『第五章:異界の力』
(ひさしぶりにだな・・・)
男は街に忽然と現れ一人、道を目的もなく歩き続けていた。
「ねぇ、そこの彼。どっかで遊ばない?」
いかにも遊んでいる感じの妖艶な女が声を掛けてきた。男は顔元をニヤリとさせて軽く返
事をする。男と女は街でしばらく遊び、女が男をホテルへと誘い込んだ。
女は積極的に男を誘惑し、性行為を始める。
「あぁっ、いいっ。上手なのね」
女は男の愛撫に満足を示し、その快感に酔いしれる。
「はぁ、今度は私が満足して上げる」
そう言うと彼女は彼の上に乗り、彼の物を自分の秘部に誘い躍動し始める。
彼女の躍動は徐々に激しくなっていき、その動きと共に彼女の呼吸もまた激しくなる。
彼女の大きな胸は上下に揺れ、彼女の顔は運動によって高揚してくる。
「いいわぁ、最高よ」
その言葉を聞いて彼は再び顔をニヤリをさせる。
「もっと刺激を与えてやろうか?」
「はぁっ、そんなことが出来るの?ふふっ」
彼女は快感でまるで気づいていなかった。その時既にそれが始まっていたことを・・
彼女は初めて感じたのはしばらくしてからの違和感だった。
(なんかさっきより大きくなったんじゃないかしら、さっきまでよりずっと・・・すごい)
彼女はその快感を貪るように、より激しく躍動を加速させる。
(ホントにさっきまで刺激的だわ。・・・・あ、あれっ)
彼女の躍動がピタリと止まり彼女は自分の乳房に手をあてる。先ほどまで生き物のように
大きく上下していた二つの大きな塊がいつの間にか彼女の手でスッポリと覆える大きさに
なってしまっていた。
「な、なによこれっ・・・ひっ」
彼女は振り返り鏡に目を向ける。そこには男の上にまたがった少女の頃の自分がいた。
「う、嘘・・・はぁ!い、痛い」
先ほどまで彼女の全身に快感を送っていた秘部が次第に苦痛を送り始める。
今の彼女の秘部には彼の物はとてつもなく不釣り合いな存在と化していたのだ。
「いやぁぁっ、い、痛いよぉ。ダメっ、ぬ、抜い、はぁぁっ」
彼女の身体はさらに小さくなり彼女の胸にはもはやまったく膨らみがなくなり、彼女の身
体には快感とは違う刺激のみ残っていた。
「ら、らめぇっ・・・・いやいやいや〜」
彼女の姿を見て彼は、寝たまま彼女を持ち上げる。
「いやぁ、あたしぃどんどんちっちゃくなっていくぉ」
彼女の身体はさらに退化を続けていき、そして小さな、とても小さな卵となった。
男はもう一度ニヤリとしてその場を立ち去った。
「起っきろ〜、朝だよ良にい。」
俺は朋子の笑顔で朝を迎えた。今ではすっかり慣れたがやはり家族が増えたことはなんと
なく、不思議な感じがしてならなかった。
「う〜、眠い・・・」
「なにいってるのさぁ?ほら、起きて!今日学校いけば明日創立記念日だから三連休なん
だからしっかりなさいな」
「んぁ、そだっけ?じゃ今日休めば四連休・・・」
「赤ちゃんにでもして、ずっとお休みにしてあげましょうかぁ?」
そういう朋子の眼が笑ってなかったことで、俺は背筋に寒気を感じすぐに学校に行く準備
を始めていた。
「じゃいってきまーす」
俺たちは一緒に家を出て、さらに唯も加えていつものように学校へと登校をする。
「ねぇ、二人とも今朝のニュース見た?」
「う〜ん、良にい起こしてたらもう時間なくって!」
そういいながら朋子はじろっと俺を睨みつけ、俺はそれに苦笑いで答える。
「まぁまぁ。で、どんなニュースだったんだ?」
「それがね、ホテルに宿泊してた。男女が朝になったら忽然と消えててね。服も残ってたのに二人の姿がなかったんだって。」
「へぇ〜、神隠しってやつかな?」
「不思議なことってあるのねぇ」
そんな何気ない話をしているうちに学校につき、いつもと変わらない生活が始まる。
