(それまでのあらすじ)  
主人公の爺さんは有名な科学者。  
でも、もう歳で余命幾ばくもない。主人公はそんな爺さんの看病をする毎日。 
ある日突然美人の看護婦さんが屋敷にやってくる。 
何故か彼女は泊まり込みまでして爺さんと彼の世話をやいてくれる。 
当然惚れる主人公。初デートでロマンス映画を見た帰り、 
予定より遅れている事に気がつくと彼女は急に焦り始める。  
 
 
「何故そんなに急ぐの?」  
「もう……エネルギーが……切れそうなんです……」  
「ああ、俺も疲れたよ。今日は良く寝れそうだ」  
「違うの……。お願い……貴方の車までつれていって……」  
数分後、車についた頃には彼女は酷く疲れているようだった。  
「お願い……」  
「何?」  
「私の服……脱がせて……」  
「ああ……」  
俺はズボンの下に血が流れ込むのを感じながら頷いた。  
「スモークグラスにしておいて良かったよ」  
笑いながら彼女にキスをしようとする。と、その時だった。  
奇妙なことを言い出したのは。  
「私の左の乳首……引いてください」  
「乳首を引く?」  
「そう……そうしたら……解ります」  
 
カチッ。  
言われたとおりにするとまるでバネを引いたような感覚とともにその音はした。 
と、同時に彼女の胸の真下にぽっかりとパネルが開いたのだ。  
「き、君は……ロボット!?」  
驚いて俺は彼女に尋ねた。  
「ひょっとして爺さんが……君を作ったのか?」  
「はい……騙していたと思うなら……許してください。貴方のお爺さんは彼が死んだ後に貴方の世話を 
させるために私を作りました……。今、私はバッテリーがほとんどありません。 
お願い……車から充電してください。左足の裏にスイッチがあります。 
それを……押せばプラグが入っているハッチが開きます」  
呆然としながらも彼女の言うとおりにすると足の腿が開く。  
「プラグと……胸の中の……青いケーブルを繋いで……」  
 
ゆっくりとケーブルとプラグを繋ぎ、それをシガレットソケットに差し込む。  
と、彼女がため息をついた。  
「ありがとうございます……。一時間分の充電をするのに……8分40秒かかり……ます……。 
再起動……するには……右の……乳首をつよく押……してく……だ……さい。 
あ、ああ……もう……え……ねるぎ……ガ……キ……レ……」  
 
(ここから>>701様にバトンタッチ) 
 
闇の中、彼はメンテナンスハッチから除く光を眺めていた。  
充電中のエネルギーセルが発するかすかな音。彼女は口を広く開けたまま彫像のように固まっていた。  
「ロボット……だったのか……でも……」  
さすがにしばらく呆然としていたが、それがおさまるとと今度は急速に好奇心と欲望が頭をもたげてくる。  
「……人間と、同じなのかな……」  
そういいながらスカートをめくってみる。白いショーツが暗い中でも輝いているようだ。  
その輝きの真ん中には小さな膨らみがはっきりと存在していた。  
「綺麗だな……」  
ゆっくりとその秘密のベールの中に手をいれて感触を確かめる。  
ある。  
彼女にはしっかりと性器が存在した。  
しかも抜いた指は暖かい液体でうっすらと濡れていた。  
「爺さん、こりゃ……」  
息づかいが荒くなる。もう我慢できない。  
後部座席に彼女の体を横たえて足を開かせる。彼はその上に乗りかかり、チャックを開いていく。  
……二年ぶりだろうか。そう考えながらあらわになった秘部を愛撫すると、すぐに準備が整う。  
機能停止していても代謝反応のようなプログラムで動いているのだろうか。  
もうはち切れそうに大きくなった彼自身を挿入する。十分に濡れていたそこは、何の抵抗も無く  
彼を受け入れた。そう思った瞬間、膣圧が高まり微妙な刺激を先端に与え始める。  
「うぉ……すげぇ……」  
すっかり興奮した彼は、相手が動いていないのも忘れて胸に手をかけて乳房を揉みしだき始めた。  
 
