*         *         *  
 
 
(お願い……。もっと激しくして……。たまらないの……)  
 
ドクン……。  
琴奈のおねだりの言葉は流志の心から何かを弾けさせたような気がした。  
(琴奈さんは……琴奈も『女』なんだ――)  
流志の心にじわりと何かがせり上がって来る感覚があった。  
 
(もっと激しくして……か)  
踵でグリグリしてもいいって言ってたよな――そう思いながらも、流志は何故か全てを琴奈の  
思い通りにするのが癪に障ってきた。  
(俺の事、子供だと思って……)  
女の子もっと気持ちよくなるにはどうすれば……と考え、ある事を思い出した。  
(美衣が前にしてたのは……。よぉし……)  
「どうしたの、流志……?」  
琴奈が不審気に声を掛けたので、流志は彼女に向き直った。  
 
(マッサージする感覚かな?)  
流志は琴奈の両足を抱えなおし、がっちりと逃げられない体勢にした。  
そして、今度は土踏まずではなく、爪先に近い部分で踏んで圧迫する。そして、そのまま  
ぶるぶるぶる……と震わせた。  
「あ……! あああああ〜〜〜!!!」  
琴奈が悲鳴を上げる。一瞬、驚いた流志は力を抜きかけたが、琴奈が苦しがっているわけでは  
ないのに気づき、もう一度ぶるぶる攻撃を再開した。  
 
「うぁああああ……! ああああぁ〜〜!!!」  
ブルブルと割れ目の部分を震わされるたびに琴奈は悲鳴を上げる。さっきの様な触れるか触れ  
ないかのあんまではない。少し強めに圧迫し、十分に力が感じられる電気あんまだ。  
 
ブルブルブルブル……。  
 
琴奈の女の子の急所に絶え間ないアンマが続く。流志は脇に抱える時に深めに抱えたので、  
琴奈の両足は伸びきって流志の振動にあわせて震えている。  
「はぁ……ううう!! ……ああああ〜〜!!!」  
琴奈は髪を振り乱してうめき声の様な悲鳴をあげ、流志の足を掴もうとしたが、振動で足の位置を  
捉えにくく、捕まえられない。ショーツの食い込んだ股間はぐっしょりと濡れてクチュクチュと  
淫猥な音を立てていた。琴奈にもそれが聞こえ、羞恥心で体中が真っ赤になる。  
 
しかし――。  
 
(こ、これ……。いい……!! たまんないよぉ〜〜!!)  
気持ちが良くて刺激的で――琴奈は頭の中が飛ぶような気持ちになった。  
さっきの切なさがあいまった優しい愛撫も良いが、こうして肉感的に感じられる責めもかなり  
いいと思う。  
(ああ、でも……何かが競りあがってくるような……これは……どうすれば……)  
電気あんま特有の、しかも女の子が特に感じる、あのむず痒いような、競りあがってくるような、  
おしっこをしたくなるような感覚。しかもそれのどれでもない中途半端さ。  
苦痛と快感が交互に、或いは同時に押し寄せ、その狭間を彷徨う切ない気持ち――。  
今の流志の責め方がそれを一番感じさせてくれるのかもしれない。  
 
(マッサージ器で……オナニーした時みたい……)  
幼い琴奈が初めて性の快楽に目覚めた、マッサージ用のバイブレータ。あれに座ってスイッチを  
入れた時の堪らない快感を思い出した。  
だが、今されているのは血の通わない機械ではない。琴奈が密かに可愛いと思っていた年下の  
男の子――。その足でじかにあんまされているのだ。  
(流志に……されている。男の子に……ここを……)  
じわっと体が熱く火照ってくる……。  
 
そして――。  
 
(あっ……)  
 
じゅん――。  
 
今責められている女の子の所から熱い蜜が迸った。  
(や、やだ――!)  
琴奈は恥かしさのあまり、顔を隠す。じんわりと湿ってくるならともかく、一気に迸るなんて。  
流志には今のが分かっただろうか?  
頬を染め、困ったような表情で琴奈が流志を見ると、琴奈を見つめていた視線と思いっきり  
遭遇してしまった。  
 
(……!!!)  
流志にもわかったんだ――。無論、その部分を責められているのだから分かるのは仕方がないが、  
戸惑ったように自分を見つめる表情は――琴奈は恥かしくて身も世もない気持ちになる。  
流志の足には琴奈から迸り出た熱い飛沫がたっぷりとかかり、ねっとりと濡れていた。  
 
