昔、とある街がありました  
そこには1匹の竜がいました  
人間が生まれる前から生きている竜は  
火の使い方、川の流れの利用方、食物など様々な知識を与えました  
人々は竜に感謝しました  
 
ある時、街の上にある火山が噴火の兆しを見せました  
竜はそのことを人々に伝え人々を避難させようとしましたが  
ほとんどの人々は今まで噴火など見たことないと言い信用しませんでした  
そして火山は噴火し、沢山の人間が死にました  
 
竜の言うことを信じて避難したもの  
奇跡的に助かったものはある一つの疑惑を抱えました  
「これはあの竜が起こした噴火なのではないだろうか」  
人々の間にこんな噂が流れ、竜を見る目は次第に厳しくなっていきました  
ある日、人々は竜を街から追い出しました  
竜は涙を流して飛んで行きました  
 
それからしばらくして、人々の街は荒れ果て  
作物は育たず、火をつけられず、食べられるものもわからず  
街は次第に活気を失っていきました  
 
そんな時、この街を狙う者がいたのでした  
別の街を仕切る族長は前々から領土を広げようとこの街を狙っていたのです  
しかし、今まで竜の教えた火や川の防壁で手が出せなかったのです  
街が活気を失い、竜がいなくなったことを知ると  
悪い族長は沢山の武器と人を率いてその街にやってきました  
 
街の人々はビックリし、竜を探し出し助けを求めました  
竜は断ろうと思いましたが、頭を下げる人間を許し助けてあげることにしました  
 
武器を持って街の外にならぶ人間たちを見て竜は何やら呪文を唱えました  
すると地面が割れ火が噴出し、武器を持った人間たちは驚き逃げていきました  
 
街に平和が戻ったと思えましたが、竜の力は敵だけでなく街の人を恐怖させるのにも十分でした  
街の人の目はまた以前の冷たい厳しい目になったのです  
それを見て竜はまた涙をこぼし去っていきました  
もう、人間には見つけられないどこかへ・・・  
 
しばらくして街は滅びました  
 

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