「――その者を返してもらおう」  
 空中から僕と“つぁとぅぐあ”さんを見下ろす拘束着の少女は、ぞっとするほど低い声を放った。  
アイマスクとギャグで隠されて、その顔は表情もわからない。  
しかし、異様な全身から放出される『神の風格』とでも言うべき威厳に満ちた雰囲気は、  
“つぁとぅぐあ”さんや“いたくぁ”さんに匹敵するくらい強大だ。  
恐怖と戦慄のあまり指1本動かす事も、声1つ漏らす事もできないんだ。  
超然と闇の中に浮かぶ姿に、僕は『闇の神』というイメージを覚えた。  
「……“がたのそあ”ちゃんですかぁ……ここはクナアでもヤディス=ゴー山でもありませんよぉ」  
 相変わらずのんびりとした口調だけど、“つぁとぅぐあ”さんの表情は真剣そのものだった。  
どうやら、相当にヤバイ相手みたいだ。あの“がたのそあ”という少女は。  
「もう一度言う。その者を渡せ」  
 背筋が凍り付くような響きの声に、“つぁとぅぐあ”さんは、  
腕の中でぐったりとしている“ゔぉるばどす”さんをちらりと見て、  
「この“ゔぉるばどす”ちゃん、ボクが預かりますねぇ」  
 おっとりと、しかしはっきり口にしたんだ。  
「貴様にその者をかばう義理は無い筈だが」  
「ボクは気紛れですからぁ」  
「我と敵対するか……面白い」  
 “がたのそあ”さんの身体から、暗黒のオーラみたいな物が放出された。  
闇を背景にしているのに、なぜかそれがわかるんだ。  
 “つぁとぅぐあ”さんの長い髪の毛が、ざわざわと蠢き始める。  
 何かとてつもなく危険な空気が漂い出した。あのー、僕はしがない単なる人間なんですけどー。  
そういう危ない事はどこか他所でやって欲しいのですがー。  
「他所者は貴方の方でしょう?」  
 身震いするくらい妖しい声が背後から聞こえて、はっと振り向くと――  
――そこにいつのまにか2人の女性が佇んでいた。  
 どんな光も吸い込みそうな漆黒の長髪に、同色のセーラー服を着た妖艶な美女と、  
灰色のフレアスカートを地面に広げたゴスロリな美少女。  
 この2人には見覚えがある。クリスマスパーティーの時に出会った“つぁとぅぐあ”さんの知り合い、  
“あとらっく=なちゃ”さんと“あぶほーす”さんだ。  
 
「くっ……『外なる神』まで来たか」  
 “がたのそあ”さんの声は、忌々しそうな響きがあるように聞こえた。  
「なぜ貴方の封印が解けたのかはわからないけど、ここは我等の領域。立ち去りなさい。  
そして“ゔぉるばどす”殿は我々が預かるわ」  
 びしっと言い放つ“あとらっく=なちゃ”さんは実にカッコよかった。  
ただ、“がたのそあ”さんが警戒しているのは、隣の“あぶほーす”さんみたいだけど。  
「あのぉ……ボクが話していたのですけどぉ」  
 “つぁとぅぐあ”さんはどこか悲しそうだ。  
「…………」  
 しばらく彼女達を睨んでいた“がたのそあ”さんは、  
やがて踵を返し、無言で闇の中に消えて行った……  
「ふぅ……」  
 今頃になって、どっと汗が出てきた。今まで緊張のあまり呼吸もできなかったんだ。  
「“あとらっく=なちゃ”ちゃんに“あぶほーす”ちゃん、応援ありがとうございますねぇ」  
「あまり手間をかけさせないでくださいな」  
「…………」  
 僕の事を完全に無視して3人は談笑している。  
あの“がたのそあ”さんとの関係はさっぱりわからないけど、  
神様の間にも色々と複雑な事情があるみたいだ。  
 しばらくして、“あとらっく=なちゃ”さんと“あぶほーす”さんも闇の奥へ帰って行ったんだけど……  
「ところで、彼女どうします?」  
 すっかり忘れられていたけど、この“ゔぉるばどす"さんも怪し過ぎる存在だ。  
彼女をどう扱えばいいのだろう。  
「どうしましょうかぁ?」  
 ふにゃっと首を傾げる“つぁとぅぐあ”さんの姿を見ると、  
やっぱりこの方は何も考えていないんじゃないかなーと、失礼な事を考えてしまう。  
 とりあえず、怪我しているみたいだし……  
「上から“しょごす”さん達を呼んできますね」  
「待ってますよぉ」  
「……戻ってくるまでに、彼女を食べちゃダメですよ」  
「え〜」  
 
