チリンチリン――♪  
 
 
 
涼やかな群青色の陶器で作られた風鈴が風に揺られて涼しげな音色を奏でている。  
 
灼熱の太陽と遠い空の入道雲。海辺の地方は蒸すような暑さだが、風鈴の音色は  
 
気だるい夏の午後の暑さをやわらげてくれる。  
 
(気持ち、いいな――)  
 
慎也は四方を開け放した和室の中央で大の字になって寛いでいた。  
 
時折風が凪いだ時に、手にもった団扇を揺らす以外、何もしない。  
 
クーラーは無いが、関節が痛くなる人工的な冷気より、この自然の風の方が  
 
どちらかと言えば柔肌の慎也には比べ物にならないほど心地よい。  
 
 
 
都会っ子の慎也にとって、年に一度の母方の里帰りはこの上ない楽しみだった。  
 
ここには普段の彼の生活には無いものが沢山あった。  
 
一メートル以上の底が見えるほど透き通った海。沢蟹や泥鰌などの小さな生き物達。  
 
井戸水で丸ごと冷やしたスイカ。採りたての新鮮な野菜とイキのいい魚が並ぶご馳走。  
 
そして――。  
 
「ただいま〜〜!」  
 
鍵もかけていない玄関の網戸が派手に開く音と共に、一人の少女の元気な声が慎也にも  
 
聞こえた。ドタドタ――。バタバタ――。しとやかさの欠片も無い、派手な足音。  
 
(沙耶か……)  
 
いい気持ちでまどろんでいた慎也は少し眉をしかめる。全く……中学生になったと言うのに  
 
子供みたいに――。  
 
やれやれ、とぶつくさ呟きながら慎也が半身を起こした時、セーラー服姿の少女が彼の  
 
いる和室に入ってきた。  
 
「ただいま、慎也!」  
 
こぼれる様な少女の笑顔を見たとき、慎也は一瞬にして先ほどの不機嫌な気持ちを忘れて  
 
しまった。  
 
「お帰り、沙耶――」  
 
彼もニコッと優しげな笑みを浮かべる。  
 
だが――。  
 
「あっつ〜〜い! 慎也、よく扇風機もつけないでいられるね〜?」  
 
沙耶はセーラー服のタイを毟り取るようにして剥がしながら遠慮なく部屋の奥まで進み、  
 
扇風機のスイッチを入れた。ヴォン……とモーターが廻る音がして、そよ風が吹き抜けて  
 
いた部屋の空気を力ずくで撹乱していく。  
 
 
 
(風情が台無しだよ――)  
 
慎也はこれ見よがしに迷惑そうな表情を見せつけようとするが、沙耶は気づかない。  
 
「あ〜〜〜、生き返る〜〜♪」  
 
ストレートの艶やかな黒髪が強風に乱されるのも気にせず、沙耶は幸せそうに扇風機の  
 
前に座り込んで風にあたっている。扇風機の強風は沙耶の髪だけでなく、セーラー服の  
 
上着やスカートも当然の様に乱していく。白い上着の裾からは少女の白く滑らかな肌が  
 
見え、スカートの足元は太股までめくれ上がり、日焼けしたスラリとした脚線美が  
 
丸見えの状態だ。慎也は思わず見入りそうになり、慌てて首を振る。  
 
「全く……少しは恥じらいを覚えろよ……」  
 
流石に見かねて慎也が注意した。風情が台無しになるだけでなく、目のやり場にも困る  
 
からだ。  
 
「いいじゃない、慎也しかいないんだし」  
 
沙耶は慎也の気も知らずか、沙耶は全く無頓着だ。風に弄られる横顔はまだ幼く見えるが、  
 
それでも去年の沙耶とは別人の様に女らしさを帯びている、と慎也は思っていた。  
 
本人は全く気がついていないようだが。  
 
 
 
