『3章:変化する日常』  
 
(ん・・・朝・・・?)  
俺の顔にまぶしい光が当たり俺は目を覚ます。そこはいつもの俺の部屋だった。  
「夢・・・だよな。あんなことがあるわけ・・」  
「おはよ!良にい」  
俺の目の前に朋子の笑顔が見える。  
「ハハハ・・・夢じゃなかった」  
 
 
 
朝の食卓。いつもと同じように家族全員での食事。  
ただ一つ違うことは朋子がいるということ。もっともそれがいつもの日常なのだが・・  
「じゃあ、いってきまーす!」  
「いってきます」  
「いってらっしゃい」  
俺が朋子と家を出ると同時に唯も家を出てきた。  
「二人ともおはよ〜」  
「おはよー、ゆ〜い」  
朋子は昨日までとは違って唯を名字で呼ばなかった。まぁ、俺と双子となっているのだか  
ら朋子と唯は幼なじみということになったはず。ならそれは当然のことなのだけれども、  
やはり不思議な感じがする。  
「どしたの、良ちゃん?元気ないね。」  
「ん・・いや別に」  
(いったってしょうがないしなぁ・・・)  
俺はチラッと見る。朋子はいつもの笑顔を俺に返す。  
 
学校でも朋子の扱いは少々変わっていた。まぁそりゃそうだ。高校から一緒の設定から俺  
の双子の妹ということになったのだから当然人間関係は変化する。いつもの俺らのグルー  
プは6人から7人に。けど、みんなにとってはそれが当たり前なのだからそのことに違和  
感を覚えているのは俺だた一人。  
(なんだかなぁ・・・)  
そんなことを考えながら俺は窓の外を見ていた。そして俺はまたしてもミスを・・・  
「杉原良司!またお前は!!」  
(やっちゃった・・・)  
「もちろん、問題解けるんだろうなぁ。じゃあ前に出てやって貰おうか」  
「またですか・・・」  
「そうだ!!」  
俺はため息をつきながら席を立つ。 俺は隣の席の唯と目が合う。  
「がんばってね」  
「ハハハ・・・助けて・・」  
俺はいやいや黒板に向かおうとする。そのとき予想外の言葉が聞こえた。  
「いいよぉ」  
「えっ!?」  
俺は立ち止まり、振り返って朋子の顔を見る。相変わらずいつもの笑顔。  
「杉原!早くしろ!!」  
俺は朋子の言葉が気になりつつも背中からひしひしと感じる殺気を感じ黒板に向かう。  
目の前には俺のために特別にすばらしく難しい問題が用意されていた。  
(これ受験生でも解けないんじゃないのか・・?)  
「どうした杉原早く解いてくれ」  
(そんなこと言わなくても解けたらもう解いてるわ・・・・ん・・・おいおい)  
俺は朋子の助けてくれるの意味をようやく理解した。いや、ホントに助かるのかよく分か  
らないが・・・田中がいつもより若若しく見えるのだ。俺は朋子のほうを振り返る。  
(朋子のあの笑顔・・・間違いないな・・・)  
 