「……うぅ……ここは?」  
 僕が“しょごす”さんと“てぃんだろす”、あと例によって“いたくぁ”さんを連れて戻った時には、  
あちこち負傷していた“ゔぉるばどす”さんは、傷1つない体に回復していた。  
“つぁとぅぐあ”さんが何かしたのだろうか?  
 ふらふらと体を起こす“う゛ぉるばどす”さんは、僕が今まで見てきた『人外の存在』の例に漏れず、  
まさに人知を超えた美しさを誇っていた。『凛々しい』という形容が似合う女性なんてそういないだろう。  
意思の強そうな太い眉毛に、まっすぐ前を向いた眼差し。  
きりりと締まった唇からは、真摯な言葉しか出ないに違いない。  
長く蒼い髪は根元でポニテ状に纏めていて、時代劇に登場するサムライみたいな袴姿がよく似合っていた。  
袴の色が赤なので、一歩間違えると巫女さんみたいだけど。  
「お目覚めですカ?」  
 “しょごす”さんが熱い蒸しタオルを手渡すと、  
「かたじけない」  
 “ゔぉるばどす”さんは素直に受け取って、顔をゴシゴシこすった後、  
「……あああっ!? なぜ斯様な所に“つぁとぅぐあ”殿と“いたくぁ”殿が!?  
ティンダロスの猟犬にショゴスもいるとは!? それに、“がたのそあ”は何処へ!?」  
 今頃になって慌てて周囲を見渡していた。  
 僕は無視ですか。そうですか。  
 その後、事情を説明すると、  
「ううう、そうであったか……この“ゔぉるばどす”、一生の不覚でござる!」  
 そのまま切腹しそうな剣幕で、“ゔぉるばどす”さんは悔しそうに天を仰いだ。  
 その後の話によって、彼女は“つぁとぅぐあ”さんや“いたくぁ”さんと同じく、  
『旧支配者』の1人である事がわかった。何でも、外宇宙の侵略者から、地球を守る為に戦う戦士なのだという。  
「……でも……なぜ“がたのそあ”と喧嘩を?……別にチミと……敵対関係には……ないはず……」  
「それがですな、ある“星の戦士”のお陰で、あ奴がルルイエから復活してしまったのでござる」  
「……なぜ“がたのそあ”様がルルイエにいるのですカ?」  
「さぁ?“くとぅるふ”殿の元に遊びに行ったのか、脚本家が間違えたのか……  
とにかく、これは一大事とあ奴を止めようとしたのでござるが……」  
 
「負けちゃったんですねぇ」  
「ううう……面目無い。これでは地球の守護者として失格でござる!」  
「わぅん」  
 がっくりと項垂れる“ゔぉるばどす”さんの頬を、心配そうに“てぃんだろす”がぺろりと舐めた。  
 単なる人間の僕には、話の内容はさっぱりわからないけど、  
どうも色々大変な事が起こってるみたいだ。  
「あのぅ、ちょっといいですか?」  
「む、貴殿は人間でござるな」  
 頭を上げた“ゔぉるばどす”さんの凛々しさに、僕は一瞬怯んだ。  
いや、怯みはしたけど、特に危険な印象も感じない。  
剣呑な姿格好なのに、どちらかといえば、どこか安心感を与える雰囲気の人なんだ。  
「あ、僕は赤松 英と言います。渾名はひでぼんです。ちょっと聞きたい事があるのですが」  
「拙者は“ゔぉるばどす”と申す。特に渾名はござらん……何でござるか?」  
「その“がたのそあ”さんが復活すると、どうなるのですか?」  
 “ゔぉるばどす”さんは考え込むように首を傾げた。  
「あ奴が何を企んでおるのかまだよくわからぬが……  
とりあえず、地球上の全生命体が石化するぐらいの被害は出るでござろうな」  
 流石に僕はよろめいた。  
「……ふぅん……」  
「大変ですねぇ」  
 他人事のような“いたくぁ”さんと“つぁとぅぐあ”さん。  
いや、旧支配者さん達にとっては実際他人事なんだろうけど。  
「それは我々にとっても困りますネ」  
「あぉん!」  
 “しょごす”さんと“てぃんだろす”は、少し困ったみたいだ。少しだけだけど。  
 
「外野はともかく、一大事ですね」  
「さよう、こうして傷も癒えた今、さっそくあ奴にリベンジするでござる!」  
 瞳に炎を込めて、猛々しく長刀を振り上げる“ゔぉるばどす”さんだけど、  
「でもぉ、また負けちゃうのではぁ?」  
 “つぁとぅぐあ”さんののほほんとした声に、決めポーズもガクっと崩れた。  
「ううう、確かに……口惜しいでござるが、  
あ奴の卑怯な戦法に対する攻略法を見出さねば、拙者に勝ち目は無い……」  
「卑怯な戦法?」  
「あの“がたのそあ”めが、こんな事をしたのでござる!!」  
 
 
 
「さあ、覚悟を決めるでござるよ!」  
「ふん……それは我のセリフだ」  
「いざ、勝負!」  
「えい、ボインタッチ」(むにゅむにゅっ)  
「!?……な、なにをするでござるかー!!」  
「スカートめくりならぬ、袴めくり」(ぴらっ)  
「きゃー!! こ、この破廉恥がぁ!!」  
「秘技、ふんどし下げ降ろし」(ずるっ)  
「えーん! やめて〜!!」  
 
 
 
