-狂骨ネタ-  
 
妖族。伝説とされていた彼らがいつのまにか人間社会に深く溶け込み隣人となっていることが解ったの 
がつい5年ほど前である  
一騒動は起きたものの、翌年には彼らの権利が確証された。 
しかし、人間が本能として持つ理解出来ない事への恐れが自族の事をあまり話したがらない彼らとの間 
に溝を作った。 
ようやく、一部のメディアで社会問題として取り上げられ始めたようだが今、自分の身に起きている事を 
見ると社会の認識はイマイチのようだ。  
 
「…つまり、学校で食事をしないで欲しいと言う事ですか?」  
何とか冷静さを保って、攻撃を込めた言葉を吐き出す。  
テーブルを挟んで向かいに座る男に的は絞られている。  
何らかのリアクションは返って来るかと思ったが、男は動きもしなかった。  
代わりに、その隣にいる痩せた出っ歯がまた口をはさみだした。  
そいつの言葉など耳にもいれてなかったが、発する音は神経を逆なでする。  
漏れるため息を隠しもしなかった。  
ため息の後に「黙ってろ」という言葉が口のすぐそこまで出かかっている。  
それを何とか飲み込み、男の言葉をもう一度求める。  
また出っ歯の口が開きかけたとたんキッ!! っと睨んでやった。  
そのまま目線だけを男に向ける。  
男のまぶたがわずかに動き、瞳孔が少し開くのを確認した。  
ここぞとばかりに詰問する。  
「彼女の生命に関わる事なのは理解している筈ですよね!?」  
「どうして彼女が学校で食事をとるのを認めていただけないのですか!?」  
狭い空間に、この声は少し大きすぎたようだ。それをかき消すように沈黙が室内に充満する。  
密度が限界まで高くなった時、それを破るように言葉が発せられた。  
 
「彼女の一族がどうして疎んじられてるか  
 そしてそれが事実だという事は君は知っているだろう  
 卑怯かもしれないが私はそういうことがここで起こって欲しくないんだ。  
 先週、君は保健室で倒れて病院に運ばれたよね」  
思わぬカードを切り出してきた。  
僕の動揺を感じ取ったのか、わずかに男の目が光る。  
「どうして知っておられるんですか?」  
何とか平生を保って言葉を切り出す。  
「先生から報告を受けているんでね」  
男は僕の隣に座っている白衣の女性に目を移した。  
 
嫌な予感はしていたが、こういう事態になるとは…、  
内密に事を運んでくれたと思っていたのだが、事が事なだけに仕方なく報告したのだろうか?  
彼女は味方だと思っていた。事実、今も僕の側に座って援護役に回ってくれている。  
「ごめんなさい…」  
消えるような声で彼女が言葉を発する。  
「君を送っていってる間に怪我をして保健室に来た子がいたの」  
申し訳なさそうに彼女はうつむいている。  
なるほど、それでばれたのか。出来れば事前に教えて欲しかったのだが、  
こうやって話すのも久しぶりだった。  
さて…、どうしよう。  
 
そう、前回、僕が運ばれたのは、レふぃがエネルギーを吸いすぎたからだ。  
レふぃの一族はエネルギーを直接外部から取り入れることは出来ない。 
そこで他種族の一人と契約を結びその人物よりエネルギーを分けてもらい生きている。  
中等部に上がる時にレふぃは僕をパートナーに選んだ。  
以来、僕は病院と保健室の常連になっている。  
 
隣でわずかに音がしたのに気がつくと、白衣の彼女が立ち上がり男の側に歩いてゆく所だった。  
何をするのかと一瞬考えて、事態に気付いた時はもう遅かった。  
男の耳元で何かを言っている。  
「先生!!!!」 そう怒鳴る僕に先生は、君は黙ってろとばかりに手で制した。  
男の口の端が少し歪む、先生の提案がお気に召したようだ。  
 
「ごめんなさいね」  
廊下を急ぎ足で歩く僕に、後ろから女性が声をかける。  
彼女のおかげで事態を切り抜けることが出来た。  
以前から使っていたのだけど、保健室の開き時間を使わして貰うのも公認となった。  
僕たちの事でいつも迷惑をかけている。  
だから、こんな態度は良くないと思うのだが 
彼女と男との間で交わされた密約を思うと素直になれなかった。  
「ありがとうございました、レふぃに呼ばれているので失礼します」  
そっけなく一礼して、更に足を早める。  
 