「こら、杉原!妹に頼るな!とっととやれ。出来なかったら宿題に追加な」  
そういうと田中は俺の頭を軽く叩く。  
そして、その時初めて田中は自分の身体の異変に気づく。  
(ん・・袖が長い!?これぴったしだったはずなのに)  
「な、なぁなんか田中ちっちゃくなってねぇか?」  
「だ、だよね。私もそんな風に見える。」  
少しずつクラスが騒がしくなってくる。田中自身も自分の変化を感じるらしく慌てふためいていた。ぴったしだったスーツが少しずつブカブカになり、俺の目の前には自分と同じくらいの女の子が立っていた。  
「いやぁ、なんなのいったい!」  
田中がついに声に出して自分の恐怖を訴える。クラスも騒然としてしまっていた。  
そうしている間にも田中の身体は未成熟な物へと変化していき、気づけば俺たちよりのも  
年下にすら見える。  
(おいおい、いったいどこまで・・)  
田中の服はブカブカどころか完全に身体にあっておらず、ただただ自分の裸を隠すためだ  
けのものでしかなかった。彼女の成長が止まったのは小学校高学年か中学年くらいの少女  
になってからであった。  
「ちょ、どうなってるのよぉ」  
田中は涙目になりながら自分の薄っぺらになった自分の胸に手を当てながらそういった。「おいおい、田中が子供になっちまったぜ。いったいどうなってるんだ??」  
「わ、分かるわけないっしょ・・・」  
(もっともだ、俺だって知ってなかったらパニックだな)  
そして、次の変化が田中を襲う。洋服がどろっと溶けたように原型をなくしていく。  
「ひぃぃ・・・」  
まるで怖い夢を見た少女のように田中は声を上げた。  
そして、溶けた洋服がだんだん形になってきた。  
(ん・・・・スーツ??)  
俺は少女にふさわしいかわいい洋服にでもなるのかと思っていたがそうではないようだ。  
洋服はその小さくなった身体にぴったしのスーツへと変化していったのだ。  
「あ、あれぇ私どうしちゃったんだろおぅ」  
「あ、あの先生?」  
「ん〜、なぁに杉原君☆どうしたのぉ??」  
(こ、これは・・??子供・・・大人!?)  
「ん〜と、なんだっけぇ?忘れちゃった☆エヘ、まぁいいや杉原君座ってぇ」  
そういわれて俺の頭に疑問符が浮かびつつも俺は着席をする。  
「な、なぁ。いったいなにしたの??」  
「んーとね、肉体を小学生にしたんだよ。だから職業はそのまんま☆まぁ、精神も子供に  
なっちゃったけどね☆」  
(・・・こいつだけは敵に回さないでおこう)  
「ではぁ、教科書P118ひらいてねぇ☆」  
田中にはいつものとげとげしさが無く満面の笑みでそう言った。  
 
(ってか、これでホントにいいのか??)  
俺の目の前に広がる奇妙な光景。頭のいい小学生の授業をまじめに受ける高校生たち・・  
「先生、問い3が解けないんですけど」  
「えっとねぇ、それはぁまず、展開してねぇ。う〜ん・・・黒板に書くねぇ☆」  
そういうと彼女はチョークを持ち自分の身体とは不釣り合いになった黒板に向かう。  
(半分ぐらいしかアレじゃとどかないんじゃ・・・)  
なんて思ってたら、いつの間にか台まで都合良く用意されていて田中はそれに登り必死に  
解答を書いていく。  
「キャー、麗先生かわいい(≧▽≦)」  
一部女子には物凄く人気のようだ。まぁさらに極一部男子にも人気みたいだが・・  
「もぉう、ちゃかさないでぇ、怒っちゃうよぉ」  
(ちゃかされてもしかたないような・・・・)  
先生というにはあまりに滑稽な姿だが、本人は大真面目。まぁ普通の人なら笑うだろう。  
(しかし、朋子も物凄いことやるなと思ったが、クラスの雰囲気もなんかよくなった気が  
するし、これはこれでいいのか・・・?)  
「あっ、時間だねぇ、。じゃあ、残った所は宿題にするよぉ。ちゃんとやってねぇ。」  
そういって彼女はとことこと教室を後にした。  
「やーん、麗先生かわいすぎ(≧▽≦)」  
「園村、授業中騒ぎすぎ」  
「なによぉ、いいじゃないだってかわいいんだもん」  
隆史と園村がいつものような小競り合いをしている。もっとも昨日までではとても考えら  
れないような会話ないようであったが。  
「あの麗先生のよさがわからないとは、上原最悪だわ。」  
「まぁ、俺はお前と違って子供じゃないからな」  
「だれが子供だ。誰が!」  
「お前だ、お前。精神年齢、見た目ともにな」  
「うぅ、彩ちゃん。杉原が虐めるぅ〜」  
「もう、二人とも子供なんだから・・・」  
(もっともだな・・・)  
 