「こうしてあ奴は拙者を動けなくして、ボコボコにしたのでござる! ええい、卑怯極まりない!!」  
「…………」  
「はァ……」  
「……おバカ……」  
「……わん?」  
「まぁ、それは大変でしたねぇ」  
 さ、さすが神々の戦い。人間の想像を遥かに超えているなぁ……色々な意味で。  
「しかし、その卑怯な戦法に手も足も出なかったのもまた事実。  
ああ、拙者はどうすればいいのであろうか?」  
 真剣に頭を抱えて苦悩する“ゔぉるばどす”さんを見て、さすがに僕も少し気の毒に思えてきた。  
よくわからないけど地球がピンチらしいし。  
 僕は“つぁとぅぐあ”さん達に、何とか彼女を助けてやれないかと相談してみた。  
「そうですネ、要は“ゔぉるばどす”様ガ、  
“がたのそあ”様のセクハラ攻撃に耐えられるようになれば良いのでス」  
「わん、わんわん!」  
「克服すべきはぁ……羞恥心と貞操観念ですよぉ」  
「……笑えそう……じゃない……面白そう……ふふふのふ……」  
 しばらくの間、あーだこーだと頭を突き合せて相談した結果――  
「“ゔぉるばどす”さん」  
 僕は俯く彼女の肩をそっと叩いた。  
 
「……何でござるか?」  
「貴方の弱点を克服する方法がありますよ」  
「本当でござるか!?」  
 “ゔぉるばどす”さんは、歓喜の表情で僕の手を握り締めた。  
「是非、その方法を教えてくだされ!」  
「まぁ、簡単に言えば今から挙げるメニューで特訓すればいいのですが」  
 ……正直、その特訓メニューにはツッコミを入れたい部分が多々あるのだけど……  
 でも、同じ人外の住民の皆さんが考えた物なのだから、  
人間の僕が口を出すのは筋違いだろう……たぶん。  
「特訓なら得意でござる。まかせて下され」  
「それではぁ……今からボク達の指導には絶対に従うと誓ってもらえますかぁ?」  
 『にへら〜』と笑う“つぁとぅぐあ”さんに、どこか不穏な空気を僕は感じた。  
「もちろん、誓うでござる!!」  
 自信満々な“ゔぉるばどす”の不敵な表情が、  
一気に困惑に変わるのに、それから1分もかからなかった――  
 
「ではぁ、まず服を全部脱ぎましょお」  
「……は?」  
 “ゔぉるばどす”さんはきょとんとした。まぁ、当然だろう。  
「……今……ここで……ちゃちゃっと……」  
「ななななななぜ拙者が斯様な真似をせねばならぬのですかー!?」  
 顔を真っ赤にして激昂する“ゔぉるばどす”さんに、“しょごす”さんが糸目をキラーンと光らせた。  
「“ゔぉるばどす”様、貴方様が克服しなければならないのハ、  
『エッチに対する羞恥心』なのでス。この修行ハ、全てその為にあるのですヨ」  
「ううう……しかし……」  
「……うぬは約束した筈だ……我の指導に絶対服従すると……」  
「ううう……今、ここでござるか?」  
「そうですよぉ」  
「と、殿方もいるのに……?」  
「羞恥心を克服する為でス」  
 たっぷり数分間、血を吐くような面持ちで懊悩していた“ゔぉるばどす”さんは、  
やがておずおずと袴に手を伸ばして――  
 しゅるん  
 思いのほかあっさりと、緋色の袴は足元に落ちた。  
「……ああぁ」  
 真っ赤な顔で上衣の裾を下に降ろそうとするけど、  
無駄な脂肪の無い健康的な太ももと、白い褌は丸見えだった。  
むしろ、もじもじした仕草が男心をくすぐる事に、彼女は気付いていない。  
「……はい……上も……」  
 ややくすんだ白の上衣を、震えながら脱ぎ捨てると、  
よく肉の締まった非の打ち所の無い見事な肢体が出現した。  
古風なさらしに巻かれた胸が眼に焼き付いて、思わず生唾を飲み込んでしまう。  
 
「こ……これで勘弁して……くだされ……」  
 “ゔぉるばどす”さんの声は、もう半泣きだ。  
「駄目でス。下着が残ってますヨ」  
「ううぅ……」  
 躊躇しながらも、ゆっくりとさらしが解かれていく。  
白い布が地に折り重なるに従って、思いのほか大きな乳房が顔を出した。  
豊満な巨乳がそれを隠す腕に潰されて、いやらしく形を変えている。  
 そして、たっぷり時間をかけて褌が解かれて――  
「いやぁ!!」  
 褌が地に落ちると同時に、“ゔぉるばどす”さんは自分の裸身を抱きしめて、しゃがみ込んでしまった。  
「隠しては駄目ですよぉ……ボク達にその綺麗な身体を見せてくださぁい」  
「……手を頭の後ろで組んで……M字開脚するべし……」  
「これも修行でス」  
 しばらく“ゔぉるばどす”さんは、そのままの姿勢で固まっていたけど、やがて観念したのか、  
「ああぁ……は、恥ずかしい…で…ござるよぉ……」  
 震える手がゆっくりと蒼いポニーテールの所で組まれて、  
形の良い前へ突き出た巨乳がぶるんと揺れる。ああいうのをロケットオッパイと言うのかな。  
 そして、ゆっくりと、本当にカタツムリが這うよりもスローモーな動きで、  
少しずつ脚が左右に広がって――やがて、蒼い茂みに覆われたピンク色の秘所が見えた――  
と同時に、“しょごす”さんの触手が脚を大きくかき開いた。  
大き目のクリトリスもアヌスの皺まで完全に丸見えだ。  
 
