あのハロウィンから、はや2ヵ月が過ぎた。  
一週間くらいのあいだ咲季を直視できなかった事を除けば、  
別段変わりもなく仲の良い兄妹を続けていると思う。  
千晶の奴もなにやら創作活動が忙しいとかで特に動きはないようだ。  
至って平穏な日常だった。 少なくとも今日この日までは…  
 
今日は12月24日。  
街に流れる陽気な曲とサンタ服の売り子のせいで、嫌でも意識してしまう。  
恋人たちが愛を語らい、独り身の男がそれを呪う夜。  
そういえばクラスの友達から誘いが来てたな。去年は野郎三人でセカチューを鑑賞したとか。  
そんな寒い行事に参加するくらいなら、家族と過ごした方がマシだ。  
そんなわけで、家族4人で外食することになった。  
 
外食を終え、カラオケに行き、街のイルミネーションを見ながら歩いて帰る。  
もう何年もやってきた我が家のクリスマスの習慣。  
いつもと少し違ったのは、帰る途中に親父が耳打ちしてきたことだ。  
「悪いけど咲季と二人で先に帰ってくれないか」  
どうして? 振り返ると、親父の後ろで母親が「お願い!」と手を合わせていた。  
なるほど。夫婦水入らずなんて事を思い浮べながら、了承した。  
「ありがと。朝ご飯は冷蔵庫にあるもので適当に作ってね」  
………母上、さらっと朝帰り宣言ですか?  
 
 
街路樹の電飾を見ながら咲季と歩く帰り道。  
歩幅の狭い咲季に合わせ、ゆっくりゆっくり歩く。  
「綺麗だね」  
「ああ、綺麗だな」  
「寒いね」  
「んん、寒いな」  
言ってから咲季を見てみると、頬が少し赤みを帯びていた。  
咲季が はぁ と手に息をかけ、寒そうに擦り合わせる。その仕草が可愛くて、俺は咲季の手をとった。  
「ほら」  
「え? あ…」  
そのまま、俺の上着のポケットに招き入れた。冷えた左手が小さく震えているのが分かる。  
一瞬キョトンとした咲季だったが、すぐに目を綻ばせた。  
「あったか〜い」  
えへへ と笑って俺の右手を握り返す。二人手をつないで歩く帰り道。  
さっき以上に歩く速さに気を付けながら、ゆっくりゆっくり歩いた。  
 
 
落ち葉を蹴っ飛ばしながら、咲季が楽しそうにこぼす。  
「なんで雪降らないかなぁ、もー」  
ついさっき寒いと言った口からの一言に飽きれながらも、  
そんなふうにコロコロ変わる表情を守ってやりたいと思った。  
咲季は大事な、大事な妹だから…  
「ほら、あんまりはしゃいでると転ぶぞ」  
「はーい」  
「ったく… ん?」  
震えるポケット。電話は親父からだった。  
面倒なので出ないという選択肢も考えたが、緊急事態かもしれない。  
―――プッ  
「なに?」  
「もしもし、父さんだ。咲季にサンタのプレゼント渡しといてくれ。クローゼットに入ってるから」  
―――ブツッ  
一気にまくしたてられた。俺の意志は無視かよ。  
まあ、サンタクロースを信じる幼気な少女の夢を壊すわけにもいかないので、断れないのは確かだが。  
やれやれ と溜め息をつく傍らで咲季のクシャミが高く響いた  
 
