私は夢で触手になった。
うにょうにょとして触手そのものだった。
自然と楽しくなり、気持ちがのびのびした。
私が私であることはわからなくなっていた。
にわかに目覚めると、なんと私は私だった。
私が夢で触手になったのか、触手が夢で私になったのかはわからない。
ピピピピピ――ガチャン。
私は密かに朝の爽やかな目覚めの最大の妨害者だろうと思う、
目覚し時計にチョップをかます。
「ふぁ〜、っと、今日もがんばろうか私」
変な夢を見た気がするが、今は差し迫った登校時間が気になる。
私はドレッサーから制服を取り出し、ベッドの上に置くと、
朝食のため一階へと下りた。
何時ものように朝食をスピーディーに食べ終え、
シャンプー、トイレを終わらせ、二階の自室へ。
制服に着替え姿見でチェック。
「と、これなんだろう」
机の上に置かれた半透明の円筒状の入れ物。
中はゼリーっぽい感じ。
こんなもの家にあっただろうか。
「ま、いっか」
大方お母さんの忘れ物だろう。
深く考えても仕方がない。
私は父さんと母さんに挨拶をしながら家を出た。
家から歩いて20分のとこにある壇ノ浦女学園。
その校門をくぐり校舎に入るのだが、今日はなんだか周りの様子がおかしい気がする。
なんてゆーか、こう皆顔を赤らめて、少し息が荒いのだ。
私はそんな皆を訝しげに見つつ教室へ急いだ。
一時間目の授業だ
起立、礼、着席。
社会の教科書をセットアップし前を向く。
黒板に先生が書いた文字は。
触手の歴史と社会的役割―2
何だ、それ。
思わず呆然とする私をよそに授業はさくさくと始められる。
「さて、前回説明したとおり、スライム型触手『チハ』の一般社会の普及に伴い、
女性の身の安全は飛躍的に高まりました、これは『チハ』が硬化能力を持ったために、
暴行時には貞操帯の役割を果たすようになったからです。
それまでの軟体のみの触手は熱によわく、タバコの火を近づけると逃げてしまい、
そのために強姦される女性がいましたが、1965年、それらの問題を憂いた、
触手メーカー「もるげんれーて」が総力を挙げて製作したのが『チハ』なのです。
この『チハ』の誕生に伴い、各触手メーカーは汚れない下着という扱いだったスライム
型触手に様々な付加価値をつけ始めます、さて今日はその中でも皆お馴染み、
今、皆さんが着用している触手の原型のお話です」
何が何やらさっぱりだ。
そんな私を置いて授業は進んでった。
…
……
頭が痛い。
一時間授業を受けて分かったことは、この世界はどうやら私がいた世界ではないらしいということだ。
この世界の女性は触手を下着代わりに着用しているらしい。
それもどうやら『90式』とかいう『チハ』のニューモデルをきっかけとして、
ある程度の意思をもったやつをペットの代わりにしてるようだ。
頭痛い。
となると今朝私が見た半透明のものがこの世界の私の下着代わりの触手ということか。
ああ、なんてこった。
がぎんがぎんと痛む頭を抱える私だがそれは些か早まったらしい。
次の、というか、この世界の授業は頭が割れそうになった。
二時間目
数学。
問題は、
『膣の大きさを触手で測る』
解答としてクラスで一番美人の薗崎さんが、教壇の上に座って開脚した。
私は赤面して顔を伏せそうになったが、クラスの皆は普通に園崎さんを見ている。
むしろ園崎さんの顔が上気していた。
「さて、皆さん、触手で膣の大きさを測る方法ですが、この場合必要なのは
最低の大きさと、最大の大きさです。では園崎さん、始めてください」
「あ、はい」
頬を赤くした薗崎さんは右手をのばすと股間にいる黄色のスライムつかんでひきだしていく。
「ん」
全身を出したスライムはちょっぴりてらてら光っていた。
「あ、はぁ、これが、私の普通の膣の大きさです」
「はい、結構、では戻して拡大作業を行ってください」
「はい、ん、ぁ」
スライムを元の場所場所に戻した園崎さんは徐にその大きな胸をもみし抱き始めた。
「あぁ、はあ、見られてる、私、ああ、クロムウェルくん、動いてぇ」
拡大作業とは自慰のことらしい。
ちなみにこの時点で私は色々難しい事を考える事を放棄して、
クラス一の美女の痴態に見入っていた。