「いやぁあ!!」  
 悲鳴をあげつつも、“ゔぉるばどす”さんは頭に組んだ手を解こうとしない。  
 僕達は“ゔぉるばどす”さんの股の間に顔を近付けて、あれこれ観察を始めた。  
「まぁ、綺麗なピンク色ですねぇ……小陰口も小さいですしぃ、まだ経験無いのですかぁ?」  
「わ、悪かったでござるな!」  
「ですガ、ヘアは少し濃いですネ。ちゃんと御手入れしなければ駄目ですヨ」  
「――ッ!!」  
「……何もしてないのに……濡れてきてる……アヌスも……ひくひく……」  
「……そ、そんな事…言わないでくだされぇ……」  
「くぅん……くんくん」  
「に、匂いをかいじゃダメぇ!!」  
 じっくりたっぷり彼女の秘所を観察して、  
クリトリスのサイズからアヌスの皺の数まで数え上げてから、ようやく僕達は彼女の前から離れた。  
 いや、“しょごす”さんだけが後に残り、  
「でハ、綺麗にしましょうネ」  
 どこからともなく、安全剃刀とシェービングローションを取り出して、さわやかに微笑んだ。  
「な、何を……ひゃうっ!?」  
 いきなり冷たいシェービングローションを股間にかけられて、  
“ゔぉるばどす”さんは短い悲鳴を漏らした。  
「毛根跡も残しませんのデ、安心してくださイ」  
「や、やめてくだされぇ!!」  
「動くと余計な所まで切れてしまいますヨ」  
 しょりしょりと剃刀が弧を描く度に、白いローションが陰毛と共に落とされていく。しばらくして、  
「はイ、綺麗になりましタ」  
「ううぅ……」  
 まるで赤子のようにツルツルな、産毛すら無い割れ目が露出していた。  
クリトリスがピンク色の真珠みたいによく目立っている。  
 
「……ああ…あ……」  
 アンダーヘアを完全に剃り落とされた“ゔぉるばどす”さんは、  
涙を流しながら口をぱくぱく開けて震えている。あまりの恥ずかしさに放心状態のようだ。  
 しかし、それはまだまだ彼女の受難の序章に過ぎなかったんだ。  
「……次は……オナニーを……やるべし……」  
 とんでもない試練が、“いたくぁ”さんの無表情から発せられた。  
「な、何を!?」  
「……自慰……1人エッチ……さっさとGO……」  
「そそそそそそんな破廉恥な真似ができ――!!」  
「……修行……」  
「あうぅ……」  
 ぶるぶる震える右手が、ゆっくりと右の乳房を揉み始めた。  
指の間から小さめの乳首が顔を覗かせる。左手はツルツルのアソコに伸びて、  
「んぁっ!」  
 クリトリスの皮を剥いて、押し潰すように愛撫する。  
緩慢とさえいえるスピードだけど、彼女の息は徐々に荒くなり、声に嬌声が混じり出した。  
「ふぅん……“ゔぉるばどす”ちゃんはぁ、そうやってオナニーするのですねぇ」  
「やぁ……そんな事…言わないで……くだされ…ぇ……」  
 まるで牛の搾乳みたいに、右手が搾り出すように巨乳を揉みしごいて、  
ピンと直立した乳首をコリコリと弄くる。こちらも完全に勃起したクリトリスは真っ赤に充血して、  
指が突ついたり撫で回す度に、ピクピクっと彼女の身体が痙攣する。  
「あはぁ……あふぅ!…だ、だめぇ……見られて…んくぅ!いるの…にぃ……やぁん!!」  
 あえぐ言葉とは裏腹に、“ゔぉるばどす”さんの淫猥な手の動きは徐々に早くなっていく。  
腰を浮かせて悶える股の間から、雫のように愛液がぽたぽた垂れた。  
 そして――  
「イクっ、イっちゃう!! あぁああああああ!!!」  
 身体を大きく反らしながら、一瞬激しく痙攣して、“ゔぉるばどす”さんはイってしまった……  
 
「はぁ…はぁ……はぁ……」  
 快楽の後遺症に子供のような本物の涙を流して、羞恥に震える誇り高い女剣士の姿は、  
この世のものとは思えないくらい美しく――そして淫猥だった。  
「……くぅん」  
 ふと気が付くと、“てぃんだろす”が瞳を潤ませながら、切なさそうに僕に身体を擦り付けてきた。  
見れば、ショートパンツの股間が膨らんでいるのが分かる。  
どうやら“ゔぉるばどす”さんの艶姿に、“てぃんだろす”の男性部分が刺激されてしまったらしい。  
とりあえず、膝の上に抱えて抱き締めてやると、ピクピクっと腕の中で震えた。  
どうしようかな、“つぁとぅぐあ”さんに頼もうか?  
 そんな僕達とは関係無く、“ゔぉるばどす”さんの『修行』は、ますますディープな世界に陥ろうとしていた。  
「……あっ」  
 “ゔぉるばどす”さんの脚を掴む“しょごす”さんの触手がうねり、彼女は四つん這いの姿勢にされた。  
「それでハ、失礼しまス。体の力を抜いて下さイ」  
 糸目を綻ばせながら、どこからともなく取り出した物――  
それは、得体の知れない液体の入ったバケツと、なんと大人の腕ほどもある浣腸器だった。  
「……な、何をするのでござ――ッ!?」  
 虚ろに振りかえろうとした“ゔぉるばどす”さんの目が、大きく見開かれる。  
「きゃああああー!!」  
 悲鳴を上げるのも当然だろう。いきなりすぼまったお尻の穴に、  
つぷりと浣腸器の先端が突き立てられたんだから。  
「力を抜いた方が良いですヨ」  
「やっ!…かはっ!……やめてぇ!」  
 イヤイヤ首を振る“ゔぉるばどす”さんの叫びを完全に無視して、  
ゆっくりと浣腸液を注入する“しょごす”さんは、正直ちょっと怖い。  
 
