「――きゃぁん!!」
「おっと」
数ヶ月後――ちょっと外出しようと玄関の扉を開けた僕は、
危うく玄関前にいた人物を弾き飛ばそうとしてしまった。
「ごめん、大丈夫?」
「は、はぁい……ボクは大丈夫ですぅ」
どこかで聞いたような口調で話すその“少女”は、
白い無地のワンピースで、背中に真っ赤なランドセルを背負った、たまらなく可愛らしい美少女だった。
焦げ茶色で癖のある髪の下から、温厚そうなタレ目が恐る恐るといった調子で僕の様子をうかがっている。
「ええと、何か御用かな?」
少女は頭が地面に触れそうなくらい深々と頭を下げて、どこかおっとりとした調子で話し出した。
「ええとぉ……ボクの名前は“津田 トウカ”ですぅ……
……あのぉ、“つぁとぅぐあ”さんにお会いしたいんですがぁ……」
――そして、再び『物語』が始まる――
『ひでぼんの書』 完
『魔法怪盗団 はいぱぁ☆ぼれあ 〜七つの願い〜』 に続く