「次、麗先生の授業だよねぇ〜><」
子供の姿になってから田中はすっかり生徒の人気者になっており、本人も前よりずっと楽しそうに授業をしていた。
「こらぁ、杉原君!よそ見しちゃダメだぞぉ!!」
(ちっちゃくなっても俺は怒られるんだな・・)
「そだそだ!麗先生の授業中に寝るとは!死んでしまえぇ」
「杉原のバカヤロー」
(・・・訂正。同情してくれる奴がいなくなったから前よりひどいかな)
「もう、じゃその後ろぉ。綾小路さん、この問題解いてくれるかしら」
「はぁい」
「きゃぁ〜、茜ちんがんばってぇ><」
「う、うん。がんばりますわ」
こちらも子供にされてからとげとげしさがなくなり、そのかわいらしさから以前よりも人
気ものとなっていた。ホント不思議なことがあるものだなとつくづく思ってしまう。
この二人も始めはすぐ戻して貰おうと思っていたけど、二人の姿を見ているうちに俺の中からそんな考えは消えていた。朋子の力には人を幸せにする、俺は思うようになっていた。
「なぁ、朋子?」
「ん?なぁに?」
昼休みの終わり頃珍しく俺と朋子の二人きりになり、俺は気になったことを質問する。
「色々疑問に思うことあるんだけどさ」
「うんうん」
「朋子の能力って人の生き死には関係できないんだよね?」
「うん、そだね」
「じゃあ、老衰で死にそうなおじいさんを子供に戻したりしたらどうなるの?」
「・・・昔ね」
「えっ・・?」
「昔、そういうことしたことあったんだ・・けどダメだったんだ。老衰では死ななかった
けど事故でその人は死んじゃった。」
「そっか。イヤなこと思い出させちゃったね。ごめん」
「ん〜ん。それにもしそれで助かってたらって思うこともあるしね・・」
「どゆこと?」
「だって、私がその気になれば人を不老不死にしたり、逆にあっさり殺したり出来るなんて流石に耐えられないことだよ。力をもつことって結構怖いことなのよ」
「ふぅ〜ん・・・色々難しいんだね」
「そだよ〜、大変なのだ☆」
そういう朋子の顔はさっきまでの少し重たげな表情から普段のものへと戻ってた。
「しかし、いまのでもう一つ大きな疑問が・・・」
「なによぉ〜」
「い、いいや。やっぱいいや・・・怖いから」
「言わないともっと酷いかもよw」
「朋子ってほんとは今いくつ・・・?」
「・・・聞いてはいけないことをきいたなぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
(やっぱ言わなきゃよかった。)
俺はその後朋子に色々と罰ゲームをさせられた。そう色々と・・・・・
男は2人の人のやりとりに目をやっていた。
「おばさん、早くしてよぉ」
「なっ、おばさんって!あなた」
一方は自分のことしか考えてないっといった頭の悪そうなガン黒の女子高生。
一方は自分に妥協を許さないといった感じの30代後半のキャリアウーマン。
男はこの二人を見てニヤリとし、ある一つのイタズラをした。もっとも本人たちにとってはイタズラなんていう可愛らしいものではなく事件であったが・・・
(何この小汚い部屋・・・それになんだか身体がベトつく・・)
女子高生はいつもとは違う妙な雰囲気の中で目を覚ました。もっともそれは他者から見れ
ば普通の日常に見えたであろう。少女は身体を起こしその身なり、肉体、風景に愕然とす
る。それは昨日までの美肌にこだわっていた白い肌ではなく、若く潤いを持った肌が汚く
焼かれドス黒く、豊かでしかし徐々に垂れ始めていた胸はまだまだ未成熟のういういしさ
を取り戻し、綺麗な黒髪が目が痛いほどの金髪になっていた。
「な、なによこれ・・・?昨日のコギャル・・・なんで」