「ねぇ、そろそろ次体育なんだから移動しないと間に合わないよ。この間も鈴木先生に怒  
られたんだからさぁ」  
唯が話の間に割って入る。  
「あぁ、次体育かぁ・・・・いやだなぁ。今日なんだっけ?」  
「今日体力測定だよ。ほら早くいこ」  
「そだそだ、早くいけよぉ。なんなら裸みてくかw」  
「もう、上原うっさい!変態!!」  
そういって女子たちは道具を片付け更衣室へと向かった。  
うちの学校では男子は教室で着替え、女子のみ更衣室というシステムを使っているため、  
女子が出て行かないことには着替えづらいので男子としては早く出て行って欲しいのだ。  
 
「ねね、やっぱ体力測定ってことは持久走あるのかな!!」  
「そりゃ、あるでょ。あたしは持久走苦手だからやだなぁ。」  
「亜由美ちゃんは早いもんね、足。」  
「うん!一番なるぞぉ〜」  
「朋ちゃんも、結構早いんだよねぇ」  
「うん、まぁね。まぁ亜由美ちゃんには叶わないけどね」  
「えへへ☆」  
園村はそのちっちゃい外見通りすばしっこくて運動神経は抜群で中学時代には県大会に  
も出場したことがあるほどであった。  
「彩ちゃんビリになっちゃだめよぉ」  
「む、この成長のないちびっ子娘が〜」  
そういいながら斉藤は園村の胸を後ろから鷲づかみにする。  
「こらぁ〜、や、やめぇ!」  
「相変わらず成長ないじゃないのぉ、田中先生のこと言えないじゃないのさ」  
「うう、唯ちゃん助けてぇ」  
「もう、彩ちゃんもふざけてないで早くいこうよ」  
「そうね、いこう。朋ちゃん、唯ちゃん」  
そういって斉藤は二人の手を引っ張って走り出す。  
「あぁ、コラー。おいてくなぁ!!」  
 
「じゃあ、今日やる体力測定の種目を言うからな。最初ボール投げやって、50m、反復  
横跳び、立ち幅跳び、長座体前屈、上体起こし、反復横跳び、握力測定、んで最後は15  
00mのはずだったが今年からシャトルランとなる。詳しい説明はまた後で」  
「え〜・・・・」  
「え〜〜〜、じゃない。この中で去年の総合1位は園村で2位綾小路、3位伊藤だな。  
がんばれよー。他のものも全力を尽くすように!」  
先生の言葉にほとんどの生徒が憂鬱そうな顔をしてる中相変わらす亜由美くち楽しそうな  
表情をしていた。そこに一人の女の子が近寄ってきた。  
「園村さん、お互い全力を尽くしましょうね。今年は負けませんわよ」  
「ん?今年もあたしが勝つよぉ〜。じゃね茜チン☆」  
(このガキィ、人がしたてに出てればいい気になってぇ〜〜〜・・・)  
そういうと園村はいつものメンバーのところへとっとと言ってしまった。  
それを見て、朋子は綾小路の記憶を探す。  
(綾小路茜 社長令嬢で成績優秀、そして中高と陸上部に所属してるだけあって運動神経  
よしかぁ。顔立ちもスタイルもいいし、なんか性格はネコ被るタイプっぽいけど・・・  
あぁ、亜由美ちゃんつっかかると思ったらなるほどね)  
綾小路と園村は中学時代陸上の県大会で戦って、園村が勝っているのだ。それも3戦3勝  
(綾小路さん、プライド高そうだもんなぁ。)  
 
