ちなみに、俺前回挿入に至ってません。
それを考えるとずいぶん長い道のりだった、ザッピングとかひぐら○とか弟とか様々な思い出がまるで走馬灯のように思い出される。
ああ、俺死ぬんだ。
ちょっとまて、走馬灯=死かよ。
ていうか前回は直前で邪魔が入ったな。今回は大丈夫だろうか。
「どうしたの、俺田くん?キョロキョロしちゃって」
「いやさ、前回はこの辺でドカーンって・・・」
ドカーン!
ちっ、何秒寝てた!?
まさか一度ならす二度までも邪魔が入るとは。恐るべし我が呪われし運命。
「よぉ、誰かと思ったら俺介じゃないか?」
壁の方から声、今背にしていたはずの方向には本当に壁しか無かったはずだ。
ためらいなく振り向く俺。そして目にした物は、飛行機のノーズと
・・・親父だった
「いゃあ、また母さんに追われててな。判るだろ?俺の苦労が。だから人質貸してくれ」
「ふ、ふざけんな!」
なんというダメ大人、我が父ながらこんな大人にはなりたくない。
「いやぁ、3人もいるならいいじゃないか。おや、知らない顔があるな。あとそこの君は前に地獄(略)を買った子だね?」
「おじさま、よくお分かりですわね?」
「昨夜ちゃんも、ご無沙汰だね。俺介とは巧くやってるかい?」
「俺俺さま、何で小さくなってるのに判るんですの?」
「はじめまして、お嬢さん。俺介の彼女だね?人質にならんか」
「遠慮します」
「だからふざけんなバカ親父!しーなサンは渡さねえぞ!!」
「まあ持っていくがね」
結局持って行かれた。
仕方ない、親父は精神的に馬鹿かつ夢見るアリスチャンだがぶっちゃけ天才だ。
「畜生、親父め。しーなサンを返しやがれ・・・」
「母さんから逃げきれたら返すよ、まあ少し楽しむかもしれんが」
こ、この鬼畜親父が!?
しかし対するしーなサンは結構乗り気だ。
「おーれーたーくーん、たーすーけーてー(棒読み)というわけで俺田くんのお父さん。俺田くんの見せ場のためにどーんと攫っちゃってください」
んな無茶な。
「まあ息子よ、コレも試練だ。頑張りたまえよ」
行っちゃった。どうしよう。
「攫われてしまいましたわね」
「俺俺さま、無茶苦茶だけどGJですの」
他人事だけに無茶苦茶言う二人。なんだかなぁ。
と、飛行機の離着陸で滅茶苦茶になった部屋のドアが勢いよく開く。
「警察です!!居るのは判ってるんですよ!」
「か、母さん・・・」
「あら俺介くん、お父さん見なかった?」
黙って壁の穴を指さす。
「たった今逃げたよ、しかもよりによって俺の彼女攫って」
あらそう、と外を見つめるセクシーミニスカポリス。これが俺の母さんである俺田サキ。年を感じさせない官能の化身みたいな人だ。
「俺介くん、当然助けにいくと思うけど母さんも連れて行きなさい」
「ヤだよ、コレは俺の問題だ」
「さもないと俺介くんのパソコンの中身をこっそりセガサターンに変えるわよ?」
「ゼヒテツダッテクダサイオカアサマ」
「うん、上出来よ俺介くん。じゃ、さっそく貴方の学校に行きましょ?」
「急になんでよ?」
「母者の勘よ」
なんだかわからないが、信用しなければいけない気がした。
しかし、今度ばかりは勝てる気がしない。正直親父の科学力をもってすればたとえラオウだろうと無事ではすまないだろう。
幼女にでもされてオシマイである、ラオウたんハァハァ。
「まいったな、本当に」
「大丈夫よ、俺介くんは彼女を奪還することだけを考えて。ヒーローになった男の子は強いのよ?」
母さんの言葉で少しは勇気が沸いたが個人的に得意なつもりの知略も親父の無茶相手には浮かんでこない。
「さっ、ついたわよ」
我が母校は本来3階建てである。しかし何をやったのか親父は一瞬でプラス二階を増築していた。
「あら、本当に学校だったわね」
「あんなに自信満々に言ってソレかよ・・・」
「何か言った?」
「イエゼンゼン」
しかし、五階建ての建物、多分一階ごとにボスとか居るんだろうなぁ。
実にスパルタンな感じだ。
「畜生、悩んでも仕方ない・・・」
俺は覚悟を完了して校庭を真っすぐ突っ切った。
「まずは一階、か」
「俺田くんやっと来たー♪」
「って、しーなサン!?」
「そうだよ、第一のボスは私でーす!」
んな無茶苦茶な、やはりしーなサンはこの状況をマジ楽しんでる。
「帰ろう」
「わっ、ダメだよ。まだまだ刺客は沢山居るんだから。内3人は私だけど」
「一人は親父として、後一人は誰なんですか・・・」
「ラオウ」
「嘘っ!?」
「嘘だよ」
「はぁ、びっくりした」
「ホントはケンシロウだよ」
「余計ヤバいわ!!」
「嘘嘘、安心して。俺田くんのおとうさんがボスってわけじゃないの」
親父即効で下克上。何をやってるんだか。
「じゃあ真のボスは誰なんです?」
「それは教えられないよ、第一のボス兼人質にそんな権限はありません♪」
なんか今日のしーなサンはいつにも増して強気だ。
「仕方ない、しーなサンを倒さなきゃしーなサンを助けられないならそうするまでです」
何か変だな、まあいいや。
「流石俺田くん、その意気だよがんばれー」
で、対戦方法は何なんだろう。ガチ喧嘩なら絶対に勝てない。
「それじゃ第一の試練を発表します!」
いつのまにか試練になってるし。
「じゃーん」
鍋だ。
ネギとかもある。
「これから私がスキヤキを作るので、つまみ食いしないで大人しく待っててください♪」
・
・・
・・・
甘 甘 だ ぁ ! !
