「もう九月なのに、いつまでも暑いね、友郎クン」  
小柴愛莉は口を尖らせながら言った。彼女は今、隣にいる伊関友郎とコンビニへ行った  
帰りである。片手にはアイス、そしてもう片方の手は、友郎の手としっかり繋がれている。  
この小学五年生と二十八歳のカップルは、休日の午後を当て所も無くぶらついていると  
ころだった。  
 
「愛莉ちゃん、そんなに暑かったら、プールにでも行こうか」  
「イヤよ。友郎クン、あたしの水着姿が見たいだけでしょ?」  
「そういう訳じゃ無いけど」  
「見たくないって言うの?それはそれでムカつくんだけど」  
「い、いや、そういう訳でもないんだよ」  
気を使ったつもりの友郎だったが、愛莉の反応はもうひとつ。夏休み中、学校のプールで  
泳ぎ、真っ黒に日焼けした彼女にしてみれば、何を今さらという気持ちがあるのだ。  
 
「退屈だなァ・・・」  
愛莉が友郎に流し目をくれてやった。そうして、手にしていたアイスを舌先で、意味ありげに  
チロチロと舐め始める。  
「こうすると、友郎クン、喜ぶよね」  
「あ、愛莉ちゃん・・・ひ、人が見てるよ」  
アイスを縦にして舐め、横にして舐める愛莉の動きが、すれ違う人々の訝しげな視線を誘う。  
ただでさえ、女児と青年という二人連れである。他人が怪しいと思うのも、無理はない。  
 
「あたしと友郎くんって、他人が見たら兄妹って感じかな?それとも親子?」  
「たぶん、親子の方じゃないかな。兄妹にしては、年が離れすぎてるし」  
「そうね。じゃあ、友郎クンはあたしのパパなのね」  
愛莉は、親子という間柄に何か惹かれる物があるようで、大きな瞳をキラキラと輝かせ  
ながら、人目も憚らずこんな事を言い始めた。  
 
「ねえ、パパ。おうちに帰りましょう」  
「はあ?」  
パパ呼ばわりされた友郎が首を傾げる。しかし、愛莉はわざと周囲に聞こえる風で、  
「だからパパ、家でのんびりしようよ」  
などと言うのである。  
(何の遊びだろう)  
友郎は愛莉の顔を見た。何か、好奇心に満ち溢れた笑顔が、そこにはあった。これは、  
ただの言葉遊びではない。そう考えた友郎は、彼女に話を合わせる事にした。  
 
「じゃあ、帰ろう」  
「うん、パパ」  
愛莉が腕を絡めてくると、なるほど、パパと呼ばれるのも悪くない、と友郎は思った。ま  
して、愛莉のような可愛い子供ならば尚更──まだ未婚の青年は、そんな事を考えつ  
つ、少女とともに家路についた。  
 
「ねえ、愛莉ちゃん。僕の部屋に来る?それとも、いったん帰る?」  
アパートまで来た時、友郎は愛莉に尋ねた。すると、  
「なあに、パパ。娘に向かって、愛莉ちゃんだなんて・・・それに、あたしにココ以外、帰る  
所なんてないわ」  
そう言って、友郎の自室を愛莉は指差すのである。どうやら、親子のように振舞う遊びは、  
まだ続いているらしい。  
 
「そうだったね、ごめん」  
「しっかりしてよ、パパ」  
愛莉は当たり前のように、友郎の部屋に入った。そして、靴を脱ぎ散らし、玄関を上がろう  
とする。  
「ああ、愛莉ちゃん。お行儀が悪いよ」  
友郎は方々へ散らばった靴を拾いながら言った。すると愛莉は腕を組み、  
「だって、パパのしつけが悪いから」  
と、舌を出したのである。  
 
「まあ、娘にちゃん付けする親だから、しょうがないのかもね、うふふ」  
人を小ばかにするように、愛莉は笑った。まるで、わざと友郎を怒らすかのように。  
(そうか。そういう事か。なるほど、なるほど)  
友郎はここにきてようやく、愛莉の目的が分かった。彼女は、わざと靴を脱ぎ散らかしたの  
である。父親役の友郎に、叱ってもらうために。  
 