 
家に着き、玄関の鍵を開けているときに少し離れた場所から声を掛けられた。  
ヤバいっ… その声に俺は戦慄する。  
「咲季! 早く入れ」  
「え? わっ」  
咲季を中に押し込め、バタンとドアを閉めた。  
「…何の用だ?」  
「ちょっとぉ、失礼ね」  
「何の用だと聞いている!」  
「大きな声出さないでよ、近所迷惑でしょ。これ、咲季ちゃんにプレゼント」  
千晶が2階の窓から投げて寄越したのは、この前のと同じくらいの大きさの小包み。  
「お前また何か企んでるな?」  
「残念だけど、今の私はそんなに暇じゃないの。じゃ、ちゃんと渡しといてね」  
俺が次の言葉を吐くより早く千晶は窓を閉じた。くそっ、今日はこんなパターンか。  
有無を言わさず掴まされたこの核弾頭、丁寧にラッピングされているために安全確認も出来やしない。  
やれやれ、と本日二度目の溜め息をつきながら玄関をくぐった。  
 
 
咲季はすでに風呂に入っているらしく、少しこもった歌声が聞こえてきた。  
妹よ、風呂場で歌うなんてオヤジっぽいぞ…  
「…つまでも……ないで いられるよな……ていたー なーに………らめいてー♪」  
よりによってその曲かよ。もうちょっと女の子らしい選曲があるだろ。  
そんなことを考えて笑いながら階段をのぼる。  
自室の机に小包みを置き、上着を脱いで一息ついた。  
俺が階下の居間に戻るのと咲季が風呂から上がるのは同時だった。  
「…つーいたいつかのめーりくりすまーす♪ あ、おにいちゃんお風呂空いたよー」  
「ん、あぁ。それより…」  
湯上がり卵肌とは言ったもので、桃色に染まったその肌は健康的な若さを主張している。  
そして艶やかに濡れた髪。それらに見惚れたのは一瞬で、  
「早く乾かさないと風邪ひくぞ」  
「わかってるよぉ」  
俺の促しに少し膨れっ面で答えてドライヤーのある脱衣所に向かう咲季。  
数分と待たず、ふわふわと細い髪を揺らしながら帰ってきた。  
そのまま、あぐらをかいてテレビを見ていた俺の上に座る。  
「ちょっ、おま…」  
鼻をくすぐるショートの猫っ毛と脚に感じるやわらかい重み。  
動揺する俺を尻目に、咲季はもたれかかるように体重を預けてきた。  
風呂上がりの火照った身体を押し付けながら振り向いて話しだす。  
「今日、楽しかったね」  
「あ、あぁ」  
「お母さんたちどこ行ったのかな?」  
「さぁ、用があるって言ってたからなあ。そのうち帰ってくるんじゃね?」  
「ふぅん」  
「ところでサキサン…」  
 
―――ドクン  
ヤバい、そろそろ限界だ。抑えろ、抑えるんだ俺。  
―――ドクン  
 
「もー辛抱たまらんっ」  
「きゃっ」  
「いいかげん重いっつーの!」  
「ひどーい、咲季そんなに太ってないもん」  
「あのなぁ… もういいや、お子様は早く寝な」  
「むー、はいはい」  
「はいは一回!」  
「…はい」  
少し涙目になりながら居間を出る咲季。  
(しまった、言いすぎちまったかな。そんなつもりじゃなかったのに)  
頭にのぼった血が引いて悪い後味に後悔していると、おずおずと咲季が戻ってきた。  
 
「おにいちゃん」  
「………」  
「おやすみなさい」  
先程の後悔が一層強く胸を苛む。咲季の頭を撫でて応えた。  
「おやすみ。それと、ごめんな」  
「うん、おやすみっ」  
その一言で笑顔に戻り二階の部屋に向かう咲季を見て胸を撫で下ろした。  
ほんと、コロコロ変わる表情だこと。  
 
 
風呂から上がりテレビを見ていた俺は、ふと時計に目をやった。  
1:00。そろそろいいか…  
両親の寝室に行き、クローゼットを開ける。中には結構な大きさの箱があった。  
平べったい形状と軽さから察するに洋服の類だろうか。  
両親からのプレゼントを持って咲季の部屋に向かった。  
ピンクのカーテンとピンクのカーペットに彩られ、  
赤い服を着た黄色い熊やリボンを付けた二頭身白猫のヌイグルミで飾られた部屋。  
ベッドのなかで静かに寝息を立てる咲季を起こさないよう、慎重に近づく。  
ベッドの支柱のひとつには可愛らしい靴下がかけてあった。  
この中に咲季の欲しいもの、つまり俺が手に持つ箱の中身が書かれたメモが入ってるはず。  
興味本位で取り出した紙に書かれてあったのは、理解に苦しむ一文だった。  
 