大きめの乳房は形も素晴らしかった。  
弾力も、肌触りも人間以上の感触と言って良かった。  
と、その時。  
カチッ。  
小さな音がして右の乳首が沈み込んだ。愛らしい目がパチっと大きく見開く。  
「な……何、何をしているんですか!」  
彼が胸に手をかけたときに、偶然スイッチが入ってしまったらしい。  
「こ、こ、これはまだプログラムされていない行為です!  
あ、あは、ああああああああぁ!で、でもきもちいい……。はぁっ!  
勝手に、かってにぃ、体が動いてます!性器の制御ができません!  
あ、あ、あ、閉まっちゃうぅ!」  
次の瞬間、目を見開いて彼女は大声で叫び始めた。  
あわてて彼はスイッチを切ろうとするが、その瞬間射精してしまった。  
「え、エラー!エラーがぁ!エラーがぁ!こわれちゃう、こわれちゃいますぅ!  
はぁぁ、あ、あ、ああああぁ!」  
彼女が狂ったように何度も叫び続ける中、メンテナンスパネルの中にオフボタンを見つけてそれを押す、  
と彼女は急に力を失って当たりには静寂が戻った。  
 
 
「まったく……もぅ」  
 私は瞳を閉じ、長く息を吐きながらそう言った。  
「……スマン。大丈夫か? 壊れたり、してないか?」  
「確認中です。ちょっと静かにしてて下さい」  
 ちょっと強い口調でマスターに命令する。マスターへの命令なんて本来は出来ないはずの行為だけど、  
非常時だから仕方ない。  
(押し倒されたらぶん殴って良し)  
 ……そう、博士にも命令されていることだし。  
 
 マスターがしゅんとして黙っている事を確認し、意識を閉ざす。  
 システムを、外部モードから内部モードへと移行。  
 
 強制再起動後のシステム損傷……修復完了。損傷無し。  
 物理システムチェック。本体内部の状況をスキャン開始。  
 ……終了。損傷無し。  
 論理システムチェック。物理システム動作に必要なデータをスキャン開始。  
 ……終了。該当情報67%欠損、もしくはエラー、もしくは未構築。  
 
 システム復帰。  
 内部モードから外部モードへと移行。  
「……何してるんですか」  
 
「いや……別に。何というか、なぁ」  
 胸元に伸びたマスターの手を緩慢な動作で払っておいて、私はシートに座り直した。 
ゆっくりとシガレットソケットからコードを引き抜き、メンテハッチに仕舞う。  
「で、大丈夫だったのか?」  
 シートに背中を埋め、もう一息。  
「はい。ハード的な問題はありませんでした。研究所に帰って洗浄・メンテナンスする必要はあります 
が、重大な損傷はありません」  
 洗浄をいう所を少し強調した私に、マスターは苦笑い  
「そりゃ、良かっ……」  
 しかけて、私の表情に気付く。  
「何か問題があるのか?」  
「分かりますか?」  
「鏡、見てみろ?」  
 マスターにそう言われ、サイドミラーに顔を映すと……。  
「そう、ですね」  
 表情からの体調解析をするまでもなく、病人の顔をした私が、そこにいた。  
「どうなんだ? やっぱ、俺のせいか?」  
「いえ……」  
 再びの鈍痛に、顔をしかめる。人間風に言えば、頭が痛いと言ったところ。  
 
「システムドライバが不足していて、警告が鳴っているだけです。内部でドライバを構築するまで、 
どうにもなりませんから……」  
「ドライバ? 内部で作れるなら、さっさと作れよ」  
 それが出来るなら、とっくにやってます。マスター……。  
「……作れないのか?」  
「最低限の構築は出来ますが、微調整が終わるまではどうにも……」  
 我ながら情けないシステムだとは思うけれども、一通り完成しないと耳障りな警告音は止まらない設 
計になっている。いつかは何とかしたいけど、私には権限のないエリアだから、いつになることやら……。  
「どこだよ? 俺だって、一応工大生だぜ? 何とか出来るかもしれないだろ」  
 反応の鈍い私に業を煮やしたか、マスターは私の手を強く取り、問いかけた。  
「え……あ、えっと……」  
 言いたくない。  
「教えろって」  
 
−声紋認識。マスター命令を処理優先順位の最上位に加えます−  
 
 けれど、マスターの命令には逆らえない。  
「教えろ」  
 
−声紋認識、強権発動。マスター命令を最優先次項として実行します−  
 
「は……い」  
 プログラムの意志に逆らい、システムの支配がゆっくりと手を動かしていく。  
 言葉を紡ぐ。  
「ここ……です』  
 私は顔を伏せたまま、スカートの上から、精液に汚れたそこをそっと押さえる。  
『該当部分の制御ドライバの構築支援・調整を、マスターに要求します』  
 私以外の誰かが、私の口と言葉で、そう囁いた。  
 
