『4章:突然の朝』
「じゃあね、良司。お友達と仲良くするのよ」
「バイバイ、良司君」
(はぁ・・・なんでこんなことに・・)
俺はいつものように朝を迎えたはずだった。しかし、部屋の景色がいつもよりずっと大きく感じたのだ。
(・・・もしや)
俺は起きあがり、自分の身体を見る。小さな手、細い足、可愛らしくなった俺の息子・・
部屋も俺の物とは違う物へとなっていた。
「また、朋子かぁ。でも、なんで子供に・・・」
俺が呆然としている所にちょうど朋子が入ってきた。
「あら、起きてたのね良司」
朋子の顔は相変わらずにこやかだ。しかしそれが逆に怖い・・
「あの・・なんで俺子供に?」
「昨日のことをよく思い出してごらんなさい」
(昨日のこと・・・?)
「ちょっと良にい!なによこれ!」
「なにってなにがだよ?」
「これよ、これ!」
俺は一本のビデオテープを手渡された。
「これがどうしたっていうんだよ」
「これでアニメを録画したでしょ!私のドラマ消して!!」
俺も高校生だし、基本アニメなんてそんな見ないのだが、ガン○ムだけは別でテレビ放
送を必ず見ていた。しかし、昨日は放送時間に間に合わなそうだから録画しておいたのだ。
「ごめん、ワザとじゃないって」
「いい年してこんなアニメ見て。もうっ」
「いいじゃないかよ別に。うるさいなぁ」
「アニメなんて子供の見るものよ!まったく」
こんなに朋子が怒るのも珍しい。そんなに見たかったのかなんて思いながらも俺もなんか
ムッとなり言ってはいけない一言を言っていた。
「どうせ、俺は子供だよ。悪い!?」
「へぇ〜・・そう」
そういって朋子は部屋を出て行った。
「どうやら思い出した用ね、良司ぃ。さあ、早く着替えないと幼稚園に送れちゃうよ」
「えっ!幼稚園って・・!」
「当たり前じゃないのあなたは今5歳なのよ。幼稚園に行くに決まってるじゃないの」
そういって、朋子は俺に黄色いバックと幼稚園の制服を手渡した。
俺は泣く泣く着替えて下へと降りていく。やはり家族全員から俺は五歳児として扱われる。特に妹だったはずの愛に食べ物をア〜ンさせられたのは流石にきつかった。
「じゃあ、お母さんいってきまーす。」
「いってらっしゃい」
「ほら、良司も!」
「う、うん・・・いってきます」
「いってらっしゃい、良司」
俺の幼稚園通っていた幼稚園は高校までの道のり上にあるのでどうやら、朋子が通学ついでに連れて行ってるようなのだ。
(まさか、またあそこに通う日が来るとはなぁ・・・)
俺たちが家を出ると同時にいつものように唯も出てきた。
「おはよう。朋ちゃん、良司君」
「おはよう、唯ちゃん」
「お、おはよう・・・」
「あれっ、なんか元気ないねぇ良司君?大丈夫?」
そういいながら唯が俺の頭をポンポンと軽く叩いた。
「大丈夫・・・です」
(全然大丈夫じゃないんだけどねぇ・・・・)
俺はひさしぶりの幼稚園にドキマギしながらも中に入っていく。
(うわぁ。。変わってないな。俺の知ってる先生いるかな)
「あらっ、おはよう。良司君」
「あ、はい。おはようございます」
(あっ!この人吉川先生だ)
中年の女性といった感じの人ではあったが人目で俺が本来の五歳の頃受け持ってくれてい
た先生だった。若くて優しくてとても綺麗だったのをよく覚えている。
「今日もお姉ちゃんたちと一緒に来たのかな?先生ね、お姉ちゃん達の先生もしてたのよ」
「あっ、はい。知ってます」
「ふふっ、なんか不思議ね。」
(先生も結構老けたなぁ。まあ綺麗なのは変わりないけど・・・なんかな)
俺は自分の教室を探して歩く。
(もも組、もも組・・・あっ、あった。)
教室の場所は昔のまんまでまったく変わってなかったからすぐ見つけることが出来た。
教室にはすでに結構人がいて、俺の今の担任と思われる先生もいた。
「おはよう良司君。」
「おはようございます」
(若くてスタイルのいい、可愛らしい先生・・この人が俺の担任かぁ。ちょっとおいしい
かも・・名前は・・・椎名由美先生か)
「おっ、良司ぃ〜」
外から俺を呼ぶ声が聞こえてくる。どうやら俺の今の友達のようである。
「ドッチボールやるよぉ〜。こぉーい」
(ドッチボールかぁ、久しぶりだな。どうしよう)
「ほらほら、良司君いってらっしゃい」
そういって椎名先生は俺の背中をポンポンと叩いて俺を送りだした。
(長い1日になりそうだな・・・)
「で、幼稚園はどうでちたかぁ?良司君」
朋子がいたずらに、にやけた顔で俺に話しかけてくる。
俺は飲んでたミルクをテーブルに置いてその嫌がらせに皮肉たっぷりに返す。
「うん!とても楽しかったよ。朋子お姉ちゃん。みんなでドッチボールして、お歌を歌っ
て、お遊戯して、お昼寝して、三時のおやつまで食べましたよ。。」
「あらぁ、楽しそうじゃない」
朋子がにっこりと微笑み俺の頭を撫でるが、俺はそれを邪険そうに扱う。
「あのさ・・・いい加減戻して・・・反省してるからさ」
「だ〜め。もう少しそのままね☆いいじゃないの。新しいお友達が出来て」
「いつものメンバーで十分です・・・」
「わがままねぇ」
(わがままとかそういう問題じゃないだろ!!)