「愛莉、ちゃんと靴を揃えなさい」  
「イヤよ。パパがやったら?」  
ふふん、と鼻を鳴らす愛莉。少女は憎まれ口を叩くのも得意らしく、優しい父親役しか  
出来ないと思われた友郎を、とうとうその気にさせた。  
 
「そんな事を言う子は、おしおきだ」  
友郎が愛莉の体を掴んで、肩に担ぎ上げた。もとより大人と子供、力には歴然とした差  
がある。愛莉は手足をじたばたさせたが、友郎の戒めからは逃れられそうにない。  
「何よ!大きな声を出すわよ!」  
「出してみるがいい。それでもパパはお前を躾るぞ!」  
友郎は愛莉を部屋の中へ担ぎ込み、ベッドの上に放り投げた。壁で頭などを打たぬよう、  
慎重に投げたおかげで、愛莉はふんわりと布団の上へ身を置く事が出来た。  
 
「イヤ!何するの、パパ!」  
愛莉は枕を胸元に当て、怯えるような顔を見せた。足元からは父親役の友郎が迫って  
いる。彼の言うおしおきとは何か。その思いが、少女を不安と期待に包ませる。  
「悪い子には、お尻ペンペンと相場が決まってるんだ。さあ、愛莉。お尻を出しなさい」  
「イヤ!お尻を出すなんて、イヤよ」  
愛莉が逃げるような素振りを見せると、友郎は素早くそれに反応し、少女の細い腰を掴  
んで、己の膝の上に乗せた。もう、愛莉はまな板の上の鯉も同然で、成す術が無いよう  
に縮こまっている。  
 
「やだァ、パパ・・・許してェ・・・」  
「駄目だ。愛莉をちゃんと躾ないと、パパが恥をかくんだからな」  
哀願する愛莉をよそに、友郎は手を少女の衣服へ伸ばした。今日の愛莉は、薄手のワ  
ンピースしか着ていないので、裾をまくればすぐに愛らしい桃尻がお目見えする。下着  
はありふれた女児用のショーツだが、女の曲線を描きつつある、成長期の尻を包んでい  
る事を考えれば、中々に官能的であった。  
 
「パンツも脱がすからな」  
「あッ!イヤッ・・・」  
ショーツを太ももの辺りまで下ろされると、愛莉の抵抗が弱まった。すると、すかさず丸い  
ヒップに友郎の手が振り下ろされる。  
「ああん!」  
ピシン!と、生の肉を叩く音が、室内に響く。続いて、第二打、三打と愛莉の生尻は、友郎  
の手で打たれた。  
 
「悪い子だ」  
「ごめんなさい、パパ!」  
尻を引っ叩かれるたびに、愛莉の体が弾む。手加減はしているものの、友郎は案外、容赦  
の無い責めを繰り返した。  
 
(僕に、こんなサディスティックな面があったなんて、意外だな)  
少女の尻を打ちながら、友郎はそんな事を思う。気がつけば男根がカチカチに強張り、  
今にでも白濁した粘液を漏らしてしまいそうになっている。それも、可憐な少女の尻を  
打つという倒錯めいた行為に昂ぶっての事だ。こんな経験は、今までに一度も無い。  
 
「ぐすん・・・パパ、もうやめて・・・」  
「あッ、そ、そうか。もう、反省したな」  
「うん・・・ぐすん・・・」  
自分の膝の上で愛莉が泣いてるのを知り、友郎は我に帰った。尻を見ると、打った跡  
が紅葉のように花を咲かせている。加減はしたつもりだったが、随分と手ひどくやって  
しまった。友郎は罪悪感に苛まれ、紅くなった少女の尻を撫でてやる。  
 
「ごめんよ、愛莉。パパ、やりすぎたな」  
「いいの。だって、愛莉が悪いんだし・・・」  
くすん、と鼻を啜って、愛莉は呟いた。まだ、奇妙な親子遊びは続いているらしく、愛莉  
は友郎をパパと呼ぶ。その上、  
「ねえ、パパ。おわびに、コレ・・・しゃぶってあげようか」  
と、すっかり硬直した男根を、ズボンの上から摩りだしたのである。  
 