 ちゅぷん  
「ふわっ!!」  
「はイ、とりあえずは利尿剤入りグリセリン溶液を1リットルでス」  
 勢い良く浣腸器が引き抜かれると同時に、アヌスからちょっぴり浣腸液が噴き出した。  
 震える“ゔぉるばどす”さんの無駄な脂肪の無いよく締まった下腹部は、  
今は妊娠初期のように僅かながら膨らんでいる。  
「…かっ、厠……トイレにいっ!…お願い…で…くぅ!……ござるぅ……」  
 1分もしないうちに、“ゔぉるばどす”さんは全身に脂汗を浮かばせて、ガクガクと痙攣を始めた。  
苦悶に歪むその顔は、むしろサディスティックな情欲をそそらせてくれる。  
「別に我慢する必要は無いですヨ。何時でも出して下さイ……この場所デ。私達の目の前デ」  
「そ、そんな事がぁ!…あはっ!!」  
「あのぉ……ここはボクの住処なのでぇ、そういうのは困るのですがぁ」  
 “つぁとぅぐあ”さんが控え目に抗議するのを無視して、  
僕達は羞恥と苦痛の間で悶える“ゔぉるばどす”さんを魅入っていた。  
 肉付きの良いお尻を左右に振りながら、涙を流して喘ぐ“ゔぉるばどす”さんのアヌスは、  
ぷっくり膨らんだりきゅっとしぼんだりを断続的に繰り返している。どうやら、本当に限界みたいだ。  
 と、僕はいい事を思いついた。  
「“ゔぉるばどす”さん、トイレに行きたいですか?」  
「も、もちろんでぇ!…くぅ……ござるぅ!!」  
 ガクガクと首を縦に振る彼女の目の前に、僕は欲情している“てぃんだろす”を置いた。  
そのまま一気にショートパンツをずり降ろす。  
「あぅん!」  
「きゃっ!」  
 勢い良く跳ね上がったペニスが顔に当たり、“ゔぉるばどす”さんは短い悲鳴を漏らした。  
「この子が貴方のいやらしい姿に興奮してしまったんです。責任を持って抜いてやってください。口で」  
 “ゔぉるばどす”さんの顔が苦痛とは違う意味で真っ赤になった。  
 
「そそそ、そんなふしだらな真似が、できるわけ……はぁうっ!!」  
 爆発寸前なアヌスの上を軽くノックしたら、“ゔぉるばどす”さんは仰け反るように身悶えた。  
「いや、別にやらなくても良いのですけどね。トイレに行きたくないのだったら」  
「……くぅ!!」  
 一瞬、躊躇うように目を反らす“ゔぉるばどす”さんだったけど、  
やがておずおずと“てぃんだろす”のペニスを口に運んだ。  
勃起しても大人の指ぐらいしかないあの子の肉棒を、ほとんど一口で咥内に収めてしまう。  
「くぅん……」  
 待ち望んでいた熱い口の感触に、“てぃんだろす”は尻尾を振りながら歓喜していたけど、  
しばらくして戸惑ったような声を出した。  
どうも、“ゔぉるばどす”さんはただペニスを口に含んだだけで、何の口技もしていないらしい。  
きっとフェラ自体が初めてなので、どうすればいいのかわからないのだろう。  
「あぉん!」  
「……むぐぅ! んぐっ!?」  
 やがて、我慢できなくなったのか、  
“てぃんだろす”は“ゔぉるばどす”さんの頭を掴んで、激しく前後に動かし始めた。  
 突然のイマラチオに、涙を流して耐える“ゔぉるばどす”さん。そして――  
「きゅぅうん!!」  
「――ッ!? かはぁ!!」  
 “てぃんだろす”がぎゅっと頭を抱き締めると同時に、“ゔぉるばどす”さんの目が見開かれた。  
喉の奥までザーメンが注ぎ込まれたようだ。  
恍惚の表情で最後の1滴まで出し切ってから、ゆっくりとペニスが抜かれると、  
「うぇええ……苦ぁ…い……」  
 “ゔぉるばどす”さんは大量の白濁液を、舌を伸ばしながら吐き出した。  
その残酷美な姿に我に帰ったのか、慌てて“てぃんだろす”が申し訳なさそうに、  
彼女の涙を舐め取ろうとする。しかし、もう彼女はそんな事に構っていられないようだ。  
 