少女は記憶を辿る。自分の名前、年齢、出生地に小中高の思い出、大学を出て編集者に入り、結婚することなく仕事に生きてきた。
少女は取りあえず、自分の携帯に電話を掛けるが、電話は繋がらない。少女に母親は早く学校に行けと声をしたから叫ぶ。少女はしかたなく学校へ行くことにする。
20年ぶりぐらいの制服の着用。まるでコスプレをしているかのような気分に少女は襲わ
れる。少女はとぼとぼと学校に向かって歩き出す。
「おはよ〜!」
後ろからドンと叩かれながら少女に挨拶をしてきた少女がいた。
「だから後ろから叩かないでよユッキー・・・」
(ユッキー・・・えっ)
「アハハ、ごめんごめん。いこっ」
少女はその時初めてもう一つの違和感に気がついた。少女は少女の記憶を持っていたのだ。
学校へ着く。そこは本来少女の全く知らないはず空間。しかし、今の少女にとっては限りないリアル。クラスメイトの名前はすべてわかるし、今入ってきたウザイ担任の名前もはっきりと分かる。少女は混乱する。昨日までと今日から一体どっちがリアルなのかを・・
混乱が恐怖になったのは2時間目の英語の授業であった。一時間目の数学はひさしぶりの
数学で解けないだけなのかと思ってたが、英語は仕事で毎日使っているし、英検1級だっ
て持っている。その自分が高校生の教科書が全然分からない。彼女は泣き出したい衝動を抑えながら俯せになってただただ耐えていた。
少女は訳の分からないリアルに振り回され、気がつけばベットの中にいた。
とても長い長い1日に感じた。少女はベットの上で今日会ったことをいろいろと思い浮か
べただただ悩み耽る。その中で少女の片思いの彼の顔が思い浮かんだ。
茶髪で細身の今風の男子、それは本来なら自分の半分の年齢にも達していたはずの子供。しかし、その彼に今少女はひどい性的興奮を覚え、気がつけば左手で胸を弄くり、左手で
陰部から快楽を貪り出していた。ひどくいやらしい姿。昨日までのリアルでもこんないや
らしくオナニーをしたことなどなかった。しかし、その行為はとても心地よくとても止め
ることは出来そうになかった。快楽に身を委ねるにつれて、さらに激しい快楽が体中を駆けめぐる。想像の中で自分は彼に激しく犯され、そして歓喜なる媚声を出した。
彼のペニスを想像するだけで身体がゾクゾクし、手の動きはより激しくなっていった。
(これは身体のせい・・・それとも・・・)
少女は罪悪感に捕らわれながらも何度も快楽を貪り、3回も絶頂へと達した。
しばらくした後、少女はこの悪夢のようなリアルから逃げるため彼女に会いに行くことに
した。少女は暗い夜道を自分の本来あるべき場所に向かって走り出す。
マンションの自分の部屋には光が灯っていた。少女は意を決めてドアに手を掛ける。
ドアには鍵が掛かっておらず、やすやすと入ることが出来た。
部屋の中には妙な匂い、音がして私はその方向へと向かって歩き出す。
ベットの上では男と女が快楽を貪りあっていた。そしてその女は間違いなく昨日までの自
分であった。女は少女に気づき男と軽く話しお金を渡した後、男を帰らせた。
「あなたはわたしよね、あなたはなんなの?さっきの男誰なの?」
「ふふふっ、不満そうね。そりゃそうか、おばさんからは抜け出せたけどそんな馬鹿で発
情期の雌ガキになってしまったのだものね」
「あなたは何か知ってるの?私の身体を返して!!」
「何にも知らないし、だから身体を返すことも無理だし、私自身が返す気がないわ。分か
る?お馬鹿さん。ふふっ」
「な、なにをいってるのよ。バカなのは・・」
「馬鹿なのはあなたよ。正確に言えばその身体、たしか今日は英語の授業があったからそ
のことを実感したんじゃないかしら。」