『ドライバ作成用動作データが不足しています。性行ユニットへの再入力を……  
ち、違います!ダメです!」  
基本システム領域から本来の自分を取り戻した彼女は顔を伏せてうずくまった。  
「お、おい」  
「ダメ……ダメです……。こんなの……いや……」  
押さえられなくなった感情が眼球洗浄ユニットをオーバーフローさせる。  
「マスター……これからそう呼ばせていただきますけど……もともと私はあなたの物として作られまし 
た……。だから確かに元々あなたに好意を抱くような設定にはされています……。でも、私はそれはき 
っかけだったと思ってます……。一緒に暮らして、博士の事を思ってくださるあなたを見て……私は、 
本当にマスターのことを……」  
すすり泣きながら、顔を上げる。  
「私、ロボットです……。さっき見たとおり、この胸の中につまっているのは電子部品の塊だけ……。 
でも、それでも私は女です……。ちゃんと準備ができたら……あなたに抱いて欲しかった……。ベッド 
の中で……優しく……。でも……、これじゃ、こんなの……イヤです……」  
「……悪かった……。本当に……どうかしてたと思う……。君がロボットだったって事で……混乱して 
たかもしれないが……」  
そういいながら彼は泣き崩れるアンドロイドを優しく胸に抱いた。  
「愛してるよ……。もう、君がロボットだろうがなんだろうが……関係ない。  
ムードのある場所、とは言わないがそこのホテルへ行こうか、そこで調整でもデータ入力でもしてあげる」  
 
シャワーからの冷水が肌をつたって流れ落ちていく。  
システムからの警告音は相変わらず私の頭の中で響いている。  
事の前、人間ならば熱いシャワーを浴びるのが普通だろうけど、警報と期待、不安、 
そういったデータで回路が過熱気味の私にとっては冷たい方が都合がよい。  
「あ、でも……」  
……抱きしめられた時に冷たい、と思われるのは嫌だな、そう思って最後に温度を上げて一浴びした。  
「……お待たせしました」  
「あ、ああ」  
大きなダブルベッドの中、彼はシーツをかぶって待っていた。  
「で、ドライバの構築支援ってどうやればいいんだ?」  
「えっと……私のいうとおりに……その……ここを……いじったり……」  
「やっぱそうだよなあ。……ふと思ったんだが」  
「何ですか?」  
「今までそれ、一人で出来なかったの?」  
あ、それ聞きますか……。もういやぁ……。  
「え……と」  
「やっぱ恥ずかしかったの?」  
−声紋認識。マスターからの質問回答要請−  
ああ……やっぱり……。はいはい、わかりましたよぉ……。  
こんな恥ずかしい事言いたくないけど、逆らってシステムに無感情に並び立てられるよりましだわ……。 
今度のメンテの時に最低限の拒否権くらいは設定してもらおう……。  
「……プロテクトかかってるんです」  
「プロテクト?」  
「私、自分で……その、いじったりできないようなプロテクトがされてるんです」  
「そうなの?何で?」  
「……自分の体の機能がまだ良くわかってないころの話ですけど……。 
下着脱いだときにこすれてしまって……あ、気持ちいい、なんだろうこれ、っていじってみたら……」  
「……そのまま止まらなくなったとか?」  
「……う、はぃ……。バッテリーがあがるまで……。……わ、笑わないでください!  
だからちゃんと設定しないといけないんですから!」  
 
「悪かった、悪かったよ。んで、まずはどうする?」  
「あ……はい」  
 
あ……マスターの結構大きいな……。  
私にも「性欲」はある。もちろん人間の本能のように子孫を残すためのものではなく、人間らしさを演 
出するための疑似本能にすぎないけれど私自身にとっては本物と変わらない。  
そのプログラムが私を「興奮」させている。  
そんな中、ドライバ作成モードに移行。とたんに警告音が鳴りやんだ。  
ほっと一息。  
そして、ベッドの上に横になって股を開いて……股の間を指さす。  
「ここ……触ってください」  
「触るだけでいいの?」  
「ん……とりあえずはどうやるかはお任せしますから、そっと、そっとですよ!お願いします」  
「解ったよ」  
「……いきなり本番突っ込んだりしたらそのまま全開で締め付けてつぶしちゃいますよ」  
「……ちゃんとやります」  
 