「琴奈さん――」  
流志に声を掛けられ、飛び上がりそうになった。恥かしくて泣きそうに瞳が潤み、体が熱く  
火照っているのを隠せない。もう、自分にはお姉さんの威厳などないのだ――。  
「るーじ……」  
琴奈は泣き出した。あまりにも恥かしくて、気持ちよくて、それを隠せなくて――流志の前に  
全てを曝け出したように思えて、激しく動揺したのだ。  
今の自分はちょっとえっちで悪戯好きなお姉さんなんかじゃない。年下の子のテクニックに  
喘ぎ、悶え、悲鳴を上げさせられる、ただの女の子だ――そう思うと感情が溢れ出てしまった。  
 
「泣かないで、琴奈さん――」  
優しい声が聞こえる。  
「流志……?」  
流志の声は優しい。自分がこんなエッチな女の子なのに優しく声を掛けてくれる。  
 
「俺がもっと……いじめてあげるから――ね?」  
琴奈が溢れる涙を拭って流志を見たとき、彼は別人の様に唇を吊り上げて微笑んだ。  
 
 
         *         *         *  
 
 
(思ったとおりだ)  
流志は内心ほくそえんだ。彼も実は女の子がマッサージ器でオナニーしている場面に遭遇した  
事があるのだ。その女の子は――美衣だった。  
いつも怒ってるか笑ってるか泣いてるか。感情の起伏の激しい美衣が見せたことのない、  
あの切なげな表情――流志は今でも覚えている。  
 
(その感覚でやれば絶対に琴奈さんだって悶える――)  
流志には確信めいたものがあった。だからそれと同じ感覚にしやすい、ブルブル震える  
電気あんまにしたのだ。  
そしてそれは成功した。琴奈は完全に自分にエッチな女の子である事を曝け出し、陥落した。  
 
(ここからは、俺が主導権を握る――)  
流志はまた琴奈の両足を掴んだ。そして、今度は踵を股間にあてがった。  
 
 
(流志……)  
琴奈は不安げに流志を見つめた。  
(流志も……『男』だったんだ……)  
狩る者と狩られる者――。いくらお姉さんぶったり、誘惑して困らせたりしていても、女である  
自分は一方的に狩られる者なのだ。そして、大人しくて気弱げに見えても一皮向けば流志は男。  
つまり、狩りを楽しむ者なのである。  
 
「あっ……!!」  
グリグリグリ……。流志が踵での電気あんまを仕掛けてきた。  
「うっ……!? ああっ……!!」  
さっきあまりの痛さに悲鳴を上げた電気あんまだ。しかし、今度は少しビクンと反射的に  
仰け反っただけで、逃げようとしない。  
 
「琴奈さん――痛くないの?」  
流志がグリグリと踵で琴奈の性器を踏みつけても琴奈は痛がらない。そう言えば「ちょっと  
いいかも?」と言っていたか。  
「うん……大丈夫……。うっく……!!」  
琴奈は再び息を荒くし、時折小さな悲鳴を上げながら悶えていた。  
「どうして今は痛くないの?」  
「だから……女の子の準備が出来たから……」  
「ああ……。これの事……?」  
流志はわざと蜜の溜まり場を狙って踵アンマをした。ぐりっ!と捻られると蜜が噴出し、流志の  
足と道場の畳を濡らす。  
「い……言わないで……ひゃあん!?」  
蜜が溢れるたび、琴奈はビクンビクンと体を仰け反らせた。大きな胸がスポーツブラからはみ出し  
そうなぐらい、激しく揺れる。  
「フフ……」  
その様子を見て流志は小悪魔の様な笑みを浮かべた。何かを思いついたらしい。  
 
「はぁ……! うっ……! る、るーじ……。ぐ、グリグリは……だめ……」  
ダメ、と言いながらも自分からは逃げようとはしていない。十分に濡れた状態での強く激しい  
電気あんまに琴奈は何度も悶絶しそうになる。逝きそうになれば力を抜き、また平静に戻れば  
力を込めて急所をグリグリする。流志の意地悪な責めに琴奈は苦痛と快楽の狭間を何度も  
彷徨わされ、限界が近づいてきた。  
 
「る……るーじ……。もう……だめ……。い、意地悪しない……で……」  
お願いだから最後まで逝かせて……。琴奈が哀願の目で流志を見つめる。  
流志は何も答えない。だが、その後も踵のあんまを続けてひとしきり琴奈を悶えさせると、  
頃合いを見て琴奈の股間から踵を外し、電気あんまから解放した。  
 
「…………!?」  
どうしてやめるの――? 琴奈は潤んだ瞳でキッと流志を見つめた。  
年下の男の子に弄ばれ、悶えさせられて、その上こんな屈辱的な意地悪をするなんて――琴奈の  
視線には憎しみの光も混じっていたに違いない。噛み締めた唇からは僅かだが血が滲んでいた。  
 
