ここは、ニホン国。
皆さんは知っているでしょうか?
"ワッフル"という一人のおまわりさんのお話を。
そのワッフルがすんでいるプレーリー王国のちょうど反対側に、ニホン国はあります。
その、猫と犬に似た、人のような住人達が暮らしている国の事を……
ほんの少し、お話ししようと思います。
「火事だぁぁぁ!!!」
叫び声を聞いて、僕は自転車を力一杯こいだ。
今日は晴天で、何もなければ昼寝でもしようと思ってたのにな……。
そこは、クリスタルタワーのすぐ近くにある、宝石屋さんだった。
扉が、燃えてる……?。
自転車を乗り捨てて、僕は全速力で走った。
「あ!まもるくんっ」
宝石屋さんのおじさんが、僕に慌てた顔で駆け寄ってくる。
「どうしたんですか!?この火事」
「それが、帰ってきたらいきなり燃えだして」
「まだ時間は経ってない?」
「た、多分……」
「よしっ」
僕は頭のゴーグルをつけて、腰に下げていた消化銃を構え、扉を蹴飛ばした!
ゴッ……と、音がすると、扉は粉々になった。
どうやら、火事に見せかけようとした不審火だった……のかな。
まだ、入り口の辺りだけしか燃えてない。
手元にある消化銃のコックを回し、トリガーを引くと、勢いよく水が飛び出す。
""炎よ……消えろぉっ!!!""
心の中でそう叫ぶと、自然と炎は弱まって、消えた。
……。
「あああっつ、ウチの商品がぁっっ!」
火が消えたから、おじさんは安心した顔をしたんだけど、すぐまた焦ったように売り場をバタバタしてた。
ゴーグルをはずして、消化銃を仕舞うと僕も辺りを見回す……。
宝石が……ないっ。
「どうやら」
後ろから声がしたから、振り返ると、
いつもお世話になっている消防士のおじさんだった。
自転車に乗ってるとき伝達笛使ったんだっけ。
「それは、ニャンジャ達の仕業だな……」
「あ、あいつ……ですかっ!?最近悪さをしている」
と、おじさん達はなにやら話を始めた。
んー。ヤバいなぁ……。ここは、一つ。
「じゃあ……僕は、このへんで」
「待ちなさい」
そろりそろりと自転車に戻ろうとしたら、消防士のおじさんに呼び止められちゃった。
結局、そのあと、一時間ぐらい叱られちゃったかな……あははは。