「あ……」  
マスターの指がゆっくりと私の女性器をなぞっている。センサーからの入力が快楽中枢にながれこむ。  
きもちいい……。  
さっきの暴力的な信号とも、暴走しかけながら自分自身で性器を壊しそうになった時とも違う、 
穏やかな感覚に私は身を任せていた。  
−潤滑液突出量レベル設定−  
うっとりしかかった私を目覚めさせるように文字が視界に文字が浮かんだ。  
ああ……もう。まあこのためにやってるんだからしかたないけど……。  
「お……濡れてきた」  
「愛液の設定をしました。……これくらいでおかしくないですか?」  
「ん、もうちょっと出た方がいいかな……お、いい感じ」  
彼は私の愛液を舌ですくって舐め上げる。敏感なセンサーはそれに応えて入力値を上げていった。  
−クリトリス勃起設定−  
あ……あはぁ……もう……たたせちゃおう……。視線をウィンドウに送って入力。  
すると、クリトリスが固くなったのが自分でも解った……。  
「ひゃぁぁあ!」  
高レベルの快楽入力が押さえきれず、音声デバイスが勝手に嬌声をあげる。  
「歯たてちゃ……いやぁ」  
「いや、急に勃つもんだから。そんなに気持ちよかった?」  
「はいぃ……。もっとぉ……」  
 
「そかそか、よしよし」  
そう言うと彼は私の乳首にしゃぶりつく。  
「あ、そっちはまだ……」  
ダメぇ。制御できない……。バシャッ。  
「うわ、びっくりした」  
乳液バルブが全開になって、私の乳首から勢い良く乳液が発射される。  
「大丈夫?」  
「は、はい……。後でこっちは設定します……。今は……そのまま続けて……」  
「よっしゃ。……気分はどう?」  
「さいこう……です……」  
それを聞いた彼は笑うと、まだ乳液を垂れ流す私の乳首をまた強く吸い始める。  
あ……舌の感覚と吸い上げられる刺激が……。さらに開いた手は再び股間の愛撫を始める。  
まともに認識できたのはそのあたりまでだった。  
あ……データが……ぜんぶ、快楽中枢へのでーたがぁ……。あ、あ、あ、処理が……  
しょりできない……。きもちよくて……きのうていし……しそう……。  
「あはぁ!あ、あ、あ、あ、気持ちいいぃ!マスターぁ!マスターぁ!もっとぉ!」  
なに言ってるのか……良くわからない……作りかけのデバイスドライバが……かってに動いてるみたい……。  
−快楽信号、オーバーフロー。感覚データシャットダウン−  
あ……目がみえない……、音も……よくきこえない……。でも彼が……あったかい手が……私を……。  
 
次の瞬間、クリトリスのセンサーから今まで以上の出力が送信されて。  
 
私は果てた。  
 
 
−システムチェックOK。再起動開始。冷却システム全力稼働開始−  
「ふう……はぁ……はぁ……」  
肺の部分にあたるラジエーターが必死で回路の熱を下げていく。  
「おーい、大丈夫か」  
「あ……はい」  
目が覚めるとマスターの顔が視界いっぱいに映し出された。  
「イった?」  
……単刀直入だなあ……。  
人間で言ったら「絶頂に達してそのまま気絶」だから間違ってないけど……。  
「はい……。そうです……。今ので大体刺激に対するデータ収集ができました。  
ちょっと敏感すぎたかもしれませんけど、これで私が意識する事なく性器の作動ができます」  
「んじゃ……さっそく」  
「……なにするんですか」  
「いやあ、やっぱりこういうのはお互い気持ちよくならないとなあ」  
すでにマスター自身はそそり勃っている。  
……まあ、頼もうとしてた事ではあるんだけど……。  
「……それはまだ、です」  
「まだって?」  
「まだ収集してないデータがあります。膣圧の調整、です」  
「それって……」  
「そうです。入れて……ください」  
「だったらやるのと変わらないじゃないか」  
「いいえ、私は今度は快楽中枢への入力をカットします。で、マスターは奥までいれたらそのまま、 
動かさずにじっとしててください」  
「……何だかなあ」  
「これは私のためのデータじゃないんですよ。どうやったらマスターが気持ちよくなれるか、 
そのためなんですから」  
「はいはい、わかったわかった。……なんかそんなにおっぴろげられてもなあ。  
ムードがどうこう言ってたのは……」  
「……いいから早くいれてください」  
 
