「非日常」  
 
「栄子はいいなあ〜」  
鏡花は頬杖をつきながら、そうつぶやいた。  
そのつぶやきを聞いて、栄子は照れくさそうに笑みを浮かべた。  
中学からの付き合いの二人は、いつもの喫茶店でいつものように談話に花を咲かせていた。  
美味しいケーキとフリードリンクのこのお店は、二人が学生時代からずっと通っているお店だ。  
今日の鏡花と栄子の話題は、今度行われる栄子の結婚披露宴の事だった。  
大学在中に知り合った彼と栄子が結婚する事になったのだ。  
「ずるいよぉ……彼とあったの私の方が先なのに〜」  
そう意地悪い笑みを浮かべて、鏡花は栄子をからかうようにこづいた。  
「あの頃は鏡花にだって彼いたじゃん」  
「え〜、もう別れちゃったし〜、もったいないことしたなあ」  
残念だといわんばかりに、大げさなジェスチャーをしながら、鏡花は首を振った。  
「もう……いじわる」  
そういって二人で楽しそうに笑いあった。  
「あっ、もう約束の時間!」  
鏡花は腕時計を見て、慌てて身支度をはじめた。  
「それじゃ披露宴楽しみにしてるね!またね」  
鏡花は慌しく喫茶店を飛び出していった。  
栄子はその様子を笑顔で見送り、視線を手元に戻すと  
そっとストローでグラスの中をかき混ぜた。  
 
   *  *  *  
 
「ひぃ〜〜………ない……なんでないのよぉ」  
地下街を小走りで歩きながら、栄子はトイレの標識を探していた。  
鏡花と別れてから、帰宅途中にトイレに行きたくなったのだ。  
しかし運悪いことに、すぐに見つかったトイレは故障中で使えなかったのだ。  
近くの百貨店は定休日  
そうして栄子はトイレを探して地下街を右往左往するハメになった。  
「たしかこっちに……あった!」  
駅から少し離れた地下街の途中に、トイレの標識を見つけた。  
慌てて近寄り、ドアを開けると、誰もいないようだった。  
(らっき〜!すいてる)  
すたすたと奥へと小走りで近寄り、勢いよくドアを開けた。  
「えっ?………」  
栄子はトイレの個室のドアをあけた体勢のまま硬直してしまった。  
中にいるモノの存在が、あまりに非現実的で理解できなかった。  
ポカーンと口を開け、呆然と立ち尽くす。  
 
カツッ  
 
手に持っていたバックが地面に落ち、足の甲に当たる  
「いたっ……」  
バックの角が甲に当たる痛みで、栄子は気を取り戻した。  
(なに?これ………)  
急に恐怖がこみ上げ、栄子はきびすを返してトイレから出ようとする。  
 
ガシッ  
 
「ひっ」  
逃げようとした栄子の腕を生暖かい感触の手に掴まれ、栄子は小さく悲鳴をあげた。  
 
そして栄子はゆっくりと後ろを振り返った。  
「ひぃぃぃぃっ!」  
栄子は今度こそ、大きな悲鳴をあげた。  
女性用の個室トイレにいたモノは、素っ裸の男だった。  
中肉中背で体つきはガッシリとしているが、衣服は一切身に着けていない。  
ツルツルにそり上げられた頭、その顔には表情と呼べるものは浮かんでおらず、  
それが一段と不気味さを漂わせている。  
そんな裸の男が一人、女子トイレの洋式トイレに座っていたのだ。  
「はっ!離してっ!変態ぃぃっ!」  
栄子はなんとか掴まれた腕を振り解こうと、腕を振り回す。  
開いた手で男を殴りつけ、必死で手に力を込めて振りほどこうとする。  
しかし男は掴んだ手を、痛いほど強く握り締めた。  
「いっ!いたいぃっ!」  
痛みに栄子は顔をしかめ、腕を振り回すのを止めた。  
「きゃあっ!」  
栄子は強い力で引っ張られ、個室トイレの中へと引きずり込まれた。  
そして男は栄子を蓋の閉じられた洋式トイレの上へと座らせ、自らは正面に立つ。  
「ひぃっ」  
小さく悲鳴をあげて顔をそむける栄子に、男は自分の顔を近づけた。  
「あぁぁっ……あぁ……」  
栄子は恐怖で体を震わせ、少しでも離れようと体をそらせる。  
男の目にはなんの動きもなく、瞬き一つしようとしない。  
(い……息をしてない……)  
今にも触れそうなほど近づけられた男の口からは、人間であれば必ずあるはずの吐息が感じられなかった。  
「あっ……」  
 
