何の前触れも無くて誠に申し訳ないが、私立しりもげ学院に通う本田雅紀は、宇宙刑事  
である。とは言え、過去に地球の平和を守るために怪獣と戦ったギャOンなどとは違い、  
雅紀に課せられた使命は、主に小さな犯罪を根絶する事である。たとえば、下着ドロや  
露出狂の駆逐、または空き缶のポイ捨てや自転車の二人乗りを注意する等々、地域密  
着型の治安活動をしていると思ってもらえればよろしい。  
 
もう一度言う。本田雅紀は宇宙刑事である。人呼んで、宇宙刑事サイダー。名前の由来  
は、炭酸の効いたあの飲み物からきているという・・・・・  
 
「む!犯罪発見レーダーが反応した」  
校内を歩いていた雅紀の腕時計が、ピコピコと電子音を放った。実はこれ、犯罪を発見  
するための機器である。銀河連邦警察からの支給品で、なんと台湾製だ。  
「近くで犯罪が行われている可能性がある。止むを得ん。触着!」  
雅紀は大きく腕を振り上げ、拳を天に突き上げた。こうすると、衛星軌道上に設置された  
銀河連邦警察の分署から、プロテクターと武器が送られてくるのだ。それらはすべて地  
球上には存在しない物質で構成されており、わずか0・3秒くらいで、雅紀の身体へ装着  
される。ちなみに、瞬間移動などのしゃらくさい技術は使用せず、遠心カタパルトでダイレ  
クトに放り出すので、その衝撃で地上は核ミサイルが何百発も落ちたような事態に陥る。  
しかし、日本は漫画の国なので、なんとか大丈夫であった。  
 
「触着完了!犯罪はどこだ?」  
きらびやかなプロテクターをまとって、とどこおりなく変身終了。言い忘れたが、触着とは  
雅紀が宇宙刑事サイダーになる時の掛け声である。覚えていただいても、いただかなくて  
もどちらでもよろしい。おそらく、二度は使わないはずだ。  
 
「おい、雅紀!家庭科室で大変な事が起こってるぞ!」  
クラスメイトが血相を変えてやって来た。何かあったのか、ずいぶんと慌てているようだ。  
「むう、そうか。しかし、家庭科室は隣の校舎・・・ちょっと、遠いな。よーし、チェリオ号を呼  
ぼう。チェリオ号、カマーン!」  
雅紀がポーズをとると、どこからか格好いいバイクが現れた。これも、宇宙刑事サイダー  
に支給された備品で、なんと二輪車ながらマッハ6での走行が可能。もちろん、音速を超  
えたときに発生するソニックブームで、地上はメチャクチャだ。  
 
「いくぞ、チェリオ号!行き先は、家庭科室だ」  
バイクにまたがった雅紀がアクセルを開けると、辺り一面の空間が歪み、次の瞬間には校  
舎のほとんどが吹っ飛んだ。なにせ、モーメント0からマッハ6まで瞬時に加速できるので、  
その運動量は凄まじいばかり。校舎にいた生徒たちが皆、重力から解き放たれたようにす  
っ飛んでいったのは、ご愛嬌と言うべきか。  
 
その頃、家庭科室では学内一の不良少女と名高い熊頭夏美が、コショウの入ったビン  
のフタを緩めている所であった。  
「くくく・・・これで家庭科実習の時、コショウをふりかけたやつは青ざめるはず」  
 
夏美は、家庭科室の机の上に置いてある無数のコショウのビンを、すべて緩めていた。  
このままでは、ラーメンにコショウを入れようとした者が悲劇を蒙る事になる。よく中学生  
などがラーメン屋でやる悪戯だが、案外、精神的なダメージは大きく、これが原因でPT  
SDにかかる日本人は、年間六万人を越えるという。それはともかく、雅紀が家庭科室に  
やって来た。  
 
「待て!それ以上は、この宇宙刑事サイダーが許さん!」  
「ちッ!もう、来たのか」  
夏美は雅紀を見るや否や、懐に隠し持っていた対戦車ライフルを発砲した。しかも片手  
撃ち。その上、何にも身体を預けずにだ。  
「ハハハ!権力の犬め!この熊頭夏美がおめおめとお縄にかかると思うのか!」  
「バカな真似はよせ!投降しろ!今ならまだ、やり直せるぞ!」  
ヒュウッ、ヒュウッと対戦車ライフルの弾が雅紀の身体を掠めた。相手は劣化ウラン弾を  
使用しているのか、着弾後の火の出方が尋常ではない。このままでは、環境に悪影響が  
出てしまうだろう。雅紀は、夏美を力で確保する事に決めた。  
 