「では、まずボール投げな。2レーンあるから分かれて!」  
先生の指示で次々とボールを投げる生徒たち  
「あぁ、10mいかなぁい・・・」  
「やったー14m去年より1m延びた☆」  
「いいなぁ、唯ちゃん。あたしやっぱこういうのダメ。朋ちゃんいくついった?」  
「私は15mいったよ〜」  
「えー、すごーいいいなぁ」  
みんな始めは緊張してたものの始まってみれば、和やかなムードが漂っていた。  
ただ2人を除いて・・・  
(見てなさい、園村さん!!)  
「わぁ、すごーい!綾小路さん24mいってるよ〜」  
「ふふ、ありがとう。」  
(勝ったわ!!)  
「うわぁ〜みんなっ、あれ!」  
その言葉にみんなもう一つのレーンを見る。ボールは30mほどいっている。  
「やっぱすごいね。亜由美ちゃん」  
「へっへ〜☆」  
(・・・絶対負けませんわ)  
 
その後も次々と種目が行われていくが結局綾小路は園村に一つも勝てず・・・  
(あ、握力ならあんなちびっ子にぃ・・)  
綾小路はこれまでの怒りを全力で手に込める。  
「や、やりましたわ。35kg!園村さんおいくつですか?」  
「25kgだよ。まぁ平均だしいっか。茜チン、力だけは強いね。」  
(この子・・・いつか殺しますわ・・・)  
二人のただらなぬ雰囲気にもはや近寄れる女子は誰もいなかった。  
 
「じゃあ、最後の新競技について話すぞ。シャトルランってのは20mの距離を往復して  
その回数を競うものだ。ただ20mの距離を走る時間はこちらで鳴らす音にしたがっても  
らい、その間隔はだんだん早くなっていくからな。では位置に着いてくれ」  
(長距離走なら絶対負けませんわよ・・・)  
始まりの音がなると同時にみんなが一斉に走り出す。といっても始めは歩いててもいいほどのペースでみんな拍子抜けしたようで  
「あたし、このペースがいいなぁ・・」  
「彩ちゃんったら、もう!」  
当然そんなペースは維持されることなく、次第にどんどん早くなっていき少しずづ脱落し  
て行く。当然その中に斉藤も含まれていた。  
「はぁ42回かぁ、運動不足かな。あたし・・」  
その後もどんどんペースは上がって人の数も半分以下になってきた。  
「はぁ、もうだめぇ」  
「唯ちゃんいいねぇ60回超えたもん、あたしなんか・・ううっ」  
「誰にでも得意、不得意あるって。あっ、朋ちゃんも終わったみたいだよ」  
朋子がはぁはぁいいなが二人に近寄る。  
「朋ちゃん、おつかれ〜」  
「はぁ、すっごく疲れたよぉ。年かな・・・」  
「何いってるのよ、もう」  
スポーツ得意な女子たちも一人また一人と消えていくそして遂に例の二人だけとなる。  
「すっごいね、もうすぐ90回だよ!」  
「もうとっくに10点貰えるぐらいいってるのに二人ともがんばるねぇ」  
2人の間からは相変わらずただならぬ雰囲気が漂っていた。  
(粘るわね、絶対負けませんわよ)  
(むぅ、負けない・・・)  
二人の意地の張り合いは果てしなく続きついには、90回を超えさらには100回へと迫っていた。  
(そろそろ100回よ、いい加減諦めないよ。このおチビちゃんが!!)  
流石に二人とも息が荒くなってくる。一回ごとのペースもかなり早くなっており次第に二  
人ともペースについて行くのに必死なように見える。  
「すごい!!100回いったよ〜」  
周りの女子達から大きな歓声が上がる。  
(や、やりましたわ・・・)  
綾小路のミス・・・それは100回いったことで気を抜いてしまったことであった。  
一瞬の気の緩みからペースが乱れ次第に間に合わなくなっていく。そして・・  
「はぁはぁはぁ・・・」  
「綾小路さん、すごいねぇ103回なんて!」  
「はぁはぁ、ありがとうございます」  
綾小路はそう言いながらチラッと園村の方に目をやる。園村はなおも走り続けて115回  
走った所で終えた。  
「亜由美やるねぇ〜、このこのぉ」  
斉藤が園村に駆け寄り、抱きついて小突く。  
「はぁはぁ、エヘヘ、まぁねぇ。」  
走り終えた園村に綾小路が近寄る。  
「参りましたわ。お強いですわね・・・」  
「ん?茜ちんが弱いだけじゃないの?」  
(このガキィィィィィィ!!!!)  
 