「な、なんでそんなが分かるのよ・・・」
「ふふっ、やっぱり身体が変わってまんまお馬鹿さんになっちゃっているみたいね。可哀
相にね。簡単よ、私は今まで知らなかった知識はずの知識を色々身につけていた。まあ、
その点ではあなたにも本来なかった知識が身に付いているはずなんだけどね。お馬鹿さん
になったせいで分析力がなくなって分からなかったかしら?ふふっ」
「・・・・」
何も言えない。彼女のいっていることが正しいとしか思えなかった。
「理由は分からないけどこれはおそらく精神のみの入れ替わり。簡単に言えば別々のパソ
コンがあってその中のソフトのみを入れ替えたって感じかしら。いままで高いスペックの
CPUにHDDを持っていたあなたがいきなりロースペックPCを扱うことになってあな
たは戸惑っているのね。ふふっ」
彼女はニヤケながら自分の乳房を手で弄くる。
「私はまぁ気に入ったよ。古い型だけど性能はいいしね。ふふっ。いい大学出て今は編集
部長。旦那も彼氏もいないけど、まぁ結構美人だしその気になればさっきみたいに逆ナン
ぐらい出来るしね。」
「お願い。もう止めて・・・返して」
「だから、知らないし返す気もないっていってるでしょホント馬鹿よね」
彼女はワイングラスを手に持ちテラスから夜景を見渡す。
「ふふっ、こんな生活手放すわけないじゃな・・・」
そう言いかけている途中で彼女は少女に永遠の闇へと突き落とされた。
少女は自分から昨日を捨ててしまった。
「良にい朝だよぉ〜、休みだからって寝てないで早く起きな〜」
「ううっ、頭痛い・・・」
「あ、あれ・・・?もしかして風邪ひいた?」
「・・・ひいた。君のせいで」
「なんでよぉ〜?」
「罰ゲーム・・・」
「あ、あははっ。」
朋子は笑って済ませようとしたが、とても笑えるようなことじゃないことを昨日俺は色々
とされたのだった。もう二度と怒らせないことを誓いながら・・・
「どうする?病院行く」
「いーよ・・寝てる」
「だめよぉ!病院行こう。ほら」
動きたくはなかったが俺は泣く泣く病院に行くことになってしまった。『朋子に逆らう』。
それは今の俺にとってどんな法よりも破ってはいけないルールなのだ。
「じゃあ、お母さん。良にい病院に連れてくね」
「朋子お願いね。」
俺はだるい身体を朋子に引っ張られながら朋子と二人で病院に向かうのであった。
「じゃあ杉原さん。内科9番でお待ちください」
「はい。さっ、良にい。いこう」
「はいはい・・・」
朋子が手続きを済ませ俺はただただ待っているだけでいいのだが、身体がだるいせいでと
っとと家に帰りたいという気持ちでいっぱいだった
「ここだ。私は終わるまで休憩所にいるから終わったらきてね」
「あいさ。」
そういうと朋子は俺を一人残し休憩所へと向かって歩いていった。
(のど乾いたなぁ。ジュース買ってから行こ)
朋子は途中で自販機コーナーへ立ち寄り、ジュースを選んでいた。その時、背中にゾクリ
と寒気を朋子は感じた。振り返るとそこには一人の男が立っていた。
「偶然もあるものだ。久しぶりだな」
朋子は男の顔を見てハッとし少し俯いて答えた。
「嘘つき。私に会いに来たんでしょ?」
「ふっ、正解だよ。朋子」
「名前まで調べてあるのね。恐い人。で何のようかしら?」
「そう、邪険に扱うなよ。ホントにただ会いに来ただけさ。お前が久しぶりに幸せそうに
してたからな。再び『理解者』に出会えたようだな」
「・・・あなたには関係ないでしょ」
「大ありだろ。『fortune』をお前に与えたのは俺だからな」
男はにやけた顔を顔をしながら朋子に近づいてゆく。
「なぁ、久々に見せてくれよぉ。『fortune』を」
「何しろってゆぅのよ」