『おにいちゃんがほしい』「………へ?」  
 
??? 弟とかなら話は分かる。  
現に今このときにも弟が出来ようとしているかもしれないのだから。  
しかし兄となると… 養子縁組くらいしか手段が無いと思う。  
第一、兄貴は俺一人じゃ不満なのか?  
どうやら思い切り唸りながら考え事をしていたらしい。  
気付けば気怠そうな声をあげながら咲季が目を覚まそうとしていた。  
ヤバい、ここで起こしてしまったら…  
が、俺の姿を確認した咲季は一瞬固まったあと予想に反して飛び付いてきた。  
「おにいちゃん! やったぁ、サンタさんありがとう」  
疑問は一気に吹き飛んだ。“おにいちゃん”とは俺のことだったのか。  
しかし、またひとつ浮かんだ疑問が俺の思考を縛る。  
咲季が欲しいのは俺。咲季は俺を欲している。それはつまり… つまり?  
俺が答えを出すより早く、抱き付いた咲季が言葉を紡ぐ。  
「好きだよ、おにいちゃん。大好き」  
「…あ、あぁ。俺も大好きさ。咲季は自慢の妹だ」  
突き付けられた答えに、誤魔化すように俺は返した。  
「違う、違うよっ! 咲季はおにいちゃんのこと…」  
 
―――マズイ  
その先を言ってしまう前に俺はその口を手で塞いだ。  
ひとまず咲季を引き離し、出来るかぎりトーンを落として諭すように語る。  
「咲季… 自分が何を言おうとしたか分かってんのか? 今なら冗談にしといてやる。だから…」  
「…本気だよ」  
「咲季!」  
「本気だもん。咲季はおにいちゃんが好き。兄妹としてじゃなくて、男の人として」  
涙目で、震える声で。精一杯の勇気と重すぎる覚悟。そんな咲季の告白。  
拒むことは簡単だった。『兄妹だから』その一言が言えなかった。咲季を傷つけたくなかったから。  
それ以上に、俺自身咲季を愛してしまっていたから。  
ずっと胸にしまってきた想い。『大事な妹だから』と抑え込んできたこの忌むべき感情。  
でも、二人同じ想いならば  
「おに…ちゃん。やっぱり咲季じゃダメ、かなぁ」  
涙を流しながら笑ってみせる目の前の妹を、返事の代わりに強く抱き締めた。  
きっと、この一線を越えてしまえば元には戻れない。それでも俺は―――  
 
 
「ごめんな。こんなに泣かせて、悪い兄ちゃんだよな」  
「そんなことないよ、そんなこと… っ!?」  
みなまで言う前に俺は咲季の唇を奪った。この前と同じやわらかい唇。今回は少し涙の味がした。  
ただ唇を合わせるだけの子供みたいなキス。でも、長い長いキス。  
「んっ、ん… ぷはっ」  
苦しげに離れた咲季だったが、嬉しそうに目を細めて唇を触っている。  
次は触れるだけの短いキス。咲季の様子を伺いながらついばむように唇を吸う。  
目を閉じて震えながら次を待っている姿が俺の琴線に触れた。  
悪戯心に駆られた俺はゆっくりと咲季の横にまわる。そして  
「ひゃん」  
可愛い耳を軽く噛んだ。火照った唇に冷たい感触が心地いい。  
「もぉ」  
「ははは、ごめんごめん」  
「…ねえ、おにいちゃん。最後まで、して?」  
後頭部を鈍器で殴られたような衝撃。  
“お兄ちゃん安全装置”はもはや完全に沈黙していた。  
 