シャアァッァァァッ……  
 
「ひ……ぃ……」  
栄子は自分の股間で、生暖かい感触が広がっていくのを感じた。  
恐怖のあまりに、失禁してしまったのだ。  
大量の水分を取っていた事と、散々我慢した事もあって、栄子には放出が延々と続くように感じられた。  
そしてようやく失禁が収まると同時に、男はゆっくりと顔を股間へと移動させた。  
 
「あぁ……あぁあぁ…」  
悲鳴をあげようにも、口からでる言葉は、声にならないうめき声だけになっていた。  
 
ピチャッ…ピチャ…  
 
男は栄子の股間からあふれ出した小水に舌を這わせ始めていた。  
「ひぃぃぃっ!」  
その光景を見た瞬間、栄子は思い出したかのように甲高い悲鳴をあげた。  
男の口から出てきた物  
それは人の舌などではなく、黒い妖しげな物体だった。  
白くねばつく液体を絡みつかせ、ヌチャヌチャと嫌な音を立てている。  
ソレは便器の蓋に残った小水を体をこすり付けるようにして吸収していく。  
水滴の一滴までソレは吸い取ると、グイッと先端を栄子へと向けた。  
 
グボォォッ!  
 
次の瞬間、男の口から凄い勢いでソレは伸び、半開きになっていた栄子の口の中へと侵入した。  
「うごぉぉぉぉぉっ」  
喉の奥を強烈に突き上げられ、栄子は信じられないほどの痛みに悶絶した。  
しかしそんなソレは栄子を無視し、栄子の口内で暴れまわる。  
それから数分、痛みと苦しみに意識を失った栄子が、再び意識を取り戻した時、  
栄子の口の中には、あの黒い物体はいなかった。  
ただ口の中に、苦い薬を塗りたくられたような気分の悪さだけが残っている。  
「あ……あぁ……」  
ぼんやりとする頭で、栄子は周囲を見回した。  
「あぁぁぁぁああぁぁ……」  
栄子はソレを見つけた時、ただ口から溢れ出る言葉を止めることはできなかった。  
栄子の目の前にいたモノ  
それは腕や足、そして体があらぬ方向にねじまげられた全裸の男  
無表情だった顔は、気味の悪い笑みを浮かべたようにねじれ、こちらをジッと見ている。  
両掌、そして足の裏を吸盤のようにトイレの壁に張り付かせている。  
「あぁ……」  
栄子は慌てて立ち上がろうとする。  
「あれ……うごけない」  
栄子の体は何かに縛り上げられたかのように、ビクリとも動かすことはできなかった。  
 
いやいやと首を左右に振って、口をパクつかせる。  
今の栄子には、ただそれだけしかできなかった。  
(いや……たすけて……雅彦さ……)  
栄子は必死に、ココにはいない婚約者の名前をつぶやく。  
しかし婚約者は今頃会社にいる時間、こんな地下街のトイレに現れるはずもない。  
「だ………だれかあぁぁぁぁ!」  
ようやく搾り出すように栄子は叫び声をあげた。  
悲痛な叫びはトイレ内に大きく響き、外にいる誰かが助けにきてくれる  
そう栄子は思った。  
しかしトイレ内はシーンと静まりかえり、誰一人やってくる気配はない。  
(そ……そんな…)  
もう一度…  
そう栄子が大きく息を吸った瞬間  
「ひぎぃぃぃっ!」  
栄子は助けを呼ぶ叫びでは無く、悲鳴をあげた。  
そして栄子は腰をガクガクと震わせて、痙攣を始める。  
「あぁ……ああぁぁぁぁぁあぁあっ!」  
栄子のむき出しになった太腿に、不可思議に捻じ曲がった男の手がのせられていた。  
化け物に触れられた太腿から、全身にかけて異常なまでの寒気が襲ってきたのだ。  
「あひぃっ!……?……ひいぃぎいぃぃぃっ!」  
通り過ぎる風のように寒気は消え、次の瞬間なだれのような快感が襲った。  
(きひぃぃぃぃぃっ!)  
頭の中に閃光が飛び散り、栄子は白目を向いて、顎を仰け反らせた。  
ギリギリと軋むほどに歯を食いしばり、握りこぶしを作った両手がガクガクと震え続ける。  
そしてゆっくりとゆっくりと波が引き、栄子はぐったりと全身から力を抜いて、壁に寄りかかった。  
「はぁ……はぁ……はぁ……」  
消え入りそうな吐息が、栄子の感じた快感のすさまじさを物語っている。  
うっすらと開けた目には涙がにじみ、今まで経験したことのない感覚に呆然とした。  
 
(な……なにがおこったの……)  
くらくらする意識の中で、栄子は何が起こったのか自分の太腿に視線を落とした。  
「ひいぃぃっ!」  
飛び込んできた光景に栄子は目を見開き、体をすくませた。  
そこには男の手を突き破り、何百本という髪の毛のようなものが栄子の太腿に絡み付いていたのだ。  
そしてその微細な触手が、皮膚の上を這いずり回り、毛穴から体内に侵入していたのだった。  
 
