寒々とした空気が流れ、荒れた岩肌がむき出しになった崖。
ベントラー王国西方に位置するフォカロル山脈。
そこで5人の冒険者がトーテムポールのように、
家一軒ほどの大きさの岩から顔を覗かせて男と女の情事を盗み見てた。
『あなたとわたしが山の中♪』
五人は半年前に知り合い本格的な冒険を開始した初心者である。
つい四日前、拠点にしてる酒場兼宿屋に一人の村娘が現れた。
依頼人かなとこっそり盗み見ていれば、当たりらしく他の冒険者…
それこそ彼らよりも経験がありそうな者に話し掛けていた。
だが幾分か話していると皆苦笑を浮かべ依頼を断った。
そうして店の中で屈強そうな冒険者に断られた村娘、
ジョゼは五人のテーブルに来て依頼内容を語り始めた。
内容は彼女の婚約者を始めとする村の若い男が幾人か
近くの山に時々訪れるハーピーに連れ攫われたというものだった。
相手がハーピーということで少々躊躇した新米冒険者たちであったが
人を助けるだけならうまくいくかなという楽観的な気分で依頼を引き受けた。
だが五人は今この場で依頼を引き受けたことを後悔していた。
えっちらおっちら山脈付近の村に来て村長からくわしい話を聞こうとした所、
驚愕すべき事実を知らされた。
曰く、この村はハーピーと交渉を行っておりハーピーが採って来る珍しい薬草や
獣の肉と引き換えに、女性しか生まれない彼女らに村の有望な若者の精を受け渡している。
ハーピーの相手に選ばれるのは名誉なことであり村のものも成人を迎えたものは知っている。
若者たちにも了承はとってある。
また村の女性とする前に一回経験させ初性交で失敗して、
不和になったあげく村の人口が減少するのを避けているという面もある。
等々。
この時点で帰ろうかなと思わないでもなかった5人だが
とりあえずジョゼの目もあって山に登ることになった。
そうしたら即効でハーピーに見つかり長に会うことになった。
黒い羽をもった彼女曰く、彼女たちの子作りの儀では無防備な当事者を
守るため見届け役が必要で、今回の儀では幾分人手が足りないので手伝って欲しいと。
何が悲しくて他人の情事をと大多数が思ったが報酬もあるし年若い彼らも
男女のあれそれに興味があったので引き受けた。
そして場は冒頭に戻る。
精悍な若者の上で幼げな顔立ちのハーピーが快楽に身を震わせている。
「あっ、アァ――、はっ、はっ、あん、アあぁぁ――」
実際幼いのだろう纏っている羽毛は他のハーピーに比べ柔らかげに揺れ
若者の手が添えられた胸は僅かな膨らみしかない。
「う…んッ……い、いいよ――、ひゃぅ、あっ、アゥ、あ――」
若者の上に跨り腰を動かすハーピーは嬌声を山肌に響かせ官能を貪る。
下の若者もそれに答えるように腰の動きを早め絶頂へと駆け上がろうとする。
「りゃ――ああ、あっ、ふあ、ひゅん、、ンアッ、」
若者が上体を起こし体位を対面座位に移行する。
向き合いながら舌で左胸を右手で右胸の乳首を左手は尻肉を責め立てる。
「んふっ、ふぅあ、あ、あぁ、あ、ぁああああ」
限界が近いのか歓喜の涙を零し、声を張り上げるハーピーの少女。
若者もそれを察したのか腰の動きをより激しくし、
右手をハーピーの股間に持っていき彼女のもっとも敏感なところを押しつぶすように捻った。
「ッ―――――ア、アァァァァァァァァ――――――――」
それで達したのか、一際ハーピーな大きな声を出すと同時に
若者も彼女の子宮に自身の精を放った。
そのまま倒れ込む若者につられるかのようにハーピーも上体を倒す。
失神してしまった彼女の髪を撫でつつ若者も心地よい疲労からくる睡魔に押し流されていった。
ふと、冒険者の中で一番の博識と自他共に認める魔術師は思い出した。
ハルピュア或いはハーピーの声には魔力がある、と。
慌てて仲間に意識をむければ皆食い入るように二者を見つめ
頬は上気し、息が不自然に乱れている。
魔術師が懸念した通り、録に警戒もしてなかった冒険者たちは
幼いハーピーの艶歌にばっちり影響を受けていた。
急遽下山しようと皆へ呼びかけようとした魔術師は徐に顔を掴まれ
横を向かされたと思ったらそこにはレンジャーの女エルフ。
まずいと思った瞬間にはその美しい顔がアップで迫ってきて口に暖かいものが触れた感触があった。
冷静沈着が魔術師の常とはいえその状態では理性を保つのは難しく
気がつけば魔術師はエルフを押し倒していた。
押し倒し理性の糸が消え去る瞬間に見えたのは自慰をする大地母神の神官少女と
キスを交わす兎耳族のシーフの少女と少年戦士だった。
その後、若者たちを村に送り届けた冒険者たち。
報酬を貰い意気揚揚となるはずの帰り道は妙に気まずかったという。