「甘甘だと思った俺田くん、それはマジ甘いよ?」
と、しーなサン懐からエプロンと
地獄ロザリオを取り出した。
「ま、まさか・・・」
「そのまさかだよ、変身♪」
裸エプ幼女が爆誕してしまった。
鼻血出まくり。
「ぐおお、血が、血が抜けるっ!」
「ちゃあんと我慢したらスキヤキも裸エプもお召し上がりだよ、がんばれー」
鬼や、あんた鬼や。
俺はここに、裸エプ幼女の皮をかぶった修羅を見た。
ど う し よ う
トントン、ぱたぱた、んでまたトントン。
どうして流しとコンロと食材置き場が離れてますか?
しかも俺の座ってるちゃぶ台を中心にして三角形を描くように。
作業のたびに俺の周りをぱたぱた走り回るしーなサン。小さなお尻を揺らしながら。
これぞまさしく萌えの結界である。言うなればエプ符『はだか☆とらいあんぐる』。弾幕薄いぞ、なにやってんの!
「うー、自分でやっておいて何だけど、ちょっとスースーするよ」
そりゃそうだ、裸エプだし。
しかしこのまま凝視していては非常にマズい、開始直後から抜けまくっている俺の血液は既に相当な物になっている。
これだけあったらなにか有効活用できそうだ。そうだ、親父を呪おう!
「俺介くん、大丈夫なの?まあ母さんの息子なら大丈夫よね」
あくまで手助けはないらしい、まあ手を借りるつもりもないけど。
何にせよ、コドモ台(俺命名)に乗って流しに向かうのはちびっこ料理の醍醐味だよなぁ。いかん、また血圧が。
「しかし、ホントに作業しにくそうですね」
「お手伝いは敗北を意味するよ、まあ見ててよ俺田くん!」
味っ娘である。
しかし、やっぱり何か危なっかしい。
「ああ、ハラハラする。血の気が引く・・・」
血の気が・・・引く?
そうか、見えたぞ。
「判ったぜ、このデスブラッドヘブン裸エプ結界の攻略方が!」
スペルカードゲット、勝利は我にありだ。
「凄い名前だね・・・」
「うん、俺も言ってみて恥ずかしかった」
とはいえ、ようやく光明が見えた。
これが普段の(自称)料理が達者なしーなサンなら俺は確実に負けていた。多分恍惚の表情で昇天していた。
しかし、今のしーなサンは幼女だ。古今東西幼女料理は危なっかしい物、達者な幼女はひぐ○しぐらいでしか見たことがない。
つまり、これはノストラダムスの預言、じゃなかった、ハラハラしながら鑑賞すれば血圧も下がるんだよ!!!
な、なんだってー!!!
「なんだってー(棒読み)」
「なんだってー(棒r)」
「ハイ、合いの手の協力に感謝します」
というわけで、脳内のモードを変更する。
ネコミミモードでーす。じゃなかった、保護者モードにシフト。暖かく見守りながら子供のやる気を尊重する。それが母の心!
「そうだよね、母さん!」
「何だか知らないけどその通りよ俺介くん!」
というわけで水の一滴が見えた俺にもはや誘惑による出血はなくなった。
ここからは、思う存分ハァハァ、じゃなかったハラハラだ!
「・・・もう、お兄ちゃん。私だってもう子供じゃないんだよ?」
「ぬあぐぬるぅえふぃっ!!!」
「やった、逆転っ!」
忘れてた、しーなサンの妹攻撃の存在を。
いきなり破られたじゃないか!?
さあ、どうする。絶体絶命だぞ。
妹符『妹のままじゃ嫌なのっ』の力によって、再び窮地に立たされた俺。
ざわ・・・ざわ・・・
どうしたらいい、もう後が無いぞ・・・ッ!!
ざわ・・・ざわ・・・
「矢沢ー矢沢ー」
「さっきからざわざわ聞こえるのは母さんか・・・」
「ウフフ、3人だけでざわざわタイムに突入するわけないじゃない」
なんにせよ、俺はここで負けてしまうのか?
負けたらどうなってしまうのだろう?
「あれ、負けたらどうなるんですかしーなサン」
「その心配はないんだよ」
「えっ?」
「かーんせーい♪」
「嘘っ!?」
「ホントだよ。私が俺田くんを倒そうとするわけないよ、ちょっとからかっただけ」
「にしては失血死するところでしたが」
「それは俺田くんがえっちだからいけないんだよ」
えっちなのはいけないとおもいます。
「とにかく、完成したんだよ。たーんと召し上がれ」
「存分に頂きます」
旨かった!
食事風景は?と思われる読者諸兄、しーなサンの料理は俺の物です。感想だって分けてあげません。
「我が息子ながら最悪ね、俺俺さんの血かしら」
スイマセン調子こいてました。
そこにとてとてと歩いてくるしーなサン。
「ねえ俺田くん、私ちゃんと作れたよ?ぎゅっとしてほしいなぁ」
「勿論、喜んで」
「やっぱり、小さいと存分に甘えられて楽しいなぁ」
やはり、なんだかんだでミニしーなサン最強の必殺技はコレだと思う。
とにかく、一時の幸せを噛みしめながら次へ進むのだ。