今回はこの街に別のところからやってきた人物の話を紹介することにする 
 
「わぁ、すごいや!ほんとに人間以外の種族がいる!」 
 
バレンスタシアから移住してきた少年テッドはスターフィールドに着いて驚きでいっぱいだった。 
移民団が移住してきてはや1年半、ラクスター以外からも噂を聞きつけて移住してくる者が少しづつ 
見え始めてきた。テッドもその一人で、彼はまだ14歳だが、住んでいた街に退屈して移住を決意した。 
家族の者は「たまには連絡くらいは送ってこいよー」とおおらかに彼を送り出した。 
 
「えーっと、これから…どこ行こかな。」 
 
街の中心広場であるセントラル・スクエアで彼はまず仕事と住むところを探そうと考えた。 
彼の繊細な髪を風になびかせながら散策しているとテッドは突然呼び止められた。 
 
「ねぇねぇ、キミ。何か探してるの?」 
 
声の方向を向くと、そこには彼より4〜5歳くらい年上に見える女性がいた。金髪の長い髪に緑の眼、 
そして何より目に付く翼と尻尾を持つ女性で、テッドはこれほどの美人は見た事が無いと驚いた。 
驚いたというか、むしろ状況を理解しきれていないと言った方が正確な表現だ。 
 
「え?あ、あの、僕さっきこの街に着いたばかりで、それで…」 
 
「あぁ、街を見てるってコトね。どう?この街は。」 
 
うろたえながら答えるテッドに対して女は優しげに応答する。 
 
「すごいですね。いろんな種族がいて、僕の住んでた街じゃこんな光景は考えられませんでした。」 
 
「そ。この街、面白いでしょ。」 
 
女はクスッと笑い、テッドを見つめた。 
 
「アナタ、名前は?」 
 
「あ、僕はテッドって言います。」 
 
「へぇ、テッド君ね。アタシはサキュバスのマリア。あぁ、サキュバスって言ってもそんな悪いコトは 
しないわよ。この街の決まりはちゃんと守って暮らしてるんだから。」 
 
マリアは明るく話をする。 
 
「で、君は何探してるんだっけ?」 
 
「えっと、とりあえず仕事と、住むところを。」 
 
「仕事は…うーん、キミくらいの年だと何かあったけなー?」 
 
マリアは顎に手を添え、上を見て考え込む。 
 
「…でも、住むとこなら、ウチとか」「いえ、止めときます。」 
 
しゃべってる最中にもかかわらずテッドは拒否した。やはりサキュバスの恐ろしさを知っての事からだ。 
だがマリアは不満そうだった。 
 
「えー、何でよー?お姉さん嫌い?」 
 
「そういうわけじゃないですけど、その…」 
 
「まぁまぁ、来てみてから決めたらいいじゃない。今日の泊まるとこだって決まってないんでしょ?」 
 
マリアは上手い具合にテッドを説得してお持ち帰りしようと努力しているが、テッドは勿論分かっていた。 
しかしマリアの言う通り、テッドには今日の宿すら決まってない。というか、泊まるお金が無い。 
 
「………じゃ、じゃぁ、行くだけ行ってみます。」 
 
「そ、じゃ早速イきましょ♪」 
 
明るく振舞うマリアだが、「獲物ゲット!」と言わんばかりの様子で目をキラーンと光らせる。 
 
… 
 
マリアの家は街の中心部から歩いて10分程度のアベニューから奥に入った裏路地に入り口のある 
アパートだった。日当たりの悪いところで、昼間でも暗い雰囲気がある。 
 
「さ、入って入って。」 
 
(うーん…大丈夫かな…?) 
 