「そだな。医者と看護婦を全員子供に姿にでもしてみてくれよ」
「イヤよ。自分でしたらいいでょ」
「知ったかを。『doom』はお前の能力のような保護機能はないからな。」
「じゃあ、諦めたら。私はイヤよ」
「どうしてもか?」
「どうしても」
「そうか残念だ。なら仕方ないな」
そういうと男は休憩所のほうを指さした。休憩所には大きなお腹をした一人の妊婦がいた。
「お前が能力を使えばすぐ戻す」
そういうと男はまた顔をニヤリとさせじっと妊婦を見ていた。変化はすぐに現れ始めた。
妊婦の身体は見る見るうちに若返っていく。そのお腹はそのままに・・・
「えっ、えっ!?なにこれっ!」
自分の身体の急激な変化に若返っていくのに妊婦はただただ困惑する。妊婦の綺麗でシャ
ープな顔立ちが次第に中高生といった可愛らしく童顔といった感じへとかわり、少しふっ
くらとしていた身体のラインがほっそりとしてしまいお腹の大きな膨らみが先ほどまで以
上に際だってしまっていた。胸もその年齢には似つかわしくないくらい大きいが先ほどま
でに比べれば十分小さくなっていた。
「ちょっと!」
「ふん、まだまだだな」
その時の逆行はさらに加速し続け、背丈はどんどん小さくなり、少女はマタニティードレ
スに身体が埋もれてしまっていた。少女の年齢はおおよそ妊娠など出来るはずもないよう
な年齢になっていた。そのか細い身体にその不釣り合いなほど大きな胸とお腹をした少女
は、その異常なお腹を苦しそうにさすりながら、耐えきれず少女
は長いすに横になり始めた。
「うぅ、お腹が・・・破裂しちゃうよぉ」
朋子は男をキッと睨みつける。男は満足げに少女になった妊婦を見つめていた。
「ちょっと!あれじゃ・・・」
「死ぬよ。『doom』はおまえの力と違って優しくない。わかっているだろ」
朋子はその言葉を聞くと彼女は目を瞑り両手を結んだ。しばらくして朋子は目を開ける。
しかし、妊婦に変化はなくなお苦しそうに小さな手でその大きなお腹を押さえていた。
「やっぱり『fortune』ではあなたの力に対抗出来ないのね・・・」
「わかったら早くしろ。そしたらすぐ戻すと言ったろう」
少女の苦しむ姿を見つめながら朋子はまた目を瞑った。
「杉原さ〜ん、杉原良司さん。お入りください」
「はい」
良司は怠い身体に鞭を打ち立ち上がって診察室の中に入っていく。
(早く終わらないか・・・うおっ!)
「杉原さん。お座りください」
30代前半といった感じのだがすごく綺麗で凛々しい女医に良司は思わず見とれていた。
(めっちゃ美人の女医さんじゃん。看護婦さんも・・・今度元気なときこよ)
「頭が痛くて、全身が怠いですか。まずは喉見ますね。」
女医は器具を持ち良司の喉を調べ始める。
(うわっ、ちょっとどきどき・・・)
「はい。じゃあ次は洋服を捲ってくださ・・・あ、あらっ!?」
女医は自分の白衣の袖が先ほどまでピッタリだったはずなのに長くなっていることに気づ
く。そしてその袖から見える腕もまたいつもとは違った若々しい手をしていた。
「え、ええっ!?」
変化は女医だけでは終わらなかった。周りにいた二人の看護婦たちにもまた変化が始まる。
「ちょ、みんな何か変。?なんだか若返ってるみたいに!?」
「そういうあなたもよ。どうなってるのいったい??」
彼女たちは顔や胸、お尻と自分の身体に手で触って確認をしていた。急速な身体の変化に
彼女たちはただただ混乱するばかり。
看護婦たちのスカートから見えていたスラリとした足は今ではスカートにすっぽりと覆わ
れ、女医さんの強調された豊かな胸の谷間が何も無い空間へと変わっていた。
(朋子の奴いったいどうして急にこんなことを?)