「あぅう…こ、これでぇ!…うくぅ!……トイレ…にぃ……!!」  
 全身を痙攣させて必死に懇願する“ゔぉるばどす”さんのお尻に、  
「え!?」  
「ちょっと動かないで下さいネ」  
 “しょごす”さんが押し当てた物体――それは、大人用の紙オムツだった。  
「ま、まさか……くうっ!……それがぁ…ああっ!!」  
「はイ、これが“ゔぉるばどす”様のトイレでス」  
 ……これは僕も予想していなかった。普通にトイレに連れて行こうと思っていたんだけどなぁ。  
「そんなのぉ……あうっ! イヤぁ……」  
 “ゔぉるばどす”さんの震える声での抗議を尻目に、手際良く紙オムツを装着させる“しょごす”さん。  
最後に、ころんと赤子みたいに仰向けに寝かせて、“ゔぉるばどす”さんのトイレスタイルは完成した。  
 凛々しく、誇り高い女侍の恥辱にまみれた赤ちゃんスタイルに、  
僕は理性を根こそぎ粉砕されるような背徳感を覚えた。  
「イヤぁ! あふぅ! こんなのぉ…いやぁ!!」  
 本当の赤子みたいに、首を振ってイヤイヤする“ゔぉるばどす”さんだけど無理はない。  
 紙オムツ姿――これは普通に排泄を見られるより恥ずかしいだろう。  
 僕達は無理に排泄させなかった。ただ“ゔぉるばどす”さん自身が自分から、  
1番他人に見られたくない姿を見せてくれるのを待っていただけだ。  
 そして――!  
「いやぁあああああああ!!!」  
 おそらく、彼女にとっては世界で1番恥ずかしい音を響かせながら、  
“ゔぉるばどす”さんの忍耐は決壊した。  
 
「あぁ……は……かはぁ……ぐすっ……いや……ぁ……」  
 虚ろな顔で涙を流す“ゔぉるばどす”さんの紙オムツは、内側からの圧力で微妙に形を崩している。  
これ以上ないくらいの恥ずかしい姿――  
しかし、僕は“ゔぉるばどす”さんのその羞恥にまみれた姿に、明らかな快楽の痕跡を見出した。  
 聞いた話によると、あの『オムツプレイ』というのは、禁断のプレイと呼ばれているらしい。  
変態的な趣向など何処にも無い、ごく普通の者でも、  
一度やってしまうと麻薬のように止められなくなってしまうという。  
どうやら本当に気持ち良いらしいけど……  
「あふ……あはぁ……はぁ……」  
 あの“ゔぉるばどす”さんの姿を見ると、怖くてとても試す気にはなれないよ。  
 ぐったりとした彼女の体を起こして、“しょごす”さんがてきぱきとオムツの後片付けをした。  
汚物にまみれた秘所をきれいに洗う時も、“ゔぉるばどす”さんはほとんど無反応だ。  
 それが劇的に覚醒したのは、  
「でハ、2本目に行きましょうネ」  
 “しょごす”さんのとんでもない言葉が発せられたからだ。  
「に、2本目ぇ!? まだ続けるのでござるかぁ!?」  
「そうでス。まだこんなに浣腸液が残ってますかラ」  
 たぷん、と特大サイズのバケツを掲げる“しょごす”さんは、天使のように優しい笑顔を浮かべていた。  
「御安心ヲ、紙オムツもたっぷりありますかラ」  
「いやぁあああああああ!!!」  
 “ゔぉるばどす”さんの嬌声が混じった苦悶の悲鳴は、それから4時間以上途切れる事は無かった――  
 
 
 その深夜――  
「ふぅ……ふぅ……ふぅ……」  
 街灯が無機的な光で照らす裏通りに、苦痛と快楽が半々で入り混じった喘ぎ声と、  
 ブブブブブブブ……  
 断続的なバイブレーション音が響いていた。  
「ほら、もう少し早く歩いてくださいね」  
 僕が彼女の首輪に結ばれた鎖を軽く引くと、  
「ふぅ……ふわぁ…う……」  
 ギャグボールの奥からくぐもった声を漏らして、四つん這いの“ゔぉるばどす”さんは、  
犬の尻尾を模したアナルバイブを振りながら、必死に僕の後を付いて来る。  
 ワンワンスタイルで潤んだ瞳から涙を流し、ギャグボールから涎を垂らす“ゔぉるばどす”さんは、  
首輪とギャグボールと尻尾付きアナルバイブ以外は何も身に付けていない。  
長い蒼髪は真冬なのに汗ばんだ肌に張り付き、  
処女のアソコはアナルバイブの振動が響いて真っ赤に濡れている。  
釣鐘型の見事な巨乳は、固く勃起した乳首の先端が道路にこすれそうだ。  
初めてなのにすんなりアナルバイブを受け入れられたのは、  
長時間の浣腸プレイとオムツ排泄プレイで、肛門が緩み切ってしまったからだろう。  
 そして、この非人道的な露出プレイ。  
本来なら絶対にやらないだろう羞恥プレイを、今、僕は嬉々として楽しんでいた。  
後になって思うに、これは今まで人外の存在を抱いた際に起こる異常な情欲が、  
ちょっと変わった形で発生しているためだったんだろう。本来、僕は純愛志向なんだ。いや、ホントに。  
 