と口に出そうかとも思ったが、また何されるかわかったもんじゃないから俺はあえてつっこまないことにしておいた。そしてそれが後々つっこんでおけばよかったと思うことになるとは、そのときまるで思いもしていなかった。
朝が来て俺は相変わらず幼児であり、俺はご飯を食べ、幼稚園へと行った。
「ねぇ、朋子」
「なぁに、お兄ちゃん」
「僕は昨日確かにいつものメンバーで十分っていったよね?」
「うんっ!お兄ちゃんいってたよぉ」
「そっかぁ。でもさ・・・」
「でも、なぁに?」
「誰がいつものメンバーを幼稚園児にしろっていった〜〜〜!!」
朝起きた時、なぜか朋子も幼児になっているときから薄々いやな気はしていた。
そして、家を母さんと朋子と一緒に出たとき、それはほぼ確信になった。
唯もまた12年前の姿となってたからだ。そして俺は幼稚園にいってさらに驚いた。
そう高校に通っている俺のクラス2−Bがまるまる、もも組となっていたのだ。
「あのさ、朋子・・・さすがにこれはやりすぎでしょ・・」
「あら、お兄ちゃんがいつものメンバーっていったんじゃないのさ!」
そういって朋子は顔をぷくっと膨らませて怒る。
「あれっ、どうしたぉの朋子ちゃん?あっそぼ〜よぉ」
「ん〜ん、なんでもないよぉ。唯ちゃん。すぐきくからさきいってて〜」
俺は朋子の耳に顔を近づけ小さな声でお願いをした。
「とにかくだ! いますぐ戻して!」
「これ大変だったんだよぉ。戻すのも時間かかるのにぃ」
「いいから、すぐ」
「もう、わかった」
「おお〜い、良司ぃ。いっしょにあそぼぉ〜」
小さくなった隆史と彰が俺を呼ぶ。その姿は12年前と変わってなくとてもかわいらしい
ものだった。朋子に戻してもられるまで遊んでるかと思って俺もしばし遊ぶことにした。
(隆史と彰は昔から変わってないよなぁ。隆史は相変わらず元気だし、彰は・・・)
「ああぁ、ちょっ、ちょっと彰君!!」
「へへっ、椎名せんせ〜今日は白のパンティだ!」
(変わったか・・・昔はもっとすけべだったか・・・)
俺は顔を少し引きつらせながらその光景を見ていた
(しかし、こうして見ると、意外と変わったことってあるんだな)
唯は今でこそ、おとなしい優等生な感じであるが昔はおてんばという言葉がふさわしい少女であった。逆に園村なんかはものすごくおとなしい少女であった。
(斉藤は微妙だな今はお姉さんって感じだが昔はいわゆるおませさん、ある意味一緒か。)
そんなことを考えているうちに時間は過ぎ、朝のあいさつの時間になりみんなが教室に入
ってきた。しかし、相変わらず身体に変化は起こることなく進んでいった。
俺は疑問に思い朋子に聞いた。
「なぁ?いつになったら始まるんだよ」
「もうすぐよ、多くて大変だったんだから・・」
(そうしたのはお前だろうが・・・)
「それにおまけもつけといたし」
「おまけ・・・?」
よくは分からないがすごくいやな予感がした。
「みなさん、おはようございます」
椎名先生が笑顔を作って大きな声でいう。
「せんせ〜、おはようございます!」
園児達が大きな声でそれに答える。
「はい、みんな今日も元気いっぱいですね。じゃあ、まずはお歌の授業をしましょ・・・
あれ。どうしたの!みんな」
周りの子を見るとみんな身体を抱えて身体を震わせていた。
(始まったか・・・ってなんで俺はなんともないんだ!!)