「仕方がない。犯人確保のため、武器を使用する」  
雅紀がそう言うと、右手からは野太い触手、左手からは六条鞭のように枝分かれした  
触手が現れた。それらはまるで意志を持つようにうねり、夏美へと襲い掛かる。ちなみ  
に言うと、宇宙刑事サイダーにはこれ以外の武器は無い。  
 
「うおッ!なんだ、この触手・・・粘ついて、取れやしねえッ!」  
夏美の身体は足先から頭まで、大小さまざまな触手で包まれた。イメージ的には、紐  
を巻いたコマを想像してもらうと分かりやすいだろうか。コマが夏美で、触手が紐だ。  
「宇宙とりもち付きの触手だ。熊頭夏美、神妙にお縄を頂戴しろ」  
「ちッ・・・あたしもヤキが回ったもんだ」  
身動きが取れなくなった夏美は、いよいよこれまでと観念したのか、うなだれてしまった。  
しかし──  
 
「ふ、ふふ」  
夏美は不敵な笑みを浮かべ、雅紀を睨んだ。まだ、何か隠し球を持っているのだろうか。  
「何がおかしい?」  
「へッ・・・実はあたしの身体には、濃縮プルトニウム入りのダイナマイトが巻かれている  
のさ。こうなったら、オマエも道連れにしてやる!」  
「なんだって!」  
恐ろしい捨て身の仕掛けが残っている事を知った雅紀がひるんだ瞬間、夏美がダイナマ  
イトの導火線に火をつけた。  
 
「あーはっはっはっ!リターンマッチは、地獄でやろうよ!」  
高笑いをする夏美に、雅紀は恐ろしさを感じた。正気を無くした人間は、もはや人間では  
ない。命を賭してまで、悪党の誇りを捨てぬ夏美の所業が、正義一徹で過ごしてきた雅紀  
には正直、おぞましくて仕方が無かった。しかし、治安を守る宇宙刑事の心が折れてしま  
ってはいけない。戦え、戦うのだ。と、雅紀は己の心を強く励ます。  
 
「まだ、終わっちゃいないぜ!」  
雅紀の触手が伸びた。そして、夏美を逆さ吊りにすると、細い触手を縄のように使い、  
彼女の両足を力任せに引っ張った。  
「な、何しやがる!この、変態宇宙刑事め!」  
びくん、と身体を震わせる夏美。逆さ吊りになったために制服のスカートは捲れ、白いシ  
ョーツが丸見えになっている。それが恥ずかしいのだろう、夏美はまなじりも裂けんばか  
りに怒り狂った。  
 
「ヒントは、弐十手物語にある」  
雅紀の触手がぶんぶんとうなりを上げ、宙を舞う。そして、両足を無理矢理開かされた  
夏美の股間へ、問答無用に振り下ろされていった。  
「くわーッ!」  
会心の一撃!ビシリ、と良い音が、家庭科室の中に響く。その瞬間、夏美はしめられる  
鶏のような奇声を上げた。  
 
「秘技、ぶりぶり!小池先生ごめんなさい!」  
雅紀の触手が中空に逆さ吊られた夏美の身体を襲う。ビシッ、バシッと肉を打つ音が響く  
たび制服は破れ、その中からダイナマイトが落ちてきた。  
 
「くうッ!や、やめろおッ!この、SM宇宙刑事め!」  
「何を言われてもやめませンッ!ぶりぶりッ!ぶりぶりッ!」  
夏美は秋風に浚われるミノムシのように、触手に撲たれ続けた。ちなみにぶりぶりとは、弐  
十手物語に出てくる、吉原の忘八たちが行うという、独特のいたぶり方である。元々は足抜  
けに失敗した遊女をこらしめるものらしいが、詳しい事は失念。  
 
「やめてッ、やめてよ!もう、撲たないでッ!」  
「ダイナマイトをここで爆発させるわけにはいかないンです!ぶりぶりッ!ぶりぶりッ!」  
明日のために打つべし──雅紀は今、まさに燃え尽きる寸前であった。  
「これでは間に合わないか」  
夏美の身体に巻きつけられたダイナマイトは、まだ何本もある。しかもそれらは腹巻で、し  
っかりと据えつけられているようだ。火のついた導火線をどう(に)かせんと、ここら一面が  
火の海と化す。さあ、雅紀。いや、宇宙刑事サイダーはどのような手段で、この困難に立ち  
向かうのであろうか。  
 