「それじゃ、今日の体育はここまでだな。さて、明日からの体育だが水泳だ。明日から  
早速始まるから水着忘れるなよ」  
そして授業が終わり生徒たちが更衣室へと戻っていく。  
「しかし、ほんとすごかったよねぇ亜由美。あれっ。どしたの?」  
「うん・・・知ってるくせに。あたしが水泳嫌いなの・・・はぁ」  
「あぁ、でも去年25M泳げるようになったじゃないのさぁ」  
「む!幼児体型だ、泳いでる姿が犬かきみたいとか言ってきたのはどこのどいつだぁ!!」  
園村はそういいながら斉藤をポカポカと叩く。そこにまたしても綾小路が近寄ってきた。  
「大変ですわねぇ、園村さん。泳げませんものねぇ。でも、身体も小学生みたいですから  
そんな変に見えませんわよ。」  
「うぅぅぅ・・・」  
(ふっ、やりましたわ)  
さっきまでの仕返しと言わんばかりに綾小路が嫌みを言うが、園村はただただ聞くばかり。  
それほどに園村は水泳が嫌いで、なにより自分の気にしてる体型がくっきり出ることが嫌  
だった。  
「はぁ・・・やだなぁ・・・」  
 
「ってなんてことが今日あったのよぉ」  
俺は朋子といつものように俺の部屋で話しをしていた。  
「へぇぇ、綾小路さん結構裏あるんだ。性格良さそうに見えてたけど・・」  
「まぁ、男の子の前だとネコ被るタイプかなぁ。悪い子じゃないんだけど自分が一番じゃ  
ないと許せないタイプなのかな」  
「でも、勉強も運動も見た目もいいし、まぁしかたないのかもね。ファンクラブがあるな  
んて話も聞いたことあるし」  
「うぅん、なんとかしてあげようかなぁ」  
「えっ!?」  
俺は朋子の言葉に固まる。何をするかは良く分からないが、何とか無くイヤな予感が・・  
「気になる?」  
「まぁね」  
「OK!じゃあ、ちゃんと目の前で見せてあげるからね」  
(・・・俺なんか選択肢間違ったかも。)  
 
 
(ふぅ、まぶしぃ)  
朝の光が俺の顔に掛かり、俺は目を覚ます。  
(もう朝かぁ、起きるかな)  
俺がゆっくりと身体を起こす。そして俺の目の前には見慣れない風景に、身体に違和感を  
覚える。  
「へ!部屋が・・・それより・・・む、胸が」  
部屋は女の子特有の可愛らしいものになっており、俺の胸には二つの膨らみがあった。  
「やっほー、起きたね。良ねぇ」  
「あの・・・なんで女の子・・?」  
「昨日約束したじゃないの『目の前で見せてあげるからね』って。ほら早く着替えて学校  
遅れちゃうよ」  
そういって朋子は俺にセーラー制服を渡す。  
(・・・やっぱ選択肢間違えたか)  
 
俺は一応朋子に戻してと頼んで見た物の案の定軽くあしらわれて、泣く泣くそのまま登校  
することとなった。もっとも女の子にされた以上それが当たり前と処理されるので、俺が  
女の子になったことに気にする者は一人もいなかった。  
少し変わったことといえば、男から話しかけられることより女から話しかけられることが  
多いことだろうか。まぁ、これも当たり前のことといえば当たり前なのだがやはり少し不思議な感じがした。  
「良子どうしたの元気ないねぇ」  
俺の雰囲気をさっして唯が話しかけてきた。  
「あ、いや何でもないよ」  
「あぁ、もしかしてもしかして良子も亜由美と一緒で泳ぐのやなの?」  
斉藤がにやっとしながら話に入ってくる。  
「いや、そんなことないよ。ちょっとね・・・」  
(・・・ん、まてよ・・・)  
俺はとても重要なことに気づいてしまった。  
(俺、女子と一緒に水泳するのか!!着替えも!!)  
いくら立場が女にされているとはいえ、流石に後ろめたいものがある。  
そんなこと考えている間にも時間はどんどん過ぎていき水泳の時間がやってきた。  
 