「お前だってもう中学生だぞ? いい加減、男の前ではしたない格好をするのはやめないと……」  
 
「従兄妹同士なんだから平気だよ」  
 
「そういう問題じゃないだろ? ぱんつ見えるぞ?」  
 
「エヘヘ、見たい?」  
 
沙耶が膝立ちになり、悪戯っぽくスカートを持ち上げた。スカートは扇風機にパタパタと  
 
煽られ、紺色の波の様にはためいている。時折、その『波間』から白いものがチラリ、と  
 
見えた。その瞬間、慎也は我あらずドキッと胸が高まる。  
 
「こらっ! いい加減にしろ!」  
 
内心の高鳴りを押し隠すかのように、慎也は強く怒った。沙耶は一瞬きょとんとした顔をしたが、  
 
「べ〜〜だ! お兄ちゃんぶって。怒るんだったら、もう見せてあげないよ〜〜だ!」  
 
沙耶がスカートを下ろす。慎也はホッとしたような溜め息をついた。  
 
「全く……お前、まさか学校でもそんな真似してるんじゃないだろうな?」  
 
「してないよ〜。男子になんか見られるのやだもん」  
 
「俺だって男子なんだが……?」  
 
「慎也は従兄妹だから良いの」  
 
なにが良いんだか――。 慎也は三つ年下の従兄妹を改めて見つめる。  
 
着崩れたセーター服の間から覗く肌は白く、顔や手足は健康的に日焼けしていた。  
 
毎日、スクール水着で日焼け止めも塗らずに泳いでいるのだろう。  
 
 
(そのあたりは子供なんだけど――)  
 
だが、胸は軽く隆起し、幼い顔立ちながらも長い睫毛や髪をかき上げた時に見える  
 
白い項は、徐々にではあるが大人の魅力を湛えつつあった。  
 
(去年とは全然違うんだよなぁ)  
 
去年に里帰りした時に見た沙耶はまだまだほんの子供だった。髪も今の様に長くは  
 
なかったし、胸の隆起もなく、体型もぽっこりとした典型的な幼児体型だった。  
 
だが一つだけ、慎也が今でも覚えている光景があった。  
 
 
 
今日よりも暑く、風のない日。あまりの蒸し暑さに慎也は庭に子供用のプールを  
 
出した。行水で暑気払いをしようと思ったのだ。  
 
(慎也兄ちゃん、水遊び? 沙耶も入っていい?)  
 
ワンピースを着た小学生の沙耶が嬉しそうに慎也に抱きついてくる。  
 
(いいよ。でも服が濡れるから、脱いでからね)  
 
慎也がにこやかに答える。沙耶は大喜びでワンピースを脱いだ。下には女の子に  
 
人気の黒服と白服の女の子キャラが描かれた子供用パンツしかつけていなかった。  
 
(わ〜い! おうちでプールだ〜! きゃああ〜!! つめたぁ〜い!!)  
 
慎也がかけるホースの水を浴び、おおはしゃぎの沙耶。たちまちプリントぱんつも  
 
水に濡れてしまう。  
 
(ふぇぇ〜……。パンツびしょびしょだよぉ……。お兄ちゃん、脱いでいい?)  
 
流石に全裸は……と慎也は迷ったが、沙耶が気持ち悪そうにパンツを引っ張って  
 
いるのを見かねてOKした。沙耶はぱんつを脱ごうとするが……。  
 
(お兄ちゃん……うまく脱げないよ……)  
 
うんしょ、うんしょ、と声を上げながら体に張り付いたパンツを剥がそうとするが、  
 
なかなかうまくいかない。  
 
(しょうがないなぁ……)  
 
慎也は苦笑いしながら手伝ってやる事にした。張り付いたパンツと地肌の間に空気を  
 
入れながら、丁寧に降ろしていく。沙耶が力ずくで下げようとしていたパンツは  
 
何事もなかったようにするりと沙耶の足元に落ちた。  
 
(わ〜い、脱げた! お兄ちゃん、水遊びの続きして!)  
 
大喜びの沙耶だが、何故か慎也は黙っていた。その目は沙耶のある部分に釘付けになっている。  
 
(お兄ちゃん……?)  
 
沙耶が訝しげに慎也の顔を覗き込む。慎也ははっとした様に沙耶の顔を見つめ、  
 
慌てて視線を逸らせた。  
 
(な、なんでもないよ。じゃあ、続きしよっか?)  
 
(う、うん……)  
 
その後も二人の水遊びは続いた。  
 
だが、沙耶は始めたときの様に無邪気には喜べなくなっていた。お兄ちゃんの様子が  
 
変だし、それに――。  
 
(お兄ちゃん……ここばかり狙っちゃやだ……)  
 
切なそうに沙耶が内股になってもじもじする。気がつくと慎也はホースの水を沙耶の  
 
大事な所――無毛の股間にばかり水を浴びせていた。慎也もそれに気づき、慌てて  
 
ホースを上に向け、シャワーの様に沙耶に浴びせる。  
 
(ごめんね、沙耶。水の出が悪くってうまく出せなかったんだ――。でも、もう大丈夫だよ)  
 
