人はおらず、ビルが崩れ、道路はひび割れ、ガラスが散乱する。  
それが古城洋子のいる世界。  
元は電気店と思われる店のショーウィンドウの中には、  
沢山のテレビが鎮座するが、映っているのはNHKとテレ東だけ。  
NHKは国営放送の意地からか地下施設からニュースを流している。  
テレ東はやっぱり意地からかアニメを流している。  
肩でばっさり切り揃えられたおかっぱに、所々がさけたセーラー服。  
そんな格好の洋子はテレビには目もくれず壊れた世界をひた走る。  
よく分からない理由で滅んだこの世界には、  
よく分からない理由で生まれた怪物が闊歩している。  
古城洋子はその怪物に追われている。  
怪物は犬だか猫だかよく分からない形だ。  
足のようで足でない、手のようで手でない。  
そもそも目と思ったところが目なのかすら分からない。  
そんなモノに追いかけられる。  
いたいけな少女が息を乱して必死に走るには充分な理由と言えよう。  
だがまぁ、いたいけな少女はやっぱりいたいけな少女なわけで、  
道路のひび割れに足をとられてつまづいた所を捉まった。  
「いやぁ、離して!離して!」  
怪物は己の体内から伸ばした触手を洋子の四肢に巻きつかせ、  
彼女の自由を奪うと嫌になるくらいな青空へ彼女を仰向けにした。  
洋子はじたばたともがくが、四肢を捉まれ、中空いる状態では大した力は出ない。  
ま、これがしっかり地に足をつけたところで彼女の力で逃れられる訳がないのだが。  
ともかく青空のもと囚われの身となった古城洋子は捕食の恐怖に震えつつも、  
戒めから逃れようと必死に体をくねらせる。  
一方、洋子を捉まえた怪物も必死だった。  
なにせこの世界には卵を植え付けるのに最適な温度を持った場所が少ないのだ。  
この生物を確保しておかなくては自分の子孫を残せない。  
そんなわけで怪物は自分の上で暴れる生き物の確保と保存は最優先なのである。  
 
さて、そんな風に怪物が自分の命を狙った訳ではないことを知らない古城洋子は、  
まぁ、当然と言えば当然の事だが、暴れ疲れていた。  
そして精神も疲れていた。  
今まで生きてきたがそれもここで終わり。  
それならそれでいいではないか。  
晴れて天国にいるであろうクラスメイトに会えるのだろう。  
それは思いっきり現実逃避というものであったが、  
少女の現状を考えれば無理からぬものだった。  
だが現実は容赦なく彼女に襲い掛かるし、怪物もまた無数にある触手の内の一本を彼女へと伸ばした。  
「っ、いやっ、やだ、やめてよ!」  
伸ばされた触手は器用に古城洋子のショーツを千切りとった。  
股間に風を感じたことでショーツを脱がされたことに気づいた洋子は抗議の声をあげるが、  
怪物に言葉は通じていないので無意味以外のなんでもなかった。  
そして卵の産み付けに邪魔なものを取り払った怪物は、前述したが必死だったし焦っていた。  
だから、濡れてもいない古城洋子の膣に、卵管を持った幾分太めの触手を一気に差し込んだ。  
なお、古城洋子は処女である。  
「ぇ、いや、やだやだやだやだやだやめて、いや、お願いだから、ねぇ、お願い、  
や、いやぁぁぁぁぁぁぁあ、がっ、ぎぁぎぃぃぃぃぃい、いやだあああぁぁぁぁ  
ぁぁっぁ、あぐっぁ、ひぎぁああぁぁあああっぁああああああ、がっ、あぐぅ、  
いたっ、いたい、いたんです、ふぁ、っつ、いたっ、いたい、  
いやぁ、うごか、ない、あぐっ、いや、いやいや、だれ、か、だれでもいいから  
おかあさんっ、おとうさんっ、あうっ、ぐぁ、たすけてよ、たすけてぇぇぇ、  
誰でもいいから!、助けてよ!、っぁあう、おねがい、止まって、とっ、まってぇぇぇぇ、  
づぁ、お願いします、すみません、やめてください、あうぅ、あねがいしますおねがいします  
おねがいします、ひぃぃぃ、おねがいしますって、っいってるじゃない、あぐぁ、すみません、  
すみませんすみません、ぎいっ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、と、めてくだ、  
とめてよ、おねがだいだからぁあああ、とめ、あぎぃぃぃ、はっ、うァあ、ああ、いやだ、いやぁぁぁぁ」  
 
確認した怪物は触手の先を古城洋子の膣に埋没させ姿勢を整えると、  
一気に押し込み、かたい膣をかきわけ、処女膜をぶち破り、子宮まで到達させた。  
そして卵を産み落とすべく、触手を出し入れさせる。  
いささか急いで入れてしまったために、卵を運ぶのに苦労したが、無事に産み付けることはできた。  
産卵の間、散々騒いでいた、生き物は疲れたのかどうかはしらないが今は黙っている。  
むろん人の心を解さぬ怪物には古城洋子の精神が閉ざされたことなど知るよしもない。  
怪物は大人しくなって、卵が安定していいなぁと思うだけである。  
それはともかく人の心を解さぬ怪物ではあるが、この怪物は義理堅いところがあった。  
怪物は卵の安定と、今後もこの生物の膣を使って増殖するために、古城洋子に栄養を与えることにした。  
具体的には怪物が摂取したものを、触手を通して古城洋子に送るのだ。  
それは共生関係とも言えなくもないモノだった。  
怪物は繁殖のため古城洋子を必要しており、古城洋子は生きてくために栄養摂取が不可欠だからである。  
もっとも古城洋子の心は閉ざされており、ときおり反射を行うだけの存在に成り下がっていたが。  
ま、生き物である事に違いはなかった。  
別の地域では古城洋子とほぼ同い年の女生徒が、完全に割り切って、快楽と栄養のために  
怪物をパートナーにするという事もあった。  
彼女の場合、相方である怪物が入念な準備をして卵を植え付けたことが功をそうしたのだろう。  
結局のところ古城洋子は不運だったのだ。  
この世界に生き残ったことも、怪物が焦っていたことも。  
まぁ、それだけの話である。  
 

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