しかし、流志はそんな年上の女の情念がこもった視線を薄笑いを浮かべながら軽く受け流す。  
「慌てないでよ、琴奈・さ・ん――」  
わざと敬称に力を込めて言った。そうする事によって、琴奈が本来はこんな淫乱なメスではなく、  
流志たち男子練習生の憧れのお姉さんである事を思い出させる効果があるのだ。  
「…………」  
琴奈は目を閉じ、流志から顔を背けた。こんな屈辱的で悔しい思いは生まれて初めてだった。  
だが、この仕返しをする事は琴奈には叶わない事なのだ。その事が分かっているだけに余計に  
悔しかった。流志は男で自分は女なのだ。この電気あんま独特の屈辱感は女にしか味わえない。  
男に電気あんますることが出来ても、自分が今味わっている電気あんまの感覚を男に感じさせる  
事は不可能なのだ。  
 
「大丈夫だよ、やめたりはしないから――」  
流志が琴奈に覆いかぶさった。そして豊満な乳房に顔をうずめてすりすりと頬をこすりつける。  
「だ……。だめ……」  
既に全身が性感帯になっている琴奈は、この行為にビクビクと小刻みに体を震わせる。  
当初に比べ、流志の行動も随分と大胆になってきた。  
「フフフ……すべすべして柔らかくて気持ちいい……。それに……いい匂い……」  
流志は胸の双球に顔全体をうずめて外側に零れた部分を両手で挟み込むように揉みしだく。  
「あ……。あっ……!」  
何をされても琴奈は頬を紅潮させて悶えてしまう。その度に流志は何かいい匂いが琴奈の体から  
沁み出て来るのを感じていた。ふわっ……と鼻腔を擽る艶めかしい香り――。それを味わいたくて  
必要以上に琴奈の体中を触るのだ。  
 
「流志……膝でグリグリは……だめ……」  
胸を揉みながら流志は膝で琴奈の股間をグリグリしていた。膝を折りまげて腰を動かし、  
懸命に逃げようとするが、流志の足捌きは意地悪く琴奈を追い詰め、逃がさない。  
必死の思いで何とか振りほどくと、流志は乳首を抓んで琴奈に悲鳴を上げさせてその隙にまた  
膝を割りいれてグリグリする。時には軽く膝蹴りを股間に入れたりする。  
「はぅん……!! ああああ……っ!!」  
琴奈は髪を振り乱し、悶えた。  
(るーじの……意地悪……)  
琴奈の思いは不当ではなかった。流志の体捌きなら琴奈を自由に押さえ込むことが可能だ。  
だがそれをせず、琴奈に懸命に力を振りしぼらさせ、やっとの思いで逃げ切った頃合いを  
見計らって、意地悪な方法で苦しめるのだ。  
(乳首を抓ったり、アソコを蹴ったりしなくても出来るはずよ……)  
琴奈は潤んだ瞳で流志を睨みつける。だが、その表情は流志の嗜虐心を刺激するだけであった。  
今の流志は普段の優しくて頼りなさ気な男の子ではない。琴奈を陵辱する愉悦に浸っている  
一人の男――いや、一匹の獣のオスだ。  
しかも乳首を抓られたり、股間を蹴られたりするたびに――。  
 
じゅん――。  
 
熱い蜜が迸り、密着している流志の袴を濡らした。  
「俺、びしょびしょですよ、琴奈さん。どうしてかな……?」  
その度に流志は濡れた部分を手で掬い取り、琴奈の顔に擦り付けた。この屈辱的な行為に琴奈は  
目を瞑り、大粒の涙が畳を濡らす。  
「酷いよ、流志……。このままじゃ……嫌いになっちゃう……」  
「大丈夫……。また好きにさせてあげますから」  
流志はにっこりと微笑むと汗と涙と淫水でぐしょぐしょになった琴奈の頬に軽くキスをして  
離れた。  
「るー……じ……?」  
さしもの流志も満足して漸く解放してくれるのだろうか? だが、琴奈は流志の微笑む顔を見た  
途端、そんな淡い期待はすぐに消されてしまった。  
「これから止めを刺してあげます。覚悟してくださいね」  
流志は琴奈を仰向けに寝かせ、その足の間に座り込んだ。  
 
 
         *         *         *  
 
 
既に夕暮れは過ぎ、夜の帳が下りようとしている時間である。  
あんまり遅くなると誰かが探しに来るかもしれない――。畳の上で寝かされたまま琴奈は時折  
吹いてくる夜風を感じ、闇で視界が狭まった道場の入り口を見つめていた。  
(私は誰かに来て欲しいのだろうか――それとも――)  
誰かが来ると言う事は自分は助かると言う事だ。ちょっといろんな言い訳をしなければいけない  
だろうが、これ以上、流志に陵辱されずに済む。  
だけど――と琴奈は思う。今自分は誰かに来て欲しくて入り口を見たのではない、と思った。  
むしろその逆で――せめて流志が「止めを刺す」までは誰にも来て欲しくない――そう思って  
いたのだ。  
 