「はいはい、んじゃいくよ……ってなんか……その……緩くない?」  
「入れやすいように開けてるんです!」  
−男性器受け入れ完了。膣圧調整開始−  
通常の皮膚部の数倍の感度をもつ性感帯用センサーがマスター自身のデータを正確に伝えてくる。 
……あれ?  
「マスター……」  
「ん……何?」  
「さっきの時より柔らかい……」  
「……しょうがないだろうが……」  
「はーい、それじゃいきますね」  
収縮開始。  
「う、うわっ!」  
「どですか?」  
「さ、さっきのと全然違う!すげ……うっ!おわっ!」  
マスターの心拍数アップ。カウパー線液分泌量増加。  
とりあえずは良さそう。次は少し真ん中を締め上げるように調整してみよう。  
「お、お、お、そっちも!」  
そうやって私はマスターからのフィードバックを測定しながら、彼の特に感じやすい部位を見つけだす。 
しかし数分がたつと彼が根を上げはじめた。  
「……も、もうダメだ……。出る……」  
「えーと、もうちょっとなんですけど……。もう少しでマスター用のベストパターン  
が出来ますよ」  
「も、もう十分すぎるくらい……後は……そのうち……調整してやるから……出させて……」  
「解りました。いいですよ。そのまま出しちゃって」  
「そ、そか……っ!」  
次の瞬間、私の下腹部に熱い液体が放出された。  
 
−デバイスドライバ作成データ収集率94%。ドライバ作成可能−  
「……OKです。とりあえずのドライバ作成が可能になりました」  
「そ、そうか……」  
「……?どうしました?」  
「あ、ああ……凄かった……。いやもう……まいった……」  
それは人間以上の性器を持っているんだから当然の事だ。  
……でも、私の体でマスターが気持ちよくなってくれた事は嬉しい。  
「あ、ありがとうございます。それじゃ私、これからドライバ作成モードに入りますから少し待ってて 
ください。作業時間予定は10分35秒です。  
その間、内部モードに入りますから」  
「解った。……で、終わったら」  
「そしたらテストしましょう。動作確認」  
「俺、もう今日2ラウンドやっちゃったんだよなあ」  
「……マスター、私とちゃんとしたくないんですか? 私はマスターのを締めてあげればそれでいいん 
ですね……。どうせ私なんてただのダッチワイフですとも。ええ、いいんです。マスターさえ良ければ 
私なんて。触っただけでイっちゃう淫乱ロボですもの。私なんてオナニーして壊れちゃうのがお似合い 
ですね。欲求不満でCPUが焼き切れるのが先かもしれませんね……」  
「……ごめんなさい、3ラウンド目、ちゃんとやらせていただきます」  
「はい、よろしい。んじゃ外部機能は停止しますから……もう同じ事しないでくださいよ」  
「……そんなもったいないこと、もうしません」  
「……そですか」  
−内部モードに移行、デバイスドライバ作成開始−  
 
−システム再起動。女性器デバイスドライバ組み込み完了。  
セクサロイドモード起動可能−  
再起動が終わると、股間の機関が自分の一部としてはっきりと感じられるのが解った。  
「お、目が覚めたか」  
「あ、はい。システムチェックOKです。んじゃ、早速お願いします」  
「……元気だなあ。ま、いいや」  
呆れたようにいいながら、股間に手を伸ばしてくる。  
あ……。動いてる……。  
今までは意識しないと動作しなかった女性器が、それ自身が意志を持つようにひくひくと動き始めた。  
「どう?異常ない?」  
「はい。順調です……あ……」  
「よしよし、濡れてきたね」  
「……ふぅ……マスター……舌、気持ちいい……。おっぱい、触って……」  
「いいのか?調整してないんじゃなかったの?」  
「バルブロックしたから、乳液はでませんけど……。そっちの感覚ドライバは出来てますから……」  
「よし、んじゃ……」  
マスターの手がこりこりと私の乳首をもてあそぶ。  
続いて、やさしく乳房全体が揉まれていく。  
と、そのあたりで快楽中枢からいままでにない感覚が私のCPUに送り込まれた。  
 
こ、これって……。  
「あ……あ、あ、あ、ああっ!あふっ!」  
「どうした?もうイっちゃった?」  
「違う、違うの、マスターぁ!マスターの、マスターのが欲しいです!  
入れてください……。我慢、できないよぉ……」  
「あ、そういう事か……」  
「ご、ごめんなさい。まだこういう感覚の移行が変みたいです。そのうち調整しますから……今は……」  
「よしよし。じゃ、いくよ」  
そう言って私の頭をなでてくれる。  
そして、マスターは私の性器に彼自身の先をそっと付き当てた。  
「あの……そっとお願いしますね……。実質的には私、これが最初なんですから……」  
「解ってるよ。んじゃ……」  
ずぶっ。  
「はいっ!……は……あ、あ、ああああああああっ!」  
センサーが彼の鼓動を伝えてくる。  
ドライバによって変換された入力は熱い奔流となって私の全身の回路を駆けめぐった。  
 
