「あー、すっかり暗くなっちゃってるよ。」  
 
薄暗い歩道を小走りにして、私は小さく愚痴った。  
夜道は私みたいな女の子には危ないとよく聞く。  
友達も見知らぬおじさんに変なモノを見せつけられたことがあると言ってた。  
まあ、とにかく早く帰るに越したことはない。  
 
「近道・・・するかな?」  
 
公園の入り口で立ち止まって考える。  
ここを通り抜ければ、かなり早く家に帰ることができる。  
けれども、何かと怪しい噂の多い公園でもある。  
それだけに、ちょっぴり慎重になってしまう。  
 
「なーんてねっ。」  
 
私は迷うことなく公園に足を踏み入れていた。  
初めのうちは小走りだった私の歩みもいつのまにか徒歩に変わっている。  
この公園、無駄に広い上に暗くて照明がない。  
まさに、エッチなことをするにはうってつけの場所だ。  
とか考えていたら、前方の茂みがガサガサと揺れた。  
 
「ななな、何、何!?」  
 
突然のことに私は何が起こったのかを理解できない。  
いつのまにか倒れていて、茂みの中に引っ張られている。  
見ると縄のようなものが足に巻きついていた。  
そして、ずるずると、どこかに引っ張られている。  
 
「これってまずいんじゃないの?」  
 
事態は私が思っていたよりもずっと悪かった。  
私を手繰り寄せていた相手。  
それが、人間ですらなかったからだ。  
 
「うそ、ウソ、嘘、うそ、ウソ、嘘。」  
 
今までみたこともない化け物が視線の先にいる。  
私が知っている生き物で言えば、イソギンチャクだろうか。  
だけど、陸にイソギンチャクがいるなんて聞いたことがない。  
仮にこれがイソギンチャクでないにしても。  
こんな化け物が、私を捕える理由なんて一つしか考えられない。  
 
「私、食べられるの・・・?。」  
 
不思議なことに危機感はこれっぽっちもない。  
辺りに漂う、甘い香りのせいだろうか。  
匂いはイソギンチャクに近づくにつれて強くなる。  
こう、頭がぼーっとするような。  
体がぽかぽかと暖かくなるような。  
そんな、不思議な香り。  
 
イソギンチャクの触手が、ずるずると私の足に絡み付いてくる。  
まるで蛇のように足首に巻きつき、這い上がっていく。  
 
「んんぅ!」  
 
そのなんとも言えない感触に思わず声が漏れる。  
水気を含んだ触手が冷たくて、ぞくぞくと背筋が震える。  
なのに熱を奪われたはずの場所がじんじんと熱くなってくる。  
 
「な、なにこれ・・・?」  
 
身体の感覚の突然の変化。  
触手が触れた場所がなにかおかしい。  
ずるずる。  
触手の動きは遅く、じわじわと足を這い上がってくる。  
その感覚がたまらなく、切なく感じられる。  
 
なぜか、抵抗しようという気は起こらない。  
触手に身を任せるままになっている。  
 
触手が手にも絡みつき、そして這い上がってくる。  
その冷たさにぞくぞくするのか、その感触にぞくぞくするのか。  
それはわからない。  
あるいは両方なのかもしれない。  
 
「ふっ・・・うっ・・・。」  
 
熱っぽい息が漏れる。  
足も手も、どうしようもないほどに熱い。  
火照った手足を冷たい触手が這う。  
その感触がどうしようもなく心地いい。  
もっともっと、ぞくぞくしたいとさえ思える。  
 
「わたしっ・・・おかしい・・・?」  
 
こんな異様な状況だというのに、この状況を楽しんでいる。  
それは明らかに異常だ。  
シャツの裾から触手が忍び込んでくる。  
背中を這いまわる、ぬらぬらとした冷たい感触。  
 
「ぅ・・・あっ・・・!?」  
 
背筋を直接、何かが駆けぬけていく感覚。  
手足を触手が這う度に感じていた感覚とは違う。  
身体がかぁーっと熱く火照る。  
急激に身体中が熱くなる。  
 
「な、なに・・・これぇ!?」  
 
口から漏れるのは熱い吐息。  
そして、鼻を抜けるような甘ったるい声。  
心臓が早鐘を打ち、身体が燃えるように熱い。  
触手が這う度に身体がおかしくなっていく。  
感覚に身体が支配されていく。  
 
「あぁあぅっ!?」  
 
触手がわずかに胸に触れる。  
たったそれだけのことが堪えきれない。  
それなのに触手はじんわりと胸を覆っていく。  
 
「はあぅっ・・・くぅぅぅっ!」  
 
もうどうしようもなくなっていた。  
完全に身体は感覚に支配されている。  
触手が蠢くたびに身体全体が震えてしまう。  
その感覚のせいで声が漏れてしまう。  
 
「やっ・・・だっ・・・。」  
 
喘ぎのために、途切れ途切れに紡がれる言葉。  
その言葉には意味はない。  
それは拒絶しようとしても、できるものではない。  
むしろ、より深く身体を蝕んでいく。  
 
「ふあぅっ・・・あぁああぁぅっ!」  
 
触手が胸の先端に触れた。  
全身が一瞬、硬直してしまうほどの感覚が身体に走った。  
頭の頂上までが痺れるような、ぞくりとした感覚。  
触手がその先端にこすれるたびに、その感覚が身体を襲う。  
 
「だめっ! ・・・だめ、だめ、だめぇっ!」  
 
まるで頭の中をこねくり回されているような感覚。  
これを続けられると正気でいられなくなる。  
そんな思いがその言葉を叫ばせていた。  
だが、そんな思いを触手は意に解することはない。  
より深みに落ちるように。  
より高みに昇れるように。  
胸の先端をねちねちと愛撫していく。  
 
「やだぁっ・・・くぅぁっ・・・・あああぅぁ!」  
 
くるりと円を描くように。  
下からずるりと擦りあげるように。  
先端に刺激を加えていく。  
そして足を這い上がっていた触手。  
それが、腿の奥に到達する。  
そこはすでに、じっとりと潤っている。  
 
「んんぅっ・・・んんあぁぅっあ!」  
 
身体が大きく仰け反った。  
頭の中の回線が混線したかのように弾けた。  
ただ、ほんの少し触手がその場所に触れただけだというのに。  
にちっ、という音が聞こえた気がした。  
もちろん、それだけではすまない。  
可愛らしい白の下着の隙間から触手はその場所に潜りこんでくる。  
 
「あううぅああぁあっ!」  
 
ずにっ・・・。  
触手が進むごとに頭の中で電気が弾ける。  
感覚が背筋を駆け上り頭の中で弾けていく。  
冷たい触手の感覚。  
それすらも、あっというまに自分の発する熱で溶けていく。  
 
何もかもが不透明になっていく。  
自分が何をしているのか。  
それすらも、もう考えられない。  
今はただ、この感覚だけがすべてだった。  
 
 

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