ズルズルゥッ  
 
「きひいいいぃぃぃっ!」  
それらがゆっくりと抜かれると同時に、栄子の体に再び強烈な快感が襲いかかる。  
おぞましくも怪しげな感覚に、栄子は身を震わせる。  
ほんのわずかな動きが、信じられないような快感となって背筋をかけあがってくる。  
 
ツプッ  
 
「ひぎいいぃぃっ!」  
侵入していた触手の先端が肌から離れると同時に、栄子はブシュッと秘唇から愛液を吹き出した。  
愛液は薄黒い化け物の胴体にビシャビシャと降りかかっていく。  
それに反応するように、化け物は体を小刻みに揺らした。  
 
ツプッ  ズルウルルルルルッ  
 
「ギヒィィィィッ!」  
今度はわき腹付近に触手が侵入し、栄子は半狂乱な悲鳴をあげた。  
太腿よりも敏感なわき腹に、許容できないほどの快楽を受けて、栄子は再び愛液を吹き出した。  
「あぁぁああ……あがぁ……」  
口の端から涎をたらし、顔を振り乱して暴れまわる。  
そんな栄子に化け物は触手を伸ばし、ゆっくりゆっくりと全身に絡み付いて動きを封じていく。  
太腿から足先へ、脇から腹部、そして肩口から首筋に…  
「ひいぃぎぃぃっ!いぎぃぃぃっ…!」  
獣もような悲鳴を上げながら、全身を激しく波打たせ、顔を左右に振り乱す。  
触手はゆっくりと全身に絡みつき、その白い肌を覆いつくした。  
首から下は真っ黒なタイツを穿いたかのように、体の線にそってぴったりと張り付いている。  
 
全身の毛穴を犯され、栄子は口の端から涎を垂れ流し、悶えた。  
思わず全身をかきむしりたくなる衝動に襲われるが、触手に覆われた体はビクリとも  
自由には動かない。  
そんな焦らしに似た愛撫が延々と続き、栄子の秘唇からは洪水のように愛液が垂れ流される。  
溜まっていた尿や、それ以外の物も溢れ出るが、全て触手は吸収してしまった。  
全身を覆っていた触手は、潮が引くように栄子の体から離れ、その白い肌を再び晒した。  
全身を紅潮させた裸体は、呼吸にあわせて上下に浮き沈みをする。  
触手はぐったりとした栄子の体に再び絡みついた  
「あぁ……くぅ」  
操られるように栄子は強引に立たされると、  
お尻を突き出すように前のめりに倒され、便座に手をつかされる。  
「やぁぁ……」  
唯一自由になる頭を左右に振り乱し、か弱い声をあげた。  
突き上げられた股間では、微細な触手がよじり合わさり、ゆっくりと秘唇を割り拡げていく。  
ぱっくりと開かれた秘唇のヒダの一枚一枚に、触手は張り付くように侵入を始めた。  
「あひぃぃぃっ!」  
便座についた手を突っ張らせ、栄子は甲高い声で悲鳴をあげ、白目をむいた。  
じわじわと奥へ奥へと侵入しながら、触手はヒダを強烈に刺激し、栄子を追い詰めていく。  
そしてあっというまに栄子の胎内、そして子宮口までびっしりと触手が張りついた。  
「あぁぁっ……あぁ…」  
胎内でおこる微妙な振動に体と心を震わせられ、栄子は突っ張っていた腕を崩して便座に倒れかかる。  
グチャッと胸と便座の間でぬめる音が響き、同時に震えるような快感が溢れかえる。  
胸だけで栄子は軽く達してしまい、秘唇に侵入した触手をきつく締め上げた。  
「胸が……あぁぁ…」  
栄子は無意識のうちに、胸を便座にこすりつけるように前後に体を揺らしていた。  
乳首が擦れるたびに、豊かなお尻をビクッビクッと震えさせ、淫靡に揺れ動く。  
 
その微妙な動きが、秘唇に埋まった触手を刺激し、快感となって栄子を襲う。  
その動きは徐々に大胆になり、無意識のうちに栄子は激しく腰を降り始めた。  
「あぁぁあっ!あぁぁっ!あぁぅあぁぁ!」  
溢れる喘ぎ声を止められず、一心不乱に腰を降り続ける。  
 
ヌチャッ!  
 