「なかなか御似合いですヨ。“ゔぉるばどす”様」  
 僕の隣で糸目を綻ばせているのは、例によって“しょごす”さんだ。  
彼女に関しては、エッチが絡むといつも壊れ気味なので、何も普段と変わらない。  
 ちなみに、“てぃんだろす”は疲れたらしく、ベッドの下で眠っている。  
もしこの場にいれば、仲間ができたと喜んだかもしれない。  
“つぁとぅぐあ”さんと“いたくぁ”さんは、あれからン・カイで何か話し合っていた。  
おそらく例の“がたのそあ”について、相談しているのだろう。  
単に宴会しているだけのようにしか見えなかったけど。  
「ふぅ…ふぅぅ……ふぅっ」  
 四つん這いで必死に僕達の後を付いてくる“ゔぉるばどす”さんの声に、  
苦痛とは別種の喘ぎ声が混じっているのは、アナルバイブを挿入する前に、また浣腸をしたからだろう。  
今回はグリセリン溶液じゃなくてお湯だから、長時間我慢できると思うけど。  
「裏通りはあまり人間がいませんネ」  
「深夜ですからね。でも、そのうち誰かとすれ違うと思いますよ」  
「ふぅぅ……ふぅっ!」  
「あラ、あそこの家の2階はまだ明かりがついていますネ」  
「あそこから僕達を見ていたりして」  
「ふうぅ!……ふはぅ……」  
 僕と“しょごす”さんが剣呑な台詞を言う度に、  
“ゔぉるばどす”さんはビクビクと震えて面白いくらい狼狽してくれる。  
でも、以前のように激しく拒否しないのは、こうした羞恥プレイに慣れてきているからなのかもしれない。  
 あれこれ言っても、『羞恥心を克服する』という当初の目標は、実を結んでいるんだ――と思う。  
 
「ふっ!…うぅぅ……ふうっ!」  
 しばらくして、ゴロゴロという胃の調子が悪い時に馴染み深い音が、  
“ゔぉるばどす”さんのお腹から聞こえてきた。  
「そろそろ限界ですか?」  
 泣きながら激しく首を縦に振る彼女に、  
「では、オシッコだけさせてあげます。あそこでね」  
 街灯が照らす電柱を指し示した。  
「……ふぅ!?」  
 さすがに“ゔぉるばどす”さんも絶句したらしいけど、  
オシッコだけでも出せるという誘惑には勝てなかったのか、やがておずおずと汚い電柱の側に近付いて、  
「ちゃんと片足を上げて下さいネ」  
 羞恥に顔を伏せながらも、ゆっくりと右足を高々と上げてくれた。  
 脚を上げた拍子にアナルバイブが緩みかけたのか、必死にアヌスを締めている“ゔぉるばどす”さんの、  
剃毛されたツルツルのアソコも奥まで丸見えになっている。  
驚いたのは、この羞恥プレイに感じているのか、明らかに赤く熟れ、愛液に濡れているんだ。  
「……ふぅ…ふぅうううう!!」  
 しばらく足を上げたまま震えていた“ゔぉるばどす”さんも、  
観念したのか尿道口からちょろちょろとオシッコが染み出して、  
次の瞬間には勢い良く黄金の飛沫を電柱に浴びせていた。  
 その時だった。路地裏の進行方向から、二筋のまばゆい輝きが僕達を照らしたのは。  
「ふぅううう!?」  
 自動車が路地裏に入ってきたんだ。そういえば、ここは一方通行だった。  
「ふぅっ! ふぅううん!!」  
 激しく動揺しながら首をイヤイヤ振る“ゔぉるばどす”さんだけど、  
一度出したオシッコは止まらないし、身を隠す場所はどこにもない。  
ついに彼女の淫乱な艶姿が衆目に晒される時が来たんだ。  
「ふぅんんんんん!!」  
 乗用車が急速に接近してくる。そして、ついにフロントランプが僕達と“ゔぉるばどす”を照らし――!!  
 
 ――照らした直後、車は右折して僕達の前から去っていった……  
「ふぅうぅ……うふぅ……」  
 安堵の表情を浮かべる“ゔぉるばどす”さんの股間から、最後の1滴が滴り落ちる。  
そのまま彼女はへたり込んでしまった。  
 ……実は、僕もほっとしていたりする。  
この羞恥プレイがご近所に発覚したら、1番困るのは実は僕だからだ。  
なんだかんだ言っても、“ゔぉるばどす”さんは人間じゃないからいくらでも誤魔化しが効くし……  
 そんな事を考えている内に、僕達の散歩はコンビニエンスストアーの近くに到達した。  
「でハ、これで最後にしましょうネ」  
 “しょごす”さんが“ゔぉるばどす”さんの身体を起こして、首輪とギャグボールを外した。  
ようやく立つ事ができた“ゔぉるばどす”さんは、今更自分の格好に気付いたように、  
真っ赤になって胸と股間を手で隠した。  
「ああぁ……や、やっと終わりで…ござるか?」  
「最後ニ、あのコンビニで買い物をしてきてもらいまス。黄金蜂蜜酒を5本お願いしますネ」  
「で、でも……この格好では……」  
 アヌスに刺さったままの尻尾付きバイブを隠そうとして、“ゔぉるばどす”さんはビクっと震えた。  
お湯の浣腸はもう臨界点を超えているのだろう。  
皮肉な事に、彼女を苦しめるアナルバイブが、今は最後の堤防になっているらしかった。  
「僕のコートを貸してあげますよ」  
 足元まで隠すロングコートだから、ちゃんと前を隠せば大丈夫だろう。たぶん。  
 僕のコートを羽織って、フラフラよろめきながらコンビニに入って行った“ゔぉるばどす”さんの後姿を、  
僕と“しょごす”さんは入り口近くの街路樹の影に隠れて見守っていた。  
 
