「さあ、奥さん。利息を含めて五十万宇宙ペソ、耳を揃えて返して貰いましょうか」  
極道金融という名で高利貸しを営む、モロン星人の磯貝に借用書を突きつけられ、西村  
茜は言葉を詰まらせた。ちなみにモロン星人とは、イソギンチャクから進化した宇宙生物  
で、今から数十年前に地球へ居ついた入植者である。  
 
「そんな、借りたのは五千宇宙ペソだったはず」  
と、茜が目を潤ませて反論すると、磯貝は薄笑いを含んで、  
「奥さん。借りた金には、利子ってもんがつくんですよ。ウチは十日で一割の利息を取って  
るんでね。ほら借用書にもちゃんと書いてある」  
などと言い、手にしたソロバンをジャラジャラと鳴らすのである。その姿はいかにも陰湿で、  
典型的な悪徳商人という風情だった。  
 
「五十万宇宙ペソなんて大金、とても・・・」  
茜はスカートの裾を握り締め、うなだれた。その様子を、紫色の肌を持つ磯貝がしかめっ面  
で見下ろしている。  
「返せないって事ですか、奥さん」  
「・・・すみません。もうしばらく待っていただけませんか」  
「もう少し、ね」  
ニョロリ、と磯貝の触手が動いた。進化してるとは言え、磯貝は元々、イソギンチャクである。  
ぬめる腕を見て若妻、茜は心が凍らんばかりに怯えた。  
 
「奥さん、今おいくつでしたかな」  
「にッ・・・二十七です」  
「ほう、いい年齢だ。男の酸いも甘いも、噛み分けられる年だ」  
磯貝の触手が茜の胸元を這う。ここは極道金融の事務所だが、室内には磯貝と茜の  
二人しかおらず、人目を憚る理由が無い。触手は茜のブラウスのボタンを弾き、ブラジ  
ャーのホックまで外した。  
 
「あ・・・あの、磯貝さん。借りたお金は主人と相談して、必ずお返しします。だから・・・」  
「ほう、ご主人というと、私に金の無心をした挙句、事業に失敗して逃げたお方の事です  
かな?奥さん、いい加減な事を言っちゃあいけない」  
ふふふ、と磯貝が醜く笑った。触手はすでに若妻の乳房を覆い、その先端にある苺の  
ような蕾を突付き、刺激している。  
 
「ご主人が消えたのは良く知ってるんですよ。奥さん、私はね、どちらかと言えば、あな  
たに同情してるんですよ。甲斐性の無い夫の負債を、背負った若妻にね」  
「・・・磯貝さん、おやめください」  
茜のブラウスは肩から落ち、雪のように白い肌が露わになった。それを見た磯貝は、美  
しい、とため息を漏らす。  
 
「魚心あれば水心ですよ・・・奥さん」  
磯貝の触手が茜のスカートのファスナーへ伸びた。しかし、茜は両手で顔を覆い、抗い  
もせずただ、泣き崩れるだけである。  
 
「おうちでお母さんの帰りを待ってるお子さんのためにも、ここはひとつ大人になりましょ  
うよ、奥さん」  
ううっと、茜の咽び泣きが聞こえた。磯貝が言う通り、自宅には三歳になる娘が居る。も  
し、借りた金が返せないとなれば、茜は破滅である。そうなったら、娘はどうなるのであろ  
う。夫も居ない今、娘の運命を守れるのは自分しか居ないではないか。茜は涙を拭いて、  
顔を上げた。  
 
「・・・よしなにお願いします、磯貝さん」  
「腹が据わりましたか。なあに、悪いようにはしませんよ」  
事が決まるとなると、磯貝に勢いがついた。茜はウネウネとうねる触手に衣服を脱がされ、  
肩からストラップが落ちたブラジャーと、パンティ一枚という姿になる。  
「やだ・・・」  
露わになった乳房を、茜が恥ずかしそうに隠した。子を産んだとはいえ、茜はまだ肌の衰  
えも見せず、処女のような見目麗しい肢体を有している。磯貝は半裸となった若妻の姿に  
生唾を飲み、目をしばたかせるのも忘れて、ぐっと見入っていた。  
 
「ふふ、久しぶりに良い獲物が手に入ったな」  
磯貝は体中から触手を伸ばし、茜に襲い掛かった。紫色の触手はしなやかな動きで  
若妻の身体を覆い、キリキリと巻き上げていく。  
 
「あ、あううッ!い、磯貝さん、言う事を聞きますから、無理強いはおよしになって!」  
茜は身体を戒められるという恐怖で、顔を引きつらせている。手と足はそれぞれ大の字  
に決められ、艶かしい肉体には余す所無く触手が這っていた。しかも、乳房を丸く浮き上  
がらせるように締めつける触手の動きが、茜の羞恥と慄きを倍加させている。  
 