俺が別の戸惑いを見せてる内にみんなの身体は本来の姿に戻っていく。
男の子たちはそのか細かった身体が大きくなるにつれて、筋肉がつき、腕も足も太くなり、
胸板が厚くなり、中には腹筋が我出すものもいた。そして全員が声変わりをしていた。
履いてた短パンが破れ、その下のブリーフが彼等の大きくなったものを締め付けるかのよ
うに彼等のものを隠してくれていた。
女の子たちもそのか細かった身体が大きくなるにつれて、腕や足、お尻うっすらと脂肪
がつき、身体に丸みを帯びてくる。そして特徴的なのが胸の膨らみだろう。身体が大きくなりさらに胸が大きくなることでぴちぴちの服がまるでブラジャーのように胸を覆い、
彼女たちの胸を締め付け、服には大きくなった乳首が浮かび上がり、布を上に持って行か
れることで、へそだしルックとなっている。あるものはその姿から美しいくびれが見える
ものもいた。
「や、やだ!どうしちゃったっていうのみんな!!だ、だれか〜」
椎名先生は血の気の引いた顔をしながら教室を出て職員室の方に向かっていった。
(椎名先生もかわいそうだな・・・)
「ん?なっ!」
俺は思わずどきっとしてしまう。朋子が全裸なのだ。
(まぁ、破けて痛い思いしないし記憶は消えるんだから確かに問題ないけど・・これは)
しかし、俺はさらにどきっとしてしまう。朋子の成長は高校生などで止まることなくさら
に成長していく。高校生特有のあどけないない顔は凛々しくなり、高校生の中でも大きか
った朋子はさらに大きくなっていき、なんというか大人特有の色気を振りまいていた。
朋子の美しいからだに俺はただただ目を奪われてしまう。
だが、朋子の身体はさら成長を続け、20代を過ぎ30代といった感じさえしてきた。
みずみずしかった肌から潤いが少しづつ失われ、顔にはほんの少しだが皺のように見える物が出来てくる。大きく形のよかった胸も少し垂れたように思われる。
(・・・一体何をするつもりなんだ?)
「よ、吉川先生!大変なんです子供達が!!」
「どうしたんですか?椎名先生。そんなに慌てて子供たちがどうかしたんですか?」
「それが・・・・よ、吉川先生?」
吉川先生先生が立ち上がりこちらに顔を向けた。しかしその顔立ちは30代後半の女性の顔なんかではなく20代前半といった感じであった。
「どうしたんですか?椎名先生」
「吉川先生!かっ、鏡!鏡見てください」
「鏡って・・・えっ!?私・・若返ってる・・・の?」
吉川先生は自分の姿にただただ愕然としていた。
「はっ、そうだ!子供達!子供達がなぜか大きくなりだして」
「何をいってるの??それにこれ・・・なんなの・・・」
自分達に起こっている謎の現象。それを理解することなんて到底無理な話であった。
「と、とにかく・・・あれっ??」
そのとき初めて椎名は自分もまたこの奇妙な話の一員であることに気づく。
(服がダボついてる・・なんで・・)
椎名は急いで鏡で自分の顔を確認する。そこにはいつもよりも幼い自分の顔が写っていた。
「そんな・・こんなことが・・・いやぁ〜〜私の胸が!!」
豊かだった胸がすっかり無くなってしまっていた。それは高校時代まったく胸がなく、コ
ンプレックスになっていた椎名にとって計り知れない苦痛であった。
「なんでぇ、こんなのイヤぁ〜。せっかく大きくなって大人になれたのに。なんでまた子
供になんなくちゃいけないのよぉ」
椎名の叫びも空しく彼女の若返りどんどん進んでいった。
(これって嫌がらせだよな・・・絶対・・・)
良司は目の前にただただ愕然としていた。なぜなら、彼の予定ではもも組の生徒たちは5
歳児から17歳の元の2−Bの生徒に戻れたはずだったからだ。しかし、目の前の生徒達
は17歳の身体を持つもも組の生徒たちとなっていた。そう朋子は彼等の身体だけを元に
戻したのだ。そのため彼等は確かに身体は大きいが世間的にはただの5歳児なのだ。
もちろんその身体には不釣り合いではあるが、オーダーメイドなのか知らないがちゃんと
幼稚園の制服が着せられている。もっともその様子はまるで、AVか何かのコスプレのよ
うではあったが・・・・
一方朋子はというと、どうやら熟練の保母さんといった感じになっていた。