 コンビニの中は、“ゔぉるばどす”さんにとっては運の悪いことに、10人近くのお客さんがいる。  
「でも、何事もなく買い物は終わりそうですね」  
「ふっふっふっふっフ」  
 “しょごす”さんの笑い声には、小悪魔的な響きがあった。  
「このヒモヲ、1・2の3で引っ張ってくださイ」  
「は?」  
 彼女から手渡された2本のヒモを摘みながら、疑問の念を抱いていると、  
「はイ、1・2の3!!」  
 手拍子しながらいきなり合図してきたので、僕は慌てて2本のヒモを引っ張った。  
 すると――  
 そわそわしながらレジに並んでいた“ゔぉるばどす”のコートが、  
いきなり細切れに分断されて、布切れと化して床に落ちてしまった。  
汗が艶っぽく輝く美しい肢体が、衆人の目に晒される。  
「きゃあああああああ!!!」  
 そして、アナルバイブが勢い良く引き抜かれて――  
「いやぁあああはぁああああ……」  
 好奇と嫌悪と欲情の視線を浴びて、排泄の快感と羞恥の絶頂に震えながら、  
“ゔぉるばどす”さんは自分の汚物の中に崩れ落ちた……  
 
 
 1週間後――  
 とっくに日の暮れた夜、近所の公園のベンチで、  
4人の○学生男子が楽しそうに雑談していた。塾の帰りなのだろうか。  
 と、その側に音も無く接近したのは、ロングコートを着た我等が“ゔぉるばどす”さんだ。  
 不審そうに見上げながらも、次の瞬間にはその美貌に放心している○学生達の前で、  
「うふふふふ……」  
 “ゔぉるばどす”さんは、妖艶な笑みを浮かべながらコートをかき開いた。  
「――っ!?」  
 ○学生達は一斉に息を飲んだみたいだ。  
 コートの下には、“ゔぉるばどす”さんが普段着る袴姿があった。ただし、乳房を全部露出させ、  
股間の部分を切り取って、ビシャビシャに濡れた秘所が丸見えになった淫猥な袴姿が。  
 “ゔぉるばどす”さんは、ゆっくりと自分の唇を舐めた。  
「ねぇ、お姉さんと気持ちイイ事しない?」  
 
 数分後、公園の公衆便所の男子トイレの中で、  
“ゔぉるばどす”さんは○学生の1人の股間に顔を埋めて、  
両側に立つ2人のそそり立ったペニスを左右の手でゴシゴシとしごき、  
突き出したお尻をもう1人が舌を這わせていた。  
「うむぅ…はぁ、ぴちゃ……むふぅ…美味し……ぺちゃ…」  
 喉の奥まで肉棒を含み、いやらしく左右のペニスを撫で回しながら、  
“ゔぉるばどす”さんは歓喜に満ちた情欲の嬌声を上げている。  
「ううっ!!」  
 ディープスロートに耐えられなかった○学生が快楽の悲鳴を漏らし、  
“ゔぉるばどす”さんの熱い咥内に大量のザーメンを放った。  
飲みきれなかった白濁液が、唇の端からしたたり落ちる。  
「つ、次は僕のをお願いします!」  
「バカ、俺の番だろ!?」  
 左右の○学生が我先に順番争いを始めたのを、  
「うふふ……大丈夫よ、ちゃんとみんな平等にシテあげるから……喧嘩してはダメよ」  
 精液を舐め取る“ゔぉるばどす”さんの妖しい笑みが止めた。  
 
「……お姉さん、僕もう我慢できないよ!!」  
 バックを舐めていた○学生が、興奮しながらそそり立つペニスを取り出して、  
彼女の秘所に押し当てようとした。  
「あん……ごめんなさい。そこはダメなの。その代わり、ここで……ね」  
 よく締まった尻肉を掴み、左右に広げると……  
……物欲しげにぱくぱく口を開けた、赤い腸壁を覗かせるアヌスが顔を出した。  
 そのあまりのいやらしさに、ごくりと唾を飲む○学生のペニスを、後ろ手でそっとアヌスに導いて……  
「あふぅん!!」  
 一気に根元まで挿入されて、歓喜の声を漏らす口に、新たなペニスが突き入れられた――  
 
「……ねぇ、本当にこれで良かったのでしょうか?」  
「わぅん……」  
 物陰から“ゔぉるばどす”さんの様子を見守りながら、  
僕と“てぃんだろす”は困惑の心境を隠さずにいた。  
「……でも……これで弱点は……克服できた……」  
「修行は大成功でス。もはヤ、彼女に羞恥心はありませン」  
「……それもまた問題だと思いますが」  
 “いたくぁ”さんは相変わらず無表情にお茶を啜り、“しょごす”さんも糸目をニコニコと綻ばせている。  
 人間の僕には間違っているとしか思えなくても、それは矮小な人類の思考だからだ。  
あらゆる意味で人知を超えた存在である『旧支配者』には、  
彼等なりの想像を絶する方法があるのだろう。  
「……でも、何か壮絶に間違っているような……」  
 数時間後――  
「ふっふっふっふっふ……拙者、ついに弱点を克服したでござる!!」  
 精気を最後の1滴まで搾り取られて、完全に失神している○学生の間で、  
身体中をザーメンまみれにして仁王立ちする“ゔぉるばどす”さんの姿があった。  
「待っておれ“がたのそあ”! ベル=ヤルナクよ!拙者は帰ってきたー!!」  
 ……本当に大丈夫かなぁ……  
 
 続く  

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