「あぁ……!ひっ」  
下半身で響いた水音に思わず振り返った栄子は、思わず息を呑んだ。  
ボロボロになった男の体から、気味の悪い液体を滴らせながら男性器のような触手が皮膚を突き破って  
栄子のお尻に添えられていたからだ。  
二度、三度と尻の間を前後に揺れ動くと、ゆっくりと栄子のアヌスの中へと侵入をはじめた。  
きつく食い締めるアヌスを強引に割り開き、ミシミシと奥へ奥へと侵入する。  
「あぁぁぁ!あがぁぁぁぁぁぁあ!」  
直腸内にまで侵入した瞬間、栄子の頭の中は真っ白になった。  
頭の中で幾度も何かが爆発し、栄子の意識は粉々にされていく。  
「あぁ……ああぁ…」  
ようやく意識を取り戻した時、栄子のアヌスにはぎっちりと触手が埋まっていた。  
「ううぅ…あぅぅ……」  
ほんの少し体をよじるだけで、アヌスに埋まった触手が擦れ、栄子は達しそうになる。  
 
ズンッ  
 
「あぁぁぁぁぁぁ!」  
軽く秘唇に侵入していた触手が子宮を叩いた。  
数センチの動きに、栄子の体は敏感に反応し、秘唇から白い愛液を溢れさせる。  
わずかな動きで両方の触手がゴリゴリと秘壁を擦り上げる。  
 
ズンズンッ  
 
そしてついに触手が本格的に活動を開始した。  
太い茎に瘤がついた触手は、栄子の胎内を抉り、掻き乱し、突上げる。  
触手の表面は栄子の愛液で白く泡だった愛液が粘り、ぬちゃぬちゃと音を立てていく。  
 
(狂っちゃう!おかしくなっちゃぅぅ!)  
体験した事もない快感の連続に、栄子は壊れんばかりに顔を振り乱し、歯をくいしばった。  
大きく開いた目の端からは、涙が溢れだし、頬を伝う。  
突上げられる度に、体を震わせて絶頂を迎え、声にならない悲鳴をあげる。  
全身から汗を吹き出し、体にこすりつけられた触手から溢れる精液と交じり合って  
部屋中に淫臭をまきちらす。  
クラクラするような臭いに包まれ、栄子は陶酔するような表情を浮かべ始めた。  
(頭が……おかしくなっちゃぅ……)  
水音が徐々に聞こえなくなり、体の中で暴れ狂う触手が増えるのにも気が付かず  
ただ快楽一つに埋め尽くされ、喘ぎ声をあげ続ける。  
胎内で擦れあう触手は、ビクビクと脈動をはじめ、そして大きく弾けた。  
「うあっぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁっ!」  
胎内と直腸内に熱い精液が注ぎ込まれ、栄子は体を仰け反らせて叫んだ。  
長く……長く…  
収まりきらなくなったのか、触手が引き抜かれるとドボドボっと音と共に精液があふれ出した。  
触手は引き抜かれてからも放出をやめず、小部屋中に精液を撒き散らす。  
暴れるように跳ね回る触手は、ドクッドクッと精液を飛ばし、栄子の体に降り注ぐ。  
 
ブシャ!ビシャッ!  
 
「んぶぅ」  
至近距離から顔面に精液を立て続けに喰らい、栄子は顔をしかめた。  
大量の精液は栄子の髪にべったりと染み付き、顔一面を白く染め上げる。  
二度三度と注がれる精液は、栄子の全身へと及び、徐々に肌も見えなくなってくる。  
(あぁ……くあぁぁっ!)  
再び秘唇とアヌスに触手がもぐりこみ、栄子の体を貪りはじめる。  
収まりかけた体に再び火がともされ、精液でつぶされてしまった喉から  
声を絞り出し、幾度も幾度も絶頂に昇りつめる。  
永遠に続くような陵辱に、栄子はただ流されるしかなかった。  
 
 
  *  *  *  
 
どれほどの時間が過ぎたのか、栄子は人の気配が近づくのを感じた。  
ゆっくりゆっくりと近づいてくる気がする。  
「やだ〜♪」  
「え〜?そうなの??」  
楽しげな声と共にトイレのドアが開けられたのが分かった。  
そしてカツッカツッとヒールの音がトイレに響き、ゆっくりとこちらへと近づいてくるのがわかる。  
「あれ?カバンが落ちてる」  
「誰かの落し物なんじゃな〜い?」  
 
ギィッ  
 
個室のドアが開けられ、  
そしてつんざくような大きな悲鳴があたりに響き渡った。  
その悲鳴を聞き、たくさんの足音や人の声が近づいてくる。  
動かすことの出来なくなった手足を、栄子は震わせる。  
(あ……あぁ……)  
幾度も粘液を浴びた目は、開ける事もできず、ただ耳に聞こえてくるざわめきでしか  
外の状況を感じることしかできない。  
(………も……もう…)  
栄子はゆっくりと意識を闇の中へと沈めていった。  
 
おわり  
 

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