ともかく園崎さんの声とともにクロムウェル?もその身を動かし始めたようで、
園崎さんの嬌声が大きくなる。
「あぅ、は、はっ、ああ、ん、イイ、いいよぉ、あぁ」
ふと目の端に引っかかった。
注意して見ると、隣の席の川洗さんが腰をもじもじとさせていた。
息は荒く、手はぎゅっと握り拳にされている。
多分、まぁ、彼女も拡大作業をしているのだろう。
耳を澄ませば、教室じゅうに抑えた荒い息が充満していた。
…園崎さんが絶頂を迎えて先生がスライムを抜き出して
「これが園崎さんの膣の最大事の大きさです」
と言った所で授業は終わった。
その後教室中の人間がいなくなった。
多分トイレに行ったんだろう。
三時間目。
国語。
私の予定で言うなら、今日は文学のはず。
だがクラス委員長の里中さん。
三つ編みに眼鏡とまさに委員長ルックな彼女が読み上げているのは
「そして京子の胸を弄っていた触手たちはその矛先を彼女の秘所へと…」
ただのエロ小説だった。
小説内の喘ぎ声も読んでいる。
花も恥らう女子生徒が教室の真ん中でエロ小説を堂々と読みあげる。
ああ、ホントにこの世界は私の世界ではないのだな、と現実逃避することにした。
読むように当てられたら死のう
四時間目。
体育。
体操服に着替え校庭へ。
今日は学校の敷地内をランニングするらしい。
体育は好きだし、色々とアレなことで頭を悩ますのが嫌だったので黙々と走る。
そうやって順調に走っていたんだけど何週目かで気づいた。
草むらに何かいる、と。
見ちゃいけないと思いつつ覗いてみると、
クラスのマスコット、みくちゃんが自慰をしていた。
薄い胸に一生懸命手を這わせつつ、股間に蠢めく、キノコ型の触手に翻弄されている。
「ひぃ、ひゃん、あん」
抑えようとしてるらしいが、時折舌足らずな声が漏れ聞こえる。
私は触手の入っている深さからして、みくちゃんがもう大人らしいことを知ると、
密かにそこを立ち去りランニングへ戻った。
みくちゃん、これからはお子チャマだね〜なんてからかえないんだね。
私は心中で泣いた。
お昼。
もってきたお弁当を取り出し、教室を脱出。
さすがに今日は皆とお弁当をつつこうなんて気になれない。
中庭で一人寂しく食べる。
五時間目
美術。
触手と戯れる少女たちとかいう題目のスライドショーで様々な絵を見る。
触手に襲われるシスター。
触手に犯される巫女さん。
触手でお仕置きされるメイドさん。
ああ、元の世界に還りたいな。
6時間目。
理科。
感覚神経の同調実験。
股間のスライムを硬くのばして、ああ、いわゆるふたなりみたくなったクラスメイトの姿は悪夢だ。
それも嬉々として交わる様を見せ付けられるのはその極みだ。
「ひとみちゃん」
「かなちゃん」
私の世界でも仲が良かった瞳さんと彼方さんがキスをしている。
ふたなり役は瞳さん。
彼女が自分の快楽神経と同調した触手を彼方さんの秘所につきたて、
一心不乱に快感を貪っている。
「あぁ、ひゃあ、ひ、とみ、つぉい、つよ、あぁん、はげ、すぎるよぉ」
その間、彼方さんの触手は彼女と瞳さんの、その後ろの穴を繋いでいた。
「んぁ、あぅ、そこ、そこダメェ、あひ、ひぁあああ」
ともかく今日の授業は終了した。
さっさと家に帰って寝よう。
そして明日起きたら元の世界に戻っているように祈ろう。
…
……
………
ピピピピピ――ガチャン。
私は密かに朝の爽やかな目覚めの最大の妨害者だろうと思う、
目覚し時計にチョップをかます。
「あー、変な夢みた」
変な夢を見た気がするが、今は差し迫った登校時間が気になる。
私はドレッサーから制服を取り出し、ベッドの上に置くと、
朝食のため一階へと下りた。
何時ものように朝食をスピーディーに食べ終え、
シャンプー、トイレを終わらせ、二階の自室へ。
制服に着替え姿見でチェック。
「と」
机の上を見る。
そこには半透明の円筒状の入れ物。
中はゼリーっぽい感じ。
「ああ、よかった」
私はその入れものから私のペット兼下着『オブイェークト』を取り出すと、
股間に持っていった。
「昨日は変な夢を見てね、君のことを私がすっかり忘れているんだ」
私はオブイェークトに、昨日みた夢のことを話しつつ学校へ向かった。