テッドはやや心配したが、もう暗くなり始めそうな時間だったのでとりあえず今日はここに厄介に 
なる事になるかと、気乗りしないが泊めてもらおうと考えた。 
 
「お邪魔しまーす…。」 
 
家に入ったテッドの目に入った光景は、意外な事に普通の人間の生活と変わりの無い生活感ある部屋で、 
拍子抜けしたテッドは一気に疲れが出て座り込んでしまった。 
 
「あら、疲れたの?無理もないわよね。着いてすぐだもん。はい、どうぞ。」 
 
マリアはテッドにコーヒーを出し、テッドは礼を言い、疲れていたので何の疑いもせずに飲み干した。 
 
「ウフフ…」 
 
マリアが表面上は優しげに含み笑いする。 
 
「ねーテッド君、どう?この家。」 
 
「普通の人間の家みたいでちょっと驚きました。どんなとこかって勝手に想像してましたから…」 
 
「まーこんなもんよ。それより、ね?」 
 
マリアはテッドに顔を近づけ、まじまじとテッドを見つめながら言い始める。 
 
「お姉さんのコト、嫌い?」 
 
「え?い、いや、そんなことは無いですよ?」 
 
テッドは照れて返答を詰まらせながらも答えたが、赤面してうつむいてしまう。 
 
「どうしたの?お姉さんの顔見れないの?」 
 
マリアは妖しげに笑いながらテッドをからかう。 
 
「お姉さんはキミみたいな子、好きだよー?」 
 
顔を隠すテッドにマリアは意地悪そうに顔を覗き込んで言う。 
 
「あ、あのっ、ぼ、僕は…」 
 
「フフッ、ほらぁ、もっと素直になりなさいよぉ。そんな子には…えいっ。」 
 
マリアはテッドの額をツンと人差し指で軽くつつくと、テッドは急に力が抜けて無防備な状態になる。 
 
「コーヒーに入れた薬が効いてきたみたいね。クスッ。」 
 
そして無防備になったテッドにマリアが隙を突いて、テッドの唇を奪った。 
 
「ん…。」 
 
「!?む、う…?」 
 
急な事でテッドは一瞬何が起こったか分からなかったが、自分の唇に覆い被さる柔らかく甘い感覚に 
呼び起こされるように今置かれている状況が理解できた。マリアの唾液には媚薬と同じ成分が含まれ、 
テッドはその唾液をマリアがテッドの口の奥に押し込む舌で注ぎ込まれ、次第に頭がもやもやとなる。 
マリアがゆっくりと唇を離すと二人の間に銀色の糸が引いているのが互いに見えた。 
 
「マ、マリアさん…?」 
 
「フフッ、どーだ、これでも素直になれないか?」 
 
マリアはテッドの頬を手で添え、少し強気にテッドに向かって言うと、テッドは頬を赤らめボーっと 
して、とろんとした焦点の定まらない目をマリアに向けた。 
 
「マ、マリアさん…僕、どうしちゃったんだろう。何かヘンになっちゃったみたい…」 
 
「フフッ、それはね、キミがアタシに惚れちゃったからよ。」 
 
「僕が…マリアさんに…?」 
 
思考能力もまとまらないテッドは意識レベルからマリアに刷り込まれていく。 
 
「ね…アタシだって君のコト初めて見たときから気に入っちゃったんだから、いいでしょ…?」 
 
「は…はい…」 
 
「それじゃ、ね…」 
 
そう言うとマリアはテッドの服を脱がし始める。テッドは抵抗もせずにされるがままにマリアに 
脱がされていく。やがてマリアがテッドの身に纏うものをすべて取り去ると、マリアも自らの服を 
脱ぎ、あっという間に一糸纏わぬ姿をテッドの目の前に見せた。 
 
「フフッ、ね…アタシとイイコトしよっ。」 
 
マリアはそう言うとテッドをベッドに押し倒し、テッドの上に乗っかって体を密着させる。 
髪を掻き上げ、鼻をくすぐるいい匂いを周囲に放ち、それをテッドが感じると彼は既に半分勃っていた 
股間を元気一杯に勃起させてしまい、マリアはそれを見てすかさず腰を下ろし、テッドを犯した。 
 
「!!?ふぁっ?あぁっ…あっ…っ!」 
 
「どう?テッド君。これがセックスよ。まだキミの年じゃ知らないのは無理も無いと思うけど… 
どう?気持ちいいでしょ?腰や下半身が痺れていくような感覚…子供のキミには刺激キツいかな?フフッ。」 
 
マリアはテッドのまだ幼さを感じさせるモノをまるで精液を搾り取るように締め上げ、それを感じた 
テッドは苦痛にも似た顔で未知の快感を覚え、ただひたすらに喘ぐだけだったが、やがて違和感を覚え、 
それをマリアに訴える。 
 
「マリアさん、待ってよ、何か、何か出そうだよぉ!」 
 
テッドはまだ射精を経験した事が無かったのでこれから何がまったく分からず、怖さを感じて 
マリアに懇願するがマリアは腰を振るのを止めず、テッドに言った。 
 
「いいわよ、アタシの中に出しちゃって。」 
 
「ふぇ?…あっ、うああぁっ!………くぅ…」 
 
テッドが意識を飛ばしてしまった瞬間、彼は人生初の射精を経験したが、相手がサキュバスだった事も 
あって、その射精量はかなりのものだった。無論、無理矢理吐き出させられたが故であるが。 
 
「どう?すっごい気持ちよかったでしょ?」 
 
「はっ、はっ、……っ、は、はい…っ、…」 
 
「ウフフ…ね、アタシと一緒に暮らそうよぉー?」 
 
「マリアさんと…?」 
 
「ねぇー、アタシだってキミのコト好きなんだしー、キミだってアタシのコト好きなんだからいいでしょー?」 
 
「は、はい…」 
 
テッドはこの時、半分正気に戻っていた。彼の返事は彼の本心からきたものだった。 
エッチをしたからではなく、自分を優しく包んでくれる感じをもたらしてくれるマリアに 
惹かれたからで、エッチをした事は彼の意思を決定させるきっかけに過ぎなかった。 
 
… 
 
翌日、テッドはベッドで目を覚ますと横に先に起きていたマリアの顔がある事に気が付いた。二人とも 
裸で、マリアが「寝顔、カワイイよ。」と、クスッと笑いながら言うとテッドは顔を赤くして布に隠れ 
ようとするが、布の中にマリアが潜り込んできてテッドを優しく抱きしめるとテッドは「ふにゃ〜」と 
声を漏らしながらマリアに甘えだした。マリアはテッドを受け入れ、甘えさせる。 
 
テッドはマリアと一緒に生活する事に決め、故郷にも手紙を書いて大好きな人と新生活を始める事に 
なり、「新しい街に来てよかったなぁ」と一人でうんうん頷いていた。それを見たマリアは「何一人で 
頷いてんの?」と優しく笑いながら言い、彼を見つめていた。 
 
「ホント、カワイイ子ね。フフッ。」 
 
マリアも彼を気に入って新しくやって来た恋人との新生活に満足していた。 

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