その島の地下には古代の迷宮が在るという  
そこには恐ろしい怪物が棲んでいて、迷い込んだ者を喰らうという・・・  
 
 
「・・・と言う訳で、貴方様に是非とも討伐を依頼したいのです。」  
小太りの男が言う、言葉遣いは丁寧だがその裏で私を蔑する態度が見え見えだ  
私は賞金稼ぎ、各地を転々としお尋ね者や賊の類を討伐することを生業としている  
自分で言うのもなんだが、私はかなり強い。私の名を聞けばその辺の野盗なんて皆震え上がり許しを請う  
そんな私に今回依頼されたのは、怪物退治  
依頼人は今私の目の前にいる、この小太りの男  
この辺りを治める地方領主だが、金に汚く、色々と悪いウワサの絶えない男だ  
何でもとある島に別荘を建てようとしたのだが、何者かの襲撃を受け続け工事が出来ないらしい  
当然兵を使って襲撃者を討伐しようとしたが、悉く敗れそれで私のもとへ来たらしい  
 
正直気乗りしない依頼だった、この男の慇懃無礼な態度と私の体を舐めまわす様な視線が気に入らなかった  
しかしここ最近依頼が来ず、金も尽き掛けていたので結局受けた、報酬は弾むそうだしな  
私が承諾すると、わざとらしく大袈裟に喜び前金まで渡してきた、金に汚いと言われる割には随分気前のいい男だ  
愛想笑いを浮かべる男を無視して、私の体は久しぶりの仕事に高揚し始めてた・・・  
 
「着きましたぜぇ、先生。」  
その島は陸から見えるほどすぐ近くの沖合いに在った  
だが、昔から近隣の住民は誰一人として近寄らないらしい  
『〜あの島には古代の神々に追放された魔物が棲んでいる、島に近づくものはその魔物に皆喰われてしまう〜』そうだ  
「しかし、本気ですかい?。」  
「・・・何がだ?。」  
「本当にお一人で行くんですか?、相手は化け物ですぜ。」  
「それで?。」  
「いや、それでって・・・。百人の兵士が皆殺しにされたんですぜ!!。」  
「それくらい、私一人でも簡単に殺れる。」  
「ははは、いくら腕利きでも女一人でそんな・・・う!!。」  
「・・・。」  
「わ、わかりやしたよ。そ、それじゃああっしはここらで、3日後にお迎えにあがりやす・・・。」  
私が睨みつけると、案内人の男はそう言って逃げるように船を出して行った  
「・・・化け物、化け物・・・か。」  
 
渡された地図を見ながら、島内を探索する  
話によるとその魔物とやらは、島の奥にある遺跡地下に潜んでいるらしい  
程なくそれらしき遺跡を発見した、考古学の知識など全く無い私にも  
その遺跡が相当古いものであることが一目でわかった  
「さてと、魔物とやらにご対面か・・・。」  
誰が聞いてるわけも無いのに、そう独り言を呟いて私は遺跡に足を踏み入れた・・・  
 
遺跡の中は地下にも関わらず、ほんのりと明るかった  
壁に刻まれた紋様が仄かに光っているようだ  
しかしそれ以上に不可解だったのは、内部の複雑さだった  
上ったと思えば下がり、右に曲がったかと思えばすぐ左に曲がる  
今自分がどの辺りにいるのか、それすらもわからなくなってきそうだ  
またそれだけではなく、なにか遺跡全体に感覚を惑わせるような違和感が漂っていた  
「気持ちが、悪い・・・。」  
気づいた時には遅かった、最早立っているのか座っているのか、私の五感は完全に乱された  
 
その時だ、急に寒気が襲った  
「・・・なにか、来る?。」  
気配がする、前・・・いや後ろ?、だめだわからない  
近づいている、確実に  
だがそれが何なのか、今の私に知る術はない  
徐々に迫り来るそれに、私は恐怖を感じていた  
怯えながら辺りを必死に見回していた、その時  
「あ!?。」  
黒い大きな影が私の視界に広がった、私の意識は、そこで途切れた・・・  
 
ピチャピチャ・・・  
「う・・・ん。」  
頭が、重い  
ピチャピチャ・・・  
ここは、私は・・・?  
そうだ、仕事を請けて、地下の迷宮に、そうしたら魔物が・・・魔物?  
重い瞼をなんとか開けて辺りを見渡す、ここは、そう迷宮の中だ  
ピチャピチャ・・・  
何?、この音、足の方からする何かを舐めるような音、私は音のするほうに首を向けた  
「ああ!?。」  
私は目を見開き、ようやく事態を理解した  
牛のような頭をした大男、背丈は私の倍近くあるだろうか、が私の股に顔を埋め舐めまわしていたのだった  
「この、離せ!!」  
両足をばたつかせもがくが、足を掴まれて身動きが出来ない、こんな獣みたいな奴なんかに私の  
再度脱出を試みるが無駄だった、そうしている内に牛男は苛立ったのだろうか、顔を離すと今度は私の体に圧し掛かってきた  
「ひあっ!?。」  
何かの先端が私のそこに触れた、次の瞬間牛男が私の腰を押さえつけながら体重をかけてきた  
「いやっ、離せ、離して!!、いやあああああっ!!!。」  
下腹部に鈍痛が走る、牛男の唾液で滑り易くはなっていたものの、強引にねじ込まれたそれは私の体を床に打ち付けるように思えた  
「あああ、あう・・・。」  
それまで私は一人きりだった、実の親にすら忌み嫌われ、ずっと一人で生きてきた、男と唇を重ねたことすら無い  
それなのにこんな、こんな獣なんかに・・・  
私が抵抗できなくなると、牛男は私の体を抱き寄せて激しく腰を使い始めた  
貫かれている、しごかれている、私の中で獣の肉が・・・  
私は抵抗する気力すら失い、牛男の胸に体を預けて為すがままにされていた  
牛男の息が荒くなる、動きは更に激しさを増していく、牛男が一際大きな声で吼え私の体をきつく抱きしめた  
 
私は彼の熱い昂りを、余すことなく全身で受け止めた・・・  
 

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