「いいのかい?」  
「うん・・・愛莉、なんだかお尻を打たれて、エッチな気分になっちゃった」  
尻を丸出しにしたまま、愛莉は友郎の膝から降りた。そして、着ている物をそそくさと  
脱ぎながら、  
「パパも脱ぐんだよ」  
と、微笑む。友郎はその微笑に誘われるように、自分も衣服を脱いでいった。  
 
「パパァ・・・こっちに来て」  
愛莉は一糸まとわぬ姿で、友郎をベッドに誘った。その誘い方というと、打たれた尻を  
くねくねと振り、両足を開きながらぴっちりと閉じた二枚貝を見せるという物だった。  
年齢的な事を考えると、いささかやり過ぎの感は否めないが、友郎の一物はそれに呼  
応して、痛むほどに硬度を増していく。  
 
「じゃあ頼むよ、愛莉」  
「はあい」  
友郎の男根はさほど大きくはないが、幼い愛莉にしてみればそれは未知なる代物と言  
えよう。だが少女は、それに嫌悪感を持つでもなく、むしろ嬉々として、未だ口づけすら  
知らない唇で愛撫を捧げた。  
「んむッ・・・」  
舌が塩気と苦味が混じったような物を感じ取った。生臭いが、決して嫌ではない。鼻を  
抜ける臭気を、愛莉はそう評価した。  
 
「ああ、愛莉・・・」  
少女の舌は男根の先から根元まで、ついっと流れていく。その動きは拙いが、友郎は  
満足だった。幼い愛莉の唇で、こんな事をしてもらえるだけで、十分、夢心地になれる。  
友郎は目を閉じて、少女にされるがままとなった。  
 
「ふう・・・パパのオチンチン、すごく熱いね。ふふ、変なの」  
愛莉は一旦、男根から唇を離し、手による愛撫を試みた。実際の話、友郎にとってはこ  
の方が気持ち良い。愛莉の唾液によって男根全体が濡れ、手の動きで起こる摩擦が、  
何とも心地良いのだ。  
「あ、愛莉・・・このまま、いかせてくれないか」  
「いいわよ、パパ」  
ウッ、と友郎が低くうめいた。愛莉がまた、男根の先を舌で愛撫し始めたからだ。  
 
「あたしが上になるね」  
ベットに寝そべった友郎の上に体を重ね、愛莉は男根を握った。もう、それは爆発の兆し  
を見せており、ピクピクと激しく脈打っている。その様を見て、愛莉の目がキラリと光った。  
「ねえ、パパ」  
「なんだい、愛莉」  
「あたし、パパの事、好きよ」  
玉袋をゆっくり揉みながら、愛莉は笑っている。そして、男根に舌を這わせながら、淫靡  
に囁くのだ。  
 
「親子でこんな事するなんて、すっごくドキドキするよ・・・」  
うふふ、と愛莉はまた笑った。近親相姦という言葉こそ知らないが、親子でこういった  
関係を結ぶ事に、耽美な何かを感じているらしい。それが、この奇妙な親子ごっこへ  
と繋がったのだろう。友郎は腰砕けになりつつも、そんな事を考える。  
 
「ずっと一緒だよね、パパ」  
ぷっくりと膨らむ男根を擦りながら、愛莉は小さな体を友郎に預けた。抱かれてもいい。  
口には出さないが、愛莉はいつもそう思っている。友郎は、自分を大切にしてくれる男  
なのだ。処女はくれてやってもいいだろうと思う。しかし、男は気弱で優しい性格をして  
いた。  
 
「ねえ、いくの?パパ」  
「う、うん」  
「じゃあ、いって。あたしの手の中で」  
後、二年もすれば愛莉はかなり大人に近づくだろう。そうなれば、友郎に大人にしてもら  
えるかもしれない。それまでは、こうやって糸を繋ぐつもりなのだ。見えない、運命の赤い  
糸とやらを。  
「うあッ!」  
「きゃあ、パパ!すっごーい!」  
天井を向いた男根から、子種が吹き上がった。愛莉はそれを晒した素肌で受け止め、仮  
の白装束に身を包むのであった。  
 
おしまい  
 

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