 
先ほどより4度目のコール。  
パートナーである僕にだけ感じる事のできる信号。  
エネルギーが切れ掛かると本能的に発せられるらしい。  
廊下を急ぐ、何とかチャイムが鳴り終わる直前に僕は保健室に入ることが出来た。  
「ゴメン。遅刻かな?」 …返事が無い。  
カーテンを開けるとそこにはベットにうつぶせに倒れた少女がいた。  
「レふぃ…、寝てるのか?」  
そう聞くと、少女が反応した。非常にゆっくりした動作で、首だけ動かしこちらに向ける。  
「りゅうちゃん・・・、」  
はたして そう言ったのかも解らない、かろうじて口を動かしたのが確認できた。  
抱き上げてやったとたん彼女は吸収に入る体勢を作り始める。  
「わ!ちょっとまって。」  
慌てて彼女に言ってベットに座らせると部屋の鍵を閉めに向かう。  
「りゅうちゃぁん…、おなかすいたよぉ…」  
ベットから何とか身を起こし、光の篭った目でこちらを見つめる。  
「あんましがっつかないでよ、前みたいに立てなくなると困る」  
 
借りているアパートが遠い為、どうしても朝のエネルギー補給が十分に出来ないので  
昼にその分を補う事になる。結果、僕の活動に必要なエネルギーまでも与えなくてはいけない。  
彼女がセーブして吸収してくれるならば問題ないのだが、彼女も生存本能には勝てないらしく  
時々そういった事が起きるのだ。学校の近くに部屋を借りれれば良いのだが  
世間は異種族に冷たかった、今のアパートがあるだけでも奇跡と言わざるをえない。  
 
「ほら、服脱いで」  
脱力した彼女を抱えるようにして上着を脱がしてやる。  
「いいよ、服ぐらい。吸収しちゃえば同じだよ」  
「レふぃはいいかもしれないけど僕は困るの」  
「それからベットに穴あけちゃだめだよ」  
彼女は行為に夢中になると周りにある物まで溶かしてしまう。  
「うん気をつける、スプリングでりゅうとのオシリに穴あいたんだよね」  
「何だ、まだ元気じゃん」  
「そんなこと無いよぉ、おなかが減って、溶けちゃいそうだったよ」  
カッターのボタンを外すのを手伝ってやる。  
カッターを脱がしてやるとシャツの紐が肌に溶け込んでいた。  
「もう溶け始めてるよ。ほら服くっついちゃってる」  
「もう、脱げないからいいよ。…もう、りゅうちゃん、早くしてよ」  
後ろを向いてズボンを脱ごうとしたら所を抱きつかれた。  
ヌルリとした感覚が素肌に広がる。  
「わぁ、ちょ…まって、服の変え持ってないんだよ」  
何とか上着は守り抜いたがズボンとインナーはもう手遅れだった。  
「えへへ、りゅうちゃんのパンツきゅーしゅー」  
「バカ!! どうすんだよ、5時限目体育があるんだぞ」  
「どーせ見学じゃん、保健室にいっしょにいよーよ」  
そう言って、くるくるした眼でこちらを見上げる  
「クソ、わざとだな。」  
「あったりー。そろそろ行くよー、悲鳴を上げる準備はいいかい?」  
「そっちこそ、あんまし声出すなよ。今朝ぜったい隣に聞こえてたぞ」  
「えへへ、じゃぁキスしながらしようか?」  
くい、とあごを上げてにっこりと笑う。  
 
