「先輩達、どこにいるのかなぁ……」
あたしは疲れ果てて草の上に腰を下ろした。
生物部の野外観察に来たけど、一年生はあたし一人。何でも知ってる先輩達の話に入れなくて、
道草を食ってる間にはぐれちゃったみたい。気がついたら一人だった。
「センパーイ、小島美雪はここです、迎えに来てー! ……って、無理か」
ヤケクソで空を見上げて叫んだ時、草の上に投げ出してた足に、冷たい物が触った。
「え? ……きゃあああ!」
蛇。30センチくらいの蛇が足に這い寄って舌をちろちろさせてる。
「いやっ!」
立ち上がるつもりで後ろについた手が、すべった。
あたしは仰向けに倒れた。背中の下で縄がうごめく。それも一本や二本じゃない。
「な、何これ……いやぁああああーっ!」
あたしはもう一度悲鳴をあげた。地面を埋め尽くす蛇、蛇、蛇。
どうして? さっき座った時はただの草地だったのに!
跳ね起きようとした。でもだめ。
何かが髪の毛にからんで押さえてる。まさか、蛇が!?
起き上がれないあたしの上に、蛇が這いのぼってくる。
ざらざらした鱗が腕に当たる。手首から肘、脇の方へ。細くて小さな蛇だった。
Tシャツの袖口から中へもぐり込んだ。
おなかや胸の上にも這い上がって、やっぱりTシャツの裾から……。
「やっ……やだやだ、やめてぇ!」
細くてざらざらの冷たい蛇が、あたしのおなかや胸元を這い回ってる。三匹? 四匹?
蛇の動きに合わせてTシャツが盛り上がるのが見える。
時々おなかや脇腹がチクってするのは、噛まれてるの?
「いやぁ! やめてよぉ!!」
腕を振って、からみついてた蛇を放す。頭が動いた。あたしは起き上がった。
Tシャツの中に入った蛇をつかまえようとした。気持ち悪くて触りたくないけど、噛まれるのはもっと怖い。
でも蛇は背中や脇腹へするする逃げて、Tシャツ越しじゃうまくつかめない。
「やんっ!! いや、噛まないで!」
蛇を体から引き剥がすことしか頭になかった。あたしは夢中でTシャツを脱ぎ捨てた。
でも……あの蛇たちは、それを待ってたんだ。
Tシャツを脱いだ途端に、髪の毛を後ろからぐいっと引っぱられた。
あたしはまた仰向けに倒れた。
腕に蛇が何匹もからみついてくる。今度は絶対動かせないくらい強く締め付けられた。
そしてブラジャーだけになったあたしの上半身を、何匹も蛇が這い登った。
足をじたばたさせても蛇は離れない。
一匹がブラの中に頭を入れる。冷たい。
「やだっ……もう、もうやめて……!」
まだ誰にも触らせたこと、ないのに。蛇に触られるなんて。
蛇はブラの中をゆっくり這い回って、頭であたしの乳首をつついた。
恥ずかしくて友達にも言えないけど、あたしのはへこんでる。
その乳首を、小さな蛇が頭でこすってる。つついてる。
「んっ……い、いや……ぁんっ」
乳首のまわりを軽く噛まれた。
チクチクって、痛いほどじゃなくて、牙が肌に刺さる寸前で力を抜くみたいな……何度も、
針の先でなぶるみたいに、何度も、チクチク……。
なに? 何なの、この、むず痒い、くすぐったい感じって?