その時――。  
 
「はうっ……!!」  
琴奈の股間に衝撃が走った。仰向けに寝かされて両足を掴まれた琴奈の股間に何かが激突  
したのだ。  
「あうう……!! る、流志!?」  
琴奈は股間を押さえて丸まり、のたうった。流志が蹴っ飛ばしたのか? 女の子の大事な所を?  
一瞬信じられない表情をしたが、流志のほうを見ると、それが間違いない事を琴奈は悟った。  
闇の中に光る流志のギラギラ光る瞳――それは野獣のそれと同じだった。  
 
もし美衣が今流志が琴奈にしている行為を見ていたら、この数日後、流志を誘惑しようなどとは  
絶対に思わなかっただろう。男の力でねじ伏せられ、陵辱される辛さと恐ろしさ――その女にしか  
分からない体験を見る事が無かったのが、彼女にとって幸せだったのか不幸だったのか――。  
だが、美衣と違って琴奈は今現実にその状況に晒されていた。大人の男が相手なら犯されて  
弄られるだろうが、流志は子供だった。残酷で衝動を抑えきれない子供――。  
彼は一体何をしてくるのだろうか。考えようによっては大人の男よりも恐ろしいかもしれない。  
 
「るーじ……ここを蹴っちゃいや……痛いの」  
琴奈は股間を押さえて這うようにして逃げる。だが、流志はゆっくりと追いかけてきた。  
「大丈夫。段々気持ちよくなりますよ。さっきみたいにね」  
流志が琴奈の足を掴んでVの字に広げた。闇の中でも白い脚は目にも鮮やかに浮かび上がる。  
股間を守っていた手を無慈悲に蹴り払い、無防備にした。琴奈が不安そうに怯えた表情になる。  
「だ、だめ……! 許して……おねがい!!」  
「許す? 俺を誘惑してきたのは琴奈さんですよ。こうなる事を期待してたのでしょう?」  
「ちが……! そんなの違うよ……!! 流志! お願い……!!」  
祈るように手を組み、溢れる涙で瞳を煌かせながらの懸命の願いを流志は一笑に付した。  
そして、そのままクリトリスを擦り上げるようにして琴奈の股間を蹴り上げた。  
 
「むぐぐぅ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」  
 
くぐもった悲鳴が琴奈の形のいい唇から漏れた。  
蹴られる直前、琴奈は奥歯を噛み締め、自分の口を両手で塞いだのだ。彼女の判断は正しく、  
もしそのままだったら道場の外に悲鳴が漏れていただろう。そして……、  
 
ぷしゃぁあああ――!!  
 
「……!!!」  
涙目になりながら琴奈は自分のしてしまった事を絶望的な表情で見つめた。  
流志は琴奈を解放し、その光景に見入る。琴奈を中心として闇の中に黒く光る染みが広がって  
いった――。  
 
「へぇ……」  
流志が意地悪な表情で近づいてくる。  
琴奈は泣いていた。恥かしさと切なさに。シクシクとすすり泣く声が静寂の道場に響く。  
流志に蹴られた股間もまだズキズキと痛む。しかし、心の痛みはそんなものではなかった。  
(私……私……淫乱な女の子なんだ――)  
股間を蹴られた刺激でお漏らしする女の子がどこにいるのだろう。弾みとかタイミングではない。  
明らかに性的な衝動があって漏らしてしまったのだ。その事は自分が一番わかっていた。  
(流志に股間を蹴られて……気持ち良くなっちゃったんだ――)  
痛くなかったわけではない。蹴られたくなかったのも事実だ。だが、それまでに電気あんまや  
その他の性的刺激を受け続け、体の内圧が高まった時に子宮に響くような急所攻撃を受けて  
一気に放出してしまったのも事実なのだ。  
(私……変態だよぉ……)  
琴奈は自分の奥に潜んでいた黒い欲望が曝け出され、恥かしくて死んでしまいたかった。  
 
「泣かないで、琴奈さん――」  
流志がさめざめと泣き続ける琴奈の頬に優しいキスをした。さっきと同じ台詞だが、響きは  
さっきより何倍も優しい。  
「痛かったの? それとも、恥かしかったの」  
流志が涙をぺろっと舐めてやりながら聞く。  
「……恥かしかった」  
消え入りそうな声で答える琴奈。  
「もしかして……感じちゃった?」  
琴奈は流志の言葉に少し驚いた表情を見せながらも、コクリと頷いた。  
流志は満足そうに微笑む。  
 