「…ヤダ、って言ってもするんだろ?」  
「うー、今日のりゅうちゃん素直じゃナーい、また立てなくしちゃうぞ」  
「それはこまる」  
「んじゃ、きすして」  
「どこに?」  
そう聞きながら唇を合わせる。  
―― !?  
しまった・・・。 目の前にある彼女の目には楽しそうな光が踊っている。  
この感覚にはいつまでたっても慣れない。  
息苦しさにうめいていると、融合された彼女の口から空気が肺に送り込まれた。  
甘い香りを口内で味わいながら、本能的に足りない酸素を必死で鼻で吸う。  
― 苦しい?今楽にしてあげるね。 ―  
直接脳内に語りかけて来る思念に、抗議の声を上げようと口をもごつかせる。  
― りゅうちゃんまだTP使えないの?いい加減覚えなよ。 ―  
そういいながら僕を押し倒しす。 呼吸で精一杯だった僕は、なす統べもなく従った。  
半分解けた服のへばりついた胸が体内に入ってくる。 感触に脳が悲鳴を上げた。  
快感の信号が神経系まで交わった彼女の胸から緩やかに伝えられる。  
慣れない感触に声をあげそうになるが、ふさがれた口からもぐくったうめきが漏れただけだった。  
― 呼吸器融合完了〜。苦しくなくなったっしょ? ―  
― ほら、呼吸落ち着けてこっちまで苦しくなっちゃうよ ―  
気管に空気を送らないとTPが使えないのはなぜだろうか?  
息を合わせ、呼吸器からではなく心でそれに答える  
― おまっ…えなぁ、融合する時はちゃんと許可とってやれっていったろ? ―  
― わぁ!!びっくり、ちゃんとTP使えるじゃん ―  
― なでなでしてあげよう、いいこいいこ ―  
悲鳴を上げたくなるような快感が脳で破裂する。  
背中に回された彼女の腕が脊髄を愛撫しているのだ。  
― りゅうちゃーん。黙ってちゃだめだよぉ、TPで悲鳴あげるくらいにならないと ―  
― て・・・とめ・・・、し・・・げき・・・つよす・・・ ―  
かろうじて言葉をつなぎそれに答える。  
 
― あう、ごめーん。そんなにいかった? ―  
けらけらと笑いながら訊ねてきた。  
僕は無言で彼女のとけたわき腹に手を突っ込む。  
― ひぁあ!? ―  
絡み付く肉の感触がなんとも気持がいい。  
じわじわと分解され始めた手で内側から子宮をなぞってやった。  
― やぁ…りゅうちゃんいきなりはひどいよぉ。 ―  
そのまま、既に溶けて原型の無い秘所まで腕を進めかき回して。  
― そんなこといえるたちばなわけ? ―  
そう聞きながらさらに刺激を与え続ける。  
― ひ…あ…、はぅぁああぁああ!! ―  
自滅だった。 背中に回されていた彼女の手がさらに食い込む。  
― くっは…、ぅわあぁぁあ!! ―  
― んんっ! 手ぇ駄目。 しきゅ、子宮潰れちゃうよぉ、っぁぁあ!! ―  
快感の信号が神経系まで交わった彼女の胸から鋭く伝えられている。  
呼吸が足りない、息が荒くなる。  
お互いに耐え切れなくなって合わせていた口を離す。  
融合していた唇が糸を引き、ぷつんと音を立ててちぎれた。  
仰向けになって息を整え、体の再生を待つ、  
荒い息をするたびに前歯がゼリーのように震えている。  
― あはは、口をふさいだまんまは やっぱり無茶だったね ―  
まだ呼吸器が再生してないのかレふぃがTPで話しかけてきた。  
― まったくだ、何考えんのさ、開始10分で終わるって異常だぞ ―  
呼吸器の再生の邪魔にならないように僕もTPで話す。  
― でも、良かったでしょ? 呼吸を制限すると快感が増すんだよ ―  
― またNETで変な知識仕入れてきたのか? ―  
― だって最近のりゅうちゃんの味、淡白なんだもん ―  
 
コレが彼女達一族の困った点だ、彼女達は情動で味付けられたエネルギーを好む。  
本来は、食後のエネルギーを分け与えてやればそれで事足りる筈なのだが  
青年期の一族が好む味がコレなのだ、事が過ぎて脳をオーバーヒートさせる馬鹿が後を絶たない  
 
― ねぇ、りゅうちゃん。 もう一回いい? えと…、ちゃんとするから…、ね? ―  
― ……。 飯食うエネルギーぐらいは残しといてよ ―  
たぶん、僕もその馬鹿の一人なんだろう、彼女の誘惑の言葉にいつも負けてしまう。  
 
-終-  

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