「マスターぁ……すごぉい……」  
「そ、そっちも……さっきより良くなってる……。よ、よし。動くぜ……」  
「あ、はい……はぁっ!あは、あは、あはぁ、あん!」  
ずちゅずちゅと音をたてながら私の性器は強烈な信号を送ってくる。  
それにつれて、私の意志と関係なく膣壁は締め付けを繰り返していた。  
「う、く、おわ……。……ッ!うわ……俺、もう……人間じゃ……満足できないかも……」  
「あ……ふうぅ……嬉しい……私だけ……抱いてください……。あ、はぁう!  だ、ダメ! 
い、いく! いっちゃう!」  
その時は突然やってきた。 
やはりまだ調整がうまくいっていないのか、急に快楽中枢への信号が増大し始めた。  
「ひゃあぁぁあああああああ!だ、ダメ!壊れる!ひっ!はぁああ!」  
膨大なデータが回路に流れ込む。もう私のCPUは「快感」を感じる事以外何も機能していない。 
しかし性器のドライバはその制御をそれ自身のサブCPUに切り替えて、  
私の意志とは無関係に最後の一撃を彼に加えていく。  
「うわあああああ!で、出る、でるぅ!」  
彼の絶叫と同時に私の模造子宮は今日3度目の、そして私自身にとっては初めての精液を受け取った。  
 
「あ、ああああ……熱いのが……おなかの中にぃ……はぁああああ……素敵です……。  
マスターぁ……大好き……ダッチワイフでも……構いません……ずっと……そばにいさせてください……」  
「……そんな事いうなよ……。……俺の恋人だろ?」  
「マスターぁ……嬉しい……」  
涙を流す私の唇を、マスターがふさぐ……。  
あ、幸せ……。ああ……マスターの……凄かったなぁ……。  
−性的興奮値、危険値突破。感情安定の為、セクサロイドモード強制起動−  
「あ、あれ?」  
「?どうした?」  
「マスターぁ……ごめんなさい……もう一回入れてくださいぃ……」  
「え?」  
「興奮しすぎて……セクサロイドモードに入っちゃった……。我慢できないよぉ……」  
「あ、あのなぁ……。もう勃たないぞ……」  
「え、ええ!ど、どうしよう!ちょっとくらい柔らかくても我慢するから早く!」  
「指じゃダメ?」  
「いやっ!ちゃんと中に出してくれなきゃやっ!」  
−性器ドライバよりの入力要求増大−  
「あ、あ、あはぁ!早く、はやくぅ!壊れちゃいそうですぅ!  
 
 
数時間後。  
「あ……も……バッテリーが……きれちゃいますぅ……。じゅうでんをぉ……」  
「お前……激しすぎ……」  
 
 
数日後。  
私は眠っている博士を見ながら、花瓶の水を取り替えていた。  
「……あいつはどうだったかね?」  
「あ、起きてらっしゃったんですか」  
「ああ、女にはしてもらったのかい?」  
にやにやと笑いながら聞いてくる。私はうつむいて顔を赤らめながらこくん、と一つ頷いた。  
「そうか……。それじゃそこの棚を開けてみてくれ」  
指さした先には分厚いファイルとディスクの束が入っていた。  
「これは……私の……」  
「そうだ、お前のメンテナンスマニュアルから設計図、回路図まで全てそこに入っている。 
それをあいつに渡してくれ。そうすれば……私がいなくても、お前のメンテや修理を任せられる」  
「……博士」  
「そんな顔をするな。そうそうすぐに死ぬつもりもない。しかしな、あいつもお前も私の可愛い子供の 
ようなものだ。……幸せに、末永く暮らして欲しいと思うのは親心じゃないか?」  
「……ありがとうございます。私、わたし……マスターも博士も……大好きです……」  
「ああ、私もお前が大好きだよ。……ところで、ちゃんと気持ちは良くなれたかい?  
不満があれば快楽中枢回路をもっと強烈なやつに改造してやるぞ?」  
「……は、博士っ!……いえ……とっても気持ちよかったです……」  
 
おしまい。  
 
 

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