・第三問
「さて、第三問ね。 これはリクエストのお便りに応えたものだよ。」
「……そんなものいつの間に募集してたのよ。 つーか冗談でしょ?」
「うるさいなあ。 これくらいの冗談に付き合う余裕を持とうよ。」
「全身束縛状態でそんな余裕なんかないの!!」
と反論してみたところでどうにかなるわけでもないんだけど。
「今回も特別に大ヒント。 他の処でも触らせてあげるよ。」
「……。」
「ほらどう? どういう感触がする?」
ぐりぐりと何かが顔に押し当てられる感触。 とっても不快だ。
「まだわかんない? ねえ?」
今度はぺちぺちと頬を軽くはたかれる。 現状の待遇の悪さも相まって、かなり不快。
でもこれで、いま兄が手に持っている物は軽いプラスチック製の物で筒状であることがわかった。
…それがわかっても、それ自体が何であるのかわからなければ、意味はあまりないのだが。
「……なんか、プラスチック? 軽い物だよね?」
さっきまでイヤそうにしてたのに、それでも兄の児戯に付き合ってしまう。
それはきっと…… お兄ちゃんが乗せるのが上手いからだ。 そういう事にしておこう。
「うんそうだねぇ、プラスチック製品だねぇ。
よくわかったねぇ、 エライエライ。」
今度はおだてられて、子供を誉めるみたいに頭を撫でられて。
自分でも、馬鹿にされているのがわかるのに。
「……っ」
喜んでいる。
それこそ簡単なお使いをして誉められた子供のように。
わだかまる自分の思考とは、まったく正反対の反応をする心が在る。
兄の誘いに…こうも簡単に乗ってしまう。
それがきっと…気持ちよくなれるという快感へのいざないであるから。
そう、知っているから。
「んじゃ、そろそろ挿れようか。」
兄の言葉に、体が少し竦んでしまう。
もし今から挿れられようとしているものが、あたしが想像している物だとすれば…
意外に、大きい、はず… なんせ、手で掴む、くらいの、太さが、ある、物、だし…
「う… 早く挿れちゃってよ…」
「…おねだりかい?」
「そんなんじゃ… ああもう、そうでいいから焦らさないでよ!」
入り口の周りをそれで擦られる感覚がくすぐったくて、苛つきを増加させていた。
つーかね、あたしはこんなゲームなんか、とっとと終わらせて……
「あぐぃ…!!
ちょっと、いきなり… 挿れないでよ…」
「なんだよ。『焦らさないで』って言ったから、一気に挿れてやったんじゃないか。
それともいきなりだったんで感じ過ぎちゃったとか?」
「そんなんじゃなくて、痛いよ。」
いきなり膣の奥底までを突かれたからか、あたしは快感ではなく鈍痛を与えられていた。
「え、大丈夫?」
今まであたしの都合を聞かずに陵辱をしてきた兄が、
珍しく心配そうな声をかけてきた。
「…心配するんならお腹を撫でるんじゃなくて、挿れたもの抜いてくれない?」
「…だって、いきなり抜いたら痛そうだし、膣痙攣とか起こしそうだし。」
とか言いながら体内に入ったままの棒状の物をぐりり、と動かされた。
「あうん…」
「ほら、汁が出てきて滑りが良くなってきた。
それに抜こうとしても抜けないってわけでもないし。」
……どうやら口では心配していても、この楽しい遊びをやめる気は毛頭無いらしい。
あたしとしては迷惑千万なんですけど。
ずぷっ ずるっ ぬるっ
プラスティック製の棒が、イヤらしい音を立てながらあたしの体内を擦っている。
「んぅ、あ…」
「ん〜、甘い声出しちゃって。 こうやって体の中を擦られるのが気持ちいいんだ。」
否定は出来ない。 つるつるとした表面で敏感な粘膜を刺激されるのに快感を感じている。
しかしそれを肯定も出来ない。 それをあっさりと認めるほど、あたしは堕ちてはいない。
「……。」
だから、沈黙するしかない。 こんなコトされて、感じる変態ではないはずだから。
にゅぷぷ と音を立ててまた壁が擦られる。
「くっ… あ…」
それが気持ちいいから、声が出てしまう。 ちょっとだけ、悔しい。
「で、そろそろ何なのかわかった? わかんないといつまでも挿れたままなんだけど。」
「う〜〜……」
「それとも、ずっとわかんないまんまでこうしてたいとか。」
「そんなわけ無いでしょ!」
もう早めに正解して、さっさと解放してもらった方が得策か。
……だから、あたしは付き合う気は更々なくて。
「バトン。」
「え?」
「バトンでしょ。 リレーの。
今度はちゃんと答えましたよ。」
「…………。」
「……、違う、の?」
それはそれで困る。 また変な罰ゲームをされちゃうし。
「せ〜〜か〜〜〜い!!!」
パチパチパチと拍手する音が聞こえた。 ……どうでもいいけど、テンション高いねぇ。
「正解なの? だったら早速…」
「早速、賞品の授与だね。」
「そう早速……賞品の授与?」
「そう、賞品の授与。 じゃあ授与しますから腰を上げて。」
「ちょ、なんで賞品を貰うのに腰を上げなきゃ…」
と文句を言う前に、ぐぐっと身体が持ちあがった。
どうやら両腿を持たれて、全身を腰から持ち上げるように肩に担がれたらしい。
「あの… この体勢… 首に負担……」
「ん? こうでいいか?」
少し身体が下がって、首が楽になった。
でも、自分が今している体勢は、お兄ちゃんに脚を担がれて、
ということは、ちょうどお兄ちゃんの顔があたしの股の間にあって……!!