気がつけば、美人の女医と看護婦たちは、ブカブカの白衣とナース服に身をくるめた3人
の少女たちへと退行してしまっていた。
「いやぁ。なんなのよぉいったい。」
「あたしたちどうなっちゃうのぉ。」
三人の少女たちは不安のせいで泣き出してしまった。そしてさらに彼女たちの服にも変化
が起こりだし、ドロッと溶けたたと思うとまた形を形成しだし、彼女たちの今の体型に適
した白衣とナース服へと変わっていった。
「あれぇ、私何してたんだっけぇ??」
白衣を着た少女は顎に手を当てながら首を傾げる。ナース服を着たたちも辺りをキョロキ
ョロと見渡していた。
「あっ、そうだぁ!診察。診察っ!杉原さぁんごめんなさぁい」
そういうと少女は舌を出し笑顔で俺に軽い謝罪をする。先ほどまでの凛々しさと替わり、
少女らしい溌剌とした感じの少女となっていた。
「じゃあ、洋服をめくってくださぁい」
少女に診察されるという状況に流石に違和感を覚えたものの従わない訳にも言わず、俺は
言われるがまま洋服を捲り、少女は俺の身体に聴診器を当てて真剣な顔をさせていた。
(しかし、まるでお医者さんごっこだな・・・)
「ん〜と、疲労からくる風邪ですぅ。一応点滴しときましょうかぁ。」
そういうと少女は俺にニコっと微笑んだ後看護婦たちに何か紙を渡し指示を出していた。
「じゃあ、点滴しますからぁこっちきてくださぁ〜い」
少女の後に俺はとぼとぼとついて行き、ベットに寝かせられ点滴の準備をされた。
(・・・大丈夫だとは思うけどさ。物凄く不安なんですけど)
なぜなら俺の前にいるのは先ほどまでの美人看護婦ではなく可愛らしい少女なのだから。
「あっ、あの・・?」
「はぁい?なんですかぁ?」
「いや。。。点滴大丈夫ですか?」
「ふふっ、もうバカにしないでよぉ。これでもぉナース6年目なんだからねぇ」
(・・・6年前か。。。ひらがなすらホントは読めないだろうな。はぁ・・)
「もういいでしょ?ちゃんと約束守ったんだからあの妊婦さん戻してよ」
「お前は相変わらずだな。まぁいいだろ。戻してやるよ」
そういうと異様に腹の膨らんでいた少女の身体は少しづつ、しかし着実に成長を始める。
棒のようだった腕に足もすらっと長くなり、子供を産むのにはあまりに小さかったお尻も
綺麗なヒップラインを形成していった。丸い幼顔が大人らしい凛々しいものへと変わって
いく。しかし変化は高校生といったぐらいで止まってしまう。
「ちょっと!どういうことよ」
「ふん、十分だろあれぐらいなら産めるさ。見物じゃないか。突然女子高生の頃の肉体に
に戻り、子供を産むなんてな。」
「ばかいってないで!早く戻して。だいたいそんなすぐ生まれる訳もないでしょやめてよ」
「生まれるさ・・・」
その言葉に朋子の背筋には言いしれぬ寒気を催した。朋子は若い妊婦に目をやる。妊婦は
先ほどまでよりもずっと苦しそうにしている。そしてそのお腹はまるでエイリアンの映画
に出てくるように下腹部が動いていた。
「最低よ・・・バカ・・」
「生まれるところが見たいな。朋子、おまえここの女医になって分娩室を使えるようにし
ろ。じゃなきゃこのまま体内で成長させ続けるぞ。」
「・・・わかったから、取りあえず止めて」
この男ならやりかねない。そう思っていた朋子は泣く泣く男の言われるがまま動いていた。
「呼吸を整えて。そんなんじゃ産むこと出来ないわよ」
「うぅ。あうっ、い、痛い・・・。はぁはぁ」
「落ち着いて。呼吸を整えて」
朋子は男の言われるがまま行動をし、産婦人科医師をしていた。他に看護婦もつけること
なく出産に立ち上がっていたが、お互いの能力のおかげで驚くほどスムーズに進んでいた。
「ほらっ!顔がみえてきたわよ。もう少しだから」