友達とそんな話をしてるのか、それともアイツに吹き込まれたのか。  
咲季がそういう知識を持っていることに多少は驚いたが、そんなことを気にする余裕は無かった。  
そっと抱き寄せ、髪を撫でる。僅かに震える肩を掴んでゆっくりと咲季の身体を横たえた。  
本当にいいのか? 口をついて出そうになったその言葉を呑み込む。  
今更そんなことを聞くのは不粋ってもんだろう。今度は俺が覚悟を決める番だ。  
咲季のパジャマのボタンをひとつずつ外していく。  
恐らく咲季に怖い思いをさせたくなかったからだろう。出来るかぎり優しく、丁寧に扱った。  
ボタンを外し終えたパジャマの前を開くとそこに以前のようなキャミソールはなく、  
代わりにキッズブラがあった。  
咲季は真っ赤になってそっぽを向いている。  
「可愛いよ、咲季」  
そういって、また唇を重ねる。照れ笑いする咲季の頬を撫で、先へ進んだ。  
 
 
パジャマのズボンを脱がし、パンツに手をかけると ビクッ と反応があった。  
「怖い?」  
「んーん、へーき。だから… おねがい」  
返事の代わりに軽いキスをした。  
この前は越えることはなかったこの薄い布一枚。恐らくはこれが最終防衛線。  
それでも俺は一気にそれをおろした。  
顔を出したそこは不安と、それ以上の期待で震えているように見える。  
壊れ物を扱うように恐る恐る触れたその柔肉は熱を帯びていて…  
(さすがに、あんまり濡れてないな)  
ぴたりと指先に貼りつくような感触に、無理に擦り上げるのを躊躇った。  
それなら―――  
 
「ちょっと、おにいちゃん! やめっ やぁん」  
そこに顔を近付けると咲季はひどく恥ずかしがった。  
太股で挟むように抵抗する咲季を無視して、唇にするようにキスをした。  
「いや?」  
「だってそんなとこ、きたないよぉ」  
「そんなことないよ。それにさっき風呂入ったばっかだろ?」  
「でもでも… んんっ」  
堂堂巡りになりそうだったので有無を言わさず舐め上げた。咲季の腰が跳ねる。  
咲季の乱れた息遣いと、淫らな水音がこの部屋を支配する。  
そこに嬌声が混じるのに時間はあまりかからなかった。  
「はっ あぁん ひゃうっ だめぇ また… んんっ」  
脚で俺の頭を強く挟み、腹を引き攣らせて達する咲季。  
今まで顔を埋めていたそこは尿とも唾液とも違うもので確かに潤っていた。  
 
 
(そろそろ俺も限界かな)  
痛々しいくらいに自己主張するのは、妹に欲情する俺の写し身。  
そのことを後ろめたいと思う余裕すら今の俺には無くて。  
勢い良くパンツを脱ぎ捨てた俺はもう一度咲季と唇を重ねた。  
「咲季?」  
「だいじょぶだよ。だから… ね? おにいちゃん」  
熱を帯びた咲季の瞳が最後のひと押しとなった。  
ゆっくりと、限界まで張り詰めたそれを入り口にあてがう。  
充分にほぐれたそこに敏感な先端が触れたとき、耐えがたい刺激が俺を襲った。  
「いくよ?」  
「ん、きて」  
ひと突き。返事の代わりに力強く貫いた。  
最奥まで届いても俺の全てを収められないほどの未熟。  
痛いくらいに締め付けてくるそこは、無惨に切り裂かれた傷口のように鮮血を滴らせて―――  
「い゙っ…んん゙………かはっ……あぁ」  
咲季は目を大きく見開き、口をぱくぱくと動かして悶えている。  
俺に出来るのは動きたい衝動を抑えることくらいだった。  
そっと髪を撫で、頭をかかえ込むように抱き寄せる。  
シャンプーの香りがふわりと鼻をくすぐった。  
 
