「ふっ‥‥くっ‥‥あっ!」  
この時間が好きだ。いや、君と一緒ならどんな時でも構わないのだけれど。  
「あぁっ‥‥ふっ‥‥むっ‥‥んっ」  
小さな頃からずっと一緒にいた。最初は一緒にいて楽しかった。それだけだった。けど‥‥。  
「ふぁぁん‥‥」  
気が付けば好きになってて、朝も、昼も、夜も、四六時中君のことばかりで、名前を呼ばれる度にどきどきしたり‥‥。  
「あっ!‥‥あっあっあっ‥‥」  
ほんの些細なことで嫉妬したり、喧嘩したりもしたね。我慢できなくなっちゃって、君を想ってしちゃうこともあったな。  
「あっあっあっ‥‥!あぁぁぁぁ!!」  
えっちだし、嫉妬深いし、あまり可愛くないかもしれないけれど‥‥‥、  
「‥‥気持ちよかったよ。‥‥私、あなたが傍にいてくれないとだめみたい。だから、これからもずっと、ずーっと、あなたの傍にいさせてね。私もあなたに嫌われないように頑張るから」  
 
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好き、好き、好き。  
何時からか、なんてわからない。  
中学生のとき?小学生?もしかしたら生まれたその時からかもしれない。  
どんなにカッコよくてもダメ。  
どんなに優しくてもダメ。  
あなたじゃないとダメ。  
あなたのことを想うと胸が締め付けられる。  
でもあなたのことを想わない時なんてない。  
だからあたしの胸は締め付けられっぱなし。  
もう死んじゃいそうなくらいに胸が苦しい。  
なのに、今、この瞬間にもあなたのことが好きになってる。  
けれど、あたしは臆病だから。  
意気地なしだから。  
この想いを伝えるなんてできない。  
もし断られて、今の関係が壊れるぐらいなら‥‥。  
今のままじゃこの先なんて無いって分かってる。  
そんなこと、分かってる‥‥。  
だから、お願い。  
どうか、気付いて。  
あたしのこの想いに。  
臆病で、意気地なしだけどあなたを好きな気持ちは誰にも負けない。  
だから、だから、どうかお願い‥‥。  
早く‥あたしのこの想いに気付いてね。  
 
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あたしは後悔してる。  
今までずっと一緒だったから、これからも一緒にいれると思ってた。‥‥そう、勘違いしてた。  
好きだと言った訳じゃない。好きだと言われた訳じゃない。あたしが勝手にそう思い込んでいただけ。  
‥‥馬鹿だと思う。好きの一言が、このたった一言がもう何年も言えないまま今に至っている。‥‥言うチャンスは何度もあったのに。  
幼馴染みの距離って難しい。友達と呼ぶには近くて、恋人と呼ぶには遠い。  
恋人と呼べる場所にいたい。けどそこへ行くには壁を越えなくちゃいけなくて、‥‥あたしはその壁を超えられなかった。  
あたしは小さい頃から君を知ってる。あたししか知らない君を知ってる。  
‥‥けど、君の傍にいる、あたしじゃないその人は、あたしの知らない君を知ってる。あたしが知る事の無い君を知っていく‥‥。  
そんな風に喋る君を、あたしは知らない。そんな風に笑う君を、あたしは知らない。  
 
あたしは後悔してる。この先、これ以上の後悔をすることは無いだろう。  
このまま終わるのは嫌だから、何も言えないまま終わるのは嫌だから。  
今更言ったところで迷惑なのは分かってる。‥‥だけど、これが最後の我儘だから、聞いてください。  
「ずっと、ずっと、君のことが好きでした」  
 
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あたしは今日すっごく緊張してる。  
今日は君の誕生日。前からこの日にしようって決めてた。  
あたしは今日、君に「好き」て告白する。  
ホントはちょっと焦ってるってとこもある。  
君って地味に人気あるから。君をカッコイイっていう子結構いるんだよ?  
けどあたしは君がカッコイイから好きになったんじゃない。  
ものごころついたときから知ってる君だから。  
ずっとずっと一緒だった君だから。  
好きな物、好きな事。嫌いなもの、嫌いな事。  
全部を知ってるわけじゃない。けどこの世界中で、君の次に君のことを知っていると思う。そう、おじさんやおばさんよりも。  
君を相手にこんなに緊張する日が来るなんて思わなかった。  
けど幼馴染みのままなんて嫌だ。キスしたい、抱き締めて欲しい。それにえっちなことだって‥‥。  
それにはやっぱり恋人じゃないと。  
 
 
「誕生日おめでとう。今年のプレゼントはちょっと受け取って貰えるか不安なんだ。  
それじゃいくよ?  
‥‥君のことが好きです。もしよかったらあたしと付き合ってください」  
そういってあたしは手をさしだした。  
 
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目が覚める。外はまだ太陽も登りきってない。自分でも浮かれてるなって思う。  
一緒に出掛けることはあった。‥‥幼馴染みだから普通だよね?  
でも、今日は違う。いや、今日からは違う。  
今日から一緒に出掛けるときはデートだ。しかも今日は初デート。それも大好きな君と。  
‥‥浮かれるなってほうが無理だ。  
行き先なんて決めてない。‥‥けどそんなの必要ない。あたしたちには。  
映画や遊園地なんてベタベタなとこでも、買い物でも、公園でも、それこそ散歩でも構わない。  
君の傍にいれるならどこでもいい。君の傍にいれるならそれだけで、みえるものすべてがばら色になる。  
 
えっと、今からお風呂入って、髪を乾かして、それから‥‥‥間に合うかな?  
まだ起きたばっかりだっていうのに、もうドキドキは最高潮。心臓鳴りっぱなし。  
それに、今日は待ち合わせをしてる。家が隣同士なんだからそんな必要ないんだけど‥‥。  
だからかもしれない。余計にドキドキするのは。  
そんなこんなしてるうちにもう時間ギリギリになってる。  
溢れかえるほどの期待を胸に、あたしは靴を履き、飛び出すように家をでた。  
「それじゃ、いってきます!」  
 
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なんで、あんなこと言っちゃったんだろ。  
売り言葉に買い言葉。  
そう言われればそれまでなんだけど。  
『もう、あなたのことなんて好きじゃない』  
そう言ったときにほんの一瞬見えた、あなたの傷ついた表情‥‥。  
言ってすぐに後悔した。  
けどあたしも意地っ張りで、今更あとになんてひけなくて‥‥。  
付き合い始めて、ううん、小さい頃を含めてもこんな喧嘩なんて多分初めて。  
‥‥もう、一週間も話してない。  
こんなに話さなかったことなんて今までなかった。  
もう何年も話をしてない、そんな風にさえ錯覚してしまう。  
‥‥ああ、あたしはどれだけ馬鹿なんだろう。  
好きな人にそんなことを言われれば、誰だって傷つくに決まってる。  
ごめんね。  
まだ間に合うかな?  
好きじゃないなんてそんなの嘘。  
ワガママだってわかってる。  
自分勝手なのもわかってる。  
けど、このまま終わるなんて嫌だから。  
だから、  
「ごめんなさい、好きじゃないなんて嘘。  
好き、大好き。  
あなたがいないと、あたしはダメだから。  
だから、まだ間に合うのなら‥‥」  
 

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