(朋子が保母さんになったってことは誰か先生たちの中から子供にされた人いるんだろうな。。。ご愁傷様・・・)
俺は朋子に近寄って耳打ち際に話しかける。
「まぁ、みんなのことは諦めるとしてなんで先生に?」
「だって、私が先生やれば今日の授業にいろいろ指示が出来るじゃない☆あっ、せっかく
だから懐かしい思いさせてあげるために、もも組の担任は吉川先生にしてあげたからね」
(・・・二度と怒らせないようにしようっと)
「じゃあ、いま吉川先生呼んでくるからみんな良い子にしてまっててくださいね」
「はぁ〜〜〜〜い」
普通ならとてもかわいらしい子供たちの声のはずなのだが、二次成長を迎えてしまってい
る彼等の身体から発せられる甲高い声はただただ奇妙なものだった。
「どぅしたのぉ、りょうちゃん。ともこセンセーとなに話してたのぉ?」
唯が俺に声をかけてきて、これは振り返る。そこにはいつもの唯の可愛らしい顔がある
のだが俺が小さいままのせいか、やたら大きく見える。
(ってか完全にコスプレだよな、これじゃ・・・)
園児の制服がその大きく実った身体を余計に強調してしまっていた。
「ごめんねぇ遅れちゃった。はい、みんな座ってください」
(すごい、昔のまんまだ)
吉川先生が15年前、いつも見せていたような姿を見せてくれた。
(あの女の子はだれだろ?)
よく見ると吉川先生は小さな女の子と手を繋いでいたのだ。
「はい、じゃあ由美ちゃんも席についてね」
「はぁ〜い」
(あっ、椎名先生・・・・ご愁傷様)
「はい、じゃあお歌を歌いましょね」
(・・・不味いと思うけどなぁ)
俺の目の前には大きな体のお兄さん、お姉さんなお友達ばかり。いや、一人いた・・・
「あたしお歌ダイスキ〜」
「ふふっ、由美ちゃんは元気ねぇ。じゃあ何歌いましょうか?」
それから2時間、素敵な地獄が続いた。昨日までは恥ずかしいぐらいで済んでたが、大人の身体で無茶苦茶歌われるそれはまさにジャイアンリサイタル・・・・
「みんなほんとに元気ねぇ、ふふっ」
(・・・吉川先生って天然だったのか?能力のせい??)
「あっ、朋子先生」
朋子が教室に入ってきた。その姿はすっかり熟練の保母さんといった感じだった。
「吉川先生、プールの準備出来ましたから子供達を入れてくださいね」
「あっ、はいありがとうございます。じゃあみんなプール入ろうか」
「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜い」
プールの一言にみんな大騒ぎだ。もっともプールと行ったところで幼稚園にある子供用の
小さな物なのだから果たして入りきれるのか・・・?
「じゃあ、みんな着替えましょうね」
(・・・すごく不味くないか?)
男女一緒であるがそこは園児、早く遊びたい一心で周りの目などまったく気にすることな
く裸になっていく。
(おいおいおい・・・・)
身体が五歳になったとはいえ、俺も健全な高校生。クラスの女の子たちが無邪気に裸になっていく姿に興味はあるものの、流石に悪いなという気持ちが働き直視することなど出来ない。・・・訂正あくまで直視出来ないだけ。
「おぃ、りょうじぃ!早くきがえろよぉ」
目の前に仁王立ちした裸の隆史が現れる。
(お前のブツが思いっきり目の前にあるんですけど・・・)
やはりこの体格差で彼等と遊ぶのは無理がありすぎであった。
「いくぞぉ、りょうじぃ。とりゃ〜」
「お、おま・・・まじで・・し、死ぬって」
隆史とのただの水の掛け合いが良司にはまるで津波のようで俺は窒息しかける。
「ちょっと、北村くん。りょうちゃん、いじめないでよぉ」
(た、助かった・・・)
「唯が遊ぶんだから☆とりゃ〜」
唯のいたずら心に火がついたらしく、唯が思いっきりプロレス技を掛けてきてそれが洒落
にならないくらい痛く・・・ちょっと気持ちよく。
「吉川先生のおっぱいタッチ〜」
「もう、彰君!そんなことしてたら大人になったとき変なおじさんになっちゃうぞ」
(ってか軽く犯罪だな・・・)
「でも、せんせぇ大人の女の人って胸もまれるの気持ちいいんでしょ?」
「ちょっ、ちょっと彩ちゃんどこでそんななことを」