 
「おにいちゃん」  
しばらくして弱々しい声が俺を呼んだ。  
咲季の息遣いはまだ荒いものの、さっきよりは落ち着いている。  
破瓜の痛みに慣れてきたのだろうか。  
「大丈夫か?」  
「んー、わかんない。痛くはないんだけど… なんかね、おまた痺れてるみたい」  
微笑みを浮かべる咲季の眼は喜びに濡れているように見えた。  
 
――――――愛しい―――――  
そう改めて思ったとき、俺を責め立てる衝動が強くなるのを感じた。  
「わりぃ、俺もう…」  
「いいよ。咲季へーきだから、おにいちゃんも良くなって」  
咲季が俺の背に両手をまわす。俺はゆっくりと腰を動かし始めた。  
愛液と血で滑りがよくなっているとはいえ相当にキツい。  
下手に動けば、そこは簡単に壊れてしまいそうで。  
それでも徐々に自制が利かなくなってきた。痛みを伴う快感が俺の脳を真っ白に蕩かす。  
「咲季、咲季っ」  
「くふっ おに…ちゃ…… はぁん」  
俺の背に深く爪を立てながら痛みに耐える咲季。  
雄としてのもっとも原始的な本能が俺を支配する。膣に―――  
「咲季、もう… くっ」  
「いちゃん、おにいちゃああぁぁぁんんんっ」  
咲季のナカに熱い精を放った。いつまでも止まないような錯覚さえある。  
咲季は大きく仰け反りビクビクと身体を震わせて、そのまま気を失ってしまった。  
 
「幸せそうな顔しやがって…」  
安らかに寝息を立てる咲季の顔を見ていると、悩んでいたことが馬鹿みたいに思えてくる。  
事後処理もそこそこに、咲季を抱くように俺も眠りについた。  
 
 
 
 
 
「…てよぉ、おにいちゃん。起きてってばぁ!」  
元気すぎる声で呼ばれ、頭を揺られての起床。  
お世辞にも良い目覚めとは言えない。目の前にコイツがいることを除けば、だが。  
「んだよ… んっん〜 ふぅ。どした?」  
「見て見て。ほら、おそとっ!」  
窓の外に目をやると、そこにはこの街に似つかわしくない銀世界が広がっていた。  
「雪、降ったんだな」  
「ねぇ、雪合戦しに行こっ」  
いや、ちょっと… 俺はいま非常に疲れてまして…  
ん? つーかサキサン、なんであなたそんなに元気なんですか。  
昨夜の情事を微塵も感じさせないはしゃぎっぷりに末恐ろしさを感じた。  
「あ、それとね」  
「ん?」  
外を見ていた俺は咲季の呼び掛けに振り向く。  
 
―――チュッ  
「ふふふっ、メリークリスマス」  
不意打ちに呆ける俺に微笑む咲季の笑顔は、先程の活発な少女とはまるで違う乙女のもの。  
そんなふうにコロコロ変わる表情を守ってやりたいと思った。  
咲季は大事な、大事な恋人だから…  
 
 
ひとしきり雪遊びに付き合ったあと、冷えた身体をストーブで温めながら咲季が尋ねてきた。  
「そういえばさ、昨日の千晶おねえちゃんは何だったの?」  
(しまった! すっかり忘れてた…)  
きっとロクでもないものなんだろうが、渡さなかったなんてバレたら何をされることか。  
ひょっとしたらこの前のキャンディーみたいに普通の物かもしれないし。  
「ん? ああ、咲季にクリスマスプレゼントだってさ」  
「ホント?」  
「うん… 俺の部屋の机の上においてるから、取ってきていいよ」  
 
数分後、咲季が首をかしげながら戻ってきた。  
「おにいちゃん… これ、何かなぁ?」  
袋から出てきたのは小さな箱。そこに書かれてあった文字は―――  
 
 
       明 る い 家 族 計 画  
 
 

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