「琴奈さんって、エッチな女の人なんだ。それも――マゾだね」  
「流志……」  
「前にアソコを蹴られた時って……実はあの時も感じてたでしょ?」  
「なっ……!」  
何を証拠に! と飛び上がりそうになったが、流志に見つめられているのに気がつくと  
座りなおしてやはりコクリと頷いた。  
「やっぱりね」  
流志は琴奈の頬を触る。  
「だって、琴奈さん、電気あんまされた時の反応が凄いから――もしかしたらって思ったんだ」  
「…………」  
琴奈は恥かしそうに視線を逸らす。反論のしようがない彼女に出来ることはそれだけだ。  
流志はその琴奈を見つめていたがやがて思い立ったように立ち上がった。  
 
「あんまり帰りが遅いとみんなに怪しまれちゃうね」  
「…………」  
「琴奈さん……。着ている物を全部脱いでうつ伏せに寝てくれないかな?」  
「流志……?」  
「エッチでマゾの琴奈さんが一番感じられる電気あんまで止めを刺してあげるよ。だから早く」  
暗闇に浮かぶ流志の表情は悪戯っ子の様に笑っていた。  
 
 
 
「これでいいの、流志?」  
月明かりが射し、琴奈の白い肌が照らされて晒される。恥かしそうに流志を見つめる黒い瞳。  
ピンクに染まった肌。少し乱れているが、それでも艶やかに真っ直ぐ伸びた背中まである黒髪。  
琴奈は流志に命令されるがままに着ている物を全部脱ぎ捨てたのだ。  
 
(綺麗だ――)  
 
月光に照らされ神々しいまでに美しい琴奈の裸は、獣と化していた流志に本来の少年の純粋さを  
取り戻させた。じっと見つめてはいるが、いやらしい目つきでなく、美しいものに憧憬する視線  
で琴奈を更に赤らめさせた。  
「恥かしいよ、流志……」  
琴奈は思わず胸を両手で隠し、足を少し内股にした。胸の方は隠しきれないが。  
「隠さないで見せてよ」  
流志の大胆な言葉に、笑いながらも「もう……」と小さく拗ねたような言葉を発すると、琴奈は  
両手を後ろに回し、足も軽く広げた。流石に流志のほうはまともには見れず、月明かりが差し込む  
窓の方を見るでもなしに向いている。  
 
(ちょっと、いじめすぎちゃったかな……?)  
さっきから電気あんまと股間蹴りで散々いじめられた琴奈の女の子のところは少し赤く腫れ上が  
っていた。今は体中の性感が高まっているので平気そうだが、それが静まってくると痛み出す  
だろう。流志がそこばかり見るので琴奈は手で守りたそうにもじもじする。  
 
「も、もう……焦らさないで、流志……」  
止めを刺すといいながら、何もしてこない流志に琴奈が先に根をあげた。  
「あ、うん……じゃあ、そこにうつ伏せに寝て」  
流志が琴奈に命令する。頼み込むわけでもなく、指示するわけでもなく、命令だった。  
それにしても、畳の上に裸にうつ伏せに……。一体何をするのか?  
 
「少し足を開いて」  
流志は琴奈の足元に移動し、更に命令した。しかし、今度は琴奈は素直に従わない。  
「流志……そこにいられると見えちゃう……」  
「命令だよ、琴奈さん」  
「……はい」  
流志に咎められてすぐ、琴奈は命令に従った。今は流志が自分の支配者なのだ。逆らう事など  
出来ない。例え全裸の女の秘所をじっくり見られるとしても。  
彼女に出来る事はこの接近状態であっても暗闇が恥ずかしい所を覆い隠してくれているのを  
祈る事だけである。  
 
「うん。それでいい」  
流志はその開いた足の間に立ち、琴奈の足の間に右足を割り入れた。  
(うつ伏せ状態の……電気あんま――?)  
琴奈はぼんやりする頭で思う。確かにこの姿勢は新鮮だった。だか、それならば流志は座った  
方が良くはないか? その方が彼の位置からは力を入れやすいはず――。  
 
