「テメー!先輩に向かって何だって!!」
「先輩に比べたら悪いことなんて言ってませんよ」
テニスコートに少女と少年の声が響き渡る。
「お前の方が悪いに決まってるだろ!!」
「先輩です!」
二人と同じようにジャージを着た少年少女たちが二人を囲ってる。
が、誰も彼もどうしたものかと困り顔だ。
「…なにしてんだ」
一人の少年がテニスコートに入ってくる。
この少年もジャージを着ているが、困り顔というよりも、明らかに怒りの色が見えている。
「東先輩」
「俊之!」
怒り顔の少年。名前を東俊之。17歳、高校2年。
男子テニス部部長。身長183センチ。
「何があった?」
物言いは静だが、怒気をはらんでいる声だった。
「私は悪くない」
言い争いをしていた片割れの少女。名前を木ノ下小太刀。16歳、高校2年。
女子テニス部部長。短気、勝気、男勝り。身長143センチ
「いいえ!先輩が悪いんです」
言い争いをしていた少年。名前を牧村仁。15歳、高校1年。
1年ながら、男子テニス部のエース。
「理由を話せ」
「コイツがチビって言った!」
「先に先輩がボクのことを馬鹿とかドジとか言ったんじゃないですか!」
「はぁ」
俊之が小さくため息を吐いて肩を落とす。
「お前らなぁ。ガキじゃないんだから」
「お前は」「先輩は」『どっちの味方なんだ(ですか)!!!』
「……二人ともグラウンド10周」
『ぇぇぇ!!』
「つべこべ言わずにさっさと行く!」
二人はしぶしぶグラウンドへ駆けていく。
「はぁ。馬鹿どもが」
「心中お察しするよ」
俊之の肩をたたく少年。男子テニス部の副部長。
「お前も止めろよ」
「あの二人……特に木ノ下を止めるのは俺には無理だ」
「ったく。どいつもこいつも」
「それにしても、良くお前はもつな」
「何がだ?」
「木ノ下だよ。あんなのと付き合って、大変だろ」
「……あいつはただの幼馴染だ。それ以上じゃないよ」
「そうなのか…そうか」
俊之は自分のカバンからラケットを取り出し、素振りを始める。
他の部員もそれにならって素振りを始めた。
学校の帰り道。
俊之と小太刀の二人が暗くなった道を歩いている。
「ねぇ」
「ん?」
「なんでもない」
1分後。
「ねぇ」
「ん〜?」
「…なんでもない」
俊之の一歩後ろを歩く小太刀。
心なしか元気が無い。
さらに2分後。
「ねぇ」
「なんだ?」
「………ごめん。なんでもない」
二人はそれ以外は一言も会話をしない。
小太刀に歩幅をあわせてゆっくり歩く俊之。
その後ろをトボトボと歩く小太刀。
3分後。
「ねぇ」
「………」
「ねぇってば」
「……また。なんでもないか?」
「え……あ………さっきの……本気?」
小太刀が立ち止まる。
それにあわせて俊之も立ち止まって振り向く。
「さっきの?」
「………幼馴染」
小太刀はうつむいて俊之の顔を見ようともしない。
「あぁ……そうだな」
「そう…なんだ」
小太刀の肩が震える。
「ごめんね。手のかかるワガママで……」
「まったくだ」
俊之が小太刀を優しく抱きしめる。
「ワガママなくせに、こう言うときは声も出さずに泣くんだな」
「だって……だって」
「小太刀」
「……ごめんなさい。ごめんなさい」
「うん」
「俊之のこと好き。大好きなの」
「うん………俺も。小太刀が好きだ」
「三回目だよね」
「そうだな」
幼馴染以上、恋人未満の関係。
過去にはお互いに惹かれながらも、関係を認めず、体を重ねたことも。
「今度はお互いに気持ちが通じ合ってるよね」
「あぁ」
俊之が下。小太刀が上。
小太刀の体は身長と同じく未発達だ、俊之の上にのるとまるで大人と子供。
「いれるね」
「あぁ」
小太刀がゆっくりと腰をおろすと、俊之のペニスが小太刀の中にズブズブとめりこんでゆく。
「んっ……ぁっ。俊之の…やっぱり、大きい」
「お前が小さいだけだ」
「ぶぅ」
段々と奥まではいっていく。
小太刀は少し辛そうな表情を見せる。
「はぁ…はぁ…奥まではいったよ」
「あぁ。すごい締め付けだ」
小太刀がそのまま倒れこみ抱き合う。
「あのね、俊之のは大きいんだよ……あゆちゃんとかキッチャとかの彼氏の話聞いてても俊之の大きいってわかるよ」
「他のヤツのみたんじゃなくてか?」
「……私は俊之以外の人には抱かれないもん」
「そうか。俺も……小太刀以外は抱かない」
「ん。ひゃっ」
小太刀の体が跳ねる。
俊之が下から突き上げたのだ。
「ぁ。んっ。だめ、まだ。激しいのは。ひゃぁん」
段々と小太刀の声に艶がこもり、瞳には涙が浮かび、頬が上気してくる。
「ぇっ。ぁ。もう、いっちゃう。あぁっっっっ」
小太刀は一際大きな声をあげて背をのけぞらせる。
「はぁはぁはぁ」
くたりと倒れこむ。
「今日はお互いに、気がすむまで……な」
「うん………俊之。大好きだ!!」