俺は朋子にしがみついて、小声でいった。  
「なぁ、ほんとに俺ここで着替えるのか?」  
「なにいってるの、当たり前じゃないの。あと俺とか使っちゃだめよ。女の子なんだか  
らね。それに少しは興味あるでしょ。女子更衣室。ふふ」  
もちろん俺も年頃の男子な訳で興味がないかと言えば、もちろんあるしおいしいシチュエ  
ーションなのではあるが、なんとなく申し訳ない気もするわけで・・  
「いいじゃないのさ、さぁ」  
俺は朋子に手を引っ張られて更衣室の中に入る。  
(うわぁ、すげぇ)  
普通に人生送る分にはまず経験することの無いはずだったこと。もちろんタオルを使って  
着替えているから裸が見えると言うわけではなかったが俺の目の前にはとても刺激的な光  
景が広がっていた。  
(やっべぇ、俺完全に変態だわなぁ。しかし・・・いいな)  
各々が着替え出し、俺も仕方なく着替え出す。  
「良子も結構スタイルいいねぇ、エロいぞ(笑)」  
「へっ!?」  
斉藤が俺に話しかけてきた。そういう斉藤の姿も結構エロくて・・  
「ちょっとぉ、良子を困らせちゃダメよ。彩ちゃん」  
「だってぇ。唯もかわいいよ(笑)」  
「もう」  
(こいつらいつもこんな会話してるんじゃないんだろうな・・・)  
そんな中一人明らかにテンションの低い奴が一人。もちろん亜由美である。  
「・・・そうですね。みんなスタイルよくていいですね。どうせあたしなんか・・・」  
亜由美から何かドス黒い気のようなものが感じられる。こんな亜由美を見るのは始めてだ。  
「また、亜由美はぁ」  
そこに綾小路がニヤニヤしながら近寄ってきた。  
「そうですよ。かわいいですわよ。スクール水着とても似合ってますわよ。私なんか全然  
似合わないんですもの」  
確かに、綾小路のいうことも正しくて園村のスクール水着姿は誰が見ても違和感は覚えな  
いだろうが、綾小路のそのむっちりとした胸や、お尻に綺麗なくびれとグラビアアイドル  
顔負けでなんか無理矢理スクール水着を着せてるように見えた。  
「さて・・」  
そういうと朋子はそっと目を瞑り両手を結んだ。  
(始まるな・・・)  
 