「うぅ。はぁぁぁぁっっっ!!」
部屋には赤ん坊の産声が上がる。朋子は生まれたばかりのその赤ん坊を抱きかかえる。
「見てください。可愛いらしい男の子ですよ。」
「あぁ、私の赤ちゃん・・・」
朋子は妊婦に赤ん坊を渡しす。妊婦はうれし涙を流しながら赤ん坊を抱きかかえ、赤ん坊
に母乳を与えだした。その姿を見て朋子もまたもらい泣きをしてしまっていた。
ただ一人男だけは表情一つ変えることなくその様子をじっと見つめていた。
「そろそろだな・・・」
男はそう言いながら赤ん坊のほうに視線をやった。
赤ん坊に起こった異変にみなすぐに気づいた。先ほどまでしわくちゃだった生まれたての
顔から張りのある綺麗な丸顔へと変わっていく。妊婦も腕から感じる重みからすぐにその異常にすぐ気づく。
「へっ??どうなってるの??。」
妊婦はどうすればよいのか戸惑っているが、赤ん坊は何事もないかのようにひたすら母乳
を飲み続けていた。
「あなた、どこまで!」
「うるさいよ、朋子。だまってみてろよ」
「いい加減にしてよ!」
「杉原・・・だったよな。どうなってもいいのか。」
「なっ。どうして・・・」
「俺がその気になれば・・・分かるよな。黙って見てろ」
朋子は唇を噛みしめながらひらすらその様子を見ていた。赤ん坊は驚くべき急成長を遂げ
ていき、小さかった身体はどんどん大きくなっていく。赤ん坊から幼児、そして少年へ。
さらに少年の身体には、のど仏が出てきて、筋肉量が増加し、体毛も濃くなってゆく。
少年はもはや今の妊婦と変わらない年齢になっていた。
「あ、あぁ。私の赤ちゃん・・・なんで・・」
妊婦は怯える目で我が子を見つめていた。少年は妊婦に覆い被さる形でいまだに母乳を飲
んでいた。少しして少年は上体を起こし、じっと妊婦を見つめる。
「なぁ、朋子。もし人が理性を獲得することなく成長したらどうなると思う?」
「・・・・」
「答えはな・・・本能にしたがって行動をするただの獣と同じさ。」
「い、いやーーー」
妊婦は怯えた声で大きな悲鳴を上げる。少年の股間には大きくそそり立ったペニスがあった。少年の息づかいは荒くなり始め、少年は欲望に身を任せ自分の母親を襲うのだった。
「い、や。いや。やめてやめてやめてーー」
彼女の叫び空しく少年は彼女の秘部に無理矢理自分の性器を挿入し、獣のように激しく腰
を振っていた。
「きゃーーーーーーー」
少年は悲鳴などまるで聞こえていないように一心不乱に動かし続ける。
「ふふっ。数時間前まで自分のいたところに自分のせいをぶちまけようとはおもしろいも
のだよ。」
「もう、これで許して・・・」
「あぁ、フニッシュに達したら戻してやるよ。それなりに楽しめたしな」
「ねぇ、なんでわざわざ私の前にまた現れたの・・・」
「いったろ、お前が幸せそうにしてたからだよ」
「私をどうしたいの・・?」
「おまえは俺の物。それを忘れるな・・それだけだ」
その言葉は朋子の胸に重く鋭く突き刺さった。そしてしばらくして少年は母親の中で絶頂
を迎えたのだった。
夕方過ぎ、朋子と良司はやっと帰宅の途中にいた。
「しかし、今日のはなんだったんだよぉ。先生達みんなこどもにしたりして・・」
「うん、まだ良にいへの怒りが消えて無くての報復だったり・・・(笑)」
「ほんと許してくれよぉ」
「ふふっ、冗談よ。ちょっとね」
朋子はそう良いながら良司の顔を見つめる。
良司もまた不思議そうに朋子を顔を見つめ返した。
「ねえ良にい。手つなご!」
「えっ、なんだよ急に」
「いいから。ねっ☆」
そういって朋子は良司の手を握り歩き始めた。
「(ずっと一緒にいられるよね・・・)」
「えっ?」
「ん〜ん、なんでもないよ。」
こうしてまた1日が過ぎてった。