしねぇ。
「おい、今日飲みにいかねぇか」
「お、いいねぇ。係長もどうっすか」
「私はいいわ。飲みに行くのも結構だけど、田中君、あの資料はできているの?」
「(ぐ)え、ええ。大体は出来ています」
「大体では困るのよ。きちんと完成した物を持ってきなさい」
「わ、わかりました」
まったく、やりにくいったらありゃしねぇ。
企画書はどうにか仕上げたものの、今度は別の仕事を押し付けられちまった。
結局今週中に終わらねぇよ。
あーあ、休日出勤かぁ。
休日のオフィスは案の定誰もいない。
あのヒス女もいねぇや。
スタイルはグンバツだし、黙って笑ってりゃ美人なんだけどなぁ。
ふう。大体めどが付いたな。
昼飯でもいって来るか。
さて、腹も膨れた事だし、仕上げと行きますか。
あれ?誰かいるみたいだな…あの女だ。
休日出勤ご苦労なこった。のんびり仕事出来ていたのに、あの女がいるだけでいらんプレッシャーがかかるな。
…?なんか様子が変だぞ。
オフィスの物影に隠れてこっそり近寄ると…おいおい、係長オナニーしてますよ。
胸元から手を入れて、もう一方の手は股間に突っ込んで、PCみながら。
顔真っ赤にして、声を押し殺しながら。
へぇーっ、結構色っぽいじゃないの。
つーか、これはチャンスだ。
パシャッ
携帯カメラの音が静かなオフィスに響き渡る。
「!だ、誰?!」
「誰じゃ有りませんよ。僕ですよ」
「え、な、何してんの!こっちへ来なさい!」
「来なさいじゃないですよ。係長こそ何してんすかぁ?」
「あ、アナタには関係の無い事よ!」
「へぇー。じゃあ、今の写真を後でじっくり見てみようかなぁー」
「や、やめなさい!今すぐその写真を消しなさい!」
「おいおい、この後に及んでもずいぶんな口調ですねぇ。え?」
携帯をこれ見よがしにぶらぶらさせていると、彼女は突如飛び掛ってきた。
「よこしなさい!」
「お、何しやがる!」
びっくりしたけど、所詮は女。簡単に突き飛ばした。
「こいつを奪ってももうおせぇよ。家のメールに今の写真送付したからな。ところで何を係長様は見ていた
のかなぁ」
すばやくPCの履歴を調べると…おお、無修正ものじゃないの。
「へぇー、才色兼備のアメリカ帰りの係長様がこんなものをご覧になっていたとはねぇ」
「そんなに寂しいなら、慰めてあげますよ。これも部下の義務ですし」
すばやくひん剥くと、おお、でけぇ乳だ、餅肌だ。
「さすがわが社の期待のホープ。体の方もご立派でいらっしゃる」
「こ、こんな事してただで済むとおもってんの?!」
「そりゃ、こっちのセリフだ。え、美人係長が休日のオフィスでオナニーしてましたっつたらどうすんのか
ね、え?」
「くっ…。わかったわ。私を好きにしなさい。その代わり今日の事は他言無用よ」
おーおー、追い詰められているのにかわいくないねぇ。しかも、何だよ、その軽蔑するような目つきは。
「ああ、アメリカでくわえ込んできた男を思い出してんのか」
からかうと、一瞬下卑た言葉に眉根をひそめたものの、冷笑を浮かべてこちらを見据える。
「さあ、どうかしらね」
なめやがって…日本男児の大和魂を見せてやろうじゃないの。
ごそごそと取り出した俺様のブツを見た瞬間、ヒッと声にならない悲鳴を上げた。
「…う、うそ…こ、こんなのって…」
「ばっきゃろい。これが日本男児よ。アメ公のフニャチンには負けやしねぇ」