そう想定した瞬間、アソコの周りに『もふー』という熱い鼻息らしき吐息がかけられた。
! やっぱり、あたしの一番恥ずかしい所を眼前にされてる!!!
「ちょ、ちょっと見ないでぇ…!」
「このバトンの空洞がなぁ、ちょっと暗いけど普段は見えない奥底まで見せてくれてるぞ。」
「イ、イヤ! そんなの見ないでよ!!」
「ふむ、確かに見るためだけにこうしているわけではないからね。
じゃあ賞品をあげましょうか。」
……賞品って何? それ以前に賞品なんかよりはこの縄解いて欲しいんですけど……
「ひゃう…! なに、冷た…」
何かを流し込まれたのだ、という認識はその後だった。
いままで熱く火照っていた体内に、急に液体が流し込まれているらしい。
それも、たぶんいま挿入されているバトンを使って。
「な、なんなのコレ… とりあえず全然賞品っぽくないんだけど。」
「賞品が知りたい? さっきあげたのと一緒のものだよ。」
さっき…? さっきって…… アレ、飲ま……
「や……」
「ん?」
「いやぁぁぁああああ!!!」
何を流し込まれているのかを知った途端、あたしは死にものぐるいで抵抗を始めた。
「お、おい……」
「やめて、やめてぇ!」
でも全身の力を分散させてしまう荒縄の結び目と、
あたしの脚の力より強いお兄ちゃんの腕の力に、
必死の抵抗は儚く押さえ込まれてしまった。
「いやだって言われても、もう全部流し込んじゃったよ。」
「や…… 全、部……?」
「子宮の中まで入っちゃたっかなぁ。 なんせ子宮口へ直行通路があるわけだし。」
「い、いやぁ…」
「こうやって掻き回すと… 音が聞こえるだろ?」
ぐちゅぶちゅ
突き刺さったままのバトンが掻き回されて、膣内にある液体が潰れて擦れる音が響く。
「お願い… やめて…」
「イヤらしい子宮だなぁ。 もう全部飲み込んじゃって、もっと欲しいって涎垂らしてるよ。」
いままでされた行為とは全く違う、なんとも冷たい感覚で…
妊娠、しちゃう… こんな、セックスとは全然違う、快楽も愛情も感じられない行為で……
「やぁ… 妊娠、いやぁ…」
「……妊娠、イヤなの?」
「だって、こんなので、妊娠しちゃうのなんて… やだよ……
まだ、お兄ちゃんので…直接…」
「まだ俺のチンポぶち込まれて、直接膣内に射精される方がよかった?」
「……うん。」
「そうだね… 俺もそう思うよ。」
「お兄ちゃん…」
頬に手を当てられ、伝う涙を拭うように撫でられる。
「安心して。 いま入れたのはただの水だから。」
「…ホント?」
「ああ。 だって、どうせお前を妊娠させるんなら、直に種付けした方がいいと思うし。」
身体を再び横にされたあとで、
ぬぽん、と音を立ててバトンが引き抜かれた。
「今度正解することが出来たら、こんな偽物じゃなくて本物をぶち込んでやるよ。
もちろん種汁付きでな。」
そう言われてお腹を撫でられた瞬間、
「くぅ…ん。」
子宮が疼いた。 注入された偽物が追い出されるように排出されている。
お兄ちゃんが言った通りに、血の繋がった兄の精液を欲しがる、イヤらしい妹の子宮が。
「うん…
ねえ、早く… 次の問題、出してよ…」
そう、お兄ちゃんにねだるあたしの顔は、
さっきの泣き顔とは違って、
たぶん、笑っていた、と思う。
糸売