「いくよ、琴奈さん」  
「はぅ……ん。……ん!」  
流志のうつ伏せ式電気あんまが始まった。爪先で秘裂を嬲る様な電気あんま。強くはないが、  
なかなか刺激的で体が震えてくる。それに――。  
(腰が逆に反らされているのが……いいかも)  
逆海老固めほどではないが、腰に負荷を与える姿勢になっている。電気あんまで体を揺さぶる  
度に腰にもダメージがゆっくりと来る、効果的ないじめになっていた。  
琴奈は関節を痛めつけられる訓練はある程度受けているので、大きなダメージにはならないが、  
この状態を長時間されると体力は大きく消耗するだろう。  
(今はそれが……いいの)  
明らかにいじめられる事に喜びを感じてる琴奈は、今なら関節技でも打撃技でも絞め技でも  
快感に変わってしまうに違いないと自覚していた。  
 
「この程度じゃ不満だよね?」  
流志はクスクスと笑う。琴奈は何も言わなかった。反応を返せば返すほどこの悪魔と化した  
少年を喜ばせるだけだという事を悟っているからだ。  
最後の、せめてもの抵抗として、何も言わず、黙ってやることにした。どうせこの闇の中では  
細かい表情の変化などは流志の位置からは見えない。彼を喜ばすのは悲鳴と体の反応だけである。  
(体の反応が抑えきれないなら、声だけでも――)  
自分が恥かしい結末を迎えるのは分かりきっている事だった。だったら、せめて一矢を報いて  
やりたい。これが琴奈の『お姉さん』としての意地なのだ。  
 
だが、琴奈はすぐに自分の認識が如何に甘いものであったか、すぐに思い知る事になる――。  
 
「こうして……こう、かな?」  
流志が何か持ち方を変えたりして琴奈の体を揺らす。何をされているかがわからないが、何かを  
されているのが確実な状況に琴奈は不安を覚えた。  
そしてその不安はすぐに現実のものになった――。  
 
ずきん……!!  
 
焼けつくような疼痛は電気あんまされている股間でなく、琴奈自慢のバストの一番敏感な部分から  
発していた。流志は全裸でうつ伏せの状態の琴奈を引きずったのだ。  
むき出しの乳首が畳に擦られ、小さな電極がバストで弾けた様に琴奈の体は跳ね上がった。  
 
「あうぅ……!!!」  
もう声を出さない、と心に誓ったばかりの琴奈だったがいきなり悲鳴を上げてしまう。  
女の急所の一つである乳首に焼けつくような衝撃が走ったのだ。仕方が無い。  
(む……胸が……。何て事を……!)  
琴奈は流志を振り返って睨みつけようとした。しかしその前に再び体が後方に引きずられ、乳首に  
電撃が走る。豊満な乳房自体も自分の体重で押しつぶされ、二重の苦痛が琴奈を襲った。  
「きゃあうう……!!」  
懸命に悲鳴を堪えようとするが、思わず出てしまう。必死で唇を噛み締め、絶叫にならないように  
耐えたが、今ので誰かが駆けつけてこないか、と自分でも不安になる。  
 
「フフフ……今のは効いたみたいですね」  
当の流志はあっけらかんとしたままだ。この体勢でなかったら琴奈は流志の胸倉を掴んで殴り  
飛ばしてやりたかった。  
「大丈夫、誰かが来たら道場の隅に行って息を殺していればいいんですよ。琴奈さんはそういう  
訓練もしたでしょう? ただ、あのおしっこの海は隠せるかどうか……」  
「やめて!」  
噛み締めた奥歯から漏らすような悲鳴だった。早くこの悪夢が去って欲しい。流志はきっと暗闇の  
魔物に取り付かれたんだ。この子を戻すにはこの子の中の悪魔を満足させれば――そう思った時、  
琴奈の双眸から大粒の涙が零れ落ちた。耐えようと思った嗚咽も漏れる。  
 
「どうしたの、琴奈さん?」  
琴奈の様子が変わっているのを流志も悟って声を掛ける。  
「早く止めを刺して……」  
「え……?」  
「何でもいいからあなたの満足の行くようにして――。そして、普段の流志に戻って」  
琴奈の声は震えていた。涙が止まらない。  
「私が悪かったの。男の子を――キミを甘く見てちょっと誘惑して楽しむだけにしておけば  
良かったのに――男の子の心に隠されている本能を悪戯に刺激した罰ね」  
琴奈は自分を責めるように呟く。  
「琴奈さんは……後悔しているの?」  
「うん……。自分の恥かしい所を曝け出されたんだもん。かなり後悔してる。――でも」  
琴奈はそこで言葉を切る。頬が熱く紅潮していくのが自分でも分かる。  
「でも……。相手が流志だから……ちょっと良かったかもって……」  
暗闇でなかったら流志には琴奈の全身が真っ赤になっているのが見えただろう。  
そして、それを聞いた流志自身も真っ赤になった。それを見れば琴奈も流志が完全に悪魔の心に  
支配されたのでない事を分かるだろうが……。  
 
