短編  
ふわり、とした空気を感じ、俺は目を覚ました。  
部屋はまだ蒸し暑い、草木も眠る午前2時。しかし日本のアニメは眠らない。  
俺は先ほどの妙な空気に微塵の疑問も感じず、とりあえずテレビをつけようとした。  
直後、玄関の扉を叩く音。ウチは古いため、玄関をたたけばガンガンバリバリ音がして非常に分かりやすい。  
同時に、このような時間にそんな音を立てる輩の非常識さも浮き彫りにする。  
風、といった様子では無い。それどころかどんどん大きくなるのだ、まるでパチンコのステップアップ予告のように。  
このままでは近所迷惑になってしまう。俺は、とりあえず応対に行くことにした。  
夜に起こされたのは苦痛ではない、行動(要はアニメ観賞)を阻まれたのがいけないのだ。  
頭にきた俺はとりあえず予告無しにドアを開けてやる。  
ガラッ、美女。  
「こんばんは」  
思わず丁寧になる、仕方ない。玄関開けたら2分どころか一瞬で美女だ。  
でも何故美女?  
「えっと、フォーウ!アーユー?」  
とっつき安い人を演出するため、最近人気のレイザーさん風に質問してみた。やっぱり第一印象は大事である。  
「えっと、よくわかりませんけど自己紹介します。私は座敷童子です」  
へっ?  
なにこいつ、美女だと思ってたけどなんかおかしな人か。  
俺は折角だから玄関を閉めてやった。  
すると今度は開けてください開けてくださいと言いながらまたも玄関のドアをガンガンバリバリ叩きやがる。  
「ああもう、うるせーんだフォーウ!」  
HGは続行、やっぱ第一印象は大事。  
「良かった、開けてくれた」  
目の前の俺は般若のような形相を浮かべてるのに全然動じてないようだ。さて、困ったぞ。  
 
よくわからないがこの和装の電波女、このままじゃ絶対に引き下がらない。  
俺の野生がそう告げている、閉めたらまた玄関オーケストラだ。  
つまり、家に居れなければならない。負けた気がして非常に悔しいが。  
「判ったよ、入りたいんだろ?」  
「本当ですか、やった」  
「いいから入れよ!」  
なにやらリアクションが大きそうだったので強引に引っ張り込む。  
「って、しまった!」  
バランスを崩した俺は電波女と仲良く玄関先にころげる。  
はだける胸、繋がる瞬間、目覚める永遠。  
「キャッ」  
しまった、ドキっとしてしまった。透き通るような肌が月明りに照らされて美しい。  
とりあえずそっぽ向く、やっぱ振りかえる、美女消える、幼女出る。  
「ってあれ!?」  
「えっち」  
「いや、そういう問題じゃないだろ」  
「襲われると悪いので小さくなりました」  
「聞いちゃいねえし、ていうか座敷童子なんだからそれが真の姿じゃないのか?」  
「妖怪だって成長ぐらいします」  
参った、電波なのは間違いなさそうだがまさかホントに妖怪とは。  
「まあ、君が妖怪なのは判った。だが何故俺の家にこんな時間に?」  
「まず一つ、おばけは朝は寝床でぐーぐーぐーです。そして、私たちは座敷がなければ生きていけません」  
「OK判った、つまり座敷に住まわせて欲しいんだな」  
「よ、よろしいんですか!」  
「だが断る」  
 
「えっ、そんなぁ」  
泣きそうになる美幼女。  
「俺は人間だ、妖怪なんぞ家に置けるか」  
「でもでも、幸運とか舞い込みますよ?」  
「マジ?」  
「マジです」  
前言撤回、守ろう妖怪、守ろう日本の文化。  
「例えばですね、宝くじが買うたび当たります」  
「オイ」  
「パチンコも、打つたび当たります。他には、異性にモテモテ、才能開化、あとあと」  
「ちょっと待て、どれも明らかにうさん臭いぞ」  
ドキッとして困った顔をする座敷童子。  
「待ってください、まだあるんですよ。えっちの相手に困らなくなります」  
「それもうさん臭い」  
「今度は大丈夫です。なぜなら私がお相手するんですよ!」  
わー、ぱちぱち。と一人で盛り上がる和装美幼女。  
「でもさっきは」  
「ご主人になら話は別です。どうしますか、チャンスですよぉ」  
ほれほれ、と言った感じで迫る美幼女。  
「確認するが、その姿って事はあるまいな」  
「ご安心を。このように幼女から、年頃の娘さんに、美女まで自由自在です」  
と言いながら、その通りに姿を変えて行く。なんとも面妖にしてエロい。  
「まだ、決心がつきませんかぁ」  
と言いながら俺に口付けをする美女。  
「OKじゃないわけ無いだろ」  
そのまま押し倒した。  
「あっ、強引ですぅ」  
「知るか、誘ったのはお前だ」  
と言いながら胸に手を伸ばす。  
「ふああっ、すごいっ。集中がとぎれちゃうっ」  
言葉の通り、揉むたびに小さくなっていく。手を止めると元に戻る。こりゃ愉快。  
 
「実はあんまりえっち慣れしてないだろ」  
俺は大きさの変わる胸の感触を楽しみながら聞く。  
「ううう、実ははじめてなんですよぉ。ひぁっ」  
「その割には下はビショ濡れだぜ?」  
「ひああああぁっ!」  
下を触った途端、座敷童子はひときわ大きく感じ、小さくなった。  
「おい、美女が真の姿じゃないのかよ」  
「それも嘘なのぉ、ああっ」  
「とにかく、準備万端のようだな。ちょっと大きくなってみろ?」  
「こ、こう?」  
美女完成、いただきます。  
俺は挿入を開始した。  
「んっ、入ってくるぅ」  
予想通り、少しづつ若返ってくる。  
「にしても、初めてなのに膜無いんだな」  
「ふぁっ、だって、妖怪だもん」  
「そりゃ結構、動くぞ」  
ゆっくりとピストンを開始する、次第に締まってくるのがよく分かる。  
「どうした、段々若返ってくるぜ」  
「だって、あっ、気持ちよくてぇ、集中できないのぉ」  
「全く、困った奴だな」  
そうしている間にも、目の前の美女は、もう中学生ぐらいになっていた。  
「くっ、流石にキツいな。そろそろイクぞっ」  
俺はフィニッシュに向けてスピードを早める。  
「えっ?ひゃあぁぁぁぁぁあっ!」  
若返りのスピードも一気に早まる。  
「ひゃっ、ひゃっ、いやぁっ、あああああああっ!」  
座敷童子が幼女になって、俺のが絞り出されると同時に、二人同時にイった。  
 
「はっ!?」  
気付いたらベッドの中だった。はて、先ほどのは夢だったのだろうか。  
妙にリアルだったが、下の座敷にはそれらしい形跡は見当たらなかった。  
そして、冷蔵庫の中の油揚げが無いのに気付いたのは、それから3日後だった。  
おしまい  
 

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