(ライトエンド)
「好きです!」
「……は?」
突然の告白に、彼女は戸惑っている。
それでも俺は告白を続けた。
「好きです! あなたはまさに、俺の理想。恋い焦がれた理想の女性だ!」
そう、彼女はまさに、俺のストライクゾーンど真ん中の、理想の女性だ。
ああ、夢では無かろうか。この世では消してこんな女性に巡り会えるとは思っていなかったのに。
「いや、あの……あなた、解ってるの?」
「ええ、解っていますよ! あなたこそ俺の理想通り! 女郎蜘蛛たんだ!」
そう、女郎蜘蛛!
下半身が蜘蛛の女郎蜘蛛。恋い焦がれながら、けして会えることはないと、妄想の中だけと思っていた理想の女性!
下半身が蜘蛛。そう、それがいい!
確かに下半身が蛇だったりうなぎだったりサソリだったり鮫だったりするのも捨てがたいが、
やはり蜘蛛! そう、蜘蛛に限る!
「なっ……あっ……ばっ、バカじゃないの!? 本当に解ってる? あなたは、これから私に食べられるのよ?」
もちろん、解っている。だが、それこそ本望!
女郎蜘蛛たんにたっぷり攻められた後にイートミー。おお、理想の展開ではないか!
その証拠に、俺の熱いハートをマイサンが見事に表現している!
「なっ……こんな時になに立たせてんのよ!」
「ナニを立たせています! これくらい本気なんです!」
彼女の頬が赤く染まっている。それが怒りなのか照れなのか、俺には判別出来ない。
「……止めた。流石にバカらしくて、食べる気になれないわ」
そんなぁ!
溜息をつく彼女をみて、俺も溜息をついてしまった。
もちろん安堵の溜息ではない。落胆の溜息だ。
「……ねぇ、本当に本気なの? その、私のこと……すっ、好きっていうのは……」
俺は力強く、ブンブンと頭を縦に振った。
あれから俺は、どれほど彼女を口説いただろうか。
このチャンスを逃してはもう二度と無い。俺は必至に彼女を口説いた。
その甲斐あって……
「ん、いい、もっと、もっと胸、吸って! ん、腰も、もっと、動いて、んっ!」
糸でグルグルに縛られた俺は、顔に押しつけられた胸を懸命に吸い、そして芋虫のように腰を動かしていた。
初めて彼女にあったあの日に言った言葉。俺はその時の言葉通りに、彼女に飼われている。
「いい、気持ちいい、もっと、もっと頂戴……ふぁっ! いい、いいわ!」
まあたぶん、世間では俺達二人のことは「付き合っている」と言うんだと思う。
でも彼女は、あくまで私が飼っているんだと言って譲らない。
「好き、ん、好き! いい、きもち、いい、もっと、もっと愛して、ふわぁ、ん!」
こんな事を言ってても、彼女はあくまで俺を飼っているらしい。
女郎蜘蛛たんというだけでも最高なのに、ツンデレですよ!
ああ、俺はなんて幸せなんだろうか。
「いく、一緒に、来て、いって、ん、いく、いくから、ね、いっしょ、いっしょ!」
キュウキュウと締め付ける彼女の求めに、俺は出来るだけ腰を動かし答える。
「いく、いく、いっ、んっ!」
今日三度目の射出。ドクドクと、俺は彼女の中に解き放った。
そしてしばしの余韻と彼女のキス。その後には、四度目が始まる。
幸せだ。幸せだが、俺は別の意味で食い殺されるかもしれない。
むろん、それも本望。俺はまた不自由な身体を動かし始めた。