やだ、乳首が……なんだか、じんじんして……。
肩のあたりにいた蛇が、何匹かでブラをくわえて、ぐいっと上に引っぱった。
「あっ!! や、やめてぇっ!」
ぷるん、と左右のふくらみが揺れて、ブラが上にずらされた。
お気に入りの、白レースにペパーミントグリーンで花模様を刺繍したブラ。
「いやぁ、こんなの、いや……助けて……部長……」
涙が出てきた。
……野外観察なんか来なきゃよかった。
生物部に入ったのは、部長が、好きな歌手にちょっと似てたから。
生物のことしか頭にない部長を、友達は「あんな生物オタクのどこがいいのよー」って言ってたけど。
今日の野外観察で部長と親しくなれたら……もしかしたら、って……。
ありえないよね、って思ったけど、それでも選んだ、一番可愛いブラ。
なのに、蛇に脱がされるなんて。
外で、それもこんな真っ昼間に、あたしはむき出しの胸をさらしてる。
何百匹かわからない蛇の視線が……いやらしい視線が突き刺さって来るみたい。
小蛇にいたずらされてた右側は、乳首が勃っちゃってる。恥ずかしい……いやなのに、蛇は嫌いなのに。
左側に蛇が群がって、へこんでる乳首にいたずらを始める。
勃ってる右の胸には、小さな小さな、10センチもないような蛇が巻き付いた。
体でこすりながら、舌で先端を舐める。
どうしよう。蛇は怖くて気持ち悪いのに、なぶられる乳首がくすぐったくて、気持ちいい。
こんなふうにされてたら、きっと左側も勃っちゃう。
「やだ、こんな……はぁっ、うっ……やぁ、ん……助け、て……」
この時、あたしはまだわかってなかった。
胸をなぶるのに飽きた蛇が、次はどこを狙うのかに。
「ひっ!?」
太腿の付け根を鱗が撫でた。ぞくっときた。
足に蛇が巻き付いてるのは知ってたけど、乳首を責められて、そっちに意識が集中してた。
あたしがはいてるのはミニのプリーツスカートとハイソックス。
野外観察にミニスカートなんてバカだってママに言われたけど、こんなことになるなんて思わなかったもの。
もがく間にスカートは完全にめくれ上がって、ブラとお揃いのパンティは丸見えになってる。
そのラインに沿って、ざわざわ……さりさり……生足の付け根を蛇が這う。
ゴムを押し上げて、中にもぐり込もうとしてる。
「だ、だめっ! そこはだめっ!」
蛇でロストバージンなんて、絶対やだ。
あたしは腕や足をじたばたさせて蛇を振り払おうとした。でも力が入らない。
胸を責める蛇がきゅうっと締め付けたり、乳首に歯を立てたりするたび体がぴくんって震えて、手足の
力が抜けちゃう。
おまけに、腿の上の方はあたしの弱いところ。
ふざけて友達に撫でられただけでも、全身がざわっとしちゃうのに。
その太腿を、何匹かわからない蛇に這い回られて、巻き付かれて、濡れた舌でちろちろ舐められてる。
ちょっとくらい手足を動かしたって、離れてくれない。
「あ、はぁ、ん……だ、だめってば、やめて……んっ」
体がほてって、むずむずして……もしかして、あたし、感じちゃってるの?
……ううん、違う。違うはず。だって、相手は蛇なのに。
「あっ……」
蛇がとうとうパンティの中に頭を入れた。ウェストからも、足の付け根からも入ってくる。
パンティの中でずるずる動いて、アソコに這い寄っていく。
「い、いやっ! そこはやめて!! 誰か、助け……んぐっ!?」
喉を舐めていた蛇が口に入ってきた。土の味と生臭さが舌を刺す。
あたしは口を閉じられなくなった。蛇を噛みつぶすなんて、そんな気持ち悪いことしたくない。
中途半端に口を開いてたら、噛まれないとわかって安心したみたいに、他の蛇も入ってきた。
ざらざらの鱗が唇や頬をこすった。
「んっ……んむ、ぅっ」
もうまともな声が出ない。太いのや細いのや、大きく開けた口いっぱいに入った蛇が、ぞわぞわ動く。
蛇はあたしの口の中を探り回る。歯を舐めたり、口の内側を噛んだり。細い蛇は舌に巻き付いたりする。
生臭いけど、気持ちいい……違うっ、気持ちよくない! どうしちゃったの、あたしは!?
「……ん、んぅっ」
声が出ないあたしのパンティの中には、蛇がもう何匹も入りこんでいた。鱗が毛に引っかかって痛い。
……あっ、やだ、噛まないで!
見えないけど、何をされてるかわかる。
小さな牙でアソコのびらびらを噛んで、広げられてる。真ん中に当たる固いものは、たぶん蛇の頭。
粘膜を縦になぞり下ろして、また上へこすって、くりくりこね回して……
一番敏感なところの皮を、めくって……あぁん、いやぁ!
「くぅんっ!」
あたしの腰が勝手にびくんって跳ねた。
剥き出しのクリトリスを、二股になった舌でしごかれた。
あ、あっ……別の蛇が、上から叩いてる! ちくちく、噛まれる!
痛い、痛いけど……いいっ……! 電流みたいに、腰にじんじん来るよぉ……!
パンティがずり下ろされるのがわかった。靴で引っかかったのを無理に引っぱって、足から抜き取ってる。
腿や足首に巻き付いた蛇が、草地を動いてあたしの足を思い切り左右に開かせる。
すごく恥ずかしい格好。真っ昼間に、胸もアソコも全部剥き出しにして、大股開きで寝転がってるなんて。
わかってるのに、あたしには抵抗する力がない。
だって蛇は体中に群がって責めてくるんだもの。
口の中も、喉も、胸も、脇腹も、おへそも、腿も。ざらざらの鱗でこすったり、巻き付いて締めたり、
ぬるぬるの舌で舐めたり、牙で噛んだり……。
蛇なんか大嫌い。
なのに全身がしびれて、アソコの奥がひくひくして、熱くって、溶けそうで……動けない。
「んっ、んふぅ……く、う……!」
あたし、もうだめかも。
この感じ、アソコの奥が、きゅうってなる感じは……きっと濡れ始めてる。
そう思った時、固いものがアソコの真ん中を押した。
ねじ込むようにして、ぐいぐい入ってくる。大きい。いやだ、これってあたしの指より絶対太い。
三本分くらいありそうな感じ……?