優しくニッコリと微笑む慎也を見て沙耶は安堵した。やっぱりいつもの優しいお兄ちゃんだ。  
 
さっきまでのなんだか変なお兄ちゃんは沙耶の見間違い――。幼い沙耶はそう信じた。  
 
慎也は懸命に優しさを装いながらも、さっきまで凝視していた沙耶の幼い神秘の秘裂を  
 
思い出していた。網膜に焼きついたかのようなその光景は、都会に帰ってからも何度も  
 
思い返し、夜な夜な慎也を悩ませた。  
 
「慎也、どうしたの?」  
 
気がつくと沙耶が見上げるような姿勢で自分を見つめていた。慎也は慌てて後退りする。  
 
「び、ビックリさせるなよ」  
 
「……? 何でビックリしたの?」  
 
「それはだって、お前……」  
 
妄想の当人が急に目の前に現れたから、などと言えるか。  
 
そう言えば自分の呼び方から『お兄ちゃん』が取れている。言葉使いだけでなく、いや、  
 
言葉使い以上に沙耶の体はこの一年間で一気に大人びていた。見上げるような姿勢で、着崩れた  
 
セーラー服の胸元から覗く胸。それほど大きいと言うわけではないが、服の上からでも十分  
 
膨らみは見て取れる。腰周りもや太股のあたりも丸みを帯び、その代わりウェストと足首が  
 
キュッと締まっている。第二次性徴期――。中学の保健体育で習った言葉を思い出した。  
 
沙耶は大きな目をパチクリして従兄の様子を窺っていたが、その視線が自分の胸元やお尻の  
 
あたりに集中してるのに気がつくと、急に意識したように頬を染め、身を守る仕草をした。  
 
「な、なんだよ……急に?」  
 
声を上ずらせながら沙耶の態度の変化を訝しむ慎也を沙耶はじっと見ていたが、口を尖らせ、  
 
「スケベ……」  
 
と、呟くように言った。  
 
「だ、誰がスケベだ!」  
 
慌てて否定する慎也に対し、沙耶は更に追求する。  
 
「だって、私の胸とかじっと見つめてたじゃない……。胸だけじゃなくて、お尻とか、  
 
スカートの裾とか……」  
 
「言いがかりだ! たまたま視線と一致しただけだろ!?」  
 
「それが見つめてたって言ってるの。スケベな視線を感じちゃうじゃない」  
 
「大体、人が寛いでる所に駆け込んできて、いきなりスカートを捲り上げたのはお前じゃないか、  
 
このエロ娘!」  
 
「え……エロ娘!? それが花も恥らう乙女に言う言葉?」  
 
「誰が乙女なんだか。恥じらいがあるならその乱れた服を何とかしろ。男の前でそんな格好してたら  
 
襲われたって文句言えないんだぞ?」  
 
「フン、だ。もやしっ子の慎也なんかに襲われても平気だよ〜だ! 反対に投げ飛ばしてやる」  
 
「言ったな、こいつ!」  
 
「やる? やる気なの? いいよ、掛かってきなさい! ……きゃああ!?」  
 
慎也が飛び掛り、沙耶がたまらず押し倒される。だが、きゃー!きゃー!と悲鳴を上げながらも  
 
楽しそうに慎也の押さえ込みから抜け出そうともがいている。ドタン……バタン……ドタン。  
 
二人っきりのプロレスごっこは力では慎也が押し気味だが、動きの素早さでは沙耶の方が上で  
 
押さえ込む前にするりと逃げられる。  
 
「う〜、流石は水泳部……。伊達に毎日鍛えちゃいないな」  
 
「だから言ったじゃない。夏休みだからってお部屋で居眠りばかりしてるからだよ〜」  
 
「ふ〜ん……。じゃあ、この手はどうだ!?」  
 
「え? 何を……きゃん!?」  
 
慎也は沙耶の足元に飛び込むと、両足を抱えるようにタックルした。たまらず、沙耶は  
 
畳の上に尻餅をついてしまう。  
 
「こら〜! スケベ、えっちぃ! ……パンツ見えちゃうでしょ!?」  
 
下半身に組み付かれた状態でポカポカと慎也の頭を叩く沙耶。  
 
「あいてて……! そんなの、さっきから何回も見てるよ」  
 
「やっぱりそれが目的だったんだ! 慎也のエッチぃ! え〜〜い! 離せッ!」  
 
右足を慎也の肩に掛け、思い切り蹴るように足を伸ばしてその反動で脱出を図る沙耶。  
 
さしもの慎也のタックルもそれで外れ、逃げられたかに見えたが……。  
 