その答えは触手である。雅紀は夏美のショーツを毟り取ると、触手を勢い良く無防備に  
なった女穴へと捻じ込んでいった。  
「キャ───ッ・・・」  
夏美が白目を剥き、それと同時に失禁。だが、それこそが雅紀の狙いだった。  
 
「やった!導火線の火が消えたぞ!」  
逆さ吊りになった夏美の放った尿が、腹に巻いてあるダイナマイトの導火線の火を消し  
たのである。これにて一件落着──と言いたいところだが、宇宙刑事の仕事はまだ終わ  
りではない。  
 
「えー、本部、聞こえますか?サイダーですが、被疑者を確保しました。これから転送  
しますんで、護送車を寄せてください」  
雅紀が無線で分署に連絡すると、十時の方向からなんだか得体の知れない物が飛ん  
で来た。それは、タコのようでイカのような、なんとも形容し難い姿の生き物である。実  
はこれ、連邦警察の生物型護送車なのだ。勿論、高度な知能と、機能的な触手付き。  
「おっ、来た来た。そんじゃあ、頼むよ」  
サイダーは夏美を護送車に引き渡すと、罪状を告げ始めた。  
 
「えーと、熊頭夏美・・・コショウのフタを緩めた罪で、火星での労役一年か。対戦車ライ  
フルの乱射とダイナマイトの件は、宇宙刑法には抵触しないから、お咎め無しね」  
ほとんど半裸にされ、タコのようなイカのような醜い生物の触手に絡め取られた夏美は、  
目をうつろにさせて、それを聞いている。  
 
「あ、あたしは・・・どうなるの?」  
「そうだなあ。火星での労役だから、大して辛くは無いと思うけど、宇宙刑務所は男女の  
区別が無いから、そっちの方が大変かな。たぶん、君はどこかの宇宙生物の子を孕む  
と思う」  
「そ、そんなの、いやあ・・・助けて・・・」  
夏美の目が恐怖に慄いている。そんな、得体の知れぬ生物の子を産みたくはないに決  
まっているからだ。  
 
「たッ、助けてーッ・・・」  
夏美の体が宙に浮いた。彼女はこのまま火星まで一気に連れられていき、労役を強い  
られる。恩赦が出ても、帰って来るのは半年後である。  
「これで、地球の平和が守れたな・・・」  
雅紀はプロテクターを脱ぎ、宇宙刑事サイダーから素の本田雅紀へと戻った。そして、  
夏美はと言うと・・・  
 
「おお、地球人型のメスが入って来たぜ」  
「たまんねんな、あのニオイ」  
自動翻訳機を通じて、夏美の耳にそんな下衆な話し声が聞こえてくる。ここは火星の  
犯罪者更生センターだった。  
 
(嫌な雰囲気だわ)  
夏美は今日の労役を終え、シャワーを浴びていた。猿から進化した地球人は肌が弱い  
ので、作業で汚れた身体を洗い流さねば気が済まないのだ。そこへ、ポロロン星人が  
やって来た。  
「おい、姉ちゃん、やらせろよ」  
「また、あなたなの」  
ギギ、と奇妙な鳴き方をするポロロン星人は、夏美を大のお気に入りで、毎晩のように  
可愛がろうとする。他にもメスの生物はいるが、何故かここでは夏美がもっとも愛される  
立場にあった。  
 
「俺の三本のイチモツで、今日もひいひい言わせてやるよ」  
「ああ・・・」  
ポロロン星人は爬虫類から進化したタイプで、生殖を確実にするために性器が三本も  
ある。火星に来て以来、夏美はこれを始め、何匹もの宇宙生物と体を重ねていた。  
 
「お願い、ここは人目が・・・」  
「かまやしねえよ。どいつもこいつも、女に飢えててしょうがねえんだ。せめて見せ付け  
てやるのが、慈悲ってもんだ」  
ポロロン星人はそう言って、三本の性器を夏美の下半身へ突きつけた。  
 
「い、いやァ・・・」  
性器が胎内に入ってくると、その先が枝分かれをして、夏美の奥深い場所まで侵して  
くる。それが肉襞を舐めるように中を徘徊し、じわじわと肉洞から染み出てきた愛液を  
啜るのである。人間の女がこれを味わうともう、たまらない。  
 
「締まってきたぜ、この淫乱が」  
「駄目ェ・・・」  
クチュッ、クチュッと艶かしい肉音がシャワー室内に響き、夏美とポロロン星人の周り  
を無数の受刑生物が取り囲んだ。火星の夜は、まだまだ続く。  
 
おしまい  
 

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