「ママがいってたもーん」
(・・・親の顔が見てみたいとはこのことだな)
「あ、あのね・・う〜ん、そだ。それはね、好きな人に触って貰った時だけなのよ、だからそんなことしちゃダメよ」
「ふ〜ん・・・じゃ、亜由美ちゃん。大きくなったらさわってあげるね☆亜由美ちゃん、彩のこと好きだもんね」
「う、うん・・・」
(亜由美のは大きくなら・・・ってそういうことじゃないか)
こうして時間楽しい楽しい水泳の時間が過ぎていくのだった。
昼食も終わり園児たちはお昼寝の時間を迎える。はしゃぎすぎたせいか俺以外のみんなが既に寝入ってしまっている。俺も眠いには眠いのだがどうもこの状況に馴染めない。
「はぁ、明日には戻して貰えるかなぁ・・・」
「そうね、じゃあ明日には戻してあげよかな」
俺が振り向くとそこには朋子が立っていた。
「だいぶ反省したようだしねぇ」
「ってかやりすぎじゃないっすか・・・」
「あらっ、でも楽しそうだったじゃないのさ。可愛かったよぉ。ふふっ」
そういいながら俺の隣に座ってきた。相変わらず朋子は綺麗だった。
「寝れないの?」
「なんかね・・・」
「だぁめよ〜、身体は疲れているんだからね」
「そんなこといったってさぁ・・」
「あっ、いいこと思いついちゃった!」
朋子がにやりとするとき、それは間違いなく小悪魔の顔。
「寝ます!寝ます!おやすみ〜」
そういって俺はタオルケットに頭を包むように潜り込む。しかし、すでに後の祭りだった。
俺の身体はさらにみるみる小さくなっていき、俺の身体は完全に赤ん坊になっていた。
「あうぅ、あうっ・・・」
(しゃべれないじゃないか・・・)
俺は朋子に抱き上げられる。見える景色がとても高く感じられ、俺は自然と抱きつく感じなってしまう。朋子はそのことをわかっているのか、その姿を見て微笑む。
「はぁい、私のかわいい良司君。おねんねしましょうね」
そういって俺は朋子の腕の中であやされるのだが、赤ん坊にされたことで妙に落ち着かなく、戻せと叫ぶのだが・・・
「あうぅ、ば、うぅ〜〜〜〜〜〜」
言葉になることなく、まるで泣いているようになってしまった。
「あらあらぐずっちゃってしかたないなぁ」
そういうと朋子はシャツのボタンを外していき、ブラを外してその豊かな胸を出して、俺の口に乳首を含ませる。俺は突然のことに顔をそらす。
「もうっ、いいから。ね。良い子だから」
そういって朋子はやさしく俺の頭に手を当ててもう一度乳首を口に含ませる。
(こうなりゃやけだ)
そう思って朋子の胸を吸う。俺の口に暖かいのもが流れてくる。
(母乳ってこんな味だったんだ・・・なんか落ち着くな。)
しばらく、そうしている間に俺はすやすやと眠りについてしまった。
「やっぱりかわいいな☆」
(ん・・・ここは)
気がつけばいつの間にか、俺はすっかり寝入っていたようで気づけば俺以外の子たちはも
う起きて外で遊んでいた。
(よかった。戻ってないけど、とりあえず園児だ・・)
俺は起きあがり、目を擦りながら外に出て行く。
「あらっ、良司君起きたのね。」
俺に声を掛けてきたのは、椎名先生だった。
(よかった、戻してもらえたんだな)
「おにいちゃん、こっち〜」
小さくなった朋子が俺を呼んでいる。
(やれやれ、迎えが来るまで遊んでるかな)
そうして、時間は過ぎていって母さんが迎えに来て俺たちは家に帰っていった。
「どうだった?今日一日?」
「まぁ、なんだかんだいって楽しかったよ」
「ふふっ、でしょう。」
「でも、ほんとに子供にする必要あったのかい?」
「だってぇ・・・」
「だって?」
「良司の小さい頃を見てみたかったんだもの。フォーチュンの力でそりゃ記憶はあるけど、
でもそれって記憶というよりまるで記録みたいなかんじでしょ?」
「・・・うん、なんとなくわかる」
そういうと朋子は立ち上がり俺の方を見てニコッと笑った。
「やっぱり、記録より記憶!何事も経験さ。じゃお休みね〜」
そういって朋子は俺の部屋を後にしようとした。
「あっ。朋子!」
「ん?なぁに?」
「明日には戻ってるんだよね?・・・俺」
「さぁ(笑)」
朋子は俺に軽くウィンクした、出て行ってしまった。
こうして、また奇妙な1日が終わっていた。