「やん! そ、そんなに足を上げないでってば!」  
 
その右足首を慎也につかまれ、尻餅をついた状態で上に持ち上げらる。沙耶にとっては  
 
非常に恥かしい格好になった。慌ててめくれるスカートを押さえるが、下半身が完全に  
 
上になってしまい、全部を押さえて隠すことが出来ない。前と後ろを押さえたが、横からは  
 
太股は勿論、ぱんつも丸見えである。  
 
「離してよ〜! 離さないと……蹴るからね!?」  
 
「やってみろよ。お前の蹴りはもう見切った、なんてな♪」  
 
「う〜、本気なんだから!」  
 
沙耶が左足で慎也を蹴ろうとしたが、足を上げられた体勢では蹴りも威力がない。  
 
2、3回蹴りだされた足を軽く交わし、隙を見てその蹴り足を慎也は余裕で掴んでいた。  
 
「あ……」  
 
「ふっふっふ……。これでお前の武器は封じたぞ?」  
 
悪の首領の様な忍び笑いで足を押さえられたままスカートを懸命に押さえている沙耶を  
 
見下している。  
 
「降参するなら許してやっても良いぞ? ただし、ちゃんと三つ指突いて深々と詫びる  
 
約束をしてもらうからな」  
 
優位な体勢で意地悪な表情で沙耶を見る。慎也の言い方にムッとした沙耶は、恥かしい  
 
格好に頬を染めながらも慎也に対して抵抗する意志を失ってはいなかった。  
 
「誰が降参なんかするもんですか。もやしっ子でオタクの慎也に」  
 
「誰がオタクだ。誰が」  
 
「だって、慎也の鞄の中、携帯ゲームとかゲーム雑誌ばっかりじゃん」  
 
「……勝手に探るな、人の鞄を。……で、どうする? 謝らないとヒドイ事してやるぞ?」  
 
それに対する沙耶の返事は、舌を出して「べー、だ!」だった。可愛い仕草だけに  
 
慎也には余計にむかつく。  
 
「いい度胸だ。この体勢からどんな技が出せるか、知ってるんだろうな?」  
 
「知ってるよ、逆海老固めでしょ? やってみれば?」  
 
意外とプロレスの知識がある所を見せながら、沙耶は挑発した。彼女の考えでは、それは  
 
逆に脱出のチャンスだった。力があっても技を仕掛ける運動神経は慎也にはなく、その  
 
動き出しを狙えば、沙耶は脱出できると踏んでいた。だからこそ強気な態度も取れる。  
 
「逆海老固めね……」  
 
それを聞いて慎也はにんまりとした。その時に邪悪な意志が少し滲みでていたのを沙耶は  
 
気がつかなかった。  
 
「別に違う技でもいいよ。慎也に出来るんだったらね」  
 
言いながらも沙耶はスカートを押さえなおす。慎也が両足を持った状態で左右に揺らすので、  
 
段々捲れ方がひどくなって来ているからだ。だが、その隙を慎也は逃さなかった。  
 
「では、お言葉に甘えて……」  
 
慎也がおもむろに右足を沙耶の両足の間に割り入れた。足の裏が沙耶の太股を滑り、  
 
白いパンツに覆われた股間に到達する。  
 
「あっ……! な、なに……!?」  
 
不意を突かれた出来事で、沙耶は何の抵抗もすることが出来なかった。慎也は持っていた  
 
沙耶の両足首もがっちりと脇に固めて、完璧な体勢を整える。  
 
「よし……。電気あんまの体勢、完了。後悔しても遅いぞ、沙耶」  
 
「え……? でんき……あんま……? ええ?」  
 
慎也のアルカイックに唇を引きつらせた邪悪な微笑みに、沙耶は大いなる不安を覚えた。  
 
「し、慎也……足が……」  
「ん? 足がどうかしたのか?」  
「足が……変なトコに当たってるよぉ……」  
恥かしそうに見上げる沙耶。だが、その表情を見て慎也は逆ににやりと笑った。  
「当たり前だ。当ててるんだからな」  
 
「え!? そんな! だ、ダメだよ……」  
驚いた表情の沙耶。慎也は自分に何をしようとしいうのか?  
「何がダメなんだ?」  
「だ、だって……。ここを狙うのは、反則だよ……」  
「知らなかったのか? 女子プロレスではOKなんだぞ?」  
「う、嘘だよ、そんな……! ね、慎也。それだけはやめて……」  
嘯く慎也に対し、真顔で不安そうな表情を見せる沙耶。それが慎也の嗜虐心を刺激するとも  
知らずに……。  
 