「わかりました、琴奈さん」  
「…………」  
「もう意地悪はやめますよ。止めの電気あんまで終わらせてあげます」  
「流志……」  
「よっ……と」  
流志は琴奈の足の間に座り込んだ。手で持っていた両足を脇に抱え込み、右足は踵の部分を  
琴奈の性器にあてがう様にセットした。さっきよりがっちりとホールドされ、琴奈はうつ伏せ  
電気あんまから全く逃げられない状態になった。  
 
「裸のここを踵グリグリするのは初めてですね」  
「あ……。だ、だめ……はぅん!」  
「ダメなんですか? やめちゃってもいいんですか?」  
「やめないで! もう意地悪しないって言ったじゃない!」  
「フフフ……そうでしたね」  
流志は踵でグリグリする電気あんまを開始した。さっきと違い、全裸のため、責めるのは裸の  
股間だ。ヌルヌルとした恥かしい肉の感触がじかに伝わり、流志の嗜虐心を更に刺激する。  
「細かいバイブレートの方が好きでしたよね? 細かく強く、やってみましょうか」  
 
だだだだだだだだだだだだだ……。  
 
工事現場の削岩機の様な強く細かい振動が琴奈の秘裂を襲った。クリトリスもしっかり踏まれて  
いる。流志は踵の位置を少しずつずらし、振動をクリトリスから菊門までの範囲にしっかりと  
与えていった。  
「はぁあああああああ〜〜〜っ!!! うっく……!!!」  
悲鳴を押し殺そうとするがどうしても漏れてしまう。今の十分に濡れそぼった琴奈の性感帯には  
最高の電気あんまがされているといえた。しかも――。  
(乳首も……こすれちゃう……よぉ……)  
うつ伏せ効果が大いに出る。先ほどの意図的な乳首いじめとは違うが、それでも琴奈の体が  
電気あんまに揺さぶられるにつれ、震える乳首が畳にあたり、絶え間ない刺激を受け続けた。  
体の揺れにより、乳房の圧迫も続く。  
「そのあたりは計算済みですよ」  
やはりそれは流志の目的の一つだった。琴奈の豊満な体を余すところ無く堪能する電気あんま。  
それが今、琴奈がされているうつ伏せ式電気あんまなのだ。  
 
「ああああっ……。うっ……くっ!!」  
暗闇の中で白い肢体を躍らせながら電気あんまで性感の内圧を限界まで高められた琴奈。  
体はそれに耐え切れず、ガクガクと痙攣し始めてきた。もう限界だ。  
「流志……お願い……もう……だめ……このままじゃ死んじゃう……死んじゃうよぉ……!!」  
琴奈が激しく求めた。これ以上の生殺しには耐えられない。逝かせて欲しい。  
流志の位置からは琴奈の白いお尻が震えているのが見えた。そこは流志の踵で中心を執拗に  
責められ、ブルブル震えていたが、その振動以外にも琴奈自身の体の震えが混ざってきたように  
激しく不規則に揺れていた。  
 
「琴奈さん……よく我慢しましたね。これで終わりです。逝かせてあげます」  
「流志……! お願い……!! はぁああああああああ〜〜〜〜!!!!」  
流志は踵の振動を限界まで激しく、自分の力が尽きるまで思い切り続けた。自分自身の足も  
酷使のため痙攣し始めている。だがここでやめては琴奈の精神の状態にも関わるだろう。  
「こ、これが……最後です! 行きますよ、琴奈さん!!」  
「流志……!! 流志ィ……!! 来て……!! 来て……!! うぁあああああああ!!!!」  
 
琴奈が涙と涎で顔をぐしゃぐしゃにしながら大きく背を反らせた。そして、その状態でガクガクと  
体を大きく震わせると、流志があんましている秘裂から蜜を迸らせた。  
 
流志の足全体に熱い蜜が降りそそいだ途端、琴奈はゆっくりとうつ伏せに沈み、そのまま暗闇の中で  
気を失った――。失墜が彼女を救ったのだ。  
 
 
         *         *         *  
 
 
十分後――。  
 
「琴奈さん――。琴奈さん――」  
流志は暗闇の中で琴奈に声を掛け続けている。  
琴奈は道場の隅っこでシーツの様なものを体に巻きつけて座っていた。気のせいかふくれっ面だ。  
流志の呼びかけにも一切返事をしようとしない。  
(困ったなぁ……)  
と流志は思いながらも、仕方の無いことは分かっていた。  
(幾らなんでも、やりすぎだよな……あれは……)  
 