「ん・・なんか身体が熱い・・」  
「うぅ・・私も何か・・変ですわ」  
二人とも身体の違和感に気づいたようで、少し顔を強ばらせている。  
「どうしたの、二人とも」  
「それがですね・・・なぜか身体が・・え!なんなのこれは」  
先に大きな変化現れたのは綾小路のほうであった。先ほどまでこれでもかというほどにス  
クール水着の下で大きな自己主張をしていた彼女の胸が普通の女の子とさして変わらないほどになってしまっていた。いやそれだけではない。そのむっちりしたお尻も小さくなり綺麗だったくびれは無くなって寸胴といった感じで、全体的に身体が小さくなったよ  
うに見える。  
「んぅ・・水着が・・きついよぉ」  
次には園村に変化が起こる。皆に幼児体型と言われてきたその薄い胸にはスクール水着を  
押し上げるメロンほどの大きな膨らみが出来て、園村の小さなスクール水着に押しつけら  
れ大きくいやらしい胸の谷間を作っていた。お尻もむっちりとしてきて、くびれもすっき  
りとしたものとなったのが分かる。  
「どうなってるの!!?」  
ギャラリーはただただ見守ることしか出来なかった。  
二人の変化はさらに大きくなり、綾小路の手足はまるで子鹿のように細くなり顔も童顔と  
言われるようなかわいらいいものになって、小さくなった身体は水着に包まれているよう  
であった。一方、園村のほうもすっきりした顔立ちの大人の女性といえるような綺麗な顔  
立ちをして、その大きくいやらしい身体が水着にによって圧迫されさらに強調されていた。  
「なにが・・なにがどうなってるのよぉ。なんで私がこんな子供みたいに・・」  
「うう、水着が食い込んで痛い・・」  
二人の変化に周りのものはどよめく。  
「いったいどうなってるの!?」  
「園村さん、すごい胸・・・」  
「綾小路さん、かわいいぃ」  
そんなことを言ってる間に水着が溶けていき、そしてそれぞれにあったスクール水着へと  
なっていく。  
「ん、あれ何してたんだっけ」  
変化が終わりどうやら記憶の書き換えも終わったようだ。先ほどまで何に騒いでたのかを  
忘れギャラリーは散っていく。  
「なぁにが、あったのでしたっけぇ」  
綾小路のしゃべり方がいつものようにとても丁寧なのだが、何かとても子供っぽい物にな  
っていた。その姿を見て園村が綾小路に近づき正面から抱きついた。  
「きゃ〜、茜チンの水着姿超ラブリー(≧▽≦)」  
「ふぁぁ、ちょ、ちょっと亜由美さん。お胸で・・苦しいですぅ」  
「あぁ、ごめーん。あんまりかわいいものだからぁ。茜ちんはやくプールいこ」  
「はぁい、わかりましたわぁ」  
綾小路がちょこんと立ち上がる。二人の姿を見比べると変化前の二人なんかよりもずっと差があるように見える。しかし二人の関係はさっきよりずっとよく見える  
「ねっ、うまくいったでしょ♪」  
「う、う〜ん・・・」  
 
水泳の授業授業が始まり準備体操が始まる。男子と女子とではプールの端と端に分かれて  
やっているのだが、男子からの視線をひしひしと感じる。  
(まぁ、俺もたぶん見ただろうしなぁ)  
中でも大きく変化した亜由美には大きな視線が注がれているようだった。  
「園村のやつ、マジで胸でけぇよなぁ」  
「な!まじですげーし」  
男子の声が聞こえたようで園村は男子の方をむいて  
「こらっ、男子ども!!・・サービスしちゃうぞ」  
そういって園村は前屈みになるようなポーズを取る。男子から大きな歓声が上がる。  
「もう、亜由美ったら何やってるのよ、もう」  
「へへ、いいじゃないのさ彩ちゃん。」  
悩みが解消された園村はいつものような明るさを取り戻していた。逆に綾小路はと見てみ  
たがこちらは特に幼児体型を気にしている様子もなくひょいひょいと準備運動をしてる。(ほんとにうまくいくものだなぁ)  
 
水泳が終わった後も朋子は2人をそのままにしていたが、特に問題はなく、むしろ綾小路なんかはいつものプライド高さが無くなってみんなから可愛がられていた。  
「茜チンここ教えてぇ」  
「よろしいですわよぉ、ここはですわねぇ、ここにこう足せばいいのですぅ」  
「なるほど、流石茜ちん。頭いいねぇ、良い子、良い子」  
そういって園村は綾小路の頭を撫でる。昨日まででは考えられないことであった。  
 
そうして今日一日も無事終わりついでに俺の女の子としての始めての学校も終わった。  
「しかし、ほんとうまくいくものだねぇ」  
「綾小路さんみたいな人は少しコンプレックスをもつほうがうまくいくものなんですよ。  
園村さんはまぁ特別にね。あんまり卑屈になってたから。まぁ明日には戻すつもりだけど」  
「そうね、園村はもどしたほうがいいかもね。」  
「しかし、人は見た目じゃないなんていうけど見た目で人って変わるもんなんだね」  
「ふふっ、そうね。それを知って欲しかったってのもあるんだ実は」  
「え〜。あっ、あとさ・・・」  
「ん、なぁに?」  
「俺のこともちゃんと戻してね・・・・」  
そうして今日一日が終わった。  
 
 

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