「フフフ……」  
慎也はゆっくりと足の裏で沙耶の股間を刺激する。白のスポーツショーツ一枚で守られた  
だけの沙耶のそこは、慎也の足の力をそのまま受け、そこから体全体に電気が走ったように  
感じられた。  
「……あっ!!」  
「どうした? 感じたか?」  
「そ……そんな事ない……あぅ!? う、動かさないで……そんな……」  
沙耶はビクビクッ!と痙攣したかの様に仰け反ると、キュッ!と内股になって慎也の足を  
挟みこんだ。慎也はそれに構わず、尚もグリグリと沙耶の処女の秘裂を刺激していく。  
 
「正直に言わないとどんどん動きを早くするぞ?」  
慎也は足を微妙に震わせ、振動を送り込んでいく。  
「だ、だめ……あああ……う……くっ!」  
沙耶は慎也の足を握り締め、懸命に耐える。長い髪が畳に広がり、沙耶が首を左右に振るたびに  
艶めかしく乱れている。  
 
(こいつ……中学生のクセに……ん?)  
沙耶の頬を紅潮させて悶える姿に見とれていたが、足の裏に踏まれるショーツに湿り気が  
帯びてきたのに気がついた。  
(沙耶……)  
意地悪に指摘してやろうかと思ったが、辛うじて思いとどまった。既に恥かしさの中で  
悶えさせられている沙耶にこれ以上の辱めを与えるのはあまりにも可哀想だろう。  
……今の所は。  
 
「降参するか、沙耶?」  
慎也の呼びかけに荒い息を懸命に整えながら沙耶は首を振った。既にまともに口を利けない  
状態だが、降参拒否の意志を示す。股間の振動に時折呻きながら、太股を震わせ、懸命に  
耐えている。  
「そうか、もっとやられたいんだな」  
慎也は沙耶のスラリとした足を深めに持ち直し、踵を割れ目の部分に宛がった。そして  
先程より強めに圧迫する。ビクン!と震えた沙耶だが、両手を畳に突っ張らせるようにして  
力を入れて耐える。  
 
「慎也……あっ!……ああっ!」  
ドッドッドッドッドッドッ……単気筒エンジンの様な重くリズミカルな振動を受けるたび  
沙耶の体もビクビクと震え、ついには自分の指を噛み締める。そうしないと押し寄せる  
波に耐えられないからだ。  
既にショーツはびしょ濡れで、畳にも染みが広がりつつある。全身には熱気とは違う汗が  
浮き出て、切なげに吐息を突く沙耶の妖艶さは最早少女の域を越えつつあった。  
 
「イかせて欲しいか?」  
慎也が沙耶に迫る。慎也の瞳も狂気に似た煌きを湛えていた。沙耶は一瞬、慎也の顔を  
見つめた後、コクリと頷いた。  
「でも……降参はしないもん……」  
何故かそこだけは強硬に主張する。  
「ずるい奴だな」  
慎也は苦笑いした。ここまで責められて自分に選択権などないだろうに、沙耶は降参しないと言う。  
 
「だって……降参すると……終わり……なんでしょ?」  
乱れたセーラー服の胸元を握り締めながら沙耶が呟くように言った。恥かしそうに頬を染めながら。  
「大丈夫、終わりにはしないよ」  
慎也が優しげな笑顔で答える。  
「イかされてもまたしてあげるから、安心してイっていいよ」  
「……うん」  
沙耶は慎也の足に触れる。  
女の子の大切な所をいじめる悪い足。だけど、同時に自分を天国に導いてくれる足――。  
 
「これでとどめだ、沙耶」  
「うん……。あ……! ああっ……!!」  
慎也は振動を強めた。グリグリ……ダダダダ……。振動と圧迫と捻りを繰り返し、  
沙耶の股間を激しく責め立てる。その度に沙耶の女の子の所は淫靡に湿った音を立て、  
ヒクヒクと蠢いた。そして……。  
「慎也……慎也ぁ……。ああああああああ……!!!」  
沙耶は慎也の足を自分の股間に押し付けるように掴んだまま、ビクビクと体を反らせ、  
やがて、がっくりと力が抜けたかのように畳の上で果てた。膨らみかけた胸が呼吸にあわせて  
ゆっくりと上下する。スカートはめくれ、濡れそぼったショーツがぴっちりと沙耶の女の子の  
所に張り付き、その形を露にしていた。  
 
「沙耶……」  
慎也は沙耶の汗で張り付いた髪を額から退けてやりながら、淫靡な責めに果てた少女の  
顔を見つめていた。  
 
 
 
 

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