「いい格好だ。奥さん、あんたはやっぱり触手が似合うよ」  
磯貝は茜を拘束したまま、奥の部屋へと連れて行った。するとどうだろう、そこには女を  
責めるための道具、それもSMと呼ばれる特殊な性癖を持った人たちが使う道具が、散  
乱していたのである。  
「こッ、これは・・・」  
茜の顔色が蒼白となった。一目見て、その禍々しさに心が凍りつきそうなほどのおぞまし  
い道具の数々が、ありきたりな性生活を送ってきた若妻の前に置いてあるのだ。これに  
驚かぬ訳にはいかない。  
 
「私は、女を辱めるのが好きでね」  
磯貝は茜を射抜くような視線で捉えると、いよいよその本性を表していった。  
「奥さん、お通じは良い方ですかね?」  
「えっ?何の話ですか」  
「ズバリ言うと、きちんと毎日、大便なさってますかって事です、ひひひ」  
その恥ずかしい問いかけに、茜の頬が紅潮した。この男は女性に対し、何て事を聞くの  
だろう。手足が自由であれば、薄笑いを浮かべる磯貝の顔を張り倒してやりたい。茜は  
身もじして、頭を左右に振る。  
 
「答える義務はありません」  
「そうですか。まあ、どちらでもいいんですが」  
凛として気高い茜を見て、磯貝は満足そうに頷いた。そして、数ある触手の中から、先が  
嘴のようになった物を、茜の目の前に差し出した。先に穴が開いていて、そこから粘っこ  
い液体が垂れている。  
「今からこれで、奥さんに浣腸して差し上げます。ひひひ・・・」  
「!」  
浣腸──それを聞き、茜の顔が引きつった。  
 
「ここから液が出てるでしょう?これ、私の小便なんですが、地球人には媚薬になるんで  
す。これを今から、奥さんのケツの穴に飲んでいただきます」  
媚薬小便浣腸。聞くだけでもおぞましいが、磯貝は淡々と言うのである。  
 
「いッ、嫌!浣腸なんて、嫌ァ!」  
ガクガクと身体を震わせて、泣き叫ぶ茜。しかし、触手で雁字搦めとなった身体は、戒め  
からは抜けられそうになかった。  
 
「奥さん、自分の立場ってもんを、もう一度、良く思い出してくれんかね」  
磯貝が低く、しかし、ドスの効いた声で茜を諭した。  
「別に良いんですよ、奥さんが私のやる事を拒んでも。しかし──」  
ギラリと磯貝の目が光る。この金貸しは、目前の若妻に退路が無い事を知った上で、脅し  
にかけているのだ。自信ありげな物言いが、それを裏打ちしている。  
 
「ああ・・・」  
あらためて自分の立場を思い知らされた茜は、大粒の涙をこぼして己の悲運を嘆く。ここで  
磯貝を拒めば破滅。だが、拒まなくても破滅のような気がしている。浣腸されるという事は、  
人として最も恥ずかしい場所をさらけだし、辱めを受け入れるという事である。女として、また  
人の妻として、とても聞き入れられぬ行為だった。だが──  
「どうするね、奥さん」  
「ああ・・・どうしたらいいの・・・?」  
茜はさめざめと泣くが、答えは初めから有って無いような物だった。一度、このイソギンチャ  
クのような男に身を預けると言ったからには、もう帰る道はないのだ。ただ、成り行きに任せ  
るしかないのである。  
 
「さあ、答えてもらおうか」  
磯貝は羞恥に赤らむ茜の顔を覗き込み、答えを寄越せと迫る。すると──  
「お、お好きになさって・・・」  
と、茜は小さく呟いたのであった。  
 
「お好きに・・・って、何をして欲しいんだい?え、奥さんよう」  
いよいよ茜が隷属の意を示すと、磯貝はむきになって若妻を追い込もうとする。言葉を  
荒げ、彼女の口からはっきりと自分の望む事を言わせようと、躍起になっているのだ。  
「い、意地悪はおよしになって・・・さあ、磯貝さんのお好きになさってください」  
「それじゃあ分かんないだろう。何をして欲しいか、ちゃんと言うんだ」  
「ああ・・・そんな」  
まさか女の口から浣腸を乞うなどとは、茜は考えた事すら無かった。しかし、磯貝はそれ  
をしないと納得しないだろう。  
 
「い、磯貝さん・・・私に浣腸して・・・ください」  
「あ?聞こえねえな。もっと大きな声で」  
「か、浣腸をお願いします!」  
茜が叫ぶと、磯貝が高笑いと共に、例の浣腸触手を躍らせた。それは大きく弧を描いた  
後、茜のパンティの中へずるりと入って行った。  
 
「ヒイ───ッ!」  
ビクン、と茜の背が反った。浣腸触手はその嘴で容赦なく若妻の菊蕾をこじ開けて、後  
門をぬるりと通り抜ける。その感触はおぞましいを通り越して、狂いかねないほどに理  
性を叩きのめした。  
 
