外の寒さを遠くに思いながら、湯船でのんびり手足を伸ばしてたら、遊びに来てた従姉妹
のハルノがいきなりすっぽんぽんで風呂場に入ってきた。
「うわあっ」
「半分空けて。寒いんだから」
「ちょっとは遠慮しろって」
「入浴剤入れるよ」
「人の話を聞け」
見たこと無いくらい、でかい袋の入浴剤だった。ゲルの湯、と書いてある。ざーっと大量
の白い粉を入れて湯船をかき混ぜると、妙にどろっとした湯になった。
「なるほど冷めにくいかもな。アンカケかよ‥‥」
ハルノがするっと入ってきて、首まで浸かって身震いした。
「お兄ちゃんと入るの久しぶりだねえ」
そろそろまずいんじゃないか、とお湯を透かしてハルノの体を鑑賞しながら思う。
と、水面を、ときどき奇妙な細波がよぎるのに気がついた。まるで中に、目に見えない小
さな魚でもいるみたいに。不思議な蠢きは見る見る激しくなり、ぼくはハナギンチャクの
ような、密生した繊細な触手の束が、お湯の中にたなびくのを見たような気がした。
「あっ‥‥なんだか変だよこのお湯」
「粉を入れすぎたんじゃないか」
ゼリーの感触が、生き物のように、素肌の上を流れていく。そして狙ったように局部にま
とわりついてくる。たちまち勃起したぼくの根元から先端に向かって、ゼリーの指が優し
く絞るように揉みしだいた。
「お兄ちゃん、入ってくる、入ってくるよ」
ハルノがしがみついてきた。
女の子の肌って、なんでこんなに触り心地がいいんだろう。
ぎゅっと抱き合ったぼくたちを、温かいアメーバが優しく包んで愛撫する。二人の体のわ
ずかな隙間に流れ込んだゼリーは、その時だけ勢いを増して、敏感な部分を責めていく。
ハルノが両脚をぼくの腰に絡め、大事な所をゼリーからかばうように締め付けると、小さ
な熱い棘が、ぼくのに押しつけられた。ハルノは一瞬びくっと痙攣し‥‥それから腰を使
って体中をぼくにこすりつけた。ハルノの乳首が二人の間で転がった。
「ハルノ‥‥やめて‥‥」
「だめ‥‥とまらないよ‥‥」
すべすべのハルノのお腹。
「あっ、お兄ちゃん、お腹に何か出てるよ」
「ご、ごめん」
「何か来るよ、来る‥‥」
ぼくたちは、それから何分も、蠢くゼリーになぶられ続けたけれど、だんだん動きが弱ま
ってきたので、その隙に湯船を這い出した。
二人ともフラフラだった。洗い場に四つんばいになって呼吸を整えているハルノのお尻に、
透明なリボン状の触手がまだ潜り込んでいたので、ずるずるっと引き抜いてやったら、ハ
ルノは恥ずかしそうにくすくす笑いながら、大の字に転がった。
あそこもお尻も、うんといじられて真っ赤になっていて、お腹から胸にかけてぼくの精液
でべとべとで、ひどい有様だったけど、見ているうちに心臓がまたドキドキしてきた。
「あんまり見ないでよ」
腕で目を隠しながら、ハルノが微笑んだ。