やだ、やめて。あたし、レギュラーサイズのタンポンしか入れたことないのに。
そんなの押し込まれたら、裂けてしま……!!
「んあぁっ!」
あたしの背中が反り返った。
痛い!! 痛いよ、やめて!
……叫びたいのに、口いっぱいに頬張らされた蛇のせいで言葉が出ない。
蛇は途中で一度止まって、あたしが息を吐いた瞬間に一番奥までもぐりこんだ。
鱗が擦れて痛い。とんがった頭が奥を突きまくる。ばたばたと尻尾が内腿を叩く。
「んんーっ、ぅ、んむぅーっ!」
もうだめ。痛い。やめて……それ以上は入らないよぉっ!
あ……動いた。出て、くれるの? ……やだぁっ、後ずさりなんて無理! 鱗がひっかかってる!
刺さっちゃう、痛い、痛い、やめてぇ!
声にならない悲鳴をあげてもがいたら、蛇は後ずさりをやめた。
だけどその代わりに、あたしの中で首を曲げて、Uターンした!
「……くぁあっ!」
あたしはまたのけぞった。
太い長い指を入れられて、不意にぐっと鉤型に曲げられたら……掻き回されたら、こんな感じ?
しかも太い体が、ずるずる外へ動く。
アソコの入口が二方向にこすられる。出ていく頭と、入ってくる尻尾。
「ぅ、う……」
一匹目が出ていかないうちに他の蛇が入ってきた。
同じように、中を掻き回してから、方向転換して出ていく。
……ああっ、ま、また入ってくる。前のがまだ出てないのに。いやっ、今度は横から……
三匹もなんて、無理よぉ!
「んむぅっ!?」
えっ、お尻にまで……そ、そんなところ、つついて……こ、こねてるの? あっ、やめて。
入らないで。お願い、お尻は……ああああっ!!
涙を流して、出ない声を振り絞ったって、やめてくれるわけがない。
蛇は次から次へとあたしの中に入ってきた。
……どのくらい時間がたったんだろう。
突然、あたしのあそこに入っていた蛇がずるずると出ていった。
またすぐに次が入ってくると思ったけど、来ない。
終わったの……?
でもお尻にはまだ二匹入って中をこね回してるし、舌にも細い蛇がからみついてる。
乳首も蛇になぶられ続けてる。……アソコに何をするつもり?
あたしは頭を起こして、大きく広げられた足の間を見ようとした。
「ひっ!?」
自分の太腿が邪魔になって、股の間にいる蛇は頭のところしか見えなかった。
だけどその頭が……ペットボトルくらいの太さなんだもの!
頭がすっと沈んで見えなくなった。固くて冷たいものがあたしのアソコにあてがわれた。
ぐうっと、押しこんでくる。
やめて、そんなの入らない!!やだ、やめてぇ……!
「ぎゃあああああーっ!」
あたしは絶叫した。
口の中にいた蛇を噛んじゃったかも知れない。でもそんなのどうでもいい。
痛い。痛い。体が二つに引きちぎられるみたい。
あたし、本当に死んじゃうかも知れない。助けて、誰か助けて……!!
その時、何人かの足音と叫び声が聞こえた。
「何だ!? あの蛇の群れ!」
「誰かいるわ! あっ、小島さんよ、一年の!」
生物部の先輩達だ。
蛇がざあっとあたしの体から離れた。みんな逃げていく。
あそこに入っている蛇も、逃げようと思ったのか体をじたばたくねらせた。
「あ、あっ……痛いっ! 痛いぃっ!! やめて、助けてぇ!」
あたしは泣き叫んだ。
抜けないんだ。太すぎて他の蛇みたいにあたしの中で方向転換できない。
鱗が引っかかって後ろへ下がるのも無理。
「小島!」
部長の声。すごく真剣な声。こっちへ駆け寄ってくる足音がする。
ああ……恥ずかしい、こんな格好見られて……。でも、でも部長ならいい。早く助けて。
このいやらしい蛇をやっつけて。
「えらいぞ小島! その尻尾、そいつはツチノコだ!! 間違いない!」
……………あ?
「しっかり挟んでろ、逃がすなー!」
ツチノコだツチノコだと嬉しそうに叫びながら部長が走ってくる。
……………………………生物部なんか、やめてやる。
そう思いながら、あたしは気を失った。 (おしまい)