「ハハハハハ、奥さん、いい声で泣くねえ。やりがいがあるよ」  
浣腸触手は肛内に十センチも入った所で、粘っこい液体を大量に放出した。これが磯貝  
の言う、媚薬小便である。これを地球人の女が仕込まれると、全身が性感帯になったか  
のように燃え出し、死ぬほど犯される事を望むという。そんな物をぶち込まれ、茜は目を  
剥いて慄いた。  
 
「うああッ・・・うひいッ・・・」  
媚薬小便が身体に染み入ると、クリトリスの包皮が自然に剥け、異様なまでに膨張した。  
そこが空気に触れるだけで痛むほどに感じ、女穴に逞しい異性を望んでしまう。茜は今、  
男根さえ持っていれば、たとえ相手が犬ころでも、喜んで抱かれるような状況にあった。  
「ああ・・・体が疼くわ。何とかしてェ・・・」  
「媚薬は即効性だからな。それにしても、良く効く」  
身悶える茜を前にして、磯貝は余裕げな笑みを浮かべていた。このまま犯すのも良いが、  
ただ犯すだけでは能がない。磯貝は切羽詰った茜の弱みにつけ込み、もっともっと辱めて  
やりたいのである。  
 
「奥さん、オマンコして欲しいですか?」  
磯貝が勝ち誇ったような顔で、茜に問う。媚薬で狂わされた女が、自ら異性を乞う姿を  
彼は好むのである。ましてその媚薬が己の小便であれば、笑いが止まらない。  
 
「してッ!茜にオマンコしてェ・・・」  
「じゃあ、私の性奴隷になると誓いなさい」  
「ああ・・・奴隷にでも何でもなりますから・・・早くぅ・・・」  
茜はパンティのクロッチ部分を愛液でひた濡らし、腰を前後左右に揺さぶって身悶える。  
そこへ、磯貝の触手が収まるべき所を目指して踊りかかった。  
 
「ああ───ッ・・・」  
茜は立ち姿で、野太い触手を女穴へ受け入れた。触手はパンティを突き破り、花弁の  
一枚一枚を擦るように侵入して行く。  
「あう──ッ!ああ──んッ!」  
二つの穴が同時に触手で満たされ、淫らな動きに掻き回されていた。肛内では相変わ  
らず媚薬小便が放たれ続け、茜は全身をビクビクと震わせ、磯貝の責めをすべて受け  
入れるしかなかった。だが、あまりの快楽により茜の理性は崩壊し、望むならば彼の持  
つ触手すべてで、全身を犯しぬいて欲しい──そう願っていた。  
 
「奥さんのオマンコはキツキツですなあ。まるで処女を犯しているようだ」  
磯貝は触手を緩めたり硬化させたりして、茜のすべてを貪り喰らうべく犯していく。大小  
の触手はそれぞれ役割を分担し、ある物は乳首を締め上げ、またある物は包皮を剥き  
破った茜のクリトリスを狙い、チュウチュウと音を立てて吸い上げた。  
 
「ヒイイッ!駄目ッ、それ、駄目ッ!」  
媚薬浣腸と急所責めで、茜に絶頂の第一波がやって来た。腰が痺れ、頭の中が白っぽ  
くなる。そして次の瞬間、身を焦がすような快楽のうねりに若妻は揉まれた。  
「ああうッ!い、いくッ!」  
夫とでは得られなかった官能に包まれ、茜は狂喜した。弱みにつけ込まれ、好きでもな  
い男に触手で犯された若妻は、とうとうそれの持つ魔力の虜になったのである。  
 
「ふふふ、まだまだこれからですよ、奥さん」  
そう言って磯貝は、また媚薬小便を放つ。実はモロン星人の交尾時間は長く、時には一  
昼夜に及ぶ事もある。彼にしてみれば、性宴はまだ始まったばかりなのだ。  
「・・・嬉しい。また、私をいかせてくれるのね、ああ・・・」  
茜の理性は解け、今は考える事すらままならない。愛する娘の事さえ、思考の片隅へ  
追いやられている。  
 
「奥さんは当分、私が使ってあげますよ。飽きたら宇宙AVに出てもらって、その次は  
畜生相手のソープ嬢でもやって貰おうか」  
「ああ・・・ひ、ひどいわ」  
ぼんやりと霞がかった意識の中で、茜は未来の自分を見た。醜い姿形をした獣に犯さ  
れる自分の姿を──  
 
「それが嫌なら、せいぜい私を飽きさせない事だな」  
「・・・頑張ります。だから、茜を見捨てないで」  
茜は全身に触手を巻きつけながら哀願した。もう、磯貝のお気に召すままに生きていく  
しかない。きっと、これからこの若妻は嗜虐者に隷属を強いられ、性奴隷としての生活  
を送る事になるだろう。人としての誇りも捨て、狂気の中で身を削るように──  
 
そしていつか、流れる時からも置いて行かれるに違いない。  
 
 
おしまい  
 

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