一連の行為が終わった後、流志は琴奈が失神から目覚める前にその場の後始末を始めた。  
暗闇の中で、汗と涙と淫水とおしっこwの清掃は大変だったが、万が一誰かに知られたら  
一大事である。事の余韻が覚めやらぬ状態だったが、全裸で失神している琴奈にシーツを  
掛けると、誰にも知られぬように一人でせっせと掃除した。  
 
琴奈が失神から覚めたのは流志が掃除を終え、片づけを済ませた頃だった。彼女が起き上がった  
ので流志はかなりホッとし、誰にも見られないように道場を抜け出して屋敷に向かう相談をしようと  
琴奈に話しかけると、彼女は無言で部屋の隅まで歩き、そこでペタンとしゃがみ込んだ。  
流志の方を見ようともしない。  
 
「あの〜、琴奈さん……。その……怒ってます?」  
流志が頭をかきながら声を掛けても琴奈はぷぃっと横を向いたままだ。  
(そりゃ、怒ってるよなぁ……)  
差し込む月明かりで琴奈の表情が見える。拗ねた表情の琴奈も綺麗だ、とこんな時だが流志は  
思った。白いシーツを身に纏っただけの姿が月光に照らされる琴奈はまるで彫刻の様である。  
が、今はそんな想いに浸ってる場合ではない。切実な現実の問題がある。  
 
「そろそろ帰りましょう……。ね?」  
「いや」  
宥め顔の流志に琴奈は冷たく言い放つ。  
「いやって……ここにいるわけにもいかないでしょう? 帰りましょう」  
「……帰らない」  
「だって、流石にこの時間まで二人していないと皆に怪しまれますよ」  
「知らない……流志の馬鹿」  
「あうう……」  
取りつく島もない琴奈を流志がどうやって宥めようかと思案していた、その時……。  
 
ぐ〜〜〜〜〜〜〜〜……。  
 
静寂の道場に響き渡る腹の虫――。それは流志のお腹から鳴っていた。  
琴奈がきょとんとして流志を見つめる。  
(や、やっばぁ〜〜……)  
流志の額から冷や汗が噴出す。よりによってこんな時に腹の虫が鳴るとは……。  
と言っても、本来なら夕食を済ませている時間である。育ち盛りの流志にとって無理もない  
生理現象なのだが。  
 
「あ……! こ、これは……その……」  
琴奈に見つめられ、何か懸命にいいわけを必死に考える流志だったが、そんなものが都合良く  
出てくるはずもなく、ただ、悪戯に四苦八苦して百面相を繰り返すだけであった。  
 
流志が琴奈を見ると、彼女は肩を震わせて俯いていた。  
(う……こ、これは……まずい……)  
タダでさえ怒っている琴奈が流志のこの粗相を聞いてどう思うだろう? 流志の顔面が蒼白に  
なったが――。  
 
「ぷっ……」  
「え……?」  
「くっくっくっくっく……アハハ……な、なによそれ……アハハハ!」  
もう堪えきれないと言う風体で琴奈がお腹を抱えて笑い出した。  
ぽかん、とその様子を見守る流志。琴奈は怒っていたのではなかったのか?  
 
「やっぱり流志は男の子――子供よね。例えあんなにエッチ過ぎる事をしても……アハハ!」  
琴奈は思いっきり笑っている。いつもの悪戯っぽく妖しいお姉さんでも、さっきまでの淫乱な雌獣  
でもない。快活な女の子として大笑いしていた。あんまり笑うので流志の方がちょっと怒る。  
「笑いすぎですよ、琴奈さん」  
「流志はエッチ過ぎですよ♪」  
「ぐっ……」  
何を言っても勝ち目はない気がする。立場は完全に今は自分の方が悪い。当面、流志は琴奈に  
頭が上がらないだろう。琴奈はその流志の心理状態を見越しているかのように微笑んでいる。  
 
「さ、皆に見られないように出ましょう」  
今までの拗ね方が嘘の様に琴奈は立ち上がったが、その途端――。  
 
ぐ〜〜〜〜〜〜〜〜……。  
 
「あ……」  
今度は琴奈のお腹の虫が鳴いた。恥かしそうに頬を染める。  
「琴奈さんだって子供じゃないですか!」  
「だって……流志にあんなに責められたんだもん。何時間もね♪」  
今度は悪戯っぽく舌を出す。  
「うっ……」  
流志はまたしても言葉に詰まってしまった。  
「これが大人の駆け引きってものよ」  
琴奈はウィンクして流志を見つめる。  
 
(何が大人の駆け引きなんだか……)  
半ば呆れながらも流志は、琴奈の幻想的な肢体と笑顔を見つめていた。  
月明かりの下シーツ一枚で踊るように歩く彼女は、神話の世界から飛び出してきた女神の様に  
美しかった。  
 
